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【デトロイト情報】2013年秋、ミシガン州統一テストの学校別成績 -- このエントリーを含むはてなブックマーク


米国では公立学校の校舎別テストスコアは、住宅購入の際に、教育水準、住民の知的水準のみならず、治安や生活水準の目安にもなるため、とても重要な資料だ。データは各州の教育省などのページで公開されており、誰でも閲覧可能になっている。

久々にミシガン教育省のウェブサイトをチェックしてみたところ、2013年秋に実施されたミシガン州の小中高での統一テスト(MEAP)の結果ファイルが落ちていたので、結果をまとめておく。ミシガン州においては、3年生(日本の小3相当)〜9年生(日本の中3相当)に対して試験が実施されるが、学区の人口動態を占う上でもっとも注目されるのは、その年に初めてデータの出る、一番下の3年生の試験結果である。表では、データが報告されたミシガン内の1609の小学校のうち、上位100校の学区名、学校名、参加生徒数、算数と読解の平均スコアをまとめた。通常、報道などでは悪名高い「落ちこぼれ阻止法(No Child Left Behind Act)」との兼ね合いから、合格基準点に達した生徒の割合が報告されることが多い。しかし、むしろ教育データを気にするような層が感心をもっているのは全体のレベルがどれだけ高いかであろう。そこで、ここでは平均点をまとめた次第である。なお、全学校の平均点(各校を1標本とみなした単純平均)は330.8点、標準偏差は10.9点であった。

以前、より詳細なばらつきデータを用いて計算したところ、日本風の指標に直した場合、上位数校の生徒の平均偏差値は60前後になることが分かった。住所だけで通学先が決まる公立学校にしてはかなり大きなばらつきだ。しかし、学校での教育内容は州のカリキュラムに依存する面が大きいため、テストスコアの差は、元々の生徒の質とピアプレッシャーによって生じている面が大きい。実際、教育内容がほとんど同じはずの学区(School District)内でも、校舎別にスコアはかなり異なるのが実情である。年収の高い地域、アジア人の多い地域、新興住宅地域ほど、スコアが高いという傾向がある。テストスコアの高い学校の方が優れたカリキュラムを実施しているとは言えないため、結果の過大評価は禁物であるが、住宅選びをする際には見ておいた方が良い指標であることはまちがいないだろう。


MEAP Average Score Top 100 (Grade 3)
RankDistrictBuildingTotal TestedAvg. Score
1LivoniaWebster38365.75
2EastGrandRapidsLakeside62361.14
3TroyBemis104361.13
4AnnArborMartinLutherKing81360.80
5AnnArborAngell47359.07
6ByronCenterBrown98357.76
7Plymouth-CantonMiller92357.59
8AnnArborAbbot36356.55
9NoviNoviWoods94355.65
10GrossePointeKerby49355.01
11CrestwoodCrestwoodAccelerated28354.86
12RochesterBrewster74354.65
13HudsonvilleBauer56354.56
14RochesterUniversityHills68354.33
15HamiltonBlueStar41354.14
16EastGrandRapidsWealthy80353.98
17SaginawHemmeter58353.77
18AnnArborWines82353.66
19SaginawHandley64353.57
20TroyWass75353.53
21AnnArborUriahH.Lawton65353.40
22ForestHillsThornapple71353.11
23BrightonSpencerRoad90352.79
23TroyHamilton75352.79
25TroyLeonard82352.72
26RochesterMusson82352.59
27RochesterNorthHill91352.57
28RochesterBaldwin81352.28
29HaslettMurphy75352.07
30HudsonvilleJamestown101351.99
31GrossePointeStevensT.Mason64351.93
32AnnArborBach66351.86
33TroyBarnard89351.52
34LowellAlto76351.44
35AvondaleDeerfield59351.43
36NoviDeerfield96351.24
37WalledLakeOakleyPark51351.02
38MarysvilleGardens78350.87
39Plymouth-CantonDodson85350.86
40FerndaleJohnF.Kennedy46350.64
41NorthvilleAmerman123350.43
42RochesterDeltaKelly82350.31
43AnnArborBurnsPark63350.27
44EastGrandRapidsBretonDowns70350.23
45NorthvilleMoraine58350.19
46LakeOrionWebber78350.16
47AnnArborLogan54350.15
48OkemosMontessori-Central57350.03
49BloomfieldHillsConant60349.94
50AnnArborHaisley77349.91
51AchieveAchieveCharter86349.61
52HudsonvilleForestGrove39349.39
53YaleJohnF.Farrell-Emmett38349.33
54BerkleyBurton64349.11
55TroySchroeder93349.07
56NorthvilleWinchester103349.05
57ForestHillsAda69348.89
58ZeelandZeelandQuest19348.66
59AnnArborThurston70348.62
60ClarkstonBaileyLake100348.57
61UticaMessmore48348.29
62St.JohnsEastOlive30348.14
63GrossePointeLewisMaire52348.07
64BerkleyPattengill42348.03
65HudsonvilleGeorgetown103347.94
66VanguardVanguardCharter87347.89
67LakeOrionOrionOaks97347.74
68NorthvilleSilverSprings85347.72
69LakeviewMacombArdmore64347.67
70TroyHill48347.65
71RochesterLongMeadow97347.61
72TroyCostello56347.59
73SouthLyonSalem46347.57
74GrandHavenPeachPlains77347.41
75NorthCentralNorthCentral27347.36
76LakeOrionStadiumDrive80347.35
77NoviParkview96347.27
78AnnArborEberwhite57347.11
79GrandBlancMyers96347.08
80EastLansingRedCedar49347.04
81SalineWoodlandMeadows99346.98
82RochesterHamlin61346.72
83LakeOrionCarpenterYearRound75346.71
84Carman-AinsworthRankin24346.65
85RoyalOakAddams75346.64
86AGBUAlex-MarieAGBUAlex-Marie28346.59
87TroyWattles81346.55
88GrossePointeRichard69346.54
89CrossCreekCrossCreekCharter83346.53
90MarshallWalters41346.50
91GrandHavenRosyMound63346.49
92JenisonSandyHill70346.38
93LowellMurrayLake75346.36
94WalledLakeHickoryWoods87346.34
94AnnArborJohnAllen59346.34
96FarmingtonHighmeadow54346.34
97BloomfieldHillsWay93346.25
98GrossePointeFerry51346.10
99BerkleyRogers62346.08
100GrandBlancCity24346.02


