100年変わらない街~デトロイト
デトロイトの本を贈ろうと思って Borders で本を見ていたら
Detroit Then And Now という写真集を見つけた。

140ページからなるこの写真集は
見開きの右側のページが全て約100年前のデトロイトの写真、
左側のページが現在のデトロイトの写真になっている。
この手の企画は普通、
「100年間でこんなに変わりましたぁ~♪」
というネタだと思うのだが、この写真集はむしろ
「100年前と驚くほど変わっていません…」
という事実がひしひしと伝わってくる。
Ford Model T の時代のデトロイトがいかに豊かな街だったか
そして、その遺産をいかに現在まで使ってきたのか、
ということがよく分かる本だ。
一部の有名な歴史的建造物がテナントを見つけることができずに
廃墟になったり、中を壊して駐車場として使われていたり
といった写真も載っている(*1)。
私の頭の中には自然と「大きな古時計」の歌が浮かんできた。
90年前の時計は止まってしまった。
時計は壊れたら止まれるが
街は壊れても時間は止まってくれない。
デトロイター達は人口が流出し荒廃した街の復興に
これから何十年も苦悩し続けることになるだろう。
(*1)
作者としてはポジティブな面を見せるのが目的らしく、
再開発が進んでいる中心部の写真
(GM破綻の時に散々マスコミに出たあのGM本社の周辺)
が紹介される反面、かつてミドルクラスが住んでいた
現在のスラム街の写真はない。
