数学科のGrant Proposal って...
恥ずかしながら私は自分でグラントに応募したことがまだない。
グラントを持っていないWS大の新しい専任教員は、
手始めに学内のグラントに応募することで練習を積む仕組みに
なっている。ただ、このグラントも取るのはそんなに簡単では
なくて倍率はおそらく5〜6倍くらいである。
当たると審査に通ると$10,000もらえるらしい。
宝くじみたいなので
金額が高いと余計に当たらない通らない気がしてしまう(笑)。
先輩のassistant professor は4年目くらいだけど
まだ取れていないと言っていた。
もっともWS大数学科全体で見ると
政府系のグラントをガンガン取ってきてる人なんかも結構いて
WS大も捨てたもんじゃないなと妙に誇らしかったりする。
それで先週からそれを一生懸命書いているのだけど、
どうも満足感がない。数学の研究は別に設備が必要な
わけでもないから大してお金がかからない。
もちろん出張したりすれば
ある程度のお金はかかるかも知れないが、
たかが知れている。
理論分野は良い論文に賞金を
出す制度に変えればいいのに
などと思ってしまう。
まあ、そんなわけでブツブツいいながら
ドラフトを書いている。

グラントを持っていないWS大の新しい専任教員は、
手始めに学内のグラントに応募することで練習を積む仕組みに
なっている。ただ、このグラントも取るのはそんなに簡単では
なくて倍率はおそらく5〜6倍くらいである。
宝くじみたいなので
金額が高いと余計に
先輩のassistant professor は4年目くらいだけど
まだ取れていないと言っていた。
もっともWS大数学科全体で見ると
政府系のグラントをガンガン取ってきてる人なんかも結構いて
WS大も捨てたもんじゃないなと妙に誇らしかったりする。
それで先週からそれを一生懸命書いているのだけど、
どうも満足感がない。数学の研究は別に設備が必要な
わけでもないから大してお金がかからない。
もちろん出張したりすれば
ある程度のお金はかかるかも知れないが、
たかが知れている。
理論分野は良い論文に賞金を
出す制度に変えればいいのに
などと思ってしまう。
まあ、そんなわけでブツブツいいながら
ドラフトを書いている。

日本のアドバンテージは低賃金であるという説
最近、中国やインドが伸びているのは、
所得格差がグローバリゼーションに
よって埋まっている最中だから、
という説明に特に疑念はない。
だから、日本は高付加価値の商品開発とか、
知識集約型の産業に集中しなきゃいけない
という意見もよく分かる。
それでは、なぜ知識集約型の産業は日本に
アドバンテージがあるのだろうか。
確かに、日本企業が持っている組織のリサーチ力とか
カイゼンのノウハウというのは素晴らしいと思う。
しかし、もし海外の技術者の賃金が日本よりも安いのであれば、
それこそ中国やインドに大きな研究所を作って
そそこで研究者をたくさん雇ってそのノウハウを使えばいい。
そういう流れがそれほど大きくならないのは
単に日本人技術者の給料が安いからだと思う。
少し詳しく説明しよう。
中国やインドのほとんどの職種の賃金は日本より安い。
その結果、一番生産性の高い優秀な層は、
アメリカの大学院に留学して学位を取る。
そのうちの多くはアメリカに就職し
一部は母国に帰って仕事に就く。
いずれにしても、最優秀層は米国と母国の待遇を
比較して仕事を選べるので賃金に裁定が働く。
(アメリカのエンジニアの賃金についてはLilacさんの記事を参照)
もちろん物価水準は違うので賃金も多少異なるが
人やお金の移動が自由である以上、
名目為替レートでも十分な裁定が働く。
少なくとも、新卒PhDで5〜10万ドル程度の年俸を
提示しなければ研究・開発部門で使える
まともな人材を取る事は難しいだろう。
その結果、研究・開発などの仕事につけるレベルの人材は、
インド人や中国人よりも日本人の方が賃金が安い
のではないかと思う。
日本は、そうした人材を日本で安価で大量に採用し
文字通り昼夜を問わず研究・開発を進める。
どうりで日本企業の研究開発力は素晴らしいわけだ。
「日本は知識集約型の産業に転換を」
なんて言うと格好よく聞こえるが、
一歩間違えれば、
「頭脳労働者でも低賃金な日本」
になりかねない点には注意が必要だ。