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テーマ : アメリカ生活
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デトロイトは今日も平和です -- このエントリーを含むはてなブックマーク

なんだか、日本のニュースでもずいぶんデトロイトが話題になっているようだ。

デトロイト市の破綻は、地方公務員退職者の年金や健康保険などが
厚遇されすぎているという問題を浮き彫りにしたという点でインパクトは大きいが、
破綻したから急に暴動が起るとか、全世帯停電するとかいうことはなく、
いつも通り至って平和である。

デトロイトというと怖い廃墟のイメージがあるが、そのピークは何年か前のことで、
一昨年あたりから連邦の予算がついて次々と廃墟が壊されて空き地が増え、
今年はそこに生え揃った芝が綺麗というのがトレンドである。
芝刈りの予算がなくなって荒れ地になる前の今年あたりが、
むしろ一番状態がいいかも知れない。

昨日も、デトロイトから郊外に延びるメインストリート、
ウッドワード・アベニューを北上して帰ってきたが、
相変わらず、のどかな雰囲気である。

信号が赤に変わったので車を止め、ふと横を見ると、
動かなくなったボロい車を一人で手で押している初老の男性が。
身長190cm超、体重100kg以上もあろうかという巨体だが、
セダンの窓を開けて前後の座席の間の支柱(いわゆるBピラー)を
両手で握って横に動かしている。
腰を痛めそうな体勢だが、
パワフルなデトロイターは意に介さないようだ。

今度は、小さなガソリン用のポリタンクを持った若者が道路をななめに横切った。
燃料切れで止まった車に入れるガソリンを買いに行く時に、よく見られる光景だ。
交差点のまわりを眺めると、
もう廃車になっていても良さそうな車が停止線で止まっている。
ああ、あの車か、と思ったが、中には一応、人が乗っている。
若い女なので、さっきの若者のカノジョかも知れない。
いや、もしかしてその車は関係なくて、若者の車は別にあるのかも?
と思ってまわりを見たら、今にも止まりそうな車がたくさんあって、
どの車が止まってしまったのか全然分からない。

そういえば、その交差点にはストリップクラブがあるようなのだが、
そんな貧困地域で誰が金を払って入るのだろうか。
逆に、安全な地域からわざわざ人が訪れる様な場所にも思えない。

ともかく、そんな場所で好奇心を発揮して車を降りて
車を一緒に押したり、知らない店に入ったりでもしない限り、
今日もデトロイトは、とても平和なのであった。


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デトロイト市破綻で何が焦点となるか -- このエントリーを含むはてなブックマーク


デトロイト市がついにチャプター9、破産法申請をおこなったらしい。
米国の地方自治体の破綻としては、
ここまでで最大だったアラバマ州ジェファーソン郡の負債総額
42億ドルを大幅に上回る、180-200億ドル規模になると予想されている。

驚きを持って伝えられたのは、破綻そのものよりも
ミシガン州政府が支援に乗り出さなかった事のようだが、
デトロイト市がミシガンの人口の7%を占めるで最大の都市で
あることを考えれば「踏み倒すのなら今!」との判断が為されることは、
むしろ必然であったようにも思われる。

デトロイトと言えば米国3大自動車会社の本拠地であり、
日本の自動車メーカーの躍進とともに廃れていった都市という印象が強いが、
財政破綻の直接の原因は自動車会社の不振というより、人口流出による税収の減少と、
それに伴う市職員退職者に対する福利厚生負担の相対的増大である。

1950年に185万人を数えたデトロイト市の人口は
直近では70万人前後まで減少した。
これには、米国の自動車産業の衰退のほかにも、
強すぎる労働者の権利による米国内での相対的競争力の低下、
60年代後半の人種問題に端を発する暴動による人口流出、
高い固定資産税や所得税、と様々な側面がある。
原因は異なれど、高齢化と人口減少が進む中で
年金制度や健康保険制度に問題が生じている日本にとっても
対岸の火事とは思えない出来事だろう。

ここで、急速な人口減少が進んだ米国の地方自治体が
大きな財政問題を抱えることを理解するには、
日米の社会保障制度の違いを知る必要がある。

まず、両国の年金制度を見てもらいたい。
130719年金制度
基本的には日本の年金制度は米国にならって作られているため、制度自体は似ている。
強いていえば違いは、日本の年金の国民年金と厚生年金にあたるものが、
米国ではソーシャルセキュリティーとして一本化されており、
全ての労働者が雇用主と折半で社会保障税として
支払うようになっていることくらいである。
なお、日本の厚生年金の料率が16.766%であるのに対し、
米国の社会保障税(年金部分)は12.4%となっている。

しかし、大きく異なるのは年金の3階部分の大きさである。
例えば、デトロイト市の職員が40年間働いて退職した場合、この3階部分は
年収の最も高かった3年間の年収をベース(AFCと言われる)として、
なんと、その77%+120ドルが毎年支払われている
(出所:デトロイト市退職金制度・年次報告書2011)。
20年間勤続した職員の場合でも、AFCの34%+120ドルである。

念のため補足すると、これはソーシャルセキュリティー(厚生年金部分)
の支給額に上乗せして支払われる額である。合算すれば、現役時代より
はるかに高い年収を得られる可能性があるということだ。

