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英語が上達したと思うのはどんな時か?~米国生活編 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、日本で最初に卒業した大学のOB会で、
在米2年弱の駐在員の方から
「英語が上達したと思うのはどんな時か?」
という話題を振られた。

はっきり言って、
英語圏は英語を勉強するところではなく
英語で生活するところなので、
はっきりと英語の上達を意識する機会は少ない。
今、TOEFLを受けさせられたとして
スコアは予想もつかないが、おそらく
留学開始時と大差ないのではないかと思う。

そんななか、これまでの生活を振り返ってみると、
実践的な英語力が少し上達したと思うのは、
どうしても自分でやらなければいけないことをやった時
だ。
主な例をいくつか挙げてみる。

1.出願・入学手続き(留学前)

留学する多くの人にとって出願や入学手続きは、
初めて「きちんと」英語を理解しなければいけない経験だ。
難解なところは多くないが、間違えれば自分に跳ね返ってくる
という意味で、試験の英語とは異なるはじめの貴重な体験だといえる。

2.現地での生活のセットアップ

僕が留学した2004年当時、一番難関と言われたのが、
固定電話の開通手続きだ。留学生はSSN(社会保障番号)なしに
電話を引かなければならないので、電話でオペレーターと
延々と数十分話した後、証明のための書類を送ったりしなければ
ならなかった。
他にもアパートの契約、インターネットやテレビの契約、
銀行口座の開設(これは流石に楽勝だったが…)など
面倒なことはいろいろとある。

3.ホーム・パーティー

アメリカはホーム・パーティーが多い。
長い時間、複数の人と話題を見つけて話し続ける
というのは案外難しいものだ。

4.授業で発表

理論系の大学院の1年目はコア・コースと言われる
宿題のたくさん出る授業があり、あまり自分でoutput を
する時間はない。それが2年目になると、自分で準備をして
発表する機会も増えてくることになる。

5.TA(ティーチング・アシスタント)

大学院留学で、一番語学の勉強になるのはこれだろう。
TAは自分の言葉で教えなければならないし、
聞いている学生はTAが英語に不自由であろうと
理解しなければならない、という状況は会話の練習には最適だ。
僕は、リサーチアシスタントでコンサルティングをやった時期も
長かったがこれも英語の運用力を上げるのに一役買った。

6.学会での発表・会話

発表はよりフォーマルな場なので流暢に分かり易く話さなければならない。
また、学会は一日中誰かの話を聞いているわけで
ヒアリング能力の向上には持ってこいだ。
夜はみんなでディナーを食べるし、
ある学会では学生は相部屋だったので
起きてから寝るまで英語で過ごした。

7.就職活動

就職活動における語学のプレッシャーは半端ではない。
全ての人が自分の一挙手一投足に注目しており、
語学力がなければ即不採用が決まる。
質問の頻度や鋭さも普段の比ではないし、
現地の空港に着いてから帰りの飛行機に乗るまでの
1~3日間は、この上ない英語の訓練だ。

8.グラント申請

自分の英語力はライティングが一番ましだと思って
いたのだが、就職後、グラントを申請する段になって、
自分の文章の拙さに愕然とした。
初めに数学科で数年先輩にあたるトルコ人の助教から
サンプルをもらったのだが、文章の格調が全然違うのだ。
この時から、せめてライティングだけは教養のある
ネイティブに遜色ないレベルにまで高めたいと強く
思うようになった。

学部生にエッセイを提出させることがあるが、
残念ながら自分の文章力は、ボキャブラリーが少なめの
大学生と同じくらいのレベルだと思う。
しかも冠詞は、どうしても間違えることがある。

9.不動産購入

不動産は一例に過ぎないが、複雑な調べ物をすると、
いろいろな文章に触れなければならず、英語を読む
時間も増える。いろいろと調べることでボキャブラリーも
増えるのだろう。