所得格差がグローバリゼーションに
よって埋まっている最中だから、
という説明に特に疑念はない。
だから、日本は高付加価値の商品開発とか、
知識集約型の産業に集中しなきゃいけない
という意見もよく分かる。
それでは、なぜ知識集約型の産業は日本に
アドバンテージがあるのだろうか。
確かに、日本企業が持っている組織のリサーチ力とか
カイゼンのノウハウというのは素晴らしいと思う。
しかし、もし海外の技術者の賃金が日本よりも安いのであれば、
それこそ中国やインドに大きな研究所を作って
そそこで研究者をたくさん雇ってそのノウハウを使えばいい。
そういう流れがそれほど大きくならないのは
単に日本人技術者の給料が安いからだと思う。
少し詳しく説明しよう。
中国やインドのほとんどの職種の賃金は日本より安い。
その結果、一番生産性の高い優秀な層は、
アメリカの大学院に留学して学位を取る。
そのうちの多くはアメリカに就職し
一部は母国に帰って仕事に就く。
いずれにしても、最優秀層は米国と母国の待遇を
比較して仕事を選べるので賃金に裁定が働く。
(アメリカのエンジニアの賃金についてはLilacさんの記事を参照)
もちろん物価水準は違うので賃金も多少異なるが
人やお金の移動が自由である以上、
名目為替レートでも十分な裁定が働く。
少なくとも、新卒PhDで5〜10万ドル程度の年俸を
提示しなければ研究・開発部門で使える
まともな人材を取る事は難しいだろう。
その結果、研究・開発などの仕事につけるレベルの人材は、
インド人や中国人よりも日本人の方が賃金が安い
のではないかと思う。
日本は、そうした人材を日本で安価で大量に採用し
文字通り昼夜を問わず研究・開発を進める。
どうりで日本企業の研究開発力は素晴らしいわけだ。
「日本は知識集約型の産業に転換を」
なんて言うと格好よく聞こえるが、
一歩間違えれば、
「頭脳労働者でも低賃金な日本」
になりかねない点には注意が必要だ。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
海外流出ってえらいの?
城さんのブログの「海外脱出する覚悟」で知ったのだが
若者の海外流出が話題になっているらしい。
え?そうなの?と思ってリンク先を見たら
「若者の海外流出が話題に」なんて話が地味に記事になっている。
確かに自分は実際に海外で働いているので
どういう経緯でそうなったのかを
誰かの参考になればと願いながら、
書いておきたいと思う。
まず、私には別に海外で働きたいという意思は全くない。
アメリカで働きたい、と言ってアメリカに来る日本人が
たくさんいるのは知っているが、私は共感できない。
(もちろん、日本とアメリカでは社会の仕組みが違うので、
アメリカの方がやりやすいという性格の人がいるのは解る。)
では何故海外で働くことになったのか。
そのイメージは、一言で言い表すと裁定取引だ。
自分は小さな投資家で、生活のために
東京で買ったベンチャー企業を売らなければいけない。
東京市場はリスク回避的で良い買い手が現れないので、
仕方なく、アメリカ、イギリス、香港、シンガポール、カナダ
でセールストークをしてみたら、たまたまアメリカで
買い手が付いたのですぐに売った。
一人の人間なんて世界の中では小さな粒子にすぎず
粒子自体にある程度の特徴はあっても、
結局自然の摂理に従って運動するだけだ。
私は、仕事で経済予測みたいなことをやったことがあったので
日本やアメリカの将来のことを考える事もよくあるが、
それでも自分の将来を決める上で勤務地は大した要素ではない。
そもそもマクロの経済と自分の置かれる状況は一致しないので
あまり参考にもならないと思う。
私の場合には、純粋にどの仕事をやってみたいかが
意思決定のほとんどの部分を占めている。
そんなわけで、
海外脱出する覚悟やビジョンなんて全然必要ないし、
意味があるわけでもないし、
誰もそんなものを持っていなくても
国が相対的に貧しくなれば
自然と流出する人は増えるだろう。
個人的には日本からの流出はこれから増えると思うが
数十年で国が傾くほどにはならないと思う。
優秀な学生がゴールドマン・サックスに流れても
三菱UFJ銀行も巨額の業務純益を維持している
のと似たような構図と言ってよい。
少し抽象的で分かりにくいだろうか。
就職面接の時の応答を二つほど再現してみる。
質問1:
「あなたはアメリカで働きたいのか?それとも日本の方がいいか?」
(米企業の日本人面接官)
回答1:
「仕事内容で選ぶ。労働条件が全く同じなら日本の方がいいが
同じになる事はないので勤務地はあまり関係ない。」
質問2:「日本人のあなたが何故、香港で働こうと思ったのか?」
(香港の大学の香港人面接官)
回答2:
「香港は金融の中心であり地理的には研究上のメリットは大きい。
確かに英語より日本語で仕事が出来た方がいいが、語学のデメリット
は時間と共に減少するので主要な問題とは考えていない。」
面接官が額面通り受け取ってくれたかどうか定かではないが
私は額面通り答えただけだ。

