2009 衆議院選挙の予測パフォーマンス(選挙終了直後) -- このエントリーを含むはてなブックマーク



衆議院選挙の選挙予測のパフォーマンスを比較してみた。

予測は、選挙終了直後の時点(2009年8月31日午後8時時点)のもの。
ただし、インターネットオークション形式の「ネット予測市場」
(静岡大佐藤研)は午後2時時点が最新のためそれを使用。

結果は、「ネット予測市場」の圧勝。

従来型マスコミでは、NHKとテレビ朝日が健闘。
ただし、NHKは区間予測のため、予測上限と下限の平均を
予測値とした。

フジテレビ以外は、有意水準5%で予測にバイアスがある
という仮説が棄却されなかった。

各局、割と頑張ったってことじゃなかろうか。

予測者 民主 自民 公明 合計 chi-square p-value
(結果) 308 119 21 32 480 - -
ネット
予測市場
313 119 20.9 27.1 480 0.966 0.809
NHK 313.5 107.5 24 35 480 1.959 0.581
テレビ
朝日
315 106 23 36 480 2.368 0.500
テレビ
東京
326 98 18 38 480 6.941 0.074
日本
テレビ
324 96 23 37 480 7.150 0.067
フジテレビ 321 97 22 40 480 7.162 0.067
TBS 321 97 20 42 480 7.947 0.047



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テーマ : 衆議院選挙
ジャンル : 政治・経済

Latex: Beamer のインストール (自分用メモ) -- このエントリーを含むはてなブックマーク



秋からの授業の準備のため、Windowsに
LaTeXを使ったプレゼンテーション用パッケージ
Beamer をインストール。

以前、インストールしたら、一応動くものの
どうしてもテーマ(レイアウトの書式)が使えなくて、
意味が無いので諦めたのだけど、
今回、ナカマさんのホームページのガイド
を参考にしてやったら、何故か一発で成功した。

まあ、そんなこともあるでしょう。
パソコン、苦手だし。。。


ちなみに、Beamer には近くにあるミシガン大の作ったテーマがあるらしい。
日本人が作ったものがないのは、ちょっと寂しい。


テーマ : ソフトウェア
ジャンル : コンピュータ

アメリカの健康保険 -- このエントリーを含むはてなブックマーク



アメリカでは、
自己破産の62%が医療費用を原因とするものであり、
その78%は健康保険を持っていたにもかかわらず
破産した(ハーバード大研究者による調査)との報告もある。

そんなわけで、留学などで米国に来る際には
健康保険がどうなっているかは、
財政援助や授業料と並んで大事なものであると思う。

例えば以前、米国移住を考えている中高年と思われる人から
「日本の健康保険の海外療養費の支給制度ではだめか」
というナイーブな質問が某掲示板であった。
この制度は、海外での治療費のうち、日本国内で治療を
受けた場合の相当額を受け取れるというものだが、
アメリカに適用すると大雑把に次のようになる。
まず、アメリカの医療価格は
少なく見積もっても日本の3~5倍
だろう。
仮に3倍だとして、3,000ドルの治療を米国で受けると、
日本での相当額は1,000ドル、
3割自己負担なら健康保険からの支給額は700ドルである。
ないよりはましだが、焼け石に水である。
しかも健保によっては、専門家による請求書の
英日翻訳を強制しているところもあるようだ。

次に、日本の保険会社の海外傷害保険に入った場合はどうか。
費用を払う分多少マシになるうが、
出産、既往症、自覚症状のみに基づく疾病(腰痛等)、虫歯
など、比較的必要性の高いものは、細かい免責条項
決まっており安心できない。

