正直、iPad の使い道を思いつかない -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日は、Troy市のショッピングモールに行ってきたので
日本でも最近発売されたiPadを触ってきた。
広いショールームにiPadだけで40~50台くらいあったと思う。
客はそれなりに多くて、ほとんどの端末は誰かが使っていた。
手にとって見るとネットで読んだスペックの割には小さく感じる。
確かにデザインはおしゃれだし、本体の向きを変えると
画面の向きが変わるなど、おもちゃとしては凝っている。

しかしどうも使い道を思いつかない。
メールを打つにしても画面に出るキーボードは使い物にならない。
一つ一つ人差し指で押す分にはいいが、
普通のポジションでタイプするのは困難だと思う。
動画も再生してみたが、液晶の反応が遅いので
動きが早い画像だと目が疲れる。
あれで映画を見ようとは思わない。
写真にしたって、特殊な仕事をしている人を除けば
わざわざメモリカードをデジカメから
写して見る気にはならないだろう。

ネットにしたって、どこで見るのだろうか?
喫茶店でみるならノートパソコンでWiFiを使えばいいし、
電車の中であれを取り出して長時間みるのはつらい感じがする。

確かに、iPhoneの時にはそれなりのメリットがあったと思う。
小さいので出先でメールやwebを素早くチェックするには便利だ。
それに、アメリカではノートパソコンでデータ通信をするより
スマートフォンでやった方がずっと安い。
例えば、AT&Tが提供するiPad向け容量無制限のプランは月額30ドルだ。
これがノートパソコン向けだと5GBまででで60ドルくらいする。
しかし、iPad の大きさには必然性がないし、
iPadには通話機能がついていない分、携帯を別に持たなければならず
消費者にとってのランニングコストは結構高くなってしまう。

一応、フルサイズの液晶がついていて起動が早い、
というのは便利だが、全体としてみれば、
勢いで売れちゃったおもちゃだなあという感じがする。

ちなみに、僕はツイッターもスマートフォンも使っていない。
だいたい普段の生活で行くのは、家と大学と喫茶店が主なので、
どこの場所でもWifi が使える。
旅行中もホテルや喫茶店や空港に行けばWifiがある。
移動は全部クルマなので、移動中には使えない。
というわけでノートパソコン一台あれば事足りてしまう。
ツイッターは楽しそうだしアカウントもあるのだけど
(名前はWillyoes)、なんとなくあれは携帯とか気軽なデバイス
じゃないと楽しさを満喫できないような感じがする。
日本にいた時は、電車の中やちょっとした待ち時間の暇つぶしに
携帯やモバイルは便利な気がしたけど、
どうも車社会のアメリカでは魅力に乏しい。

ボストンやニューヨークに住んでれば別かも知れないが、
それ以外の人にとってiPadは電子書籍などソフト面でもっと
充実するまでは当面「待ち」だと思う。
お金が余ってたら買ってもいいかも知れないけど。


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テーマ : iPad
ジャンル : 携帯電話・PHS

デトロイトの住民は -- このエントリーを含むはてなブックマーク

昨年、GMとクライスラーが破綻した際に、
デトロイトは「全米最悪都市」というような取り上げられ方をした
こともあり、デトロイトのイメージは非常に悪いので
もう少し正確なイメージを持ってもらいたいと思い、
この記事を書いている。

日本から発信されているデトロイトのイメージを聞くと、
どうも、日本車がバッシングされている、昔黒人の暴動があった、
治安が悪い、といった「怒り」のイメージで捉えられることが多い。

しかし、実際のところ、デトロイトにあるのは「絶望」と「依存」
であって「怒り」ではないように思う。


例えば、アフリカの貧困国は先進国からの物資援助に頼って
生きている人たちの態度は、「絶望」と「依存」であって、
そこには希望とか積極的な意思というのはほとんどない。
もちろん、デトロイトはアメリカにあるのでアフリカの貧困国
のように貧しくはないが、基本的なスタンスは似ている。
政府からの補助金に頼って、ただただ生き延びている人が
たくさんいるのだ。

例えば、日本では
「ホームレスが若者に集団リンチされて死亡」
というような社会からのストレスや社会に対する怒りに
起因していると考えられる事件を以前結構聞いた。

一方で、デトロイトでよくあるのは、
「男3人が銃を持って車から素早く降りてきて金銭を要求。
財布を渡したら犯人は素早く立ち去り、被害者は無事。」

みたいな事件である。そこにあるのは切実な貧困である。
犯行自体は積極的意思だが、
あくまで目的は無差別な犯行ではなく金銭なのだ。

デトロイトは怖い人のいるところではない。単に少し危険なだけだ。
ただし麻薬で酔っている人には気をつけよう。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

アメリカへの留学生の所得税法上の区分 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

F, J, M, Q ビザを持つ学生は、連邦税制上5年間は非居住者として
扱われるが、その後は、Substantial Presence Test における条件を
満たせば、米国居住者扱いになる。
この6年目以降の学生は、いわば、
「例外の例外」で勘違いしやすいので注意する必要がある。

居住者扱いになると、social security tax の納税義務が生じたり
全世界所得の申告義務が生じたりと面倒になる反面、所得控除が多く
認められて税率が下がったり
アメリカの年金受給資格が発生したり
するので全体としてみれば、メリットの方が大きいと思われる。

米国非居住者扱いだと、TAのような額の小さい報酬であっても、
結構な額の税金を払わなけれない。「まだ住民としての権利を
認めてもらえないのだな」
と思ったのを思い出す。

昨年から米国の連邦税制上のステータスが米国居住者に変わったので、
遅ればせながら日本の預貯金も非居住者扱いとしてもらう(*1)ため
W-9フォームを出そうと思って日本のシティバンク銀行(*2)に書類を請求した。