健康保険に関しても、米国の自治体や企業は大きな問題を抱える。
130719保険制度
日本では多少のオプションはあるにしろ、
基本的には退職後の健康保険は国保に一本化されるため、
自治体や企業には直接的な負担は生じない。
一方で、米国では基本的に健康(医療)保険は自由市場だ。
65歳以上においては政府が提供するメディケアがあるものの
保険金支払い基準が年々厳しくなっており、
退職者もできれば元雇用主の提供するカバレッジの高い民間の保険を好む。
車でも人間でも寿命が近づくにつれてあちこちの調子が悪くなる訳で、
保険料は莫大な額になる。
そして地方自治体には、こうした保険を大盤振る舞いしているところが多い。


私は法律の専門家ではないので詳しいことは分からないが、
破産申請時のこうした年金債務や医療保険債務の返済順位は必ずしも
明らかではないようだ。
退職金(給与)を年金形式で支給される労働債権が優先されるのとは異なり、
一般債権とともに法廷で減額を争うことになるのだろう。

もしも、こうした年金債務や医療保険債務の大幅なカットが
認められるとすれば、地方自治体のレベルにおいては、
世代間の分配の不平等はリセットできることになる。
これが可能になるかどうかが、今回のデトロイトの破産に当たっての最大の焦点だ。

さきほど、デトロイト市の人口は過去62年の間に6割以上も減少したと書いた。
しかし、都市圏全体の人口はこの期間にも持続的に増加してきた。
デトロイト市のあるウェイン郡の市外の人口は59万人から109万人に、
北西に隣接するオークランド郡では40万人から120万人に、
北東に隣接するマコウム郡では18万から85万に、それぞれ増加している。
つまり実際に起ったことは人口移動であり、減少ではない。

つまり今回、ミシガン州が大きな支援無しにデトロイトを破産させることが出来れば、
今後は、年金や高齢者向け医療保険などの多額のレガシーコストを背負う自治体が
容赦なく現役世代から捨てられる社会になるということになるだろう。
損失を被るのは投資家で、市職員だった退職者は絵に描いた餅を見せられたということになる。

この問題が、日本に対して示唆することは何だろうか。
日本の現役世代に大規模な移住先がない以上、
日本における世代間の社会保障の不平等は、
盤石な状態で維持される可能性が高いということになるだろう。



テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

T市、キンダーガーテンの授業料値上げ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

娘は5歳なので今秋から、
事実上義務教育(*1)の kindergarten(幼稚園年長)に入るのだが、
ミシガンの公立学校の財政状況は大変厳しいようだ。
地価の下落で、市の税収の大半を占める固定資産税
(property tax)の税収が落ち込んでいるほか、
州知事が共和党のSnyder氏に代わって、
歳出削減と法人税減税が急ピッチで進んでいることが背景にある。

私の住むT市では、
半日制のクラスが無料、
全日制のクラスが年3000ドルであったのだが、
州からの15万ドルの補助金がカットされるため
全日制のクラスを廃止し、午後は教室を託児所風に使用する計画になっていた。
しかし私の知人など教育熱心な保護者たちが廃止に反対し
ミーティングで「値上げしてでも継続を」と訴えたところ、
最終的には、授業料を450ドル値上げして費用を
カバーすることで継続されることになった。

公立学校の仕組みは
同じデトロイト圏でも市によって異なり、
キンダーも、半日制しかなかったり、
逆に全日制で無料だったり、と様々だ。
それぞれの市は小さいので、
今回のように住民の強い意思があれば、
一旦決まったことを覆すこともできる。

声を上げることは大事だと思うとともに、
旅行中で運動に参加できなかったのは少し残念だ。


(*1) 満6歳から義務教育、という不思議な制度であるが、
全ての子供はkindergartenの途中で6歳になる。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

デトロイトの人口減少 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

YSJournal さんの記事にもあるとおり、
先日、米国センサス局はミシガン州の2010年センサス調査の詳細を発表し、
デトロイトの人口は2000年の915,000人から、2010年には714,000人へと
22%も減少した。米国の大都市で、ここまで急速に人口が減少したのは過去
数十年でも例がない。

ここ数年の問題としては、自動車産業の不振と
2009年のGM・クライスラーの破綻が響いているが、
本質的な問題はもっと構造的なものだろう。
デトロイトは治安、教育、景観、インフラなどの点で街の魅力が低いのに
周辺地域に比べて税率が高く、行政サービスのレベルが低いので、
人が集まらないのは当然である。
州の法律では、市の人口が75万人を割ると州で唯一徴収している市税
(市民は所得の2.5%、通勤者は所得の1.25%)
が取れなくなるようだが、それはむしろ正しい方向だろう。
シカゴのような求心力のある都市と異なり、
デトロイト市が周辺地域より高い税金を徴収する合理性は全くない。

デトロイト市と北部の郊外は、
8マイルロードという真っ直ぐな幹線道路で区切られており、
道路の南側は空き地と老朽化した住宅で荒廃しているが、
ラインを北側に跨いだとたん、経済状態は格段に良くなり、
新車ディーラーなどが立ちならぶ。

リーマンショック、GM、クライスラー破綻後のデトロイト圏は
総じて経済状態が悪いが、経済が回復するのが
デトロイト市外からであることはほぼ間違いない。

最近では、北部郊外の住宅価格が下がったため、
デトロイト市内から移住する黒人低所得者層も増えているという。
荒廃した地域からの移住者は総じてマナーが悪く
夜中に庭で草野球をはじめたりするため、
以前から郊外に住む黒人高所得者層が、
黒人の評判悪化を恐れて低所得者層の移住を嫌がる
という複雑な人種問題も発生しているそうだ。