結局、米国内の保険に頼らざるを得ない。
多くの大学では、留学生は学生用の健康保険
強制加入することになる。

大学によってカバレッジや保険料は異なるが、
以前にいたW大M校では、
独身者が年1800ドル、
家族が7500ドル程度だった。
家族用の保険料が高いのは、
出産や子供の定期健診等をカバーするためである。
TA/RA をやるとカバレッジが少し高くなる上に
95%ほどが大学負担になり、
自己負担はわずかに年400ドルほどだった。
救急外来を除けば医療費を払った事はほとんどない。
以前、W大M校は院生の待遇が悪いと書いたが、
充実した保険は大きなアドバンテージの一つである。

今いるWS大では9月から大学の保険が提供されるが
私が選択した比較的安い健康保険(HMO)の
年間費用でも12,000ドル以上に上る。
そのうちの約10,000ドルは大学側が負担し、
自己負担は年間2千数百ドルほどだ。

労使のどちらが負担するにせよ、
健康保険料は非常に高額であり
米国経済の大きな負担になっている。
次回は、もうちょっとマクロ的な視点で
アメリカの医療制度について書こうと思う。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

2010年のアカデミック・ジョブ・マーケット -- このエントリーを含むはてなブックマーク



2010年度に向けたアカデミック・ジョブ・マーケットが
いよいよ動き出したようだ。

アメリカでは、基本的に全ての労働市場がシンクロしてるので
景気が悪い時はアカデミックでも(応募者にとって)
状況が悪化するのだが、民間よりやや反応が遅れる分、
今年のマーケットは過去十数年で最悪になるのではないか、
とも危惧されている。

一流私立大学は、不景気によるEndowment fund の損失と
寄付金の低迷で財政事情が悪化し、
州立大学は州政府の財政悪化で台所事情が苦しい。

今度学科長に会ったら、
うちの大学の状況も聞いてみようと思う。

唯一の頼みは、政府のstimulus package から出る研究費
だろうが、恩恵があるのは主にバイオ・医学関係だろう。


統計学科は、1960年代に出来たところが多く、
今はちょうど第一世代の引退の時期に重なってるので、
近年のジョブ・マーケットは概して良いと言われているが、
当然景気の影響を受けるし、近年は分野全体で
ファンディングも減っているので、予断を許さない。

以下、統計関連の教育・研究ポジションで、
気になったものをいくつか。

1. N州立大統計学科

昨年度、就職面接に行った大学。
統計学科のtenure-track/tenuredの研究ポジションは定員5名だが
2名の募集。しかも、今年度1人採用したところなのに、
来年1月スタートの急募である。
何があったんだろうと思ってHPを見たら、
カップル(アメリカ人男性+中国人女性)で働いていた人が
揃って他に移ったらしい。
面接で会った時には、美点を並べて薦めていたのに。
恐ろしいものを見た。

2.カリフォルニア大デービス校(UC Davis)

統計学科で、大規模データ関連の分野に絞った募集。
カリフォルニアって財政難なのに採用凍結(Hiring Freeze)
はかかっていないのかなぁ。
米国はなんだかんだ言って、引退した人の欠員補充
はやっているので、老人が勝手に定年延ばして若者の
ポストを奪っている日本よりはマシな状況なのかもしれない。

3.イリノイ大シカゴ校 (U Illinois-Chicago)

数学/統計/CS のいずれかの分野から募集。
昨年応募したが、確かHiring Freeze がかかったところ。
去年は全米で10-20%のポジションが一旦募集後に凍結されたので
これがどのくらい解除されるかも重要な点かも。

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テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

テニュア制度 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日はオリエンテーション二日目。
ランチを除いても7時間も会議室にいた。
(その割には、内容が薄かった気が。。。)

事務的な話が割と多かったが
最後に、テニュア審査の説明があった。
アメリカの大学にいる方はご存知だと思うが
おさらいしておくと、アメリカでは
助教(assistant professor)は
大抵 tenure-track というポジションであり、
学科にもよるがおおよそ最初6年間の業績で
終身在職権のあるassociate professorへ昇進するか、
解雇されるかが決まる。