例えば、引越しに伴って最近は家具をずいぶん見たが、
同じ茶色でも、Oak, Cherry, Walnut, Chocorate,
Espresso, Cappuccino, Java 自然と使い分けるようになる。
(ただし、この例は素材と色がごっちゃになっているものがある)。


簡潔に言えば
語学では、必要は成功の母、ということだろう。


外国語上達の一番の早道は国際恋愛をすることという意見があるのも
本能的に伝えることが必要になるからに違いない。
僕は残念ながら既婚者なので、
その不足分は最近、英語でぶつぶつしゃべっている娘に
でも期待することにしよう。


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テーマ : 英語・英会話学習
ジャンル : 学校・教育

米国内の引越し方法のまとめ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

12月23日に引越しをした。
米国内で家族での引越しももう3回目なので
アメリカ国内での引越し方法についてまとめておく。
中には、就職先が斡旋してくれて、
自分は何もせずに業者が来てやってくれた
なんていう羨ましいパターンもあるが、
ここで考えるのは自腹で引越しをするケースだ。

アメリカに住んでいる人はよく引越しをする。
理由は転居に関する総コストが安いことだろう。

貸家に関しては、
敷金は大抵家賃の半月分以下だし、
よっぽどのことがない限り全額返って来る。
1年契約が基本なのでその間は転居できないが、
その代わり礼金がないので契約更新時期には
大したコストもなく引っ越せる。
冷蔵庫や洗濯機などは備え付けなので
独り身で荷物が少ない人なら引越しは非常に手軽だ。

また住宅の売買市場においても、
ほとんどが中古住宅なので日本よりも
転居の総コストは安いといえる。
中には状態の悪い家を安く買って住みながら直し、
高く売れたら次の家に引っ越すというパターンで
同じ地区内を転々とする人(fix-upper)もいる。

引越しが手軽な分、長距離のみならず
短距離の引越しというのも頻繁に行われる。
「1ブロック先に引っ越しました」
なんてパターンは全然珍しくないし、
同じアパート内で引っ越す人も多い。
そこで、距離で分けて引越しの方法をまとめると以下の通り。

1.長距離の引越し

大きく分ければ3種類ある。(1b)が近年流行っていてお勧め。

(1a) 引越し業者に全て任せる
探し方:
 ― mover などのキーワードでネット検索。
メリット:
 ― 手間がかからない。
 ― 道具が揃っているので家具が傷みにくい。
デメリット:
 ― 高い。2LDKで東海岸から西海岸なら5,000-6,000ドル前後。
 ― 荷物の紛失リスクが比較的高い。

(1b) コンテナの宅配を頼む
2.5メートル立方程度のもの、その2~3倍程度のものなどがある。
探し方:
ABFPODS などの業者のページから。
メリット:
― 業者に任せるより安い。
― 荷物の紛失リスクがない。
 ― コンテナは地面に置くので荷物を出し入れしやすい。
デメリット:
― 作業員や道具の手配など手続きが面倒。
 ― 素人が詰めるので家具が傷みやすい。

(2) 自分でトラックを借りて運ぶ
探し方:
― 引越しトラックのレンタカー業者U HaulPenske などのページから。
メリット:
― 安い。
― スケジューリングが簡単。
デメリット
― 運転が大変。
 ― トラックの荷台が高く荷物の搬入・搬出が大変。
 ― 素人が詰めるので家具が傷みやすい。

2.短距離の引越し

長距離と異なりコンテナの宅配はメリットが小さい模様。
家族なら(1)、独身者で荷物が少なければ(2)がお勧め。


(1) 引越し業者に全て任せる
長距離と異なり案外安い。
(作業員二人とトラックで1時間60~100ドルが相場か?)
主に時間課金なので、細かい作業は自分でやっておく。
今回使った業者は Two Men and A Truck。有名なので多分割高。

(2) 自分でトラックを借り手運ぶ
レンタカーは長距離と異なり、時間当たり料+距離課金と
なっていることが多く、走行距離を抑える必要。
経験的には思い切って大きめのトラックを借りて
2往復程度で済むようにすべき。


●その他、いくつか細かい点:

Q:引越し作業員にチップは必要?

