アメリカ人は財政赤字をどう減らしたいか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

財政難で年間14億ドル(約1200億円)の
歳出削減を迫られているミシガン州。
マスコミ系シンクタンクが作ったサイト
財政のシミュレーションができるのでやってみた。

ネットユーザーの支持が高いのは次の項目。

1.まず酒税あげろよ!(支持率=7.29%)

→ ぜいたく品だし当然か。一方炭酸飲料への課税は支持率5.56%。

2.囚人は金かかるから仮釈放を法律の範囲内で増やせ!(6.67%)

→ 治安はともかく経済にはプラス。警察官や警備会社も安泰。

3.州政府の職員の給料を一人3200ドル/年カットしろ!(6.58%)

→ 公務員は無論アメリカでも叩かれてます。

4.州政府の運営費用を10%減らせ!(6.51%)

→ だって何やってるかよく分からないし。

5.州立大学の予算を15%カットしろ!(6.50%)

→ 取りあえず授業料上げれば済む話だから。


(その他)

売上税の課税ベースをサービスにも拡大する代わり
税率自体は6%から5.5%に引き下げ。(支持率6%台前半)
財のみのまま6%から6.5%への引き上げ(支持率3%台後半)
→ 増税する時は分かり易い所で引き下げると支持拡大。

年金への課税は支持率5%台。
初等教育の予算カットは支持率4%台。
→ 特定層に不利益のあるものは意見が割れやすい。

警察・消防予算のカットは支持率2%台
→ 普通に考えると警官は多すぎなのに、アメリカ人は結構怖がり。

医療予算のカットも支持率2%台
→ 実はアメリカ人も全国民への医療提供は義務だと思っている。


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本日の「情熱大陸」に知り合いが出演します -- このエントリーを含むはてなブックマーク

高校生の頃は通学のために西武新宿線を使っていたのだが、
ある朝、下り電車の椅子に座ってボーっとしていると
何やら向かい側にサングラスをかけてブレザーを着た男が
ニヤニヤしてこちらの方を見ている。
怪しい奴だと思って無視を決め込んだが、
偶然にもそのサングラス男は同じ駅で下車した。

これが、柳谷氏との最初の遭遇だった。
その男が自分が通っている高校の数学の先生だと
知ったのは何ヶ月か後のことである。

私は、幸か不幸か彼の授業を受けずに卒業したのだが、
卒業から3年半後、母校へ教育実習に行った際に
指導者だったのが柳谷氏だった。

その年は15人前後の実習生がいて、
6月のある月曜日から2週間の実習を
受けることになっていたが
私だけは他の学生より2日早く
前週の木曜日に学校に呼ばれた。

初めての日、懐かしさ一杯で母校を訪れると柳谷氏は
「今週末から2週間ほどブルガリアの学会に行って
くるので、代わりに授業やっといて下さい。
いや~、Willy 君が来てくれて助かりました!」

と言っていなくなってしまった。

翌月曜日に柳谷氏がいなくなったのに気づいて
「あれ?柳谷どこいった?」
とたずねる生徒に、
「あー、柳谷先生はブルガリアに出張に行ったんだよね。」
と伝えると生徒達は
「柳谷、給料ドロボーじゃねーか!」
などとよく分からないところに怒っている。
とりあえず監督者もいないので、
私の教育実習は気楽に2週間授業をして
難なく終わった。

なんでテレビに出ることになったのかはよく知らないが、
前週のゲストは今井美樹らしいし
結構な快挙なのではないかと思う。

録画して実家から送ってもらうのが今から楽しみだ。

放送時間:2月27日(日)午後11時~ (TBS系列?)
柳谷氏の顔写真など詳細はこちらから


テーマ : TV番組
ジャンル : テレビ・ラジオ

日本企業就労適性診断テスト -- このエントリーを含むはてなブックマーク


先日、独断と偏見に基づく「海外就労適性診断テスト」を掲載したが、
「89点でした」とコメントを頂いた方のブログを拝見したところ
日本での就職活動がうまく行かなかったという体験談が書かれていた。

どこの国で働くにも必要なスキルは基本的には同じだが
国によって求められる能力は若干異なる。
私は、日本でも働いていたので、
今度は日本版の診断テストを作ってみた。

<日本企業就労適性診断テスト> (全て Yes/No の二択)