そこに、US Person (米国居住者と似た概念)となるための条件の
解説があったのだが、この例外を見逃しており記述が間違っていた。

なお、留学生の多いW大M校の事務は流石に正しく処理していたが、
WS大の事務もこの点を間違って処理していたので
後から指摘して訂正してもらった。

こうした点は、IRS(歳入庁)のウェブサイトに行けば分かることなので
不明な点がある場合は確かめた方が良い。
また、日本語情報では、以前に紹介したとおり
米国公認会計士・若菜さんのサイトが非常にためになる。

ちなみにシティバンクのフォローも少ししておくと、
日本人が海外に住む場合はシティバンク銀行を使うといろいろ便利だ。
ステートメントも海外で受け取れるし、海外送金手数料も安い。
ほとんどのことをオンラインで行えるし、電話も24時間受け付けている。
やはり、そのあたりのノウハウは他の銀行より一枚上だと感じる。

(*1) 引き続き日本で源泉徴収を受け、アメリカでは二重課税を避けるために
税額控除を申請するということになるので実際の納税額は変わらない。

(*2) 変な名前だが銀行法では名称に「銀行」を
つけなければいけないらしい。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

F-1 OPT 期間中の海外旅行 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

6月に一時帰国することになった。
ビザの更新もないので必ず帰らなければ行けない理由もないのだが、
4年も帰っていないのでそろそろ帰っても色々な人に会うべき
頃だろうというのが主な理由だ。

娘も4歳半になったので、今年帰れば色々なことを忘れずに覚えられるだろう。
娘は日本でダンゴ虫と蝶を見るのを楽しみにしているようだ。

以下は、F-1 OPT 期間中に帰る人が携帯すべき書類のリストだ。

1) パスポート
米国再入国予定日の6ヵ月後まで有効なもの

2) 有効な F-1 ビザ

3) I-20
過去6ヵ月以内 のtravel signature が入っているもの。
I-20は卒業と共に失効するがそのI-20に有効なtravel signatureが
入っていれば良い。

4) EAD card
OPTに対して付与される移民局(USCIS)からの労働許可カードのこと。

5) 仕事のオファーのレター


ちなみにソースはミシガン大のウェブサイト
W大M校の留学生事務所にも確認した。
いずれも留学生の多い大学なので信頼して良いだろうが、
実際にアメリカに再入国する方は必ず自分で然るべき部署に確認して頂きたい。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

米国の年金は経済問題、日本の年金は政治問題 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本では高齢化に伴う年金問題は十年以上から話題だが、
これは日本だけの問題ではないし、高齢化だけが問題でもない。
世界各国で似たような問題が噴出しているし、
人口が安定的に増えているアメリカでさえも、
2037年には年金基金(social security)の積立金が枯渇する
(NY Timesの記事)という。
いかにアメリカ政府の制度設計が無茶苦茶であったかが分かる。

日本はどうなってたっけ?というと、
厚生労働省が真面目に試算していないので
年金がいつ破綻するかは公式には分からない。
例えば2009年2月の彼らの試算によれば、
超高齢化が進んだ2060年頃には、
日本は厚生年金の収入規模・支出規模が共に現在の
3倍以上の「年金大国」になる。
積立金は現在より400兆円以上も増えて560兆円超となるそうだ。
つまり、例えば団塊ジュニア世代の年金問題とかは全くの杞憂で
むしろ積立金が多すぎて困っちゃうくらいの状況になるという。

要するに、年金問題というのは
「各国政府が仕掛けた人類史上最大の詐欺」
というのが実体で、極論すれば高齢化は枝葉末節の問題なのだ。

21世紀は、この詐欺の後始末をしなければならないのだが、
その解決策は国によって結構異なるかもしれない。
それを端的に表現すれば
米国の年金は経済問題、日本の年金は政治問題
ということになる。

すなわち、英語圏にあるアメリカは、
常に他の英語圏の国々と労働者を奪い合っており、
労働者に魅力的な条件を提示し続けなければならない。
これは極めて重要な経済問題で、
高齢者たちがちょっとごねたくらいで
政治的に何とかなる問題ではない。
経済を回すためには否応なく、
低福祉・低負担の制度に切り替えざるを得なくなる。

一方で、唯一の日本語圏である日本では、
社会保障の再分配問題はアメリカほど喫緊の課題とは
ならないと思われる。
同時に、これからの日本はますます高齢化が進むので
高齢者の権利を縮小するのは政治的にはますます困難となるだろう。
こうした状況下では、
過半数の国民が納得できるマイルドな制度改正を積み重ねていく
という政治的に非常に舵取りの難しい状況が
何十年にもわたって続くのではないかと思う。
結果としては、現実的な改正を加えつつも
徐々に高福祉・高負担の国になっていくと私は予想する。
もちろん、日本だけが特殊な状況であるわけではない。
例えば、イタリアなどは、高齢化の進展度合いや
言語圏の狭さという点で日本と似た状況にあるだろう。


現在の社会保障制度は日本もアメリカも似たようなものだ。
しかし、今後の後処理の仕方は必ずしも同じにはならなそうである。


テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

他大学のセミナーへの参加 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私のいるWS大の数学科はそれなりに大きいが、
統計をやっている人は4人くらいしかいないので少し寂しい。

夏休みに入って時間の自由がきくようになったので
先日、East Lancing にあるミシガン州立大(Michigan State U)の
統計学科のセミナーに参加してきた。
今回は初回だったこともありいろいろなファカルティー・メンバーと
話も出来てそれなりに意義があったのだが、私の住んでいるTroy市から
ミシガン州立までは130kmほどもあり、道路が空いていても片道
1時間半はかかってしまうので、頻繁に参加するのは少し厳しそうだ。
また、セミナーは毎週火曜日の午前10時20分からなので、
学期中は大抵WS大の授業と重なってしまう。