必要らしい。一人当たり20ドルが相場らしい。
あるいは、一時間3~5ドル等とすべきかも知れない。

Q:引越し作業員に飲食物を出すべき?

本来は出すべきらしい。
実際には飲み物を提供したところ、不要と言われた。
食べ物は、長時間にわたる場合は、
時間節約の観点から用意しておくべきかも。

Q:ダンボールはどこで調達?

Home Depot などのホームセンターで売っているほか、
前出の U Haul などのレンタカー屋、UPS 等の宅配業者にも置いてある。
凝るなら、U-Line など通販を利用すれば様々なものがある。
スーパーでももらえるがいまいち運びにくいものが多い。

Q:家具はどこまで分解?

玄関から出る限り分解しないのが吉。

Q:作業員は靴を脱いでくれるか?

ミシガンは頼めば脱いでくれることが多い。
ダメな時は、じゅうたんに貼るシートや、
靴にかぶせるカバーを使用する手もあり。


アメリカにいる人はみんなよく引っ越すが、
アメリカは家具も重いし、部屋が広くて荷物も増えがちで、
引越しはホント大変なのでしないに越したことはない。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

米国の大学で授業を持つ時の留意点 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

秋学期が、先週のはじめで終了した。
午前中の授業(月火水金)と夜の授業(月水)という
非常に悪い組み合わせで最後まで生活パターンに苦しんだ学期だった。
今学期は、統計の授業は学生の受けが非常によく、
一方で微積の授業は受けが悪いという対照的な結果となった。
その理由をいくつかまとめておきたい。

1.雰囲気作りは重要

一つの理由は雰囲気作りに失敗したという点だ。
元々、午前中の授業は真面目で大人しい学生が多く静かになりやすいが
私は特に朝が弱い方なので、朝の微積の授業は
とっつきにくい印象を与えてしまったようだ。

2.授業は自信を持って滑らかにやるべき

米国の大学で授業をして日本と違う思ったのは、
同じ授業を何回も持つと上手くいくようになるということだ。
アメリカの学生は、先生が授業に関して信頼できる人かどうか、
ということを気にする傾向がある。
何度もやっていると確かに授業が「滑らか」になるので
安心するのだろう。
日本でも予備校で同じ授業を何回も教えたが、
むしろ新米で精一杯やっている先生の方が人気が出たりする。
そのあたりは、基本的に先生を敬う儒教圏とは反応が異なるようだ。

3.数学(勉強法)に対する意識のずれ

微積の授業では、まだ数学的に考える
ということに慣れていない学生が多い。
私は中間試験では考えさせる問題を多く出したが、
それが「パターンに当てはめて答えを出す」
ことに慣れてしまっている学生に不評だったようだ。

学期が終わって気づいた事は、
考えさせる問題が得意な学生と
パターン問題が得意な学生は結構ちがうということだ。
数学は先に進むにつれ、
求められる能力が急に変わることがあるので
教える側はスムーズな移行を心がけなければいけない。


上記の点を反省しつつ
今後の改善につなげたいところだ。


テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

大学教員の昇進審査 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカの研究大学のテニュアトラック助教の昇進は、
主に、研究(査読付き論文や推薦書)、外部資金の獲得、
教育の3点で判断される。建前としては、Service、つまり、
大学や学科の委員をやったりする事も考慮されるが、
実質的にはあまり関係がない。

学科にとって一番重要なのは外部資金の獲得だが、
これはハードルも結構高いし、獲得しても直接効力があるのは
アメリカだけなので他国に移るときには使えない。
確かに金銭的にははっきりしたメリットがあるし履歴書にも書けるが、
理論中心の分野ではこれは最重要にはなり得ない、
というのが現時点の私の考えだ。