1.一流大卒ではないが、熱意と行動力には自信がある。

2.大学では法律や経済を専攻、あるいは薬学などの専門学位を得た。

3.アカデミックには全く興味がない。

4.男性である。

5.20歳までは日本で育った。

6.TOEICは600点以上あるが、TOEFLは受けた事がない。

7.黙々と仕事をこなすタイプだ。

8.日本のテレビが好きだ。

9.日本の食文化の豊かさは世界一だ。

10.コネで就職する人はずるいと思う。

11.頼まれると断れないタチだ。

12.中古車は当たり外れが多いので嫌いだ。

13.日本企業に就職してもなんとしても海外に出たい。

14.病欠は少ないほうだ。



採点基準:
Q1: Yes: +12, NO: 0
Q2: Yes: +4, NO: 0
Q3: Yes: +7, NO: 0
Q4: Yes: +14, NO: 0
Q5: Yes: +7, NO: 0
Q6: Yes: +5, NO: 0
Q7: Yes: +10, NO: 0
Q8: Yes: +4, NO: 0
Q9: Yes: +4, NO: 0
Q10: Yes: +4, NO: 0
Q11: Yes: +10, NO: 0
Q12: Yes: +7, NO: 0
Q13: Yes: 0, NO: +6
Q14: Yes: +6, NO: 0

80点~:4月からでも是非弊社に。
60点~:人事に伝えます。
40点~:暇だったら受けに来てもいいんだよ。
40点未満:今後のご活躍をお祈りしております。

(ちなみに私の自己採点は44点)

質問7~12、14あたりの回答の辻褄が
なぜか前回のテストと合わない人。
→どこの国でもやっていけます。




テーマ : 就職・転職・起業
ジャンル : 就職・お仕事

ケーブルテレビ、ネット、電話のお得な契約方法(米国) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、引越しに関して150ドル前後を掠め取ろうとした
ケーブル会社大手のコムキャスト。(詳細はこちら

文句を言ったら結局160ドル返って来たわけだが、
今月受け取った請求書を見たら、今度はケーブルテレビの
プランが無断で過去に遡って変更されている。
現在使っているサービスを無断で過去に遡って
変更されても当然利用する事はできないわけで、
これまたウルトラCと言えるだろう。
そもそも無断に変更するだけで契約的にはアウトだ。
もっとも、パッケージの名前が変わっただけで
何が変わったのかはよく分からない。
訴訟対策のためか、請求書の日付は
変更日の1日前になっているが
実際に着いたのはそれよりずっと後だ。

そもそもテレビはあんまり見ないしやめることにした。
Comcast の Website を見ると、
サービスを止めたい場合は800-COMCAST に電話しろ、
と書いてある。
申し込みは簡単だけど、止める時は
オペレーターを説得しなきゃいけない、
というのはまあよくあるパターンだ。

早速電話をかける。

自分:
「あ、今ケーブルTVとインターネットの契約をしてるんですがTVの方は止めます。」

オペレータ:
「そうするとインターネットのキャンペーン価格も終了してしまいますが?」

自分:
「(ノータイムで)じゃあ、両方止めます。」

オペレータ:
「あ、ケーブルTVを安いプランに変更するのはどうですか?」

自分:
「うーん、そうだなぁ。いくらですか?」

オペレータ:
「今のプランは58ドルですが、29ドル99セントになります。」

自分:
(ふーん、常に一番安いプランにしてくれって言ってるのに不思議だな~)
「また、モデムのインストールとか必要なんですか?」

オペレータ:
「いえ、今のままで即日変更可能です。Food Network とか
Animal Planet, CNN なんかも見れますよ。」

自分:
(今のプランと変わらないじゃん)
「その価格はいつまで有効ですか?」

オペレータ:
「インターネットのキャンペーン価格が終了する6月までです。」

自分:
「じゃあ、とりあえずそれに変更してください。」


→ 
電話一本で月28ドル安くなった。
アメリカでは別にこんなことは珍しくない。
W大M校にいた頃も電話代が高すぎたので
電話会社に連絡したら半額くらいになった。
固定費用や顧客の獲得コストが高くて、
ランニングコストが安い業界だから
交渉でどうにでもなるのだ。



以下、電話/ケーブルテレビ/インターネットのまとめ:

1.最初は、入会キャンペーン価格のものを探して申し込む。
2.その際、複数サービスのパッケージは最小限に。
3.価格が上がったら電話して「止める」と文句を言う。
4.だめなら、別のサービスを一つ足して再びキャンペーン価格を適用してもらう。
5.うまく行かなければ他社に乗換えて、入会キャンペーン価格を使う。
6.ただし、固定電話はヘビーユーザーでなければ結局AT&Tが一番安い。