ミシガン大(Ann Arbor)は
WS大から50分程度と少し近く、
毎週金曜日の午前中にセミナーがあるのだが、
こちらも普段は授業と重なり参加できない。

何が言いたいのかというと
アメリカの大学は雑用が少ないという意味では
研究環境は良いと思うのだが、
研究会への参加や人材交流という観点からは
国が広いだけに不便
であるということだ。
東海岸や西海岸の大学であっても、状況はあまり変わらない。
統計に関して例外は、3つの研究大学と2つの国立の研究所が集中する
ノースカロライナ州の Research Triangle Park 周辺くらいだろう。

これは、首都圏であれば学界、産業界問わず、
何不自由なく交流が可能な日本とはだいぶ状況が異なる。

米国の大学への進学や就職を考える際、
人材交流が重要な分野ではそうした地理的条件も
少し考慮しておいて損はないだろう。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

Mitchell's Fish Market (Birmingham) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、両親がこちらに来たときに夕食を食べに行ったうちの一軒が
Mitchell's Fish Market である。
年末に、こちらに住んでいる日本人の友人に
会った際に勧められたこともあり行ってみた。
AAA (American Automobile Association)
のガイドでも星が3つついている。
AAAのガイドは写真が無いので見にくいが、
信頼性はかなり高く3つ星以上なら外す事はほとんどない。
また、カバレッジも他のガイドブックなどより総じて高い。
ちなみに4つ星が最高だと思うが星4つの店は
かなり高級でかしこまった感じの店が多いように思う。

店は Birmingham 市のダウンタウンにあるのだが、
実際にはチェーン店で、全米に19店舗あるらしい。
最近は、一人当たり30ドル以上の比較的高い飲食店でも
このような小規模なチェーン店が増えているように思う。
従来型の個人経営のレストランに比べると、
料理は手堅くまとめられており、量も昔ながらのレストラン
のように食べきれないほど出てくることは少ない。

店内は窓側が全面ガラスになっており、開放的な雰囲気だ。
バーになってる部分とレストランになっている部分があり
店舗はかなり広い。200席くらいあるのではないかと感じた。

お決まりで生牡蠣をオードブルに頼み、
メインは白身魚(確かtilapiaだったと思う)に味噌をつけて
焼いた東洋風のものを頼んでみた。付けあわせとして海老の
ミンチが入ったワンタンに魚の出汁を使ったスープがついた。

他の人が頼んだものも含めメインはどれもバラエティに富んでおり、
かつ、あっさりとしていて日本人好みのものが多そうだ。
Birmingham には、Streetside Seafood という有名も店があるが
クリームを多用した結構こってりしたものもあるので
私はMitchell's の方が好みだ。
値段もメインが20ドル前後と比較的リーズナブルである。
ちなみにアメリカのレストランで、前菜+ワイン一杯+メインでデザートなし、
という組み合わせの場合、チップ込みの総額はおおおそメインの値段の2倍になる。

難点を言うなら、食器類にあまりに無頓着なところだろう。
妻が使ったフォークの一本には乾燥した玉ねぎ(?)の破片が
残っていたし、皿は使い古して傷だらけの分厚いレストラン用の
白いプレートだ。

しかし、総評すれば雰囲気やコストパフォーマンスもよく結構お勧めである。
週末など気軽に行きたい店である。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

アメリカに大学教員は多すぎるか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

Rionさんの経済学101のブログにアカデミアの労働市場に関する記事
が載っているので、私も現場からの意見として一言書いておきたい。

記事によると、アメリカの大学では非常勤講師の数が増え続けており
今や教員の73%にも達しているとのことである。

私は数学科の外の話は詳しく知らないが、
数学科あるいはそれに類する理論的学問分野に関して言うと、確かに
アメリカの大学のいわゆる教授、准教授、助教といったアカデミック・
ポジションの数は経営的な観点からはまだ多すぎると思う。

なぜなら、そうしたポジションの人を必要とする
大学院生向けの授業の数があまり多くないからである。
例えば、私の大学では通常、常勤の教員は
年間に4コース(2コース×2セメスター)の授業を持つ義務があるが
そのうち大学院向けのコースは多くても2コース、少なければ1コースである。
それ以外の授業は、学部生向けのもので、修士卒や博士課程学生でも
全く問題なく教えることができる。
教官の側からすれば、学部生の授業を教えるのは準備も少なくて簡単だし
教育は仕事の半分以下でしかないのだから、大した不満はないが、
高い給料を取る研究者にこれらの授業をたくさん持たせるのは
経営的には大いなる無駄だろう。

ただし、冒頭の非常勤講師が増え続けているという状態は
現状では必ずしもうまく機能していない。

問題の一つは非常勤講師の大半が大学院生であるということだ。
多くの大学院生にとっての死活問題は学位を取れるかということであり
良い授業をするインセンティブはほとんどない。
確かにクビになったら彼らも困るが、実際は
セクハラや不公正な成績評価など極端な問題を起こさない限り
クビになることはほとんどない。
必然的に授業の質は個人の労働観に依存してしまうため、
一部の人たちの仕事ぶりは本当にひどい状態だ。
2~3分で終わる数値入力を断ったり、
忙しいからと言って宿題の採点を拒否したり、
演習の授業準備をするのが面倒だからと
宿題の答えを(期限前に!)黒板に丸写しするTAもいる。