この二つの地位の間には天と地ほどの差があり
(注:何故か給料にはあまり差がない)、
ともかく昇進するために助教は必死で頑張るわけだ。

審査を申請して昇進する確率は結構高く
100%に近い大学もあるが、
これは審査に通る見込みがある人しか
申請しないからであると言われている。

ペンシルバニア州立大の研究者による調査によると
助教がテニュアを取る確率は全米で53%程度だそうだ。

もちろん、この中には自己の積極的な希望で
別の大学や企業に移ったりするケースもあるので
実質は6割くらいということになるかもしれない。

ハーバードやMITと言った超一流校では、
基準が厳しく、優秀な人が集まっているにも関わらず
テニュアを獲得する率が2割以下ということもあるようだ。

その点、私のいるW大などは比較的テニュアを
取りやすいのでお得感はあるが、今後6~7年は
なかなか大変そうな日々が続きそうある。


テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

副学科長とブランチ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日は、隣町のRoyal Oak のカフェに
副学科長のB夫妻とブランチに行った。

ヨーロッパもそうだが、
アメリカの日曜日の朝は町が空いていて便利だ。
路上駐車も悠々できたし、日曜は駐車料金も無料のことが多い。

適当に4人で2時間くらい雑談して散歩をして昼過ぎに帰った。

私自身は統計をやるのに数学を使っているだけで
数学を研究している人間だとは思っていないが、
同僚が数学者だと外国語でも話が通じやすいし(論理的だから?)
率直で付き合いやすい人が多いので助かる。

そういえば、自分はこの手の食事は就職活動の
時にこれでもかというくらい経験したけど、
妻にとっては初めての経験だったので、少し疲れたようだ。

学生の時は、集まりといったら気楽なポットラック・
パーティーくらいだったので、仕事につくと
人付き合いも微妙に変わるなあ、と感じる今日この頃である。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

引越し -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先週月曜日に、
ウィ●コンシン州マ●ィソン市(以下、M市)から
ミシガン州ト●イ市(T市)に引っ越しをした。
M市からT市までは車で7時間ほどの距離で、
ほぼ東に移動するだけなので、
気候もそれほど変らない。

同じ中西部の都市なので
文化や人のようすもあまり変らないだろうと思っていたら、
どうやら大都市圏に来たせいで、
人の対応が何かと冷たい。
素っ気無い店員とかが多くて、
やっぱり田舎の大学町との違いを感じた。
ボストンから来た友人は
反対の感想を述べていたけれど(笑)。

金曜日は新しいファカルティーのための
観光ツアーがあった。
参加者50人ほどのうち、
おそらく6割強がアメリカ人で
残りが外国人だったように思う。
アメリカ人は、デトロイトで生まれ育った人が多い。
まあ、カリフォルニアからデトロイトに
来ようと思う人は稀だろうから、これは必然だろう。
外国人の大半はアジアから来ている。
これはアメリカ中どこの大学に行ってもそうだろう。
日本人は自分以外にもう一人いた。

ところで、経済学部の韓国人が一人来ていて、
分野も近いのでランチの時に話をしていたら、
同じアパートに住んでいることが判明した。
400万人もいる都市圏の中の
わずか150世帯のアパートに
偶然二人とも住んでいたわけだけど、
アメリカって、
勤務先とか、職業、年収、人種、年齢とかで
絞っていくと結構似たような所に住んでいる
ことが多いので、あまり驚かなかった。
ちなみに日本人の人も、
数百メートル離れたすぐ隣のブロックに
住んでいるそうだ。
(だからといって、その辺りにはアジア人
ばかり住んでいるわけではないのだが。)

アメリカって、
いろんな人が住んでいるだけで
別に融合しているわけではないし、
融合を目的としているわけでもない。
(そもそもアメリカに限らず複数の民族が
融合している国なんて滅多にないと思うけど。)