若者の海外流出が話題になっているらしい。
え?そうなの?と思ってリンク先を見たら
「若者の海外流出が話題に」なんて話が地味に記事になっている。
確かに自分は実際に海外で働いているので
どういう経緯でそうなったのかを
誰かの参考になればと願いながら、
書いておきたいと思う。
まず、私には別に海外で働きたいという意思は全くない。
アメリカで働きたい、と言ってアメリカに来る日本人が
たくさんいるのは知っているが、私は共感できない。
(もちろん、日本とアメリカでは社会の仕組みが違うので、
アメリカの方がやりやすいという性格の人がいるのは解る。)
では何故海外で働くことになったのか。
そのイメージは、一言で言い表すと裁定取引だ。
自分は小さな投資家で、生活のために
東京で買ったベンチャー企業を売らなければいけない。
東京市場はリスク回避的で良い買い手が現れないので、
仕方なく、アメリカ、イギリス、香港、シンガポール、カナダ
でセールストークをしてみたら、たまたまアメリカで
買い手が付いたのですぐに売った。
一人の人間なんて世界の中では小さな粒子にすぎず
粒子自体にある程度の特徴はあっても、
結局自然の摂理に従って運動するだけだ。
私は、仕事で経済予測みたいなことをやったことがあったので
日本やアメリカの将来のことを考える事もよくあるが、
それでも自分の将来を決める上で勤務地は大した要素ではない。
そもそもマクロの経済と自分の置かれる状況は一致しないので
あまり参考にもならないと思う。
私の場合には、純粋にどの仕事をやってみたいかが
意思決定のほとんどの部分を占めている。
そんなわけで、
海外脱出する覚悟やビジョンなんて全然必要ないし、
意味があるわけでもないし、
誰もそんなものを持っていなくても
国が相対的に貧しくなれば
自然と流出する人は増えるだろう。
個人的には日本からの流出はこれから増えると思うが
数十年で国が傾くほどにはならないと思う。
優秀な学生がゴールドマン・サックスに流れても
三菱UFJ銀行も巨額の業務純益を維持している
のと似たような構図と言ってよい。
少し抽象的で分かりにくいだろうか。
就職面接の時の応答を二つほど再現してみる。
質問1:
「あなたはアメリカで働きたいのか?それとも日本の方がいいか?」
(米企業の日本人面接官)
回答1:
「仕事内容で選ぶ。労働条件が全く同じなら日本の方がいいが
同じになる事はないので勤務地はあまり関係ない。」
質問2:「日本人のあなたが何故、香港で働こうと思ったのか?」
(香港の大学の香港人面接官)
回答2:
「香港は金融の中心であり地理的には研究上のメリットは大きい。
確かに英語より日本語で仕事が出来た方がいいが、語学のデメリット
は時間と共に減少するので主要な問題とは考えていない。」
面接官が額面通り受け取ってくれたかどうか定かではないが
私は額面通り答えただけだ。

全米犯罪率ランキング - デト口イトはNo.1ではない
CQ Press という出版社が、FBIのデータを元に
全米の人口75,000人以上の都市の犯罪率をランキングしている。
masayang氏のブログで知ったのだが今年のランキングが出たらしい。
デトロイト市は、393都市中で4位、昨年の3位から一つ改善した。
Oakland, CA および、St. Louis, MO と逆転したらしい。
デトロイトより危険ってどんだけ〜、と思ってしまう。
ちなみにアパートを借りているト口イ市は356位でかなり安全だ。
他にもデトロイト郊外には結構、安全な街が多い。
危ない人たちをダウンタウンに残してきたのだから
当然と言えば当然といえる。
それにしても、
官庁統計を元にデータを加工しただけで
高い値段で売ってる
ってどんだけ商売しやすい国なんだ、
アメリカは。
統計のフェア・ユースの考え方が広まっているアメリカでは
利用可能な統計の範囲が日本に比べて格段に広い。
もうちょっと言うと、日本が異様に厳しいだけで、
アジアなどはアメリカよりユルユルな方が普通らしい。
自分も、その辺に落ちているデータで一儲けしてみたいものだ。