一方で、大学院生の雇用コストは安くない。
これは通常、雇用と引き換えに院生の授業料や保険料を
学科あるいは大学が負担する慣例になっているからだ。
例えばYale 大では院生の雇用コストがポスドクのそれよりも
高くなってしまうので最近はポスドクを増やしているという。

経営上合理的な方法は、
専門的でない学部教育と専門的な教育(主に大学院)を切り離し、
前者は修士修了程度の教員を(おそらく専任で)採用することだ。
研究職の教官には大学院の授業を持たせれば住み分けができるので、
授業時間数が大きく違っても問題は起こらない。
同一科目を同一教員が多く担当するようにすれば、
現在の高校教員に近いイメージになるので、
週に20時間程度の授業を持たせることは十分可能だろう。
これは研究大学の常勤ポストの教官が教える時間数の3倍程度だ。
それでも民間企業対比では休みや自由時間は十分にある。
研究義務がなく修士卒が条件であれば、賃金は現在の常勤ポスト
平均の8割くらいでも集まると思われる
大雑把に言って年俸6~8万ドルくらいのイメージだろう。
結果、学部向け講義のコストは現在の3割以下に出来る。

学部生は話の端々に豊富な知識が滲み出るような授業は
聞けなくなるだろうが、ルーチンという意味での
プレゼンテーションの質はむしろ上がる可能性すらあるし、
何より現在よりも安い授業料で大学に通うことができるようになる。

(もちろん、大学のコストは講義料だけではないのでそれだけで
授業料が3割になるわけではない。)

確かに、一部の学生(とその親)は高い授業料を払っても
専門家から生の話を聞ける授業を望むかもしれない。
しかし、それはほんの一部の私立大学がやればいいことだ。
多くの大学が求めるべきものは、
より合理的な経営と学生の懐を痛めない授業料であるように思う。

ほんとにそんなことやられたら自分は解雇されるかも知れないけどw


テーマ : 大学
ジャンル : 学校・教育

F-1 OPTの延長 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

以前に書いたが、
アメリカにF-1ビザ等で留学すると、卒業後に労働ビザを取ることなく
そのまま1年間アメリカで働くことができる。
これをOPT (Optional practical training)と言う。

アメリカの雇用主が人を採用する際に
ビザを取るのに1年近くもかかるのでは大きな障害となる。
OPTはそうした障壁を除くことが出来、
アメリカに留学する最大のメリットのうちの一つである。

今年、私はPhDを取ったのでH-1Bビザという労働ビザを申請しようと
思っていたのだが、申請のためには卒業証書(diploma)が必要である
と知り、またこれが発行されるのは8月であるということが判明した。

仕方がないので、H-1Bの申請を半年(あるいは1年)遅らせて
OPT を延長することにした。OPTの延長は米国で人材が不足している
STEM (science, technology, engineering, mathematics) 分野に
限って17ヶ月間認められる。また、雇用主が E-Verifyという
認証システムに参加してることが条件だ。

1次ソースではないが、例えばテキサス大D校の
ホームページに説明が載っているようだ。

なお、私の仕事はH-1Bの申請が遅れることにより、
どうやらtenure審査までの期間が1年延びるらしい。
平たく言えば、1年分得をするということだ。
アメリカでは、お役所仕事のせいで労働ビザが取れず、
そのせいで労働条件が有利になる
という
摩訶不思議なことが起こってしまうようだ(*1)。


(*1) もちろん私が故意にやったわけではない。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

デトロイト近郊の豪邸 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

経済学101で紹介された通り、
デトロイト郊外の住宅の平均価格は家族世帯の年収の
1.5倍程度であるが、もちろん中には豪邸もある。

日本と異なり、どんな都市でも豪邸があるのはアメリカの特徴だろう。
それは地方都市にも産業がある証拠でもあるし、
金持ちが貧乏人を気にして慎ましい生活を送ったりはしない
という国民性のせいでもある。

現在、デトロイト近郊で売りに出ている最も高い豪邸は、
お屋敷町のBloomfield Hills 市にあるここらしい(百聞は一見にしかず)。
価格は 5,999,000ドル(約5億6千万円)だ。
何が嬉しくてこんなウォルマート風の
安っぽい値段をつけたのだろうか。

ちなみに、床面積は 1304平方メートル、
土地は15,779平方メートルだそうだ。
間取りは、7ベッドルーム、8バスルーム、トイレ3つ、
それにワインルームやらリクリエーション・ルームやら
いろいろついている。無論、屋外プールもある。

ちなみに、20万ドル以下の家でもプールが付いている家は
結構あるが、メンテナンス・コストが高いため、低価格帯では
むしろプールがついている方が価値が下がるのが普通だ。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

The Capital Grille (Troy) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

Troy市には、Somerset Mall という高級ブランド店が
たくさん入ったショッピング・モールがある。
そんなところで買い物をする経済的余裕がないので、
自宅から徒歩5分のところにあるにもかかわらず
ほとんど行くことがないのだが、
先日両親が訪れていたこともあり、
久々に中にあるThe Capital Grille という
レストランに行ってみた。

Somerset Mall 内は割と庶民的でカジュアルな
レストランが多いのだが、このレストランは入った
とたん、スーツを着た人たちがたくさんおり、
重厚な雰囲気である。
入り口右側には、得意客のボトルキープの棚がある。
"TOSHIBA" というのもあったので、日本企業の
接待でも使われているのかもしれない。

食事のメニューは意外と少ない。
シーフードを使った前菜や生牡蠣といった定番商品に加え、
スープが2種類、サラダが5種類くらいある程度で、
あとはメインのグリルと付けあわせがあるくらいである。
メインの値段は、付けあわせを含まずに
40ドル前後と結構高い。

