つい先日、pucotan氏が「
amazonマーケットプレイスの"1円+関東への送料無料"」 なる記事にて、事実上送料が380円であるにも関わらず商品の紹介画面で「関東への送料無料」と出品業者が表示させることができる、という現象を紹介されていた(ただし、実際に注文画面にいけば料金は合計381円と表示される)。こうした抜け穴はシステム側(アマゾン側)で防ぐべきである、という意見に賛同する。
しかし、私は楽天市場にて昨年、もっと不愉快な体験をしたので報告しておきたい。出品業者は「和気文具」で、創業1926年で今年創立14周年だそうだ。つまり今年は1940年。どうやら西暦ではないようだ。

具体的に起こった事は次の通りである。
1.楽天市場から商品を注文。
商品送料426円+送料(メール便)220円=合計646円
をクレジットカードで決済。
その際「送料等の諸費用は変わる場合があります」との但し書きあり(写真参照)。

2.「【和気文具/R】XXXXX様 発送日のご連絡です。【ご注文最終確認】」
なるメール通知を受け取る。最後までよく読むと、一方的に
「送料が580円(合計1006円)に変更になる」旨の連絡が含まれている。
「ご注文内容の変更やお客様都合による取り消しについては
お受けいたしかねますのでご了承ください。」との文言があり、
2日後に一方的に発送される。