それでは、デトロイトに未来はないのだろうか?
希望はまだある。
都市には、ライフサイクルのようなものがあり、
一旦、荒廃が進み始めるとそれを止めるのは困難だが、
デトロイト市内は既に相当な空洞化が進んでいるため、
廃墟の撤去や区画整理を計画的に進めれば、
大企業の誘致を進めることもできそうだ。
行政サービスの点でも居住地域を縮小させることで
コストの削減につなげることができるだろう。
交通網が整備されていることや、
物価、地価、人件費が安く抑えられていること、
エンジニアの求人が行いやすいことは
企業誘致の原動力になる。

都市の繁栄には最終的には人口増加が不可欠なので、
移民を受け入れることも有力な選択肢である。
デトロイト圏の歴史を見ると、
南部から仕事を求めて黒人が大量に移住したとともに、
東欧、南欧、西アジアなどからも多くの移民が流入している。
気候面での類似からかソ連崩壊後には
ロシアからのホワイトカラーの移民が結構多い。

そこで私は、
ミシガン州に北朝鮮崩壊後の難民受け入れに期待している。
北朝鮮は今や大変貧しい国だが、
近年の平壌の映像を見る限り都市は未だに美しく保たれている。
そうした国からの難民の流入は都市の発展にはプラスだろう。
移民は祖国と似た気候の場所に住みたがる傾向がある。
平壌の気候は仙台と概ね同じであるが、
札幌とほぼ同じ気候のデトロイトは比較的それに近い。

貧しい地域を補助金漬けにしたり、
特定の産業やグループを優遇して逸話を作る
といった政策は長期的な繁栄を生まない。
ビジョンのある政策を期待したい。


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アメリカ人は財政赤字をどう減らしたいか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

財政難で年間14億ドル(約1200億円)の
歳出削減を迫られているミシガン州。
マスコミ系シンクタンクが作ったサイト
財政のシミュレーションができるのでやってみた。

ネットユーザーの支持が高いのは次の項目。

1.まず酒税あげろよ!(支持率=7.29%)

→ ぜいたく品だし当然か。一方炭酸飲料への課税は支持率5.56%。

2.囚人は金かかるから仮釈放を法律の範囲内で増やせ!(6.67%)

→ 治安はともかく経済にはプラス。警察官や警備会社も安泰。

3.州政府の職員の給料を一人3200ドル/年カットしろ!(6.58%)

→ 公務員は無論アメリカでも叩かれてます。

4.州政府の運営費用を10%減らせ!(6.51%)

→ だって何やってるかよく分からないし。

5.州立大学の予算を15%カットしろ!(6.50%)

→ 取りあえず授業料上げれば済む話だから。


(その他)

売上税の課税ベースをサービスにも拡大する代わり
税率自体は6%から5.5%に引き下げ。(支持率6%台前半)
財のみのまま6%から6.5%への引き上げ(支持率3%台後半)
→ 増税する時は分かり易い所で引き下げると支持拡大。

年金への課税は支持率5%台。
初等教育の予算カットは支持率4%台。
→ 特定層に不利益のあるものは意見が割れやすい。

警察・消防予算のカットは支持率2%台
→ 普通に考えると警官は多すぎなのに、アメリカ人は結構怖がり。

医療予算のカットも支持率2%台
→ 実はアメリカ人も全国民への医療提供は義務だと思っている。


WS大・職員の住居に補助金を導入 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

別に良い話ではない。
WS大は、デトロイト復興に協力するために
デトロイト市内に住む職員に補助金を出すらしい。

1)市内にアパートを借りた場合1年目に2500ドル、
2年目に1000ドルの補助金。

2)既に借りている場合は1年限りの1000ドルの補助金。

3)市内に住宅を買った場合は一括で2万ドルの補助金、
あるいは毎年5000ドルの補助金を5年間。5年以下しか
住まなかった場合は期間に比例して返済義務あり。

4)市内に住宅を持っている場合、1万ドル以上の外観修理
 に対して5000ドルの補助金。


感想:
市内に住まない人が多いのは、
1.) 治安が悪いから。
2.) 雰囲気が悪いから。
3.) 税金が高いから。
4.) 教育水準が低いから。

こんな補助金ができたところで大して住む人は増えない。
そのお金を廃墟の取り壊しなり、減税なり、教育予算なりに
使った方がよほど有意義。
こういう補助金漬けの政治がミシガンをダメにした。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

廃墟の聖地から日本を考える -- このエントリーを含むはてなブックマーク

撮影した廃墟画像をだらだらと貼っていくスレ
http://mamesoku.com/archives/1937941.html

思ったこと
1. 日本の人口減少に伴い、日本人の美意識とは関係なく廃墟は増えていく
2. しかし廃墟に治安上の問題がない日本が羨ましい。
3. 廃墟は新しいビルより趣があるのも事実。
4. 廃墟の聖地・デトロイトの最新トレンドは、廃墟から空き地へ


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ジャンル : 写真

学科の教員が銃で2発撃たれた -- このエントリーを含むはてなブックマーク

WS大はデトロイトのダウンタウンにあり治安が良くない。
銃で脅されて貴重品や金銭を取られたとか、
自動車を窃盗されたというレポートはよく大学から送られてくるが、
それでも、実際に深刻な危害を加えられたという報告は非常に少ない。

そんななか今日は学科のメーリングリストに、
同じ数学科の教員が通勤中の歩いている間に強盗に襲われて銃で撃たれ
一発が肺に命中、もう一発が肩に当たって入院した、
という連絡が来た。

人は、可能性の低いリスクを見積もるのが苦手で
過大評価したり、過小評価したりすることが多い。
特に海外に住む外国人にとっては情報が不足しがちだ。
情報に十分に集めて、適切な判断をすることが大事だ
と改めて感じさせられた事件だった。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