一方、ワインは恐らく200種類くらいリストに載っており
かなり充実している。値段は、ボトルで30ドルから
1000ドルとかなり高めだ。父に任せたらボルドーを頼んでいたが、
値段(約60ドル)の割に大した味でもなかったような気がするし、
やや冷えすぎだった感もある。

前菜の生牡蠣は美味しかった。

私は羊肉が大好きなのでメインは羊のローストを
ミディアム・レアで注文したのだが、
"warm pink center?"
と聞かれたのでややうろたえてしまった。
以前に書いたが、アメリカのレストランは焼き方が一定でなく、
普通の店ではミディアム・レアと言ってもミディアムが
出てくることがある。
しかし、この店はどうやら自信があるようだ。
実際、出てきた料理も素晴らしく、
今まで食べた羊肉の中でも2番目くらいの出来だった(*1)。
アメリカは日本より羊肉の人気があるので
羊に関しては平均するとレベルも日本より高いように思う。
日本だと、結構高級なレストランでも、
火力が弱すぎて硬くなっていたりするし、
くせのない肉を選びすぎて風味が足りないこともある。
その点、今回の羊は香り高く、それでいてくせがありすぎず、
脂がのっていて、火は通っているが柔らかい、
と文句のない出来であった。
添えてあったいちじくのソースはアメリカ人好みの甘さだったので
付けずに食べたが、そのくらいはご愛嬌だろう。
敢えて言えば表面がもう少しブロイルされていると良かったか。
もっとも、中西部の少しカジュアルなレストランだと
表面をきちっとブロイルしていることが多いのだが、
高級店やホテルのレストランなどでは若干弱火にして
表面も柔らかめに上品に仕上げる店が多いのだろう。

全体としては、料理とサービスには大満足だが、
一人当たり100ドル前後になってしまうので
値段は高すぎると思う。
コストパフォーマンスを最大にしたいなら
アルコール抜きで注文するのだろうが、
流石に水を飲みながら料理だけ食べるという店でもない。

お金に余裕があれば何か特別な時に一度どうぞ、
という感じの店である。


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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

数学科教員のミーティング -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、学科のミーティングがあった。
学科のミーティングは年度初めと年度末の2度だけである。
私は会議が嫌いなので少ないのは嬉しいことだ。

そういえば日本で働いていた頃、
仕事の性質からグループ会議(15人前後)が頻繁にあったのだが
一度、作業に熱中していてすっぽかしたことがある。
自分が発表するわけでもなかったので
会議をすっぽかすだけなら珍しくないのかも知れないが、
状況が特殊だったのは
グループ全員が10メートル四方くらいの同じ一角で働いていて
会議室もグループの隣りにあったということだ。
私はちょうどグループ員が視界に入らない向きに座っていて
作業が一段落して後ろをみたら誰もいない。
「あれ?」
と思ってすぐに会議中だと気づいた。
既に30分くらい経っていたので入るのは諦めた。

あとでグループの同期から聞いたが会議室内では、
「あれ、Willyがいないんじゃね?」
「彼は、なんか作業してるみたいです。」
「じゃあまあいいや。」
という会話があったそうだ。

閑話休題。

こんなことを書いて良いのかどうか分からないが
WS大の別の学科の教員から、
「学期はじめのミーティングは穏やかだけど、
学期の終わりは業績評価の罵り合いで凄いことになる。」
と聞いていたので少しびびっていた。

しかし、数学科ではそういうのは別にCommitteeを作って
そこで全部やってしまうらしく、極めて退屈な会議であった。

どのくらい退屈だったかというと
一番盛り上がった話題がコピーの話なのだ。
要するに、資源と経費を節約しようということだ。

「院生が本の全ページコピーとかしてるのはやめさせた方がいいんじゃないかね?」
という某教授のコメントから始まって、
「家でプリントすると1枚3セントしかかからないんだけど学校だとどうなの?」
「プリントとコピーとどっちが安いの?」
「裏紙を入れる箱を設置した方が紙を節約できるんじゃね?」
「コピー機はよく壊れるけど、メンテナンスの人はナイスだと一言触れておきたい。」
とか、ほんとにどうでもいい話。
コピーの節約方法なんて議論している組織に
効率的なところはない。

あとは、学科長が授業の履修者数や授業料収入の説明があった。
数学は明らかにお金にならない学問だが教育需要は大きいので
学部生向けの簡単なコースを教えるだけでも
大学としては数学科の収支は黒字になってしまう。
今年度の数学科は特に好調で授業料収入は10%以上増えたようだ。
数学者不要論というのはよくあるけど、
実は研究にお金を投入しなくても成り立っているともいえる。

もっとも来年度は州からの歳入がかなり減ってしまうので、
またしても大学側は授業料の値上げをするとのこと。
値上げ幅は5~10%の間に落ち着くだろうとのことだ。


テーマ : 大学
ジャンル : 学校・教育

マッタリ・リベラル系女子が少ない日本 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

海外ニートさんによる、
フルタイムで働く女性に関する記事が面白い。
内容は、「子持ちでフルタイムの女性が発言小町で相談したら
よってたかって叩かれた」というものである。

私は子供が女の子であることもあって、
日本で女性が置かれている社会環境はどんなものか?
ということがここ数年気になっている。

日本の女性とアメリカで見る女性を比べたとき、
一番違うと思うのは、日本では
キャリアに対する考え方が不自然に二極化している点だ。

これを「バリキャリ」と「婚活系」とでも呼ぼうか。

つまり80年代後半以降、男女同権が叫ばれて
女性の選択肢は一応増えたわけだけど、
四半世紀を経ても、社会的価値観は依然として
旧来型保守派の価値観を追求する「婚活系」がベースにあって
それをどうしても打ち破りたい人は「バリキャリ系」
もありますよという感じになっている。つまり
事実上極めて不自由な二者択一を迫られているのだ。
これは日本の雇用制度の特殊性に起因している部分も大きい。