海外就労適性診断テスト -- このエントリーを含むはてなブックマーク

池田信夫氏のブログエントリーのように
日本の閉塞感や就職難から若者に海外留学を勧める向きが
ジャーナリストの間に増えてきている。
これは、私が留学した2004年頃にはまだ見られなかった風潮だ。
しかし、masayang氏が書いているように
海外留学と海外就労の間には大きな違いがあるように思う。
無責任に勧めるのは棄民を促しているのと同じだ。

「じゃあ、どんな場合に留学後の海外就労が有望なの?」
というと説明しにくいので独断と偏見で数値化してみた。
(もちろん、特殊な才能がある場合は別だ。)


<海外就労適性診断テスト> (全て Yes/No の二択)

1.旧帝大、東工大、早慶の上位学部、あるいは同程度の
  日本の大学に在籍していた事がある。あるいは受かる
  自信がある。

2.アメリカの大学に行くなら理工系あるいは生命系(*1)だ。
(*1: ただし医学部、薬学部、歯学部などの職業的学位を除く。)

3.アカデミック志望である。

4.女性である。

5.20歳未満の時に1年以上の留学経験がある。
  あるいは 帰国子女のため、日常英会話ができる。
  あるいは、留学予定時期が20歳以前だ。

6.TOEFLのスコア(iBT)は100点を超えている。

7.社交性では日本人の上位10%に入る自信がある。

8.日本のテレビが好きだ。

9.日本の食文化の豊かさは世界一だ。

10.コネで就職する人はずるいと思う。

11.頼まれると断れないタチだ。

12.中古車は当たり外れが多いので嫌いだ。

13.外国で働くなら日本に関係ない仕事がいい。

14.病気は少ないほうだ。



<採点基準>
Q1: Yes: +7, NO: 0
Q2: Yes: +15, NO: 0
Q3: Yes: +7, NO: 0
Q4: Yes: +8, NO: 0
Q5: Yes: +12, NO: 0
Q6: Yes: +4, NO: 0
Q7: Yes: +8, NO: 0
Q8: Yes: 0, NO: +4
Q9: Yes: 0, NO: +4
Q10: Yes: 0, NO: +5
Q11: Yes: 0, NO: +7
Q12: Yes: 0, NO: +4
Q13: Yes: 0, NO: +9
Q14: Yes: +6, NO: 0

80点~ → すぐにでも海外留学
60点~ → 海外留学を本格検討
40点~  → 海外留学も選択肢に
40点未満 → やめとけ
(ちなみに私の自己採点は64点。)

40点以上の方、どんどんアメリカに来てください。


テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

誰がどこで統計学を研究すべきか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

僕は今は大学で教員をやっていて、
その主目的は「統計学を研究すること」であるのだが
それが自分に向いていることなのか、
そもそも、統計学者は21世紀にも大学で統計を研究すべきなのか
ということに関して自信がない。

数学者、特に純粋数学者に関して言うと、
その社会的役割は比較的明確なように思える。
彼らは、教育と文化の伝承のために大学で教え、
その傍らで数学の研究を進める。
純粋数学者のリソースは大学(もしくはアカデミックな研究所)
に集中しており、彼らを上回る研究リソースを持つ集団は存在しない。
彼らの予算は、基本的には教育予算と国からの文化に対する予算だ。

一方で、
統計の話のネタであるデータは
ほぼ常に大学の統計学者とは関係ない場所で生成され、
それに関する分析需要もその近くで発生する。
統計学者は、それに無理やり素人として首を突っ込み
抽象化可能な部分を抜き出しているに過ぎない。

抽象化した部分が汎用的な知識として分野横断的に
活用されれば非常に有意義だが、
そこまでのイノベーションは非常に難しい。

もちろん、こうしたフラストレーションは統計学分野に限らない。
優秀な化学者が大学で働くべきか製薬会社で働くべきか、
優秀な物理学者が大学で働くべきかNASAで働くべきか、
優秀な経済学者が大学で働くべきか政府で働くべきか、
優秀な医学者が研究に専念すべきか臨床にも力を入れるべきか、
そうした悩みは知的好奇心を持つ全ての人にとって尽きない、
むしろ尽きるべきでないものなのだろう。


テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

アメリカで教員をするということ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

教員生活も2年目の後半になり、だいぶ様子も分かってきた。
日本の大学のことは良く知らないのでなんとも言えないが、
恐らく大きな違いは以下のような点であると思う。

<アメリカの方が大変そうなこと>

通常、研究大学の数学科では各学期に2コース教えることになるが、
一科目を教える手間はかなり大きいのではないかと思う。

それは、授業が週2~4回あるということだけではなく、
宿題や小テストを毎週出すのが通例であることや
一学期間で3回も4回(中間2~3回、期末1回)
も試験をやったりすることが理由である。