3.クレジットカードから1006円が引き落とされる。
4.過大請求につき差額を返金するよう電子メールで依頼。
5.5週間にわたり返信なし。
6.再度、過大請求につき差額を返金するよう電子メールで依頼。
7.「先日下記内容でメールをお送りさせて頂いておりますが、
ご確認頂けていないとのこと、失礼致しました。」との連絡があり。
先方は、差額返還を拒否。
→ 私はメールの削除は一切しないし、既にやりとりのある業者とのメールが
(私の使っている)Gmailのスパムで弾かれることは99%あり得ないのだが。
8.返金はこの時点で諦め、この業者が返金しない事実を確定させるため、
以下の内容のメールを送信。
「今回の件に関しては、貴社は返金は行わないという
最終決定したという事でよろしいですか。ご確認願います。
その上で然るべき対応を取らせて頂きます。」
→ 「然るべき対応」というのは、運営サイトの楽天に問題を
上げるというつもりで書いた。
9.先方より、最終決定で構わないとの通知あり。
先方の主張も引用しておくと、
『メール便不可商品の宅配便送料への変更につきましては、
商品ページにメール便不可の記載をさせて頂いていること
また、メール便不可の商品をメール便でご購入された時の対応を
ご利用ガイド、ならびに買い物かごの説明文に記載させて頂いております。
ネットショップの特性上、ご注文頂いた時点で
上記を含めた注意事項等に「お客様がご同意の上ご注文頂いた」と
判断させて頂いております。』
とのこと。
→ 確かに上記「1.」に送料等が変更になることがあるとは書いてあるが、
こうした文言さえあれば料金の一方的な変更はいくらでも認められるのだろうか?
→ そもそもネットでの少額の買い物では、購入の意思決定はほとんど
送料に依存する。実際、この商品を買うときも、アマゾンや楽天の
いくつもの業者の送料を見てから注文した。したがって、はっきりと
送料が表示してあれば気付かなかったとは考えられない。
つまり「メール便不可」とは書いたが、送料は書かかれていない上、
注文画面ではメール便は選べるようになっているという事である。
10.楽天のカスタマーサービスのチャットにて、
上記の一部始終に関し、楽天市場のシステムの問題として回答を求める。
少々読みにくいが、やりとりを原文のまま紹介する。
(ただし、プライバシー保護のため個人名や注文番号等は、担当者A、Willy, XXXXX 等と置き換えた。)
担当者A: お待たせいたしました、楽天市場の担当者Aと申します。
担当者A: お問い合わせいただきありがとうございます。
担当者A: お問い合わせ内容は以下でよろしいでしょうか?
「楽天で商品を購入した際の決済額の承認プロセスについて」
Willy: クレジットカード決済についての質問です。
Willy: 先日商品を購入したところ、代金が約400円、送料約220円で合計620円くらいの額を決済しました。
Willy: しかしながら、実際には送料が、メール便を使用できなかったため、との理由で自動的に変更され、発送後に1000円強の請求がありました。
Willy: 楽天市場のシステムにおいては、参加店舗が任意の金額を引き落とせるようになっているのでしょうか。
Willy: もし、そうでければどのような仕組みで利用者のクレジットカードの安全性は確保されているのですか。
担当者A: お知らせいただきありがとうございます。
Willy: 参考までに、加盟店(和気文具)からは差額の返金は拒否する旨、
正式な最終決定を頂いております。
担当者A: お知らせいただき恐れ入ります。
担当者A: それでは、確認いたしますので注文番号をお知らせいただけますか?
Willy: 注文番号 XXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXXXX
注文日時 2014-12-DD HH:MM:SS
担当者A: お知らせいただきありがとうございます。
担当者A: 確認いたしますので、少々お待ちください。
----(中略?一部コピー失敗の可能性あり)----
Willy: 細くしたいのですが、
担当者A: お知らせいただきありがとうございます。
Willy: 捕捉したいのですが
Willy: すみません。補足したいのですが
担当者A: はい、お願いいたします。
Willy: 今回の件に関しては
Willy: 既に最終決定も出ており金額も小さいので
Willy: 結果がどうなっても構わないのですが
Willy: 一般的に、決済の安全性や公平性がどうなっているのか
Willy: という点にむしろ関心があります。
Willy: 実際に、少額の買い物においては
Willy: 送料の額が、どこで買うかどうかの意思決定に
Willy: 大きく影響していると
Willy: 考えています。
Willy: その際に、例え送料だけであっても
Willy: 加盟店が任意の金額を後から決定できるような
Willy: 仕組みがあるとすれば
Willy: 非常に問題であると思っております。
Willy: 他の大手サイトにおいて
Willy: そのような問題は今の所経験しておりません。
Willy: 今回の件に関しても
Willy: 加盟店はメール便が選べないにも拘らず、選べるように画面が設定されている不具合と主張しているのですが
Willy: 実際には、同一商品の他店舗のページをみると
Willy: メール便が可となっているものや
Willy: メール便が予め選べないようになっているサイトも存在するのです。
Willy: あくまで、楽天市場の仕組みがどうなっているのかと
Willy: 加盟店と楽天側、どちらの不備なのか、
Willy: あるいは消費者は現状を容認しなければならないのか、
Willy: という点に関して
Willy: 回答を頂きたいと思っております。
Willy: 長文失礼致しました。
Willy: 以上です。
担当者A: それでは、上記もあわせて担当部署に申し伝え、メールにてご案内いたします。
Willy: ありがとうございます。よろしくお願いします。
担当者A: 詳細の確認ができしだい、今回ご入力していただいたメールアドレス宛に、
弊社担当者よりご連絡させていただきますので、
そちらをご確認いただきますようお願いいたします。
担当者A: チャット窓口にお問い合わせをいただくお手数をおかけしたにも関わらず、
本窓口にてお力添えできず申し訳ございませんでした。
担当者A: ご丁寧にありがとうございます。
担当者A: その他、ご不明な点はございますでしょうか?
Willy: ありません。それではメールでのご返答をお待ちしています。
担当者A: かしこまりました。
担当者A: かしこまりました。
担当者A: はい、それでは、担当部署からのメールをお待ちいただけますと幸いでございます。
担当者A: このたびはお問い合わせいただき、ありがとうございました。
Willy: 了解しました。では。
お客様 が切断されました。
11.既に2ヶ月以上経過したが、結局楽天から回答は得られていない。
私は、もしはじめから426円の商品の送料が580円もかかると分かっていれば注文はしなかったし、上の業者の取引慣行がグレーであるとも思う。しかし、ネット上には信頼できる業者もあれば、できない業者もあるわけで、その点は致し方ないと考えている。
問題は、そうした玉石混淆の業者を扱う楽天側のシステムにある。そもそも、楽天やアマゾン、Yahooなどの大手サイトで多くの人々が買い物をするのは、名前も知らないサイトで買い物をするよりも安心した取引ができるというメリットがあるからではないのか。そうした大手サイトが、例え送料という名目であろうとも、消費者が承認していない額を自動的に決済できてしまう仕組みを放置しているというのは、ビジネスの根幹に関わる問題だと思うのだが、利用者のみなさんはどう思われるだろうか。