大体、バリキャリなんて表現自体が差別的ではないだろうか。
結婚も子供も諦めて、仕事一筋、途中で階段を
下りることも許されない人生を選びたい人なんて
男女を問わず極めて少数派だろう。

仕事は面白いけど、幸せな結婚もしたいし、子供も欲しいし、
だからと言って他人の二倍頑張るつもりはないから、
マッタリ半分ずつやりたい、
というのがむしろ自然な考え方ではないだろうか。
そういう「マッタリ・リベラル系女子」
アメリカにはたくさんいる。

例えば日本社会では
「キャリアを中断したくないけど子供も欲しい」という女性に対して、
「じゃあ、育休取らないで子供産めばいいじゃん」と提案したとしても、
そういう意見はほとんど無視される。

一方、アメリカではどうなのかというと、
例えば今住んでいるアパートの事務の女性は、
昨秋に子供を産んで一ヶ月くらいで仕事に復帰した。
彼女は超マッタリした感じの気立ての良いただの事務の
おばちゃんでとてもじゃないがバリキャリのイメージではない。
しかし、短期間で復帰する代わりにマッタリ働いている。
普通にそういう人がいるのである。

あるいは、米国で理系のPhDを取って高給取りの女性はたくさんいるが、
肩肘張って頑張ってるという感じの人はあまりいない。
みんな自然にマッタリやっている。
そもそも理系なんて元々みんなマッタリしているし、
PhDなんて5年も6年もかかるのでマッタリしてなければ
やっていけないだろう。

もちろん、一時代前に二流大のMBA取った女性の中などには
妙にプライドが高くて肩肘張った感じの困ったちゃんもいるが
そういう女性は少数派だ。

結局、生き方が2種類しか選べない社会なんて全然自由じゃないのだ。
日本を女性にとってもっと住みやすい世の中にするには、
正社員に対する社会的価値観を多様化すると共に
硬直的な雇用制度を見直し、
選択肢の多い社会にする必要がある。

もっとも、バブル景気で労働力不足が叫ばれた80年代後半と違って
昨今の買い手市場の労働環境では、そんな社会を構築する
経済的なインセンティブは政府にはないんだろうけど。


テーマ : 働く女性
ジャンル : 就職・お仕事

学科長と評価面談 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

学期の最後ということもあり、
先日、30分ほど学科長と annual review (評価面談)があった。
ちなみに偶然か必然かは知らないが、
学科長のDは温厚でとても人当たりの良い人である。
例外はたくさんあるが、
おおよそアメリカの大学で学科長をやっている人は
気配りがうまい人が多いように思う。

面談はそんなに大真面目なものでもないのだが、
リサーチ、授業のスケジュール、給与査定
等について話した。

リサーチに関しては、まず、
1) どのジャーナルにパブリッシュすべきか、と
2) 単著か共著かは関係があるか?
という点を主に聞いた。
WS大の数学科には明確な基準はないのだが
やはり少なくとも良いジャーナル
(例えば分野でトップ10のジャーナル)に
1本以上出しておくという事が重要なようだ。
これは、他の多くの大学でも聞く話だ。
私の場合は統計のジャーナルのほかに計量経済系のジャーナル
にも投稿することがあるのだが、それは特に問題ないようだ。
また、単著か共著かは数学科ではあまり問題にならないらしい。
少なくとも、first author かつ corresponding author だが
共著であることが問題ということはなさそうである。

WS大は外部からの資金獲得に特に重きを置いている大学なので
研究費の獲得はmustではないもののtenure審査に大きく影響するようだ。
私はW大M校時代に医学部の方々とcollaborationをやったので
評価報告には同様の事を期待するような文言が入っているのだが、
collaboration によって研究費を獲得しても PIでなければ
研究費獲得にはカウントされないということなので
やはり私にとってあまりメリットがなさそうである。
来年も同じような文言が入るなら、
留保条件をつけてもらった方が良いのかもしれない。

授業スケジュールについては、
WS大の学部向けの授業は月火水金と週4日のコースが多い。
できれば金曜日にミシガン大の統計学科のセミナーに
出たいのだが、WS大のスケジュールだと難しい。
その点を伝えたところ、
全うな理由なので希望を出せばある程度考慮される、
とは言われたものの全体的な状況を見ると、
良くても秋学期と冬学期のどちらかだけ金曜日を
避けられるという程度だろう。

給与査定の話は、向こうからしてきたので少し驚いた。
研究費の獲得の部分を除けば大学は基本的に社会主義なので
そんなことを気にしても仕方がないのだが、
新しいファカルティーは少し昇給してもらえるらしい
(但し0.1%単位の話)。

そんなわけで今年度は無事終了した。


テーマ : 教師に求められる能力
ジャンル : 学校・教育

アイドル・ユニット PHD50募集のお知らせ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカ生活が向かないタイプの一つは日本のテレビが好きな人である。
アメリカでも頑張れば日本で録画した番組をインターネット経由で転送して
見たりする事はできるみたいが、いかんせん臨場感が足りないだろう。

私は、日本にいる時もテレビはそれほど見なかったが、
やはり芸能ネタなんかが全く分からなくなるのは少し寂しいものがある。

つい先日もYahooか何か見ていたら知らない名前が出ていた。

自分「ねえ、エーケービー48って何?アイドルグループ?」
奴 「あれ、アキバよんじゅうはちって読むんじゃないの?アキバで活動してるんでしょ。」
自分「なるほど、アキバって読むのか!」