また、今の日本の学生の気質を知らないが、
アメリカ人学生ほど容赦なく電子メールを
送りつけてくるとも思えない。

基本的に教員の社会的地位が低いので
学生のクレームが多いということもある。

<日米で異なるがどっちが良いか微妙なこと>

アメリカの大学は日本との対比では
多くの学科別の事務員を抱えていると思う。
しかし、それが教員にとって良いことなのかどうかは微妙だ。
全般的に事務員はやる気がないので、
そういう人たちを通して事務をやることで余計に手間がかかったり、
トラブルが発生したりすることが多いからである。

<日本の方が大変そうなこと>

明らかな違いは米国の大学には基本的に入試事務がないことだ。
入試は、標準テストと書類選考によって行うので
学科の教員が仕事に狩り出されることがない。
広報活動も基本的にやらない。
大学院は学科で扱うが、書類選考のみで試験はない。

その他の雑用についても、
漠然とした印象としてはアメリカの方が少ないのではないかと思う。


そんなわけで、入門的なコースも熱心に教え、
事務手続きのいい加減さが気にならなくて、
入試事務や雑用が全般的に嫌いという人がいたら
米国で教員生活をするのにぴったりだと思う。
(そんな人がいるのかどうかは不明。)



テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

アメリカで数学を教えるということ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

数学はユニバーサルな分野であることは疑いがないが、
日本の高校レベル、あるいはアメリカの学部中級レベルくらいまでは、
学生が期待する教え方は大きく異なるように思う。

1.アメリカでは簡潔な説明、日本では詳しい説明

アメリカ人の学生は簡潔な説明を好み、
日本の学生は詳しい説明を好む。

はじめにおかしいなと思ったのは米国W大M校の
大学院に入ったときのTAの研修の時だ。
現役のアメリカ人のTAが出てきて例題を一題解説した。
解説がギャップだらけでとてもじゃないが聞いてられない。
板書も汚い。しかし、教授陣の評価は上々である。
翌日、今度は自分が模擬授業をさせられた。
詳細な説明や板書で臨んだところ、
「回りくどいので簡潔に。
細かい話は必要なら後からすれば良い。」
と言われてしまった。

2.アメリカの教科書は冗長、日本の教科書は簡潔

アメリカの学部入門向け教科書は異常に冗長だ。
余計なことがだらだら書いてあるだけで紙の無駄である。
ちなみに、私が予習する時も教科書はあまり読まない。
目次と要点だけ掴んで教科書は閉じ、
自分で講義ノートを作る。

一方日本の教科書は、説明が簡潔すぎて
背景が分からないことがある。


3.アメリカでは対話を大事に、日本では板書を大事に

アメリカの学生はその場で理解できないと不満に思うし、
学生に向かって反応を聞き出しながら授業をする必要がある。
逆に質問を投げた時は、結構早く反応が返ってくる。

日本は難しいことをノートに書き写して
あとでじっくり考える、というタイプが多い。
日本の予備校講師になるときに言われた事は、
「授業が終わったら生徒にはノートしか残らないんですよ」
ということだ。
日本の予備校で教えた時に、
海外で博士を取った人が数学を教えていたが、
評判が悪くてすぐにいなくなってしまった。


4.アメリカでは自信を持って淀みなく、日本では一所懸命に

日本の予備校で教えていた頃、
ベテランの先生から聞いた話が興味深かった。いわく、
「毎年同じ内容のクラスを持っていて、
少しずつだが改良も加えている。
教え方もより良くなっているはずなのに
なぜか何年も経つと評判が落ちてしまう。」

日本では、新米の先生が一所懸命に伝える
ということに対するウケが良い。

一方で、アメリカの大学の授業では全く逆だ。
全く同じスライドを使って授業をしても、
そのたびに評価は上がっていく。
細かいニーズを拾って改良したりすればなお良い。
あくまでも豊富な経験に基づいた自信に満ちた
授業が好まれる。

5.アメリカでは採点を甘く、日本では成績を甘く


以前にも少し書いたが、
アメリカ人は甘やかされて育てられるので、
間違いを指摘されるのが嫌いだ。
子供が公文式の計算ドリルをやった後で先生に誤りを指摘されると
「一生懸命やったからあっているはずだ!」
と文句を言う子供も結構いるそうである。
数学では誤答を正答にすることはできないが
試験問題が難しかったり、採点が正確であったりすると
自分の名誉が傷つけられたと感じる学生が結構いるようだ。