デトロイトの住民は -- このエントリーを含むはてなブックマーク

昨年、GMとクライスラーが破綻した際に、
デトロイトは「全米最悪都市」というような取り上げられ方をした
こともあり、デトロイトのイメージは非常に悪いので
もう少し正確なイメージを持ってもらいたいと思い、
この記事を書いている。

日本から発信されているデトロイトのイメージを聞くと、
どうも、日本車がバッシングされている、昔黒人の暴動があった、
治安が悪い、といった「怒り」のイメージで捉えられることが多い。

しかし、実際のところ、デトロイトにあるのは「絶望」と「依存」
であって「怒り」ではないように思う。


例えば、アフリカの貧困国は先進国からの物資援助に頼って
生きている人たちの態度は、「絶望」と「依存」であって、
そこには希望とか積極的な意思というのはほとんどない。
もちろん、デトロイトはアメリカにあるのでアフリカの貧困国
のように貧しくはないが、基本的なスタンスは似ている。
政府からの補助金に頼って、ただただ生き延びている人が
たくさんいるのだ。

例えば、日本では
「ホームレスが若者に集団リンチされて死亡」
というような社会からのストレスや社会に対する怒りに
起因していると考えられる事件を以前結構聞いた。

一方で、デトロイトでよくあるのは、
「男3人が銃を持って車から素早く降りてきて金銭を要求。
財布を渡したら犯人は素早く立ち去り、被害者は無事。」

みたいな事件である。そこにあるのは切実な貧困である。
犯行自体は積極的意思だが、
あくまで目的は無差別な犯行ではなく金銭なのだ。

デトロイトは怖い人のいるところではない。単に少し危険なだけだ。
ただし麻薬で酔っている人には気をつけよう。


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Mitchell's Fish Market (Birmingham) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、両親がこちらに来たときに夕食を食べに行ったうちの一軒が
Mitchell's Fish Market である。
年末に、こちらに住んでいる日本人の友人に
会った際に勧められたこともあり行ってみた。
AAA (American Automobile Association)
のガイドでも星が3つついている。
AAAのガイドは写真が無いので見にくいが、
信頼性はかなり高く3つ星以上なら外す事はほとんどない。
また、カバレッジも他のガイドブックなどより総じて高い。
ちなみに4つ星が最高だと思うが星4つの店は
かなり高級でかしこまった感じの店が多いように思う。

店は Birmingham 市のダウンタウンにあるのだが、
実際にはチェーン店で、全米に19店舗あるらしい。
最近は、一人当たり30ドル以上の比較的高い飲食店でも
このような小規模なチェーン店が増えているように思う。
従来型の個人経営のレストランに比べると、
料理は手堅くまとめられており、量も昔ながらのレストラン
のように食べきれないほど出てくることは少ない。

店内は窓側が全面ガラスになっており、開放的な雰囲気だ。
バーになってる部分とレストランになっている部分があり
店舗はかなり広い。200席くらいあるのではないかと感じた。

お決まりで生牡蠣をオードブルに頼み、
メインは白身魚(確かtilapiaだったと思う)に味噌をつけて
焼いた東洋風のものを頼んでみた。付けあわせとして海老の
ミンチが入ったワンタンに魚の出汁を使ったスープがついた。

他の人が頼んだものも含めメインはどれもバラエティに富んでおり、
かつ、あっさりとしていて日本人好みのものが多そうだ。
Birmingham には、Streetside Seafood という有名も店があるが
クリームを多用した結構こってりしたものもあるので
私はMitchell's の方が好みだ。
値段もメインが20ドル前後と比較的リーズナブルである。
ちなみにアメリカのレストランで、前菜+ワイン一杯+メインでデザートなし、
という組み合わせの場合、チップ込みの総額はおおおそメインの値段の2倍になる。

難点を言うなら、食器類にあまりに無頓着なところだろう。
妻が使ったフォークの一本には乾燥した玉ねぎ(?)の破片が
残っていたし、皿は使い古して傷だらけの分厚いレストラン用の
白いプレートだ。

しかし、総評すれば雰囲気やコストパフォーマンスもよく結構お勧めである。
週末など気軽に行きたい店である。


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ジャンル : 海外情報

デトロイト近郊の豪邸 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

経済学101で紹介された通り、
デトロイト郊外の住宅の平均価格は家族世帯の年収の
1.5倍程度であるが、もちろん中には豪邸もある。

日本と異なり、どんな都市でも豪邸があるのはアメリカの特徴だろう。
それは地方都市にも産業がある証拠でもあるし、
金持ちが貧乏人を気にして慎ましい生活を送ったりはしない
という国民性のせいでもある。

現在、デトロイト近郊で売りに出ている最も高い豪邸は、
お屋敷町のBloomfield Hills 市にあるここらしい(百聞は一見にしかず)。
価格は 5,999,000ドル(約5億6千万円)だ。
何が嬉しくてこんなウォルマート風の
安っぽい値段をつけたのだろうか。

ちなみに、床面積は 1304平方メートル、
土地は15,779平方メートルだそうだ。
間取りは、7ベッドルーム、8バスルーム、トイレ3つ、
それにワインルームやらリクリエーション・ルームやら
いろいろついている。無論、屋外プールもある。

ちなみに、20万ドル以下の家でもプールが付いている家は
結構あるが、メンテナンス・コストが高いため、低価格帯では
むしろプールがついている方が価値が下がるのが普通だ。


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The Capital Grille (Troy) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

Troy市には、Somerset Mall という高級ブランド店が
たくさん入ったショッピング・モールがある。
そんなところで買い物をする経済的余裕がないので、
自宅から徒歩5分のところにあるにもかかわらず
ほとんど行くことがないのだが、
先日両親が訪れていたこともあり、
久々に中にあるThe Capital Grille という
レストランに行ってみた。