なんていう会話を家でしていたのだが、
wikiってみたら読み方はエーケービー 48 であっているようだ。
48人もいるのは、やはりロングテールの世の中になったからなのか。
「会いに行けるアイドル」がコンセプトらしいのだが、
デトロイトから会いにいけるわけもないので、私も負けずに
アイドル・ユニット(idle unit) PHD50を募集したい。

もちろん、全米各州に居住の方から1名ずつ。
できれば、男24名、女24名、その他2名くらいで。
現役/既卒は問わず。
参加希望の方はコメント欄に、州、専攻、性別をどうぞ(秘匿コメント可)。


テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

世界中の大学ポストへの応募を考える -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本の大学では若手研究者の数に比べポストが少ないことが近年話題になっている。
これは大学院重点化の影響や定年延長など政策的な問題も大きいが
根本的な問題は少子化による市場規模の縮小だろう。

日本に限らず、欧米先進国は過去数十年のスパンで見れば
全般的に出生率は下がって進学率は頭打ちになっている上、
教育費のかなりの部分を担っている国家や地方自治体の財政は
苦しくなっているいるので、
次に考えるべきはエマージングマーケットしかない。

就職先を選ぶことと株を買うことの類似性はよく指摘されるが、
今や先進国の投資家は発展途上国の株を買っているわけで、
就職先としても発展途上国を考えるのはごく自然な流れであるように思う。

それではどこの国を選ぶべきだろうか?選択の際には

1)経済水準、大学教員の待遇
2)人材の需給
3)政治的・宗教的な社会制度
4)子女の教育環境
5)自然環境


といった点が重要になってくるだろう。

最初に考えるべきは、既に先進国の経済水準に並んでいる、
香港、シンガポールであろう。
これらの国では過密化から少子化は先進国よりもさらに進んでおり
出生率は1.0に近づいているが、
1)(準)英語圏としてのアドバンテージを活かして周辺地域からの流入が見込める。
2)政府の力が強く大学経営が安定している。
3)待遇が既に米国を越えている。
4)大学教員の社会的プレステージが高い。
5)日本人の英語のアクセントが問題になりにくい。
6)生活環境が日本に近く住みやすい。
といった多くのメリットがある。
両地域で多数を占める中華系には
アメリカで高等教育を受けた人材が豊富にいるので
競争は必ずしも緩くないが、教員の多様性を高めるという観点からは
日本人にはチャンスが大きいと思われる。


私が次に注目しているのは資源国だ。
天然資源の価格は今後長期間にわたって高騰が見込まれ、
多くの国で天然資源の高騰は国家にとって大きな増収となるので
公的セクターである大学は恩恵を受ける。
通常、資源国では人々は勤勉でなく、高度な人材供給は細りがちなので
欧米先進国のPhDを持っていれば外国人の入り込む余地は大きい。
例えば昨年末のこちらの記事によると
UAEのEmirati University では
assistant professor の月収は6,800ドル (*1) とされており、
住居、帰省費用、教育費などに補助が出ることや
UAEでは所得税がかからないことを考慮すれば
少なくとも名目では既に米国の給与水準を超えている可能性が高い。

中東地区の求人は、アメリカ統計学会(ASA)のウェブサイト
などでもたまにみかけることがある。
統計関係についてこの地区で需要のある分野は、
資源開発を中心としたエンジニアリング関係と
王族や国家資産運用のためのファイナンス関係なので
バイオ系一色のアメリカよりも、
日本人の得意分野との親和性が高いと思われる。

成長著しいアジアの発展途上国はどうだろうか。
W大M校にいた頃、経済学部の教授が
「次にポストを探すならアジアの発展途上国だ」
と何年か前に言っていたことがあると聞いたことがある。
方向性としては正しいのかも知れないが、私は現時点では賛成できない
東南アジアでは、海外学位の価値が高いかも知れないが
先進国との経済水準の格差が依然として大きすぎる。

また韓国、台湾のような国では、
自国民が留学して米国でPhDを取った後
帰国して就職する人の割合は年々上がっている印象を受けるが、
彼らに聞くと外国人に勧められるほどの待遇ではないと答えることが多い。
現地での生活に合わせてしまえば問題はないものの
日本との繋がりを保ったままで経済的に良い生活を送るのは
少し難しいような印象を受ける。

ちなみに、反対側からの視点であるが、
日本の大学への就職がアメリカの学生の間で
話題になっていたこともある。

日本の大学への人材供給は国内的には過剰であるが、
外国人を一定数入れることには一定の意味があるだろう。
しかし、基本的には、
1)終身雇用制による賃金カーブが理解されないこと
2)住居費が非常に高額であると認識されていること

の2点がネックとなっているため、
人気化することはなさそうだ。


(*1)1年間の給与が9ヶ月分か12ヶ月分かははっきりしないが、
別のソースでは、UAEの大学で、基本給は9ヶ月分で夏は別途手当が
充実しているとの話を読んだこともある。


テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

値下がりしすぎたコンドミニアム -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近、デトロイト郊外のコンドミニアムが激安である。
例えば、デトロイト市内への通勤者に人気の高い Royal Oak 市内の
通勤に便利な場所にあるコンドミニアムは、
1 bedroom の価格が15,000ドル(約140万円)くらいからある。(物件の例

デトロイトといっても、
郊外のベッドタウンなので環境も治安も良い。
ちなみにこの市の住民の95%は白人で、
世帯平均所得は年5万2千ドル、二人以上世帯の平均所得は年6万8千ドルと、
貧困層が多く住んでいる地域ではない。
よくあるダウンタウンの投資家向け物件とは違う。