一方、教育は建前では業績評価の45~50%を占めるが、
実際上はそれほど大きな問題にはならないようだ。

もちろん授業はベストを尽くしているし、
学期中は最も多くのな時間を費やしているが
受ける学生の要望や科目との相性もあるので
時間をかけてじっくり改善するしかないだろう。

やはりどこに行っても通用する業績は論文の質と量だ。
良い雑誌に通すのはなかなか大変で、単に壁に跳ね返される事もあれば、
理不尽なレフリーにあたって没になることもままある。
これは別に僕が不運な訳ではなくてレフリー制度というのはそういうものだ。
審査中に似た内容の論文が別の雑誌にpublishされてしまったこともあった。

今日は、半年かかって、割と有名な雑誌からレフリーリポートが来た。
結果は「リバイズ」。証明がいい加減なところがあるとのこと。
全体の論調はポジティブなので、冬休みに見直して
できれば来学期中にpublishしたいところだ。


テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

京都議定書延長なら日本は離脱すべき -- このエントリーを含むはてなブックマーク

12月10日にCOP-16 (第16回気候変動枠組条約締約国会議)が閉幕した。
日本は3日目に京都議定書延長に明確に反対し、
会議自体も低調に終わったようだ。
今回の日本政府の方針は前向きに評価できる。

1.定量的には意義の薄い京都議定書

二酸化炭素の排出は世界全体での排出量が問題であり、
その計測やインセンティブを全体的に管理することは不可能だ。
批准が各国の自由意志である以上、批准しない国はタックス・ヘイブンと
同様に経済的な恩恵を受けることができる。

実際に、削減目標に批准している国は拍子抜けするほど少ない。
EU諸国を除くと僅かに、日本、カナダ、ニュージーランド、
オーストラリア、ロシア、ウクライナの6カ国だけだ。
削減(あるいは抑制)目標に批准した国の二酸化炭素排出量は
世界全体の28%に過ぎない。
中国(22.3%)、米国(19.9%)、インド(5.5%)、韓国(1.7%)、
メキシコ(1.6%)、ブラジル(1.3%)、
など排出量の大きい多くの国は参加していない
(カッコ内は2007年時点の排出シェア。CDIAC/国連調べ)。
しかも、参加していない国の顔ぶれをみるに2010年時点では
削減に取り組む国の排出シェアは相当低下しているのは間違いない。


2.温暖化問題は重要か?

もちろん、生態系を破壊しないためには
気候の緩やかな変化が望ましい事は間違いない。
そして、水没しそうな国や美しいビーチを守るためには
程度問題とはいえ温暖化は進まないことが望ましい。

ヨーロッパ各国が90年以来、温室効果ガスの削減に
真面目に取り組んできたのは事実だ。
例えば、PPP GDP per Emissions
(CO2排出量当たりの購買力平価ベースGDP)という指標は
その値が高いほど、経済的豊かさに比して環境負荷が少ない、
すなわちエコロジカルであることを示すが、
EU連合は、2008年時点で3712(USD/ton)と
日本の3374(USD/ton)を上回っている。
産業構造が日本と比較的近いドイツの値も
3621($/ton)とやはり日本を上回っている。
以前の「日本のエネルギー効率は既に高いのでこれ以上上げられない」
というロジックは色あせて見える。

3.日本が取るべきポジション


一見、ヨーロッパに関しては京都議定書がうまくいってるように見えるが、
これはゼロサムゲームの勝者だけ見ているようなものだろう。
全体として上手くいく枠組みとは思えない。
そもそもそれで上手くいくのであれば、
ヨーロッパ諸国が他の国を熱心に勧誘する理由がない。
各地域が独自に温暖化対策を考えればいいだけだ。