アメリカやニューヨークを形容する際に
「人種のるつぼ」という言葉がよく使われるけど、
どちらかというと「カラーテレビ」とでも
言った方が的確な例えのように思う。
一見、色彩豊かに見えるけれど、
よく見るといくつかの原色の組み合わせで出来ている。
わざわざその仕組みに文句をつける人は滅多にいない。
白黒テレビより出来がいい限りは。


(写真:引越し前(上)と引越し後(下)の窓からの風景)
引越し前

窓の外(引越し後)


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

日本からの留学生の減少 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近日本からの留学生が減っている印象がある。
それは実際統計にも表れていて、1999年には日本の留学生は
約46,400人で一番大きな勢力だったのだが、昨年のランキングは、

順位 国名 人数 前年比
1.インド 94,563 (+13%)
2.中国  81,127 (+20%)
3.韓国 69,124 (+11%)
4.日本 33,974 ( -4%)
5.カナダ 29,051 ( +3%)
6.台湾 29,001 ( -1%)
7.メキシコ 14,837 ( +7%)

(出所: Institution of International Education)

となっていて、ここ9年間で約27%も減少している。
一番の原因と考えられるのは日本の少子化で、
例えば各時点での20歳の人口を比べてみると
1979年生まれが164.3万人で、1988年が131.4万人なので
約20%の減少している。

しかし少子化要因を除いても、8~9% 程度減少して
いることになる。グローバル化が進んでいる現在、むしろ
留学する人の割合は増えてもいいはずで、やはり日本の
留学生は、減少傾向にあると言ってよさそうだ。

昨年の東洋経済の記事では、「日本の成熟化」や「アメリカ
での娯楽の少なさ」が原因とされているが、私にはかなり
疑問である。そもそも、1999年と2008年を比べると、日本の
経済的地位は相対的に下がっているし、日本国内での娯楽は
むしろ内向きになっている。
やはり、日本の経済的地位低下や世界への関心低下
留学生数を押し下げていると考えるほうが自然だ。

例えば、2000年に円高だった時点(1ドル102円)と比べると、
日米のインフレ率には差があるので、現在の為替レートが
1ドル=80円程度になっていなければ同じ購買力にならない。
為替は常に変動するが、今、日本経済が1ドル=80円で正常に
機能するかと言えば恐らく無理だろう。これが経済地位低下
の現実であると思う。94~95年頃と比べれば更に違いは
明白となる。


博士課程の留学事情
はどうだろうか。
説得力のある統計はないが、実感としては日本人のプレゼンスは
上の統計に表れるよりはるかに小さいように思う。
経済的視点から考えても、
日本はインド・中国に比べて経済的に圧倒的に豊かなので
親からの資金援助を元にした語学留学や学部留学の割合が
高いと考えられる。

しかし、博士課程に関して言うと、減少率はともかく、
日本の留学生が少ない原因はそれだけではないと思う。

日本社会は博士号に対する評価が非常に低い。
理学系や社会科学系の博士など取ってこようものなら、
まともな就職すらままならない。
新卒一括採用主義(しかも原則25歳まで)という
日本の特殊な雇用慣行が原因であろう。

上位3カ国の学生が、アメリカで就職しても良いし、
母国に帰ればかなり良い待遇の職を選べるのに対し、
日本人留学生は(一部の社会科学系を除き)コネがないと
日本での就職が厳しい、というなんとも不利な立場に追い込まれる。
この点に関しては、他国の留学生にはなかなか理解してもらえない。
また、米国での就職にしても、小学校から英語で勉強している
インド人等に比べた場合の語学力でのハンディはいかんともし難い。
こんな理不尽な状況では、留学生が増えないのは仕方ないだろう。

博士課程における日本人の少なさは、
日本より資金が豊富な生命科学系のポスドクや、
先端の医療を学ぶための医師の研究留学などが多いこと
と比べると対照的である。

UCLA出身のK東大教授は、
「別にアメリカがなんでもすぐれているとか,
みんなでこぞってアメリカに行くべきだとかはちっとも思いませんが,
一般的に言って日本の数学の学生でアメリカに留学する人はあまりに少な過ぎで,
もう少したくさん行った方が本人のためにも日本の数学のためにもいいと思います.」
と書いている。正にその通りで、これは他分野にも大抵当てはまると思う。