全米の人口75,000人以上の都市の犯罪率をランキングしている。
masayang氏のブログで知ったのだが今年のランキングが出たらしい。
デトロイト市は、393都市中で4位、昨年の3位から一つ改善した。
Oakland, CA および、St. Louis, MO と逆転したらしい。
デトロイトより危険ってどんだけ〜、と思ってしまう。
ちなみにアパートを借りているト口イ市は356位でかなり安全だ。
他にもデトロイト郊外には結構、安全な街が多い。
危ない人たちをダウンタウンに残してきたのだから
当然と言えば当然といえる。
それにしても、
官庁統計を元にデータを加工しただけで
高い値段で売ってる
ってどんだけ商売しやすい国なんだ、
アメリカは。
統計のフェア・ユースの考え方が広まっているアメリカでは
利用可能な統計の範囲が日本に比べて格段に広い。
もうちょっと言うと、日本が異様に厳しいだけで、
アジアなどはアメリカよりユルユルな方が普通らしい。
自分も、その辺に落ちているデータで一儲けしてみたいものだ。

オンラインバンク・冬の時代
店舗を持たないオンラインの銀行は
一般銀行に比べ高いオペレーションコストを
抑えられるので預金者に高金利を払うことができる。
金利が正常な水準な時には、銀行間の翌日物金利
(アメリカならFF rate より若干低い金利)
を払うことが多かった。
銀行は、翌日までの資金であれば市場からほぼ
FF金利で調達することができるので、
これよりやや低い金利で預金を調達するのは
理にかなっているように見える。
しかし、金利が極端に下がった昨今では
オンラインバンクは市場金利より高い金利を
預金者に払っている。
現在、FF金利は0.13%前後だが、
Bankrate.com によるとオンラインバンクの
普通預金(Savings Account)の金利を見てみると、
Bank of Internet USA: 1.70 APY (*1)
Capital One Direct: 1.70 APY
WTDirect: 1.50 APY
HSBC Direct: 1.35 APY
ING Direct: 1.30 APY
等となっている。
これらは比較的大きな銀行だし
破綻リスクが高いわけではない。
しかも、銀行預金には現在25万ドルまで預金保険がつく。
信用リスクで金利が上がっているわけではない。
信用度の低い銀行が、より高い金利を提示している
という傾向もあまり見られない。
似た現象は日本でも見られる。
特にオンラインバンクの創業期の2000年代初頭
にはこうした現象が顕著で、それが重荷となって
オンラインバンクは長らく赤字であった。
これに対する一つの説明は、
金利が上がった時に備えているようというものだ。
銀行の預金残高は普通預金であっても
全体としてみればそれほど大きく
変動するわけではないので
金利が高くなった時に得られる利鞘を見越して
超低金利下でも高めの金利を設定する。
普通預金は契約上は短期資金だが、
統計的には長期資金とみなすことができる。
そして金利は通常の長期資金より低い。
もちろん、銀行が調達難に直面している
という面もないわけではない。
銀行は住宅ローンや企業貸付など長期で
資金を調達しているが、満期の遠い調達資金には
銀行と言えども大きなプレミアムがつく。
貸出は急には減らせないので、
預金の方もある程度のコストを払ってでも
維持する必要が出てくる。
現在のアメリカの銀行の利鞘
(FFレートとプライム貸出レートのスプレッド)
は約3%あるので、
預金者に1%台半ばの金利を払っても、
直ちに逆ザヤになるわけではない。
オンラインバンキングの預金というのは
クリック一つで簡単に動かせるので
銀行が長期的な戦略で金利を上げている
というのはいまひとつしっくりこない面も
あるのだが、日米の異なる経済環境で
同様の現象が観察されていることを見れば
それなりに合理的な理由があるのだろう。
ちなみに、オンラインバンキングはSSNを
持っていないと開設できないことが多い。
オンラインだけでの手続きになるので
資金洗浄関係のリスクに敏感なのだろう。
また、先日、日本の銀行からアメリカの
某オンラインバンクの自分の口座に送金をかけたら、
受け取り拒否で戻ってきてしまった。
オンラインバンクは、
あくまでも貯蓄用の2番目の口座として使うのが
賢明なようだ。