このような難しい問題に対しては経済的なインセンティブを
用いて対処するのが最善の方法だ。

天然資源の価格が高騰すれば会議を開くことなしに
自動的に世界中の人々がもっとも効率の良い方法で
資源の節約≒二酸化炭素の排出抑制に取り組む。

京都議定書のようにすべてを管理する方法が長期的に
うまくいかないことは、共産圏の崩壊を見れば明らかである。
日本は、資本主義と矛盾しない合理的で実現可能な方法で
温暖効果ガスを削減することを国際社会に訴えるべきだ。

排出量が正確に計測できない以上、
天然資源の産出量をコントロールする方がまだ現実的だろう。
しかも全ての国の同意を取らなくても実行できる。

今や十分にエネルギー効率が向上したEUは相対的に恩恵を被るし、
同様に日本も世界的に見れば優位を保てる。
フリーマーケットを信奉するアメリカも強く反対しないだろうし、
資源価格の維持と資源枯渇の先延ばしが至上命題の産油国は賛成する。
賛同者を集めると同時に、相対的に不利な途上国を技術援助などの形で
懐柔しつつ、実力行使に出られるかどうかが勝負だ。


人類の息は見ることが出来ず形のないものだ。
見えざる手の方が形ある解決策を提案できるだろう。


続きを読む

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

アメリカの大学の授業は易しくて厳しい -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカの大学における数学の授業は、
日本より2~3年分遅れている。
アメリカの学部向けの教科書は大雑把で
難しいところがあるとすぐに証明が省かれたりしていていい加減である。
昔はそうでなかったのだと推察されるが、今は書くほうも
「アメリカの学部生にはこの程度が適当」
という諦めの境地で書いているのだろう。

一方で成績のつけ方は厳しい。
日本の大学では内容を理解していなくても、
温情でよい成績をもらうということは日常茶飯事だが、
アメリカの大学は、ある程度内容をきちんと理解しなければ
ほぼ単位はもらえない。


今学期の統計入門の授業には、
学期が始まって1ヶ月くらい経ってから
ごり押しで登録していた社会人学生が一人いる。
彼女は別の有名な大学からの聴講生で、
どうしても統計の単位を一つ取らなければならないので
その大学の先生に勧められてWS大の統計の授業を
取りたいのだと言う。
一旦は断ったのだが、
大学の教官に勧められたということであったし、
どうしても、ということなので履修を認めた。

彼女の1つの問題は
最初の1ヶ月分が抜けているということであったが、
もっと大きな問題は数学の基礎知識が欠けていたという点だ。
WS大の学生であれば、Prerequisite と呼ばれる受講資格を
満たしていなければならないが、彼女の場合は聴講生という
ことでそこを上手くすり抜けていた。
しかも、彼女は前回、数学のコースを取ったのが
10年も前のことであり内容を
ずいぶん忘れてしまっているようなのだ。

彼女は遅れを取り戻すべく、宿題を真面目にやり、
ノートも完璧に取って復習しており、
週に2回は一時間くらい質問に来る。
それを2ヶ月続けているが、前回の中間試験も
クラスの最低点を取ってしまった。
一応、最低ランクの成績で単位は取れそうだが
コこのースは明らかに彼女にあっていない。

ついつい登録を認めてしまったが、
条件を満たさない学生の登録は認めるべきでない
というのが今回私が得た教訓だ。
本人も大変な思いをしなければならないし、
教員の方も余計な負担を強いられる。

昔の日本の大学は、厳しい入学試験によって
入学者のレベルはそれなりに確保されていた。
大学は自分で勉強をするところだったし、
教員は学生を大人として扱った。

入学の基準が非常に低いアメリカの州立大学で
その仕組みは成り立たない。
今は日本でも少子化によって一部の大学を除けば
似たようなことが起こっているだろう。
どの先進国も大学の大衆化に合わせて
授業の運営方法を適切なものに変えなければならない。



テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

娘の英語学習 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近娘は、文字を真似して書くのが上手くなってきた。