Somerset Mall 内は割と庶民的でカジュアルな
レストランが多いのだが、このレストランは入った
とたん、スーツを着た人たちがたくさんおり、
重厚な雰囲気である。
入り口右側には、得意客のボトルキープの棚がある。
"TOSHIBA" というのもあったので、日本企業の
接待でも使われているのかもしれない。

食事のメニューは意外と少ない。
シーフードを使った前菜や生牡蠣といった定番商品に加え、
スープが2種類、サラダが5種類くらいある程度で、
あとはメインのグリルと付けあわせがあるくらいである。
メインの値段は、付けあわせを含まずに
40ドル前後と結構高い。

一方、ワインは恐らく200種類くらいリストに載っており
かなり充実している。値段は、ボトルで30ドルから
1000ドルとかなり高めだ。父に任せたらボルドーを頼んでいたが、
値段(約60ドル)の割に大した味でもなかったような気がするし、
やや冷えすぎだった感もある。

前菜の生牡蠣は美味しかった。

私は羊肉が大好きなのでメインは羊のローストを
ミディアム・レアで注文したのだが、
"warm pink center?"
と聞かれたのでややうろたえてしまった。
以前に書いたが、アメリカのレストランは焼き方が一定でなく、
普通の店ではミディアム・レアと言ってもミディアムが
出てくることがある。
しかし、この店はどうやら自信があるようだ。
実際、出てきた料理も素晴らしく、
今まで食べた羊肉の中でも2番目くらいの出来だった(*1)。
アメリカは日本より羊肉の人気があるので
羊に関しては平均するとレベルも日本より高いように思う。
日本だと、結構高級なレストランでも、
火力が弱すぎて硬くなっていたりするし、
くせのない肉を選びすぎて風味が足りないこともある。
その点、今回の羊は香り高く、それでいてくせがありすぎず、
脂がのっていて、火は通っているが柔らかい、
と文句のない出来であった。
添えてあったいちじくのソースはアメリカ人好みの甘さだったので
付けずに食べたが、そのくらいはご愛嬌だろう。
敢えて言えば表面がもう少しブロイルされていると良かったか。
もっとも、中西部の少しカジュアルなレストランだと
表面をきちっとブロイルしていることが多いのだが、
高級店やホテルのレストランなどでは若干弱火にして
表面も柔らかめに上品に仕上げる店が多いのだろう。

全体としては、料理とサービスには大満足だが、
一人当たり100ドル前後になってしまうので
値段は高すぎると思う。
コストパフォーマンスを最大にしたいなら
アルコール抜きで注文するのだろうが、
流石に水を飲みながら料理だけ食べるという店でもない。

お金に余裕があれば何か特別な時に一度どうぞ、
という感じの店である。


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デトロイト圏のパン屋 Zingerman's -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私は元々、パンが大好きなのだが
アメリカではおいしいパンがなかなか手に入らない。
(もっとも、日本なら手に入るのかというと
東京都心なら手に入るがそれ以外ではそうでもない感もある。)

特にアメリカのパンは詰まっていてもちっとした生地が多く
フランス系の硬くて腰のある感じのパンはなかなか手に入らない(*1)。
私はアメリカで売っているフランスパンは
「フランスパン型ベーグル」だと思っている。

(*1) ちなみに、クロワッサンは
Whole Foods や Trader Joe's 等で冷凍の生地を買ってきて
家で焼けば、まともなものが食べられる。

そんな中、ようやく見つけたのが Zingerman's というパン屋だ。
リアル店舗はミシガン大のお膝元 Ann Arbor にあるらしいのだが
Troy の Whole Foods で販売しているところを
妻が2度ほど買ってきて、食べてみたところ
普通に日本の基準でおいしいと思う。
(ただし、私のパンの好みは標準的でないかもしれない。)

以前に紹介した Polish Market のパンもおいしいが、
ドイツ・スイス系に近いパンなので
毎日食べたら私は多分数ヶ月で飽きてしまうと思う。

フランス系のパンは日本人にも受けがいいので、
パン好きの人は試してみられることをお勧めしたい。


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Brio -- Tuscan Grille 【デトロイト】 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、Brio というイタリアン・レストランに行ってきた。
Troy市で最大のSomerset というショッピングモールの中にある。
レストランと言っても全米17州に展開しているチェーン店の一つだ。
W州M市は、地元の人が経営している小さなレストランが多かったが
Detroit州郊外は都会のせいか、一人30ドル以上の価格帯のレストラン
でも、やたらとチェーン店が目立つ。

基本的に安っぽさは否めないが、
店内の内装はチェーン店にしては結構頑張っているし、
料理もまあ、ビストロとは呼んで良いレベルだ。
客層も、近所のおばさま方とか、家族連れ、20代の若者の集まり
みたいのが多いので、子供連れで言っても気を使うことはないだろう。
もっとも、スーツを着た人たちも見られた。

前菜は、エビと茄子の胡椒炒めみたいのを注文。
味付けはやや濃いが、きちんと炒めてあるし無難な出来。
メインは、羊のローストを注文。
アメリカの肉の焼き加減は注文通りにならないことがある、
と以前に書いたことがあるが、注文通りミディアムレアで出てきた。
アバラ2本分のラム・チョップが4切れだったので、
アメリカにしては結構軽めの盛り付けである。
赤ワインのソースも、別に特に良くはないけど無難な出来。
やっぱり、チェーン化されているような店は合理的なので
アメリカ風の「食べきれないくらい出す文化」も
廃れてきているのかも知れない。

飲み物は、グラスでPinot Grigioを一杯頼んだが、
ワインについて語るべきような店ではないだろう。

デザートはなんかイマイチな感じなので注文しなかった。
家に帰って、ハーゲンダッツでも食べた方がお得だろう。

娘は、外食だとあまり食べたがらないので、
パンとジャガイモばかり食べていた。
料金は実質大人2名分でで85ドル(チップ込)。
二人ともアルコールを頼めば、90ドルは超えただろう。