一方、日本の大学の成績には甘えの構造がある。
内容を理解していなくても単位が与えられ、
単位認定が厳しい教官は「鬼だ」と後ろ指を指される。
これはこれで理不尽というほかない。



そこまで違いが分かっているなら
その国に応じた教え方をすればいいのでは?
ということになるのだが、
そもそも教えるという行為は
過去に自分がやった方法を模倣させるという側面が強く

なかなか上手く割り切れないところが多い。

そして日本の数学教育は米国より優れているのだ、
という自負もそうした割り切りを難しくしている。

米国の大学で教えるということは、
語学のハンディを乗り越えるということだけではないと思う。


テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

「移民受け入れに賛成」とはどういうことか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

しばらく円高が続いており、移民問題を再考しても良い時期に
きているかもしれない。しかし、社会には政策的に操作可能な
変数とそうでない変数がある
、という認識は大事だ。

とある友人が、
「グローバル化に反対、という人がいるが
グローバル化というのは状態のことなので、それに反対というのは
"冬が寒いのに反対"と言っているのと同じで意味をなさない。」

と言っているのを聞いて、なるほどな、と思ったものである。

「グローバル化に反対」の正反対とも思える移民受け入れ賛成論だが、
日本に移民が増えないという「状態」に反対しているという意味で
それの持つ意味は曖昧だ。

具体的に「移民受け入れに賛成」とはどういうことなのだろうか?

まず、現在の日本のビザのポリシーでは、
単純労働者の受け入れを原則として認めていないので
「要件を緩和して単純労働者の受け入れを」
ということであれば理解できる。
例えば経団連などが「移民受け入れ賛成」という場合の
文脈は本質的にそういうことなのだろう。
(その是非はここでは議論しない。)

より解釈が難しいのは、例えば Lilac さんがブログで繰り返し述べているような
「高機能移民を呼び込むことに賛成」という意見だ。
しかも、そうした意見は実際、単純労働者の受け入れよりも国民ウケがよい。
有象無象の外国人が大挙して押し寄せて、日本国内の職と治安を奪う、
というイメージのある単純労働者の受け入れよりも安全に思えるからだろう。

しかし、既に日本は、
「外交。公用。教授。芸術。宗教。報道。投資・経営。法律・会計業務。
医療。研究。教育。技術。人文知識・国際業務。企業内転勤。興行。技能。
文化活動。短期滞在。留学。就学。研修。家族滞在。特定活動。」
に関しては既に外国人に労働ビザを発給している。
(また、この他に配偶者や永住権による滞在許可もある。)
こうした仕組みがありながら、高機能移民が増えない「状態」の下で
移民受け入れに賛成するとは何をすることなのだろうか。

考えられる事はいくつかある。

1.ビザ、永住権手続きの簡素化


雇用主にとっては、外国人にビザが認められるにしても
その手続き期間や費用などのコストが大きすぎれば雇用の障害となる。
労働ビザのために数ヶ月かかるとも言われる手続きが本当に必要なのかは
疑問だし、永住権を取るために原則10年以上日本に在留していなければ
ならない、という要件も厳しすぎるように思える。

2.ビザの要件緩和


例えば、投資・経営ビザは起業や貿易を促して経済を活性化するために
重要であるが、一方で矛盾に満ちている。通常、投資ビザを取るためには、
日本国内で投資活動を行っていなければならず、現実的にはビザ申請前に
日本で企業活動をしている必要があるからだ。
これはアメリカでも同様のことが起こっている。
投資金額などの簡素化した基準で投資ビザを発行するなどの案が考えられる。

就労ビザでは、単純労働の一律の受け入れは認めないにしても、
なり手が少ない農業や漁業、建設現場などの労働者を受け入れることの
デメリットは少ない。一方で、機械工学専攻の外国人学生を無理に
「高機能移民」として新卒採用したとしてもところでその効果は疑問だ。
技術ビザというカテゴリーがあるが、
「技術」の意味を国益に見合った形で再考する必要がありそうだ。

3.新たな外国人受け入れ形態の導入


移民の受け入れと充実した社会保障は並存できない。
社会保険料が高ければ移民は来ないし、いずれ年を取る移民に
良い福祉を提供するのは元からの国民の利益に反するからだ。

そういう意味では、ビザと永住権の間に中間的な「定期居住権」
あっても良いだろう。はじめは5年程度の審査期間をおき、
問題がなければ65歳になるまで居住することができるようにする。
あるいは永住はできるが65歳以降は国内の政府による
健康・介護保険の対象外としても良い。
定期居住権を持つ間は自由に職業を選んだり、出入国をしたり、
失業保険や公共サービスに関して永住者と同等の権利を保障する。