応用分野や日本が出遅れている分野であれば、
なおさら現地に行って他国の研究者と交流することは必要なはずだろう。
日本がはやく社会構造的な障害を取り除いて、
活発な人材交流を促進することを願ってやまない。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

家族連れ大学院留学の経済事情 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私の場合、幸いにも結果的にはほとんど自分で学費を払う
必要はなかったしTAやRAもずっと貰うことができたのだけど、
家族連れで留学したので結構な持ち出しになった。

まず配偶者がいると一気に費用が嵩むのが健康保険料である。
アメリカの医療保険が、出産をカバーしていることが大きな
理由であろう。うちの大学の場合は、TA/RAをやると家族分の
保険料も払ってくれるので、保険料のためにTA/RAをしていた
ようなものである。
もし、まともな健康保険を自費で賄う場合、
配偶者と子どもがいると大雑把に言って
年間で1万ドル近い額になりうる。

日本からの資金で留学するポスドクの人などは要注意である。

子どもについては、一番お金がかかるのは、kindergarten
(日本で言う幼稚園の年長)に上がる前に行く
pre-school(2-4歳)の教育費である。
フルタイム週5日のpre-schoolなら月1000ドルを下ることはまずない
(ただし、入れるのは義務ではないし、
まして母親が働いていなければフルタイムで入れる人は少ない)。
それ以外も、子どもにお金がかかるのは先進国に共通の事情だろう。

あとは飛行機を利用しようとすると当然ながら、
人数分の航空運賃がかかる
(ただし2歳未満はアメリカ国内線は無料)ので、
帰国できる回数は必然的に少なくなる。

まあそれ以前の問題として、
私の場合は日本でサラリーマンをしていた頃に、
気軽に良いレストランに行ったりタクシーを使ったり
できる程度の余裕があったので、そもそも贅沢が染み付いて
いるという問題もあるだろう。

途上国出身で既婚の人は、
夫婦で大学院生と言うケースが非常に多い。
そうすると経済的にはかなり楽だし、
キャリアにおける時間的なロスも少ない。
私の同期の中国人の女性は、
夫婦共にPhDプログラムにいたが、在学中に出産した上、
4年半で卒業して、製薬会社に就職した。

私は、もっとゆったりした人生を送りたいので、別に見習おう
とは思わないが、そのバイタリティには驚いた。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

大学院 と Financial Aid -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカの大学院に留学するためのハウツー(how-to)本は
日本語でも結構出ているし、最近はいろんなブログがある
から情報は結構手に入る。

しかし、その中で、financial aid に関する記述と言うのは、
どうも偏っているような気がする。典型的な説明は、
「アメリカのPhDプログラムは授業料が免除になる上に、
研究をしているだけでお給料ももらって自立できる。
日本の大学院はお金がかかって困る。」
みたいなもの。

まあこの手の話は、一種の自慢話みたいなもので、話半分に
聞いておいた方が良いと思う。

じゃあ、どのくらいの学生が援助を受けているの?
っていうと、まあ一流私立なんかはほぼ全員が援助を受け
てるだろうけど、州立なんかでは全員とは言えない。
特に人文系なんかは相当厳しいようだ。
また、ランクが下の大学だと状況はもっと悪くなる。

例えば、Carnegie Mellon Foundation によると、
研究大学(research universities) は上から順に、
15, 16, 17の3ランクに分類されていて各々約100校ずつある。
数学系についていうと、
このうち上位の分類「15」の大学はそれなりの援助を
しているようだが、「16」になると学費の一部免除や
時給制のバイトを提供しているだけのケースも多いようだ。
(「17」の大学は事実上、研究大学ではないことが多い。)