大きな欠点はないが、雰囲気に比して若干割高な感がある。
ちょっと久しぶりの気楽な集まりなんかに使うにはいいが、
気合を入れて行くような店では全然ない。

ブログ内の関連記事:
デトロイト)Big Rock Chop House
アメリカの食材 (とPolish Market ) 【デトロイト】


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【デトロイト】WS大の治安 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

全米一危険なリサーチ大学との呼び声も高いWS大、
2009年のキャンパス内およびキャンパス周辺の犯罪の集計が済んだらしい。
ちなみに、WS大の規模は、学生数約3万2千人、教職員約2700人。

●まずは重犯罪から:

Homicide: なし (7年連続)
殺人。

Forcible Sex Offense: 10件(前年4件)
性的暴行。一番多いのは、「無理やりお尻触られた」みたいなやつ。レイプも若干あり。

Robbery: 13件 (前年27件)
強盗。略奪。いきなり男が襲いかかってきて
財布取られそうになった(or 取られた)、みたいなやつ。

Aggravated Assault: 4件 (前年1件)
要するに犯罪になってしまうような暴力を伴う喧嘩、リンチ。


●もうちょっと穏やかなもの:

Vihicle Theft: 72件 (前年186件)
その名の通り、車を盗まれたというもの。主に路上に駐車しておいたものが多い。

Burglary: 39件 (前年73件)
住居侵入窃盗。

●軽微なもの:

Larceny: 289件 (前年351件)
置いてあったものの窃盗。



―― まとめ

治安が悪いとは言っても死ぬことはまずない。

Sex Offense は増えたが、デトロイトだから多いというよりは
アメリカのキャンパス内ならそのくらいは起こっているはず。

窃盗関係は、凶悪なものから軽微なものまでおしなべて減少。
警察がやたらいっぱいキャンパスにいるのでかなり安全になっている。
自動車も立体駐車場に停めればほぼ安全。


ということで、治安は言われているほどは悪くありません。
入学したい方はぜひどうぞ(*1)。

(*1) ただし自己責任で。

ブログ内の関連記事:
アメリカの治安の調べ方
デトロイト)廃墟と同居する街


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デトロイト)ミシガンと日本は似ている -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今学期の中頃にWS大の新任教員20人ほど集まる機会があって、
一人1~2分の自己紹介をした。

この手の機会があるとアメリカ人は、
デトロイトの人々は素晴らしくて好きだとか、
デトロイトは寒いところだけど緑は綺麗だし気に入っている、
といった私に言わせれば軽薄以外の何物でもない話をする人が多い。

その時に、ちょっと違う話をしようと思ってした話が表題の話。
日本人の参加者は一人だったし日本を印象付けようという意図もあった。

日本の人口は2006年をピークに減少を始めたが
ミシガン州の人口も2005年をピークに減少している。

日本は少子化、ミシガンは人口流出、と人口減少の理由は
違うが根本的な問題は同じだ。
両方とも、一昔前まで製造業で豊かな社会を築いたが
サービス業への構造転換が遅れ気味であり、
それが成長の阻害要因になっている。

構造転換の妨げになっているのはいずれも雇用の問題だ。
日本では年功序列・終身雇用制度が問題になっており、
ミシガンでは労働組合が強すぎることが問題になっている。

私が幸運にもオファーをもらって
デトロイトに来る前にに一つ考えていたのは、
こういう構造の地域で公務員に類する職業に就くのは
短期的には悪くないだろうということだ。
労働者の既得権が強く経済が衰退している国では、
公的部門の待遇は相対的に良くなる。
実際、過去10年程度の統計をざっと見ると
WS大の職員の待遇は地域では相対的に向上している。

もちろん、長期的には州の経済が活性化することが重要だ。
パイが大きくならない経済に勝者はいない。
土地やインフラはある程度整っているので、
労働条件などの諸問題を解決して
サービス業を招致しなければならない。

今週になって、通勤中に聞いている「DTK」という保守派の
ラジオ放送のトピックが公務員叩きになった。
一応、話はアメリカ全体のことについて述べているのだが、
こういった機運は特にミシガンでは高まりやすいかもしれない。
日本のように極端な公務員叩きはアメリカではまだ見られないが、
改革に残された時間はそう多くないと感じる今日この頃である。



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デトロイト)Big Rock Chop House -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日は、かなり久々に(まともな)レストランに行った。
デトロイト周辺に住んでいる人がどれだけ
ココを見ているかかなり微妙だけど、
自分用メモ代わりにレビュー。

店は、Big Rock Chop House
賑やかな繁華街のあるBirmingham市にある。
デトロイト都市圏は主に、
南部に位置する黒人・中東系等が多いWay-ne County、
北西部に位置する知識階層・富裕層の多いOakland County、
北東部の保守派ブルーカラーの白人が多く住むMacomb County
の3つからなるが、
Birmingham市はOakland County の中心に
位置しており賑やかな繁華街を持つ。

レストランは、1931年に建造され1978年に鉄道が閉鎖されてから
空家となっていた鉄道の駅を改造して作られた。
デトロイトではいまだに豪華な建築物の大半は
20世紀初頭に建てられたものなので、
デトロイトらしいレストランとも言える。
今は近くにあるAmtrakの駅に一日4本(?=聞いた話)の
電車が通るだけなのでが通っているだけなので、
元駅舎でも現在はベッドタウンの中にある。

レストランは、
ネオンのセンスのなさ
全てを台無しにしている感もあるが、
ネオン以外のインテリアは結構頑張っていて、
中西部のレストランによくある古くて重厚な感じだ。
客層も悪くない。