一般銀行に比べ高いオペレーションコストを
抑えられるので預金者に高金利を払うことができる。
金利が正常な水準な時には、銀行間の翌日物金利
(アメリカならFF rate より若干低い金利)
を払うことが多かった。
銀行は、翌日までの資金であれば市場からほぼ
FF金利で調達することができるので、
これよりやや低い金利で預金を調達するのは
理にかなっているように見える。
しかし、金利が極端に下がった昨今では
オンラインバンクは市場金利より高い金利を
預金者に払っている。
現在、FF金利は0.13%前後だが、
Bankrate.com によるとオンラインバンクの
普通預金(Savings Account)の金利を見てみると、
Bank of Internet USA: 1.70 APY (*1)
Capital One Direct: 1.70 APY
WTDirect: 1.50 APY
HSBC Direct: 1.35 APY
ING Direct: 1.30 APY
等となっている。
これらは比較的大きな銀行だし
破綻リスクが高いわけではない。
しかも、銀行預金には現在25万ドルまで預金保険がつく。
信用リスクで金利が上がっているわけではない。
信用度の低い銀行が、より高い金利を提示している
という傾向もあまり見られない。
似た現象は日本でも見られる。
特にオンラインバンクの創業期の2000年代初頭
にはこうした現象が顕著で、それが重荷となって
オンラインバンクは長らく赤字であった。
これに対する一つの説明は、
金利が上がった時に備えているようというものだ。
銀行の預金残高は普通預金であっても
全体としてみればそれほど大きく
変動するわけではないので
金利が高くなった時に得られる利鞘を見越して
超低金利下でも高めの金利を設定する。
普通預金は契約上は短期資金だが、
統計的には長期資金とみなすことができる。
そして金利は通常の長期資金より低い。
もちろん、銀行が調達難に直面している
という面もないわけではない。
銀行は住宅ローンや企業貸付など長期で
資金を調達しているが、満期の遠い調達資金には
銀行と言えども大きなプレミアムがつく。
貸出は急には減らせないので、
預金の方もある程度のコストを払ってでも
維持する必要が出てくる。
現在のアメリカの銀行の利鞘
(FFレートとプライム貸出レートのスプレッド)
は約3%あるので、
預金者に1%台半ばの金利を払っても、
直ちに逆ザヤになるわけではない。
オンラインバンキングの預金というのは
クリック一つで簡単に動かせるので
銀行が長期的な戦略で金利を上げている
というのはいまひとつしっくりこない面も
あるのだが、日米の異なる経済環境で
同様の現象が観察されていることを見れば
それなりに合理的な理由があるのだろう。
ちなみに、オンラインバンキングはSSNを
持っていないと開設できないことが多い。
オンラインだけでの手続きになるので
資金洗浄関係のリスクに敏感なのだろう。
また、先日、日本の銀行からアメリカの
某オンラインバンクの自分の口座に送金をかけたら、
受け取り拒否で戻ってきてしまった。
オンラインバンクは、
あくまでも貯蓄用の2番目の口座として使うのが
賢明なようだ。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
ミシガンの失業率が15.1%に低下
今日は、アメリカの州毎の失業率のデータが公表された。
全米の10月の失業率は10.2%(前月比+0.4%ポイント)
となって16年ぶりに10%を超えたが、ミシガン州の失業率は
15.1%と、どうやらこのところ横ばいからやや低下になって
来た模様。デトロイト圏の失業率は、前月のデータだが17.3%で
ミシガン平均よりも2%ポイントほど悪い。
自動車販売が落ち着いてきたことが理由だろう。アメリカの
自動車販売は金融危機後の信用収縮で年間1600-1700万台ペース
だったのが年間900-1000万台ペースまでものすごい勢いで縮小した。
しかし、自動車の耐用年数はせいぜい10数年だし、車を使う人数
は大して減っていない。年間1200万台半ばくらいまでは
結構簡単に回復するんじゃないかと勝手に思っている。
ところで、
日本は金融危機で景気は悪くなったけど
信用収縮は大してなかったはず。
なのに自動車販売があんなに減少した理由がよく分からない。
日本に住んでいたら感覚で分かったのだろうか?
説明できる方がいたら、教えていただきたい。
(個人的には、日本人には元々車が必要ない人が多くて
景気が悪くなったので、そういう無駄なところを削る人が
一気に増えました、というストーリーだと思っている。)
話はそれるが、通勤用のスバルを整備に出さなければ。
今回は、最初からディーラーに行こうと思う(笑)。
怪しい自動車修理工場に行くと →1日目、2日目、3日目。

全米の10月の失業率は10.2%(前月比+0.4%ポイント)
となって16年ぶりに10%を超えたが、ミシガン州の失業率は
15.1%と、どうやらこのところ横ばいからやや低下になって
来た模様。デトロイト圏の失業率は、前月のデータだが17.3%で
ミシガン平均よりも2%ポイントほど悪い。
自動車販売が落ち着いてきたことが理由だろう。アメリカの
自動車販売は金融危機後の信用収縮で年間1600-1700万台ペース
だったのが年間900-1000万台ペースまでものすごい勢いで縮小した。
しかし、自動車の耐用年数はせいぜい10数年だし、車を使う人数
は大して減っていない。年間1200万台半ばくらいまでは
結構簡単に回復するんじゃないかと勝手に思っている。
ところで、
日本は金融危機で景気は悪くなったけど
信用収縮は大してなかったはず。
なのに自動車販売があんなに減少した理由がよく分からない。
日本に住んでいたら感覚で分かったのだろうか?
説明できる方がいたら、教えていただきたい。
(個人的には、日本人には元々車が必要ない人が多くて
景気が悪くなったので、そういう無駄なところを削る人が
一気に増えました、というストーリーだと思っている。)
話はそれるが、通勤用のスバルを整備に出さなければ。
今回は、最初からディーラーに行こうと思う(笑)。
怪しい自動車修理工場に行くと →1日目、2日目、3日目。