昨日は日本食材店で買ってもらった「たけのこの里」のパッケージを見て
「○○(自分の名前)ちゃん、漢字書けるよ!」と言って
」という字を書いて持ってきた。
娘は、格子とか地図みたいのを書くのが好きなので
「里」という字は書きやすかったのだろう。
ちなみに、奴が生まれて初めて書いた漢字は「食」だそうだ。

娘は今日は奴に「happy birthday ってどう書くの?」と聞いてきたらしい。
テーブルの上の紙に練習した紙が置いてあり、
1行目に「HAPPY BIRTHDAY」
2行目に「HAPPY BIRTHDAY 2 U
と書いてある。
そんな略式の表記は教えてないのに
やっぱアメリカで育つとそうなるのかぁ、と奴と二人で妙に感心したのであった。


テーマ : 子育て
ジャンル : 育児

高校時代に一番印象に残った授業 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日の記事のコメント欄で日本の中等教育の話をして、
自分の高校時代の事を少し思い出した。

以前に少し書いたことがあるが、私の高校は
卒業すれば全員が大学に進学できる仕組みだったので
とてものんびりした高校時代だった。
そんな中、授業が後々の人生に影響を与えたのは
往々にして雑談の部分だったように思う。

一番印象に残っているのは高校3年のドイツ語の読解の授業だ。
この授業は、"Wissen ist Macht (知は力なり)" という哲学書の
ような文章を一年間かけて読むという授業である。
僕はドイツ語が一番の苦手で全く分からなかったので、
文系のO君が作ってくれた日本語訳を暗記して
なんとか落第点を取らないように努めた。
難解なので、日本語訳を一度読んだくらいでは意味が分からない。
2度、3度と読むうちにおぼろげながら意味が分かる、
そんな感じの本だった。

こんな感じの一節があった:
「科学はあらゆる方向に広がりながら一点に収束していく。」
生徒は何のことだか全然分からない。
そもそも発散と収束は全く反対のものだ。
それに先生がいろいろとコメントをつけていく。
授業中は殆ど寝ていたので詳しく覚えていないが、
私の最終的な解釈は、
「知は専門分化の過程を辿りながら
最終的には一つの真実を解明するためのものだ」
というような感じであった。そして、
「高校でつまらない科目がたくさんあったり
大学で専門の勉強で行き詰まったりすることはあっても
真実に近づけば見晴らしの良い場所が開けているのだろうなあ」
と当時の自分なりに感心した。
これは、自分の世界観に影響を与えた。

また、別の日にうとうとしながら授業を聞いていたら、
先生がどこかの文の注釈として
「人生っていうのは、要するに"問い"ですね。
"問い"がなくなったら人生はもう終わりなんだよ。
そうでしょう、佐藤君。」

とか言っている。
この先生は、生徒の名前を覚えておらず、
ありがちな名前を適当に言っていくので、
質問に答えなければいけないのは
いつも田中君や佐藤君なのだ。
「ああ、いい言葉だなあ…。」
と最初はぼんやりと思ったが、
これも僕のその後の思想的な部分に深く影響を与えた。
究極的な目標があるにしても大事なのは過程を楽しむことだ、
というのはあの高校の教育のテーマであったように思う。

そんな先生も時々やる気を出して、
佐藤君や田中君以外にも質問してくる。
僕が授業をきかずにぼんやりしていると、
「Willy君、デデキントって知ってる?」と聞いてきた。
無理難題を吹っかけれられたと思って同級生が苦笑している。
「実数の切断を考えた人ですか。」
と答えたら、その先生は
「じ、じっすうの切断って言うのは、
き、極めて重要な概念でね、、、!」
とか言ってびっくりしている。
その後、その先生は私をひいきにしてくれて、
ドイツ語の質問はされなくなった。
得意な事があると得をすることもあるなあ、
と思ったのを覚えている。

