米国の崩壊した数学中等教育
昨秋から娘が現地校でも6年生になった。こちらでは6年生から8年生がミドルスクールに通う事になっている。数学はレベル分けが始まり、日本語補習校で習う算数よりも進度自体はだいぶ早い。娘は誕生日の関係で、現地校の学年の方が半年遅れているにもかかわらず、である。
娘の中学校は課外活動にて州内の数学コンクールで2年連続優勝しており、数学の担任はその顧問の先生である。「米国の教育も捨てたものでもないじゃないか」などと楽観的に考えていたのだが、今日、授業の内容を少し聞いてみたところ、あまりに雑なので暗澹たる気持ちになった。
次の練習問題をみていただこう。

Rドルを売り上げ、Aドルを広告費としたとき、R = 10A - 20 の関係がある。質問は、売り上げが110ドルのときの広告費を答えさせている。R=110としてAについて式を解くと A=13となり、単位がドルなので答えは、13ドルとなる。
写真のように娘もその友達もそのように解いたようだが、A = $13 と書いて四角で囲まないと(笑)1点減点だそうだ。元の式に R = 110 を代入しても、A=13としかならず、A=$13とはならないので、満点をとるためには論理的に正しくない推論をする事が求められるというオリジナリティーの高い授業だ。ちなみに問題文中にあるように広告費は"A dollars"なので、A=$13とすると、広告費は、"$13 dollars" あるいは "13 dollars dollars"である。
ちなみに、-20 を移項するために、写真の元の式の下に書いてある "+20 +20"というひとりよがりなメモがない場合は更に減点されたそうだ。意図はわからないではないが、移項(transposition)という名前から示唆される直感的な計算が許されないのは全然、好ましい事ではない。
次の問題も同様である。文中のxと図中のそれぞれの辺の長さを求めさせる問題だが、"x = 30 ft" が正解だそうだ。図中にはっきり書いてある通りこの場合の右側の辺の長さは "30 ft ft"となるが娘にその意味を聞いたところ「分からない」との事である。

一方、同じ練習問題シートの次の問題では図中のxを答えさせているが、この場合にはxには単位がないようで "x = 160"が正解とのことだ。(160°-25)°という表記に怯んだのだろうか。

私が中学生の頃であれば「せんせい!これバツだけど合ってますよね!いやバツでいいです!合ってるので!」くらい言ってしまいそうであるが、そこは米国のお行儀の良い子が集まる学校だけあって、文句を言う子はいなかったそうである。
娘の中学校は課外活動にて州内の数学コンクールで2年連続優勝しており、数学の担任はその顧問の先生である。「米国の教育も捨てたものでもないじゃないか」などと楽観的に考えていたのだが、今日、授業の内容を少し聞いてみたところ、あまりに雑なので暗澹たる気持ちになった。
次の練習問題をみていただこう。

Rドルを売り上げ、Aドルを広告費としたとき、R = 10A - 20 の関係がある。質問は、売り上げが110ドルのときの広告費を答えさせている。R=110としてAについて式を解くと A=13となり、単位がドルなので答えは、13ドルとなる。
写真のように娘もその友達もそのように解いたようだが、A = $13 と書いて四角で囲まないと(笑)1点減点だそうだ。元の式に R = 110 を代入しても、A=13としかならず、A=$13とはならないので、満点をとるためには論理的に正しくない推論をする事が求められるというオリジナリティーの高い授業だ。ちなみに問題文中にあるように広告費は"A dollars"なので、A=$13とすると、広告費は、"$13 dollars" あるいは "13 dollars dollars"である。
ちなみに、-20 を移項するために、写真の元の式の下に書いてある "+20 +20"というひとりよがりなメモがない場合は更に減点されたそうだ。意図はわからないではないが、移項(transposition)という名前から示唆される直感的な計算が許されないのは全然、好ましい事ではない。
次の問題も同様である。文中のxと図中のそれぞれの辺の長さを求めさせる問題だが、"x = 30 ft" が正解だそうだ。図中にはっきり書いてある通りこの場合の右側の辺の長さは "30 ft ft"となるが娘にその意味を聞いたところ「分からない」との事である。

一方、同じ練習問題シートの次の問題では図中のxを答えさせているが、この場合にはxには単位がないようで "x = 160"が正解とのことだ。(160°-25)°という表記に怯んだのだろうか。

私が中学生の頃であれば「せんせい!これバツだけど合ってますよね!いやバツでいいです!合ってるので!」くらい言ってしまいそうであるが、そこは米国のお行儀の良い子が集まる学校だけあって、文句を言う子はいなかったそうである。
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