メニューは
シーフードを中心にアパタイザーが結構あり、
メインも羊、牛、ロブスター、蟹などバリエーションは豊富だ。

chop house (=ステーキ屋)に来ると
いつも量が多すぎるのでシェアすることにしている
(アメリカ人のお金持ちはこういう事はしないのだろう)。
前菜は 生牡蠣 と crab cake、メインは NY Strip、
付け合せに truffle オイルで揚げたフレンチフライを頼んだ。
crab cake と フレンチフライは
娘が好きだから頼んだようなものだ。
「クラブ・ケーキは後に取っておこうね~♪」
と娘が言うので、
「あー、クラブ・ケーキっていうのは要するに蟹のコロッケのことだよ。」
と説明すると、
「じゃあ、先に食べてもいいね~♪」
とか言っていた。しかし結局少ししか食べず、
パンとフレンチフライとデザートのアイスばかり食べていた。
安上がりとも言えるし、もったいないとも言える。

前菜は、それほど外すものでもないが、
とりあえずそれなりの品質。

ニューヨーク・ストリップは、
肉はよく熟成されていて柔らかかったものの
肉質はあまり良いとは言えなかった

スーパーで1ポンド15ドル以上の
ニューヨーク・ストリップの方が上だろう。
グリルで焼いているが、網目以外の部分の焼きは
かなりマイルドな感じで、強火で焼いているわけではない。
全体に柔らかく仕上げたい、という感じの焼き方だ。
ウィスコン●ンのステーキ・ハウスは案外レベルが高く、
表面は強火でカリッと、中は柔らかく焼いて肉の味を活かす店
が多かったので、今回はやや不満が残った。
ソースはバターたっぷりのものだが、
味のバランスが良く日本人にも違和感のない内容。

飲み物は、前菜と共にカリフォルニアのシャルドネを一杯。
なんか渋くてあんまりおいしくなかったけど、
ワインは詳しくないしそんなもんなのだろう。
(もっと高いのを頼むべきだったに違いない。)

デザートは、
カリフォルニア産の Prager Aria White Port とかいうワイン。
デザートワインだがシャルドネなのでそんなに甘くはない。
アルコール度数はかなり高いのではないかと感じた。
初めて試しに飲んだみて、嫌いではないけど、
個人的にはRiesling で作ったIcewine の方が好きだ。

話はそれるが、ナイアガラのカナダ側には、
Niagara On the Lake というワイナリーのたくさんある街があって
アイスワインが結構リーズナブルな値段で買える。
そのあたりにくる人にはお勧めだ。
5年前に行った時は、たまたま日本人のツアーが来ていて、ガイドが
「このワインは帝国ホテルでは一本1万円以上しまーす!」
と客を煽っていた。なんであんなにうざいのだろう。

さて、気になるレストランの会計は、税・チップ込みで125ドル(実質2人分)。
全体として不満はないし、一度行ってみるのは悪くない。
でも貧乏人としては、コストパフォーマンスを考えると、
次は他を探そうかなぁと思ってしまうレベル。
貧乏人の高級レストランを見る目は案外厳しい。
あ、当たり前か(笑)。




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全米犯罪率ランキング - デト口イトはNo.1ではない -- このエントリーを含むはてなブックマーク

CQ Press という出版社が、FBIのデータを元に
全米の人口75,000人以上の都市の犯罪率をランキングしている。

masayang氏のブログで知ったのだが今年のランキングが出たらしい。
デトロイト市は、393都市中で4位、昨年の3位から一つ改善した。
Oakland, CA および、St. Louis, MO と逆転したらしい。
デトロイトより危険ってどんだけ~、と思ってしまう。
ちなみにアパートを借りているト口イ市は356位でかなり安全だ。
他にもデトロイト郊外には結構、安全な街が多い。
危ない人たちをダウンタウンに残してきたのだから
当然と言えば当然といえる。

それにしても、
官庁統計を元にデータを加工しただけで
高い値段で売ってる
ってどんだけ商売しやすい国なんだ、
アメリカは。


統計のフェア・ユースの考え方が広まっているアメリカでは
利用可能な統計の範囲が日本に比べて格段に広い。
もうちょっと言うと、日本が異様に厳しいだけで、
アジアなどはアメリカよりユルユルな方が普通らしい。
自分も、その辺に落ちているデータで一儲けしてみたいものだ。





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ミシガンの失業率が15.1%に低下 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日は、アメリカの州毎の失業率のデータが公表された。

全米の10月の失業率は10.2%(前月比+0.4%ポイント)
となって16年ぶりに10%を超えたが、ミシガン州の失業率
15.1%と、どうやらこのところ横ばいからやや低下になって
来た模様。デトロイト圏の失業率は、前月のデータだが17.3%で
ミシガン平均よりも2%ポイントほど悪い。

自動車販売が落ち着いてきたことが理由だろう。アメリカの
自動車販売は金融危機後の信用収縮で年間1600-1700万台ペース
だったのが年間900-1000万台ペースまでものすごい勢いで縮小した。
しかし、自動車の耐用年数はせいぜい10数年だし、車を使う人数
は大して減っていない。年間1200万台半ばくらいまでは
結構簡単に回復するんじゃないかと勝手に思っている。

ところで、
日本は金融危機で景気は悪くなったけど
信用収縮は大してなかったはず。
なのに自動車販売があんなに減少した理由がよく分からない。
日本に住んでいたら感覚で分かったのだろうか?
説明できる方がいたら、教えていただきたい。
(個人的には、日本人には元々車が必要ない人が多くて
景気が悪くなったので、そういう無駄なところを削る人が
一気に増えました、というストーリーだと思っている。)

話はそれるが、通勤用のスバルを整備に出さなければ。
今回は、最初からディーラーに行こうと思う(笑)。

怪しい自動車修理工場に行くと →1日目2日目3日目




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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
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