良いとこ取りのようだが、退職後祖国に帰って日本の年金を受け取り
ながらより安い物価水準で生活できれば、十分なメリットがある人も
多いだろう。

4.日本語教育環境に投資

もう一歩議論を進めて、初期コストを政府が負担することで
移民を受け入れを促進しようということも考えられる。

英語圏の多くの国が移民受け入れに成功していることを考えると
言語的・文化的な壁を取り除くという事は第一に考えられる
べきだろう。一方で、政治家個人が途上国とのパイプを作る
ために国費をばら撒くという状況にもなりかねず、慎重に進める
必要がありそうだ。



いずれにしても、若年者の失業問題、高齢者の雇用問題、女性の
雇用問題と、むしろ労働者の供給過剰問題が山積する中で
移民受け入れは一部論者が主張するほどメリットは大きくない。
不必要な摩擦や規制を取り除くという観点から問題を
とらえることが有益である。


テーマ : 日本の未来
ジャンル : 政治・経済

ペンで伝える感謝の気持ち -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日2月10日で奴と結婚してから7年になった。
結婚記念日が2月10日なのは、
右翼が2月11日の祭日を動かす事は許さないだろうという前提の下で
結婚記念日が常にレストランの混まない休前日になるようにしよう、
という私からの思慮深い提案によるものだ。
しかし、結婚してから7回の記念日は全てアメリカで過ごしているため
今のところあまり意味がない。

過去7年間を振り返って平凡な家庭生活だったと思うが、
一つ言えるのは、アメリカでPhDを取るという経験は
奴なしには成り立たなかったということだろう。

なにしろ、家族3人で無職で先の見えない貧乏生活を送りながら
勉強や研究を何年間もすることになる。しかし奴はどんな時も、
「Willy がやりたいことやればそれでいいよ。」と言った。

だからといって、奴に感謝して何か言ったことはあまりないのだが、
博士論文の謝辞は当然だと思って以下の一文で締めくくった。

Finally I would like to show my gratitude to my wife Yatsu who has
been supporting me with incredible patience in more than five years
of doctoral study in Madison.


別にそのままの文章なので奴に伝えることすら思いつかなかったのだが、
指導教官がディフェンス後の打ち上げでそれを伝えた時、
奴は嬉しそうにしていた。

若い頃、学術書でよく見かける「○○に捧げる」といった
著者の一言はファッションなのだろうと思っていたが、
それはやはり本当にそのままの意味なのかも知れない

と気づいたのだった。

ちなみに奴に
「結婚10周年になったら○○(非常に高いもの)を買ってあげる」
という約束を結ばされているので、チャンスはあと3年しかない。


テーマ : 結婚
ジャンル : 結婚・家庭生活

大相撲の危機-本当の理由 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

大相撲の八百長問題に関して「ウミを出し切るべき」などという
意見が出ているが、昔から公然と語られてきた問題だけに
白々しいと感じている人が多いだろう。

経済学者の Levitt はベストセラーとなった著書:
Freakonomics (邦訳:ヤバい経済学 [増補改訂版]
の中で、7勝7敗の力士が千秋楽に勝ち越す比率が異常に高い事を以って
「八百長の疑いが濃厚」と結論付けたが、
そんなことは昔から分かっていたことだ。
相撲オタだった私が小学生の頃ですら、
7勝7敗力士の勝率が異常に高いことには気づいていたので
当然、関係者や相撲評論家であればみんな知っていただろう。
元関取の板井や若の鵬はマスコミでも公然と八百長の存在を認めているし、
貴乃花ですら、やくみつるの誘導尋問に引っかかって、
若乃花の横綱昇進に関して八百長があったことをテレビで暗に認めたことがある。

注目すべき事はむしろ、
近年立て続けに起こった相撲協会の不祥事では
相撲協会への批判が非常に熾烈なものとなっている点だ。


2007年の時津風部屋力士暴行死事件などは、
以前から心不全などで似た例があったと言われているが
今回ばかりは刑事事件に発展した。
もちろん、世の中の目が全体に厳しくなり
事件のもみ消しが困難になった面もあるだろう。

しかし、相撲協会に絶え間なく圧力がかかっている
本当の理由は相撲協会の経営環境が悪化した事だ。


過去4年間の相撲協会の事業関連収入と支出を見れば
相撲協会の経営が急速に悪化していることが分かる。
最近2年分は予算段階だが、近年4年間のデータを見る限り
予算は前年度の数値の後追いのため決算はより悪い数値で着地しており、
実態はもっと悪い可能性が高い。
もちろん、春場所の中止によって更に
10億円規模の莫大な損失が出るだろう。
また近年は、年間28億円と言われ協会の収入の3割近くを占める
放映権料を払っているNHKの経営状態も、以前ほど余裕がない。