次に、ある学科が9割の学生に財政援助を出しているとして、
日本からきた留学生が貰える見込みがどのくらいあるの?
というと、実はそんなに確率は高くないと思う。
まずアメリカ人が半分いるとして彼らは全員が財政援助つきである。
次に英語圏・ヨーロッパ語圏の人は言葉の問題が少ないから取りやすい。
さらに発展途上国の人は、貧しい人が多いので取りやすい。
結局、お金も持っていて、英語力でブービー賞を争ってる
日本人とか韓国人とかがすんなりと取れる可能性は
あんまり高くない。

特に、一年目は大学側も学生の能力を測りかねているから、
学科もお金を出さないことが多い。

さらに、TA/RA の労働負担ってどのくらいのものなの?
という問題もある。

TAの場合、演習の授業から採点、質問係、雑用までやって、
州立だと貰える額は月に1500~2000ドルくらい。
今は日本の教育産業も不況だが、私が日本に居た当時は
予備校で講師のバイトをすれば一時間で5000円くらい
貰えたので、そちらの方が割が良かったくらいである。

RAの場合は、本当に研究だけをすればいいこともあるが、
受託研究であまり面白くないこともあれば、自分の研究と
あまり関係がなくて時間の無駄になることもある。

仮にフルサポートをもらったとして、全額それで賄えるものなの?
というと、それも疑問である。日本人はルームシェアをしない人が多いし、
独身の人なら年に1回あるいは2回帰国する人が多い。
車もないと不便な場所も多いし、旅行が好きな人もいる。

TA/RAを貰えても、うちの大学(W大M校)の日本人院生は
年に数千ドル規模の持ち出しになっている人が多いと私は
想像する。

まあ、こんなところに来て後から種明かしするのもなんだが、
お金を全部出してもらえると思ってアメリカに来たものの
当てが外れてお金に困っている知り合いもいるし、
私の大学でも「勉強してない時はいつもお金の心配で頭が
いっぱいになる」と話していた院生もいた。

別に不安を煽るわけではないのだが、
アメリカに来ても誰もがバラ色ではないですよ。
ということはこちらに来る前に知っておくべきだと思う。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

覚醒剤と数学2 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

かなりしつこいが、また覚醒剤ネタである。

覚醒剤は、「数覚」をも醒ますことができるのか?
というと答えはYESなんだろうなあと思う。

私が某T大の数理にいた頃、天才・秀才は何人かいたが
その中の一人は薬をやっていると公言していた。
彼は、夏でも長袖を着ていたし、アルコールを飲むと極端に
調子が悪くなったりしたので、やっぱり本当なんだろうなあ
と漠然と思っていた。
それに、覚醒剤と結びつきが強いある欲求についても、
彼は特殊な趣味を持っていた。

で、彼とはセミナーを一緒にやったことはないのだけど、
本を読むときの集中力が桁外れだったらしい。
数学の専門書というのは、私のように「アホ」な人の場合、
一生懸命読んでも一日10ページ以上進むのはかなり苦しい
のだが、彼は結構難しい専門書をほとんど休まずに一日とか
二日で読んでしまう。「酒は一気飲み、数学は一気読み」
と言っていた。もっとも、復習は結構やるらしい。

彼は確か、修士の2年の時に指導教官が長期出張という
不運に見舞われ、しばらく顔を合わせることがなかったのだが、
その後、体調を崩して休学をしたようである。

今、調べてみたら、彼の修士論文も博士論文もどうやら
提出されていないようだ。今頃、どこで何をしているのだろう。
今思うと彼はちょっと、生き急いでいた感じがする。


テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

覚醒剤と数学 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

覚醒剤が流行っているので、月並みだが、
覚醒剤と数学の違いを列挙してみた。


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テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

Qualifierとドラッグ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本の芸能界でドラッグが随分ニュースになっているけど
きっとアメリカじゃあニュースにならないくらい蔓延
しているんだろうなぁ。。

