米国の有名私立大学の学費に大きな変化 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日のウォールストリートジャーナルに大学の学費などの費用の記事が載っているのだが、どうやら米国の有名私立大学で、学部生(undergraduate)の授業料の実態が急速に変化してきているらしい。(以下、一部引用させていただいたが概ね私の文章である。)

過去数十年間の間に、米国では大学の授業料が途方もないほど上昇した。ハーバード、イェール、スタンフォードを初めとする私立トップスクールの学費は、年間30,000-35,000ドルであり、寮費や生活費を含めると年間5万ドルに達する。ジョージ・ワシントン大で学部生のための年間費用が全米で初めて5万ドルを超えたというニュースは記憶に新しい。

ところが今年、ハーバード大は年収18万ドル以下の家庭の学生は、最大で年収の10%の費用を払えば良いという新奨学金プランを発表した。年収18万ドルというとかなり裕福な階層に含まれるのだが、それでも費用負担はわずかに18,000ドルということになる。年収が12万ドル以下の場合は更に負担率が低くなり、6万ドル以下では無料になるという。おそらくこれは最も極端な例だが、イェール、コーネル、ダートマスなどのトップスクールもこれに近いプランを提供している。

こうした気前の良い奨学金の支給は、多額の寄付金に支えられている。これまで有名私立大学は寄付金をたくさん溜め込んでいた(ハーバード大の運用資産は3兆円を超える)のだが、政治家から「寄付金は免税などの優遇措置に支えられているのに大学はそれを社会に大して還元していない」という不満が出るようになり、その空気を読んでこうしたプランが続々発表されているようだ。

これまで米国は、優秀な学部生が多くの大学に分散しているのが特徴とされてきたが、今後は名門私立大学のこうした攻勢によって、日本の東大・京大・早慶のように名門私立大学への頭脳集中が進むのではないだろうか。州立大学は、こうした動きにかなり危機感を抱いているようで、カリフォルニア大のミーティングでは、州民がカリフォルニア大に進学する費用がハーバード大への進学費用より高くなるケースが発生していることが問題になったらしい。

日本から見ると、これまで米国への学部留学はとても高くつくので敬遠されてきたが、今後は能力さえ高ければ庶民でも手の届くものになってくる可能性がある。ハーバード大は、(少なくとも明示的には)奨学金の支給要件に国籍を含めていない(一方で例えば、カーネギメロン大は少なくとも昨年時点では米国市民のみという制限を設けている)。語学の問題や高校の学校制度の違いなど様々な障害はあるものの、日本でトップクラスの高校生が米国の大学を目指すようになる日も遠くないかも知れない。


スポンサーサイト

テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

検索フォーム
Twitter

Twitter < > Reload

お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

全記事表示

全ての記事を表示する

最近のコメント
訪問者数 (UA)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
33位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
北アメリカ
5位
アクセスランキングを見る>>
人気記事Top10


(はてなブックマークより)

カテゴリー
最近のトラックバック
お勧めブログ