期末試験が近づいた頃、
クラス一の秀才がその難解な本を開いていたのをたまたま見た。
なんだかあちこちが塗りつぶしてある。
よく見ると、彼はなんと、
僕が全く読んでもいないその難解な哲学書のドイツ語の
前置詞を全部塗りつぶして覚えている
のだった。
絶対敵わないくらいすごい奴がいる、
ということも知った授業でもあった。
今頃きっと立派な科学者になっているに違いない。

今から振り返れば、
高校時代にもっと真面目に勉強すべきだったと思うが、
そんな雑談ばかり印象に残った高校時代は楽しかった。


テーマ : 高校生
ジャンル : 学校・教育

アメリカの固定資産税について -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、古いタウンハウスを買ったので
固定資産税(Property Tax) の請求書が届いた。

一般的に言ってアメリカの住宅の固定資産税は日本に比べて高い。
私の住むT市は、周辺の市に比べれば比較的低いほうだが、
大雑把に言って、年額で住宅時価の2.0~2.5%程度となっている。
これを年2回に分けて請求される。

固定資産税額を調べるのはアメリカでは非常に簡単だ。
Zillow のような住宅情報のWebsite に行けば
全米の大多数の家の固定資産税額は一発で検索できるし、
詳しい情報が知りたければ、市のウェブサイトに行って
住所を入力すればすぐに出てくる。

仕組みは整っている一方で、個別の計算は結構いい加減だ。
隣町のB市の物件では、
目と鼻の先のほぼ同じ物件の安い方に8,000ドル、
高いほうに1,700ドルの税額がついていたことがある。
税額が高いと物件価値は下がるので
税率の差は無茶苦茶なことになる。
住民には年に一回、不服申し立てのチャンスがあるが、
高い確率で成功させるには専門の弁護士を雇う必要が
あるそうだ。

日本の固定資産税は消費者にとっては分かりにくい。
例えば、都内に5000万円のマンションを買って
毎年いくらの税額を払えばよいのかすぐには検索できない。
どうも日本の官僚組織は、過程を省いて入力から出力を
直接出す仕組みを作るのが弱いようだ。
大雑把に調べたところによると、
土地については時価の0.2%程度、
建物については新築の場合で時価の0.5%程度、
といったところだろうか。
従って、税額は0.2-0.5%という感じだ。
アメリカのほとんどの都市より安いのは間違いなさそうだ。

例えば、T市で50万ドル(約4,200万円)の家というと
日本の感覚ではかなりの豪邸だが、
実際、光熱費や修理費などの維持費や家具の費用がかさむ上、
年間1万ドル強の税金を払うことになるわけで
実際に東京で同じ価格帯の家に住んでいる人より
かなり裕福でないと住めないのは事実だ。

固定資産税は基本的に市、郡、州の税収となる。
税額の半分強は教育予算として使われ、
残りが市(や郡)の運営費用や公共交通機関に使われる。

税率を上げすぎれば市の経済や不動産価格にはマイナスとなるし、
税額を下げすぎれば教育水準が下がる可能性があり、
やはり不動産価格にはマイナスだ。
ちいさな市の財政を考えるにも
結構高度な判断を迫られているようだ。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

学科の教員が銃で2発撃たれた -- このエントリーを含むはてなブックマーク

WS大はデトロイトのダウンタウンにあり治安が良くない。
銃で脅されて貴重品や金銭を取られたとか、
自動車を窃盗されたというレポートはよく大学から送られてくるが、
それでも、実際に深刻な危害を加えられたという報告は非常に少ない。

そんななか今日は学科のメーリングリストに、
同じ数学科の教員が通勤中の歩いている間に強盗に襲われて銃で撃たれ
一発が肺に命中、もう一発が肩に当たって入院した、
という連絡が来た。

人は、可能性の低いリスクを見積もるのが苦手で
過大評価したり、過小評価したりすることが多い。
特に海外に住む外国人にとっては情報が不足しがちだ。
情報に十分に集めて、適切な判断をすることが大事だ
と改めて感じさせられた事件だった。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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