相撲協会
(相撲協会会計書類から筆者作成)

ある時点で協会の経営状態が大幅に悪化することは何年も前から想定できた。
大相撲の人気は若貴ブーム以降ほぼずっと下降線だったが、
当初は、チケットが需要過剰だったことによるバッファや、
チケットの販売価格と市場価格の差というバッファが
協会の経営の緩衝材になったからだ。
(ただし、その部分を利益にしてきた相撲茶屋などは
その影響を早くから受けた。)
それが近年になって、正式な売り上げの急減という形で
相撲協会の経営に大きなインパクトを与えることになった。

現在の経営危機は、予測できた問題を何年も
放置してきたツケだといえる。


そんな中、政府や監督官庁である文科省はいよいよ
中卒の元力士が経営に当たっている相撲協会を
本格的に文科省の統制化に置いて経営陣を送り込むのか、
あるいは突き放して一般の営利団体として運営させるのか、
判断している最中なのだろう。
今なら八百長カードという最強の切り札を
使って相撲協会を変えることが出来る。

10年、20年先を考えたとき、
元力士の集団に相撲協会を経営する手腕がない事はほぼ明らかである。
今、本当に試されているのは政府と文科省の経営判断なのだ。


テーマ : 大相撲
ジャンル : スポーツ

「若者の内向き志向」に感じる論点のズレ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本では「若者の内向き志向」が話題になっているようだ。

留学する人が減っているとか、
海外赴任を嫌がる人が多いとか、
海外で日本人のプレゼンスが低下している、
というのが主な理由として語られている。

いろいろな記事を読んでいると
個々の根拠については怪しい点がたくさんある。

留学生の数は、若年人口の減少や
90年代半ば以降の円安の影響、
国内の大学入試の競争緩和などを考慮したうえで
有意に減っているのかどうかは疑わしい。

海外赴任の希望者が減少しているのは、
年功序列・終身雇用の不確実性の増加、
海外勤務者の待遇の悪化、途上国勤務の増加、
といった要因を考慮する必要がある。

海外での日本人のプレゼンスが低下したのは
他国からの人材流入が増えたことが主因だろう。

しかし事実関係について反論するのは、
どうも論点がずれているような気がしてならない。


問題の本質は「今の若者が内向き志向かどうか」ではなく
「今の若者に外を向かせる必要がある」ということだろう。


その理由は以下の通りだ。


1.グローバリゼーションの進展

90年以降、発展途上国や旧共産圏から
米国などに急速に人材が流入している。
そうした中、英語圏の国々が人材集中を背景に
研究・開発面でアドバンテージを強めており、
そこに遅れを取らないために日本人も積極的に
海外に出る必要が強まってきた。

なお日本人のプレゼンスが米国で低下しているのは、
日本人が減っているからというよりも、
他の外国人が圧倒的に増えた影響が大きい。
例えば、トップスクールのMBAなら、
昔はアジアを理解するために喜んで日本人を取ったが
今は優秀なアジア人がたくさん応募してくるので
日本人を取る必要性が低下している。
競争に敗れれば結果として日本人は減少することになる。

つまり「若者の内向き志向」というのは
日本人の若者が昔に比べ大きく変わったのではなく、
世界の若者が積極的に海外に出て行くようになったのに
日本人は昔のまま変わっていない、

ということだ。


2.日本経済の規模縮小


バブル崩壊後に高成長した日本企業のほとんどは
外需を取り込んだ「国際優良企業」だ。
20年経ってそれは誰の目にも明らかな事実となった。
日本経済が今後縮小する中、
海外のマーケットを取りにいかざるを得ない。

つまり「若者の内向き志向」というのは
今までは内向きで上手くいってたけど
これからは内向きのままではうまくいかない、

ということなのだ。


3.内向きなおじさんの穴埋め


これまで内需に焦点を絞ってガラパゴってきた
おじさんたちが、急に国際派にはなれるわけではない。
歳を取れば、新しい環境に適応する力は落ちるのだ。

一方で、日本にはおじさんたちが作ってきた
立派な組織や技術がたくさんあり、
豊かな日本を支えるためにはそれを
海外に売り込んでいかなければならない。
そのためには、おじさんたちと同じような
若者ばかりでは役に立たない。

つまり「若者の内向き志向」というのは、
おじさんが内向きなのに若者も内向きだったら
キャラかぶっちゃうでしょ!