人間は確率を感覚で理解できるか?
よくある素朴な確率に関する疑問として、
「なんで、期待値が小さくてリスクが大きい
宝くじをみんな買うのだろうか?」
というのがある。
経済学をやっている人などは、
これに対して色々な説明を考え出す。
「横軸に利得、縦軸に効用をとると
効用関数は逆S次カーブをしており、
非常に大きな利得の効用が大きくなっている」
とか、
「いや、大きな利得によって可能になる
意思決定(会社を辞める等)の効用が
非常に大きいので効用関数が不連続なのだ」
とか説明する。
なんとなく尤もらしく聞こえるのだが、
どうも納得がいかない。一番大きな理由は、
人々はそんなに小さな確率をきちんと
評価できるわけがない、という直感だ。
脳が多層パーセプロトロンでできているとして
百万分の一単位の確率を2〜3倍の誤差(*1)で
正確に判定できるように学習させられる
とはとても思えない。
(*1) 3倍の誤差があれば、宝くじを
買うかどうかは正しく判断できない。
脳を確率的に学習させる有力な手段は
ポーカーやマージャンだろうが、
子供の頃トランプが好きだった自分でも
フラッシュ(1/509)がストレート(1/255)より
難しいのが、なんとか分かる程度だ。
それも、強いハンドの方が確率が低い
ということを知らされていたので
先入観のせいかも知れない。
もっと、極端な例を出そう。
私は子供の頃、4人家族だった。
お風呂に入ると毎日シャンプーや石鹸が
減っていくが、他の人がたくさん使っている
のだろうくらいに思って気に留めていなかった。
それが、一人で暮らしてみると、
それが思いのほか早く減っていくのに少し驚いた。
数学をやっていた学生が、高々4分の1程度
の確率も正確に認識できていなかったということになる。
確率を直感で比較する事は比較的易しいが、
確率の水準自体を直感で認識するのは極めて難しい。
公平なサイコロを振った時
1の目が出る確率はもちろん6分の1だが、
よく考えてみると私は
これを直感で認識できていないと思う。
数と論理を使って確率を計算したから
6分の1だと分かるだけだ。
結局、正しい確率的な判断をするには
きちんと数学を使って理解することが必要で
数学を使わない確率的な判断の信頼性などというのは
サルと変わらないレベルなのだろう。

「なんで、期待値が小さくてリスクが大きい
宝くじをみんな買うのだろうか?」
というのがある。
経済学をやっている人などは、
これに対して色々な説明を考え出す。
「横軸に利得、縦軸に効用をとると
効用関数は逆S次カーブをしており、
非常に大きな利得の効用が大きくなっている」
とか、
「いや、大きな利得によって可能になる
意思決定(会社を辞める等)の効用が
非常に大きいので効用関数が不連続なのだ」
とか説明する。
なんとなく尤もらしく聞こえるのだが、
どうも納得がいかない。一番大きな理由は、
人々はそんなに小さな確率をきちんと
評価できるわけがない、という直感だ。
脳が多層パーセプロトロンでできているとして
百万分の一単位の確率を2〜3倍の誤差(*1)で
正確に判定できるように学習させられる
とはとても思えない。
(*1) 3倍の誤差があれば、宝くじを
買うかどうかは正しく判断できない。
脳を確率的に学習させる有力な手段は
ポーカーやマージャンだろうが、
子供の頃トランプが好きだった自分でも
フラッシュ(1/509)がストレート(1/255)より
難しいのが、なんとか分かる程度だ。
それも、強いハンドの方が確率が低い
ということを知らされていたので
先入観のせいかも知れない。
もっと、極端な例を出そう。
私は子供の頃、4人家族だった。
お風呂に入ると毎日シャンプーや石鹸が
減っていくが、他の人がたくさん使っている
のだろうくらいに思って気に留めていなかった。
それが、一人で暮らしてみると、
それが思いのほか早く減っていくのに少し驚いた。
数学をやっていた学生が、高々4分の1程度
の確率も正確に認識できていなかったということになる。
確率を直感で比較する事は比較的易しいが、
確率の水準自体を直感で認識するのは極めて難しい。
公平なサイコロを振った時
1の目が出る確率はもちろん6分の1だが、
よく考えてみると私は
これを直感で認識できていないと思う。
数と論理を使って確率を計算したから
6分の1だと分かるだけだ。
結局、正しい確率的な判断をするには
きちんと数学を使って理解することが必要で
数学を使わない確率的な判断の信頼性などというのは
サルと変わらないレベルなのだろう。