私のいる某大学には経済学部の留学生が多いのだけど、
特に中西部の経済学部は、Qualifying Exam あるいは 
Preliminary Exam と呼ばれる筆記試験が厳しい大学が多い
ことが有名で、入学者の半分以上が振り落とされるような
ケースも多く見られる。

数年前の話だが、シカゴ大経済学部のPrelimがあまりに厳しいので、
学生の間でドラッグを使って勉強するのが流行って問題になり、
最近は昔ほど試験を厳しくしていない、という話を聞いたこともある。

ちなみに、この Qualifier あるいは Prelim と呼ばれる
試験は、日本で言うと修士課程の入学試験に近い。
アメリカの大学院の博士課程には入学試験がないので
書類選考を通った人はみな入学できるが、
たいてい2年目にこの試験があり基準点に達しない者は退学になる。
厳しいようだが、適性の無い人に早めに諦めさせて
他の道に就かせるという建設的な試験だと私は思っている。

日本の修士課程の試験に近いと書いたが、
基準点は日本の修士の院試に比べるとかなり高いことが多い。
特に基礎学力が重要になる理学系の学科などではその傾向が強い。
例えば、東大の数理科学の院試は、私が受験した当時、
倍率が4倍くらいだったが、こちらの統計学科のQualifier の方が
ハードルは高いと感じた(年齢のせいもあるけれど)。

そんなわけで、一年目を無事に終えたPhDプログラムの学生は、
最初の夏休みの大半を試験勉強に費やすことになる。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

ビジネス・スクールのPhDプログラム -- このエントリーを含むはてなブックマーク

DowntownM

自分の博論の証明に誤りが見つかって
口頭試問が延期になってしまったので
今日は気分転換に日本びいきの韓国人の留学生と食事をした。
彼は英語が極端に苦手なので
いつも日本語で会話をしているのだが
実は日本語もあまり上手くない。

彼は本当に日本に詳しくて、3年間以上
日本に帰ってない私よりも何でも詳しく知っている。
今日も、
「うちの学科の●●は韓国の田舎出身なので保守的なんです。
ソウルから300kmくらいの町なので、東京と名古屋くらいの
距離なんですが、感覚としては東京と秋田くらい離れてます。
あの町は稲作が主な産業ですし。」
なんてことを、もっとたどたどしい日本語で説明してくれた。

「ルクプルは、97年のデビュー当時は好きじゃなかったが、
今はソロで藤田恵美として活動してて最近でた曲は気に入ってる」
と言われた時には、話題について行けなかった。

とりあえず負け惜しみに、
「今、日本では酒井法子と押尾学がブームなはずだぜ」
と教えておいた。


ところで、彼は父親が韓国のビジネススクールの教授で、
本人も将来は韓国で大学の先生になりたいらしく、
統計学科の修士課程に在学しながら、
ビジネス・スクールのPhDプログラムを狙っている。
去年は、有名校ばかり15校くらい出願して
全部ダメだったらしい。

ビジネス・スクールのPhDプログラムというのは、
基本的にビジネス・スクールの教員・研究者を養成する
ためのプログラムなのだが、入学選考はもの凄く厳しい。
というのも、多くの大学は、分野毎に毎年1~2人しか
取らないからだ。

通常のサイエンス系のPhDプログラムなら十人~数十人の
単位で入学させるし、MBAなら数百人から千人くらい
取るので、それらに比べて難しくなるのは当然である。

従って、選考も単なる潜在能力とか基礎知識という枠を超えて、
研究者としてすぐに独り立ちできるような人だけを合格させる
ということのようだ。

正直、その私の友人にはちょっとハードルが高いではないか、
と思っているのだが、一流ビジネススクールでPhDを取ると、
韓国では簡単に教授になれるらしく、どうしても入りたいらしい。

うーん、一発逆転の発想かぁ、とちょっと先行きが不安であるが、
彼の家はお金持ちだからそれでもいっか。


(写真:ダウンタウンから撮った州議事堂)