ということに過ぎない。
おじさんが既に組織にいる以上、
キャラが被らないようにするのは双方にとって
メリットがある。


もちろん、若者が内向きになった事を裏付ける
データを故意に探してくる事はいくらでもできるし、
どこかの週刊誌のように、逸話をいくつか並べて
もっともらしい社会現象に仕立てることもできるだろう。

しかし、社会にとっての利益は
若者に状況を正しく認識させることだろう。

本当の論点を隠したままキャンペーンのように
若者を叩く方法は建設的でない。


テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

英語ウェブサイトにルビを振るサイト -- このエントリーを含むはてなブックマーク

英文のウェブサイトにルビを振ってくれる Zurukko というウェブサイトがあるそうだ。

例えば、Yahoo News(英語版) のエジプトに関する記事 入力した結果は次のようになる。

CAIRO<カイロ(Reutersロイター通信社) – Crowds群衆 gathered集めた物 in central中心の Cairoカイロ on Tuesday火曜日 for a protest抗議 they彼ら hoped希望 would swell流行の服装をした to a million100万の people民族 demanding要求すること an end最終の to the 30-year年-rule規則 of President大統領 Hosniホスニ Mubarakムーバラク.



Yahooのページでも、ロイター、ウォールストリートジャーナル、Wikipediaでも、
実際にはルビにはならず、英単語と日本語が交互に表示されるので読みにくい。
ただし、実際のルビの色はグレーになっているので区別はつく。
実際に英文を読むような人には
マウスオーバーの辞書の方が便利なので
むしろ学生の英語学習用というべきだ。
個々の単語を見てみよう。

Crowds 群衆 ○
gathered 集めた物 △ 品詞違い
in central 中心の ○
Cairo カイロ ○
on Tuesday 火曜日 ○
for a protest 抗議 ○
they 彼ら ○
hoped 希望 △ 品詞違い
would swell 流行の服装をした ×
to a million 100万の ○
people 民族 △ 意味微妙
demanding 要求すること △ 品詞違い
an end 最終の △ 品詞違い
to the 30-year 年 ○
-rule 規則 × 意味違い
of President大統領 ○
Hosni ホスニ ―(固有名詞)
Mubarakムーバラク. ―(固有名詞)

アルゴリズムは、単に代表的な意味を当てはめただけのようだが
一般ニュースではそれなりに妥当な意味になるようだ。

しかし、品詞の間違いや動詞の活用、
形容詞の比較級などには対応していない事が分かる。


次は、ウォールストリートジャーナルの税金に関する記事だ。

State tax revenue grew at the fastest rate in nearly five years during the fourth quarter, as the steadily improving economy and higher taxes in some states propelled strong growth in income- and sales-tax collections.



State 儀式用の ×
tax 税金  ○
revenue 歳入 ○
grew 成長する △ 過去形にならず
at the fastest × 訳抜け
rate 割合 ○
in nearly ほとんど ○
five5の ○
years年 ○
during 間ずっと ○
the fourth 第4の ○
quarter 4分の1の, ○
as the steadily 着実に ○
improving 良くなる ○
economy 節約  ×
and higher 高い △ 比較級にならず
taxes 税金  ○
in someいくらか  ○
states 儀式用の ×
propelled 前へ押し出す ○
strong 強い ○
growth 成長の  ○
in income 所得 ○
- and sales 販売- ○
tax 税金  ○
collections ○

state の訳がひどいが、あとはやはりそれなりにうまくいっている。

それでは特殊な意味の多い専門分野の文章ではどうか。
以下は、Wikipedia (英語版)の中心極限定理の説明である。

In probability theory, the central limit theorem (CLT) states conditions under which the mean of a sufficiently large number of independent random variables, each with finite mean and variance, will be approximately normally distributed (Rice 1995).



In probability × 訳抜け
theory, × 訳抜け
the central中心の ○
limit 最高限度 ×
theorem 定理 ○
(CLT) states 儀式用の ×
conditions 状態 ○
under 真下に △ 意味微妙
which the mean 意味する ×
of a sufficiently 十分に ○
large 大きい ○
number 数 ○
of independent × 訳抜け
random × 訳抜け
variables, × 訳抜け
each 各々 ○
with finite 限界のある △ 意味微妙
mean 意味する ×
and variance 相違, ×
will だろう ○
be approximately およそ ○
normally × 訳抜け
distributed × 訳抜け
(Rice 1995).

訳抜けは、ハイパーリンクのある単語が訳されないという不具合のようだ。
いずれにしても、専門的な文章では一般的な訳だけ覚えていても
意味が分からないことがよく理解できる。


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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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