アメリカの大学生は試験前にインフルになる
統計の入門クラスの2回目の中間試験が終了。
うちの大学には、
インフルエンザに罹った場合は診断書なしに
授業や試験を休む権利があるというおバカなルール
が存在するので季節に関わらずインフルエンザが大流行である。
試験をやっている部屋まで来て、
「昨日までインフルエンザに罹っていたので追試を受けさせてくれ」
と言ってきた学生には流石に苦笑した。
講師が一番気を使うのは公平性なのに、
試験会場で堂々とそんなことを言う奴は試験以前に
社会で成功する見込みがない。
試験内容だが、統計の入門コースの試験というのは
問題の作り方に悩む。「95%信頼区間を求めよ」なんて問題は
公式に値を代入すれば、中学生でも計算可能なので意味が無い。
そこを何とか意味を理解していないと解けない問題を作る。
一つは、○×問題だ。これはちゃんと理解していないと解けない。
100点満点のうち44点を○×にした。分からない問題は
スキップすれば点数が半分もらえるようにしてある。
それでも配点が大きいのでみんな必死に解く。
もう一つは、穴埋めだ。中心極限定理を理解していないと
流れが把握しにくい穴埋めを出題した。
ただ、穴埋め問題というのは作題者と回答者の意思疎通が難しいので、
思うように実力を試せないことが多いように思う。
計算問題は、信頼区間をわざと96%とかにして
自分で一から計算せざるを得ないようにしておく。
ついでに、「独立な3つの標本を使って96%信頼区間を
3つ求めた時、3つの信頼区間全部が真のパラメータを
含む確率は?」みたいに、信頼区間の定義を理解して
いないと解けない問題も用意する。
基礎的な問題が解けない学生も結構いるので、
結果はボロボロで平均点は50点だった。
(注:全部白紙で出しても○×の分があるので22点になる。)
しかし、前にも書いたがWS大はほとんどの学生が
交通の便を理由に入ってくるので、できる学生はちゃんといる。
偏差値で輪切りの大学もつまらないが、
このバラツキの大きさはなんとかならないものか。
ちなみに試験問題のTeX ソースファイルは、
こちら。
(自前のマクロは除いたので普通にお手元のパソコンでコンパイルできるはず)

うちの大学には、
インフルエンザに罹った場合は診断書なしに
授業や試験を休む権利があるというおバカなルール
が存在するので季節に関わらずインフルエンザが大流行である。
試験をやっている部屋まで来て、
「昨日までインフルエンザに罹っていたので追試を受けさせてくれ」
と言ってきた学生には流石に苦笑した。
講師が一番気を使うのは公平性なのに、
試験会場で堂々とそんなことを言う奴は試験以前に
社会で成功する見込みがない。
試験内容だが、統計の入門コースの試験というのは
問題の作り方に悩む。「95%信頼区間を求めよ」なんて問題は
公式に値を代入すれば、中学生でも計算可能なので意味が無い。
そこを何とか意味を理解していないと解けない問題を作る。
一つは、○×問題だ。これはちゃんと理解していないと解けない。
100点満点のうち44点を○×にした。分からない問題は
スキップすれば点数が半分もらえるようにしてある。
それでも配点が大きいのでみんな必死に解く。
もう一つは、穴埋めだ。中心極限定理を理解していないと
流れが把握しにくい穴埋めを出題した。
ただ、穴埋め問題というのは作題者と回答者の意思疎通が難しいので、
思うように実力を試せないことが多いように思う。
計算問題は、信頼区間をわざと96%とかにして
自分で一から計算せざるを得ないようにしておく。
ついでに、「独立な3つの標本を使って96%信頼区間を
3つ求めた時、3つの信頼区間全部が真のパラメータを
含む確率は?」みたいに、信頼区間の定義を理解して
いないと解けない問題も用意する。
基礎的な問題が解けない学生も結構いるので、
結果はボロボロで平均点は50点だった。
(注:全部白紙で出しても○×の分があるので22点になる。)
しかし、前にも書いたがWS大はほとんどの学生が
交通の便を理由に入ってくるので、できる学生はちゃんといる。
偏差値で輪切りの大学もつまらないが、
このバラツキの大きさはなんとかならないものか。
ちなみに試験問題のTeX ソースファイルは、
こちら。
(自前のマクロは除いたので普通にお手元のパソコンでコンパイルできるはず)