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学科のニュースレター(シンガポールの話など) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日は、久しぶりに学科に行ったら、
学科のニュースレターが来ていた。
確か1年に一回発行される。

日本でもそうかも知れないけど、
学科のニュースレターというのは、
就職状況であるとか教授の異動であるとか
結構大事なインサイダー情報が載っていて案外侮れない。
留学前に内部事情を知りたかったら、
頑張って入手する価値があるかも知れない。

とりあえず今日気になったこと:

1.
一緒に就職活動していた友達が、
シンガポール国立大(NUS)の助教(Assistant Prof)に就職。
めでたいが、自分もフライアウト(現地面接)
に行っただけに悔しさも残る。

NUSの統計学科はまだ出来て
10年ちょっとなのだが結構な名門である。
授業は各学期に一コマしか持たなくて良いし、
待遇面でも住宅手当なんかが充実していて、
実質では米国の大学より遥かに待遇は良い

NUSの一番の難点はテニュアを取るのが難しいこと。
トップジャーナル(Annals of Statistics, JRSSB, JASA,
Biometrika)以外は業績にカウントされず、
テニュア審査までに3本は必要、4本で十分と言われる。

NUSは少し前までテニュア審査期間が8年前後と米国より
長かったのだが、最近制度を変えて、米国と同じ6年に
なった。今のAssistant Professor を見ても、結構、
テニュアを取れない人は出てくるのではないかと思う。

だからといって、みんな悲壮感が漂ってるかというと
そんなことはなく、逆にのんびりやっている
常夏の国ならではの気質だろう。

もっとも、テニュアを取れなかった人も
結構米国の一流州立大学とかに戻っているそうだ。

2.
秋からの統計学科の大学院新入生は26人。
結構多いほうだ。
内訳は、うちの学科の特殊事情もあって中国人が16人で、
アメリカ人が6人、韓国2人、ベトナム1人、
イギリス(香港)1人。
26人で財政保証無しが15人って
一体どういう状態なんだ。。。。

これまで、統計学科はアシスタントシップの数で
入学許可数を決めていた感じがあるのだが、
今年は見積もりを誤ったとしか考えられない。

ポストが足りないから、Qualifying Exam を難しくして
人数を減らそうなんてことになったら、
ずっと悲惨なままの学年になってしまうかも知れない。

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米国:補助金による自動車販売回復の真相は? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

政府が新車を買う人に、
3500-4500ドルの補助を出して中古車を引き取る
という"Cash for clunkers" のプログラムのおかげで
米国の自動車販売が少し回復しているらしい。
当然、時価が4500ドル以下の車を持っている人
にしかメリットがないから、
中所得者層以上にはあまり関係ない

これは、信用対策としての側面が大きいように思う。

つまり、大して値段も付かないような車に乗っている人は
現金も持っていないので、新しい車を買うための頭金が
払えない。従ってローンも組めないという状態だった。
そこに、3500-4500ドルの補助金が出来たので、
車が買えるようになった。
そこには消費者の合理的な判断があるとは限らず、
単にローンが組めたから買おうという
サブプライムと似た構図がある。

借りた人が最後まで払い切れればいいけど、
そうじゃないと車が差し押さえになって
時差をおいて大量の中古車が市場に放出されて
需給が悪化するんじゃないかと心配である。
(まあ、中古車を買う立場の自分にとっては
悪い話ではないけど。)

ニュースにする人は、そんなことも踏まえて
cash for clunckers と自動車ローンの関係
なんかを詳しく調べてくれたら
面白い記事になるのに、と思う。


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数学をやってると・・・ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

気分の浮き沈みがあるのだが、
良さそうなアイデアを思いつく → テンションが上がる
そのアイデアが没になる    → テンションが下がる
というわけで、実は全然進まないまま
気分の浮き沈みだけが起こるということになりがち。。。


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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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