同時に開発した賃貸物件の棟もあり、
月額家賃は550ドル前後となっている。
近くに大規模な病院があり医療関係者が結構住んでいるようだ。
コンドミニアムの管理費と税金、公共料金を合わせると
月250ドルと上記のリンクに書いてあるので
それを差し引いても年間で
300(ドル/月)×12(月)= 3600ドル
程度の年間キャッシュフローが見込めるということになる。

物件の状態は不明なので修理費がある程度かかるかも知れないが、
相当な高利回りであることは間違いない。

ここまで下がれば投資家が入ってきても良さそうなものだが、
このコンドミニアムは規約で賃貸が禁止されているので
買い手が限られ安値のまま放置されている。
本来、コンドミニアムの規約は賃貸居住者を排すことで
住民の質を高めることを目的としていると思うのだが、
価格の下支えがないために暴落していることを考えると
誰のための規約なのだろう、と思ってしまう。


実施的なテナントを所有者にするとか、
小規模のコンドの数件を一気に買収して規約を変更するなど
何かうまいスキームを考えついた投資家は一財産築けそうである。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

65歳以上の方へのお願い -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日も28日の記事に引き続き団塊世代について書いているのは、
先週両親がはるばる日本から訪れてきたのが理由だ。

母によると父は最近、文句が多くなっているらしい。
受けたサービスに不手際があったりすると、
すぐに文句を言ったり注文を付けたりするそうだ。
日本には「お客様は神様」という文化があり、
日本の慢性的な内需不足はそうした側面を助長している。
高齢者は自分がかつてお客様に尽くしてきたという自負があるからこそ、
引退後はますます「自分を神様として扱うよう」要求する。

しかし、高齢化による社会保障負担の増加と
グローバル化による競争の激化によって労働者の賃金は下がり、
末端の従業員に質の高いサービスを求めるのは酷になってきている。
今後は労働力不足で、人手を使った至れり尽くせりのサービスは姿を消すだろう。
トロフィー型の社会(28日のエントリーを参照)では、
高齢者の態度的価値が重要になってくる。
上のおもりが重すぎると国自体が傾く。

「上級生にしごかれた2年生が今度は新入生をしごく」
というような昔の野球部みたいな不毛な習慣は
そろそろ終わらせる頃だろう。
しごかれる新入生の数が少なすぎて死んでしまう可能性がある。

テーマ : これでいいのか日本
ジャンル : 政治・経済

アメリカの住宅市場が崩壊中? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近、家を買いたい…というよりはどちらかというと
家賃を払いたくないという動機で家を探しているのだが、
アメリカの住宅市場では、4月末日で政府から住宅購入者に払われる
最高8000ドルの補助金が終了し冷え込みが予想されている。
買う側にとっては喜ばしいことだ。
8000ドルの補助金が終われば価格への影響は最大で8000ドルか
というと必ずしもそうではない。アメリカでは通常20%程度の
頭金で家を買う人が多いようなので、流動性制約という観点からは
8000ドルにレバレッジがかかって効いてくる可能性もあり
影響を見極めるのは難しい。

これに先駆けて、私の住むデトロイト圏郊外のTroy市周辺では既に
住宅が値下がりを始めているようだ。価格帯別に分けると、補助金の
駆け込み需要のせいで10万ドル前後までの物件がかなり品薄になる一方、
それ以上の価格帯では大幅に下落している感がある。

昨日不動産エージェントに、ある地域の売買情報を調べてもらったところ、
先週売買された物件が約10ヶ月前の売買物件と比べて29%も
安くなっていた。もちろん物件の価格は状態次第なのだが、
2件のスペックはほぼ同じであり、先週売買された物件については
実際に中の状態が悪くない事を確認しているので
大幅な下落であることは事実だろう。

今後は、住宅価格の下落と補助金の終了により
転居・初回購入ともに状況は厳しくなるため、
主役は投資家になると想定され、売買件数は
一層減少するのではないかと思われる。

難しいマーケットになりそうだが、
経済や統計の専門家は自分の資産管理になると
途端に素人同然になることが多いので気をつけなければ。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

終身雇用は単なるオプション -- このエントリーを含むはてなブックマーク

何日か前のものだが城繁幸さんのブログの
「人生にもクライマックスシリーズは必要」という記事が興味深い。
新聞社の地方支局で20代、30代の若手のメンタルトラブルが多発しているそうだ。
記事によると、
30代前半までに「本社出世コース」と「地方ドサ回り兵隊コース」
に分けて後は30年間放置プレイなんて硬直的な人事制度こそが原因、
だという。

確かに「地方ドサ回り兵隊コース」に行かされた人の気持ちは分かる。
終身雇用制の企業では頑張って安月給で30歳過ぎまで働いたら
次は年功序列賃金で回収する番なので辞められない。
仕事はそれなり大変な一方で
一方で一生懸命やったところで出世は望めない。
人生が終わったような気がするのかも知れない。

しかし、メンタルトラブルにまでなるとしたら
それは会社に拘りすぎというものだろう。
終身雇用は、労働者の義務ではなくて単なるオプション(権利)だ。
会社にいるのが辛くなったら、いつでも辞めるべきだ。
もちろん現状では制度的に不利になるのは否めないし、
仕事を変えるのにもそれなりの勇気と努力がいるのは間違いない。
しかし、曲がりなりにも過去に何かを成し遂げた人なら
きっと別の分野でも成長できるだろう。

そもそも、組織で活躍できなくなった人が他の仕事に移ることで
初めて社会は活性化し、経済は成長できるのだ。


テーマ : 働くということ
ジャンル : 就職・お仕事

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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