取引コストと最適な取引戦略(応用数学セミナー)
今日の応用数学セミナーのスピーカーは
ミシガン大の Qingshuo Song 氏で、タイトルは
"Existence of Optimal Impulse Control
on Portfolio Optimization with Transaction Cost."
連続時間のモデルなので、詳細は分からないのだが、
要は金融市場のの transaction cost の話で、
z を金融資産の取引量(任意の実数)としたとき、
取引コスト c(z) が少なくともz=0の近傍で
subadditivity: c(z_1) + c(z_2) >= c(z_1+z_2)
を満たさないと有限時間内の最適なstrategyが、
無限回の取引になっちゃうよ、というお話だった
(直感的には、そりゃそうだろ、という感じがする)。
feeのような限定された意味での取引コストの場合は
zが大きくなるにつれ取引単価あたりのコスト c(z)/z が
減少していくが、大きな取引の場合には、
より高い asking price を受け入れなければいけないので
c(z)/z はむしろ増加していく。
こうした現象を、liquidity cost と呼ぶ。
c(z) を exp(z) で表すことがよく行われるようだ。
金融市場では、価格、取引量、取引間隔といった
あらゆるものが離散であるにも関わらず
モデルのほうは連続であることが多いから
連続と離散のギャップを埋めるのは重要な作業だと思う。
ちなみに、Song氏は、WS大のPhDを取って、
U of South Carifornia、ミシガン大と移って
来年から、City University of Hong Kong に移るそうだ。
私も今年初めに香港の大学(HKUST)にフライアウトに行った
(残念ながらオファーはもらえなかった)が、
香港の大学というのは分野よりも大学によって
かなり待遇が違ってくるらしい。
香港には確か8つの大学があり、
HKU, Chinese U of HK, HKUST の3つがトップレベルで
City U of HK はその次くらいだと思う。
香港は食事もおいしく、地下鉄も便利で良いところだった。
中国本土と違って日本を尊敬している人が多いので
日本人にとっては住みやすい所だと思う。
日本人の英語のアクセントも問題にならない。
弱点は、実は大卒でない一般庶民には英語が通じないということだ。
郊外の商店街やタクシーなどでは英語はほとんど通じない。
つい10数年前まで、学校の中学の授業が英語で行われていた
というのに、驚くべきことだ。

ミシガン大の Qingshuo Song 氏で、タイトルは
"Existence of Optimal Impulse Control
on Portfolio Optimization with Transaction Cost."
連続時間のモデルなので、詳細は分からないのだが、
要は金融市場のの transaction cost の話で、
z を金融資産の取引量(任意の実数)としたとき、
取引コスト c(z) が少なくともz=0の近傍で
subadditivity: c(z_1) + c(z_2) >= c(z_1+z_2)
を満たさないと有限時間内の最適なstrategyが、
無限回の取引になっちゃうよ、というお話だった
(直感的には、そりゃそうだろ、という感じがする)。
feeのような限定された意味での取引コストの場合は
zが大きくなるにつれ取引単価あたりのコスト c(z)/z が
減少していくが、大きな取引の場合には、
より高い asking price を受け入れなければいけないので
c(z)/z はむしろ増加していく。
こうした現象を、liquidity cost と呼ぶ。
c(z) を exp(z) で表すことがよく行われるようだ。
金融市場では、価格、取引量、取引間隔といった
あらゆるものが離散であるにも関わらず
モデルのほうは連続であることが多いから
連続と離散のギャップを埋めるのは重要な作業だと思う。
ちなみに、Song氏は、WS大のPhDを取って、
U of South Carifornia、ミシガン大と移って
来年から、City University of Hong Kong に移るそうだ。
私も今年初めに香港の大学(HKUST)にフライアウトに行った
(残念ながらオファーはもらえなかった)が、
香港の大学というのは分野よりも大学によって
かなり待遇が違ってくるらしい。
香港には確か8つの大学があり、
HKU, Chinese U of HK, HKUST の3つがトップレベルで
City U of HK はその次くらいだと思う。
香港は食事もおいしく、地下鉄も便利で良いところだった。
中国本土と違って日本を尊敬している人が多いので
日本人にとっては住みやすい所だと思う。
日本人の英語のアクセントも問題にならない。
弱点は、実は大卒でない一般庶民には英語が通じないということだ。
郊外の商店街やタクシーなどでは英語はほとんど通じない。
つい10数年前まで、学校の中学の授業が英語で行われていた
というのに、驚くべきことだ。



