夏休みは友人と勉強会をやろう! -- このエントリーを含むはてなブックマーク

何度か書いている通り私のいるWS大では冬休みは長くないが、
夏は5月初旬から8月下旬まで休みだ。
もっとも給料は出ないので休みと呼ぶべきか、失業と呼ぶべきかは分からない。

ともかく、その間に研究してください、ということなのだけど、
流石にだらけるのは避けられないので、今年はT教授、院生のN君と
3人でセミナーをやって確率過程を勉強し直している。
T教授と私は離散の時系列を主にやっていて、
院生のN君は多分 nonlinear programming か何かをやっているのだが、
確率過程もある程度きちんとやっておいた方がいいよね、
ということで興味が一致して集まった。
もっともT教授にしてみれば、
「おまいら、確率過程ももうちょっと真面目にやれよ」
ということなのかもしれない。

数学科の学生の特徴は、自分達でよく勉強会を開くことだ。
特に日本の数学科はその傾向は顕著だ。
数学は、理解するのに必要な能力と教えるのに必要な能力の差が
あまり大きくないので、この方法は概して良い勉強方法だ。
数学以外の分野でも、理論分野ではそれなりに成立するだろう。

2~6人くらいで週毎にスピーカーを決めて一週間に一度セミナーを開く、
というのが一番オーソドックスな形式だが、
学生時代に冗談半分でいろんな形式を試したので紹介したい。

1.毎日セミナー

学部生の時、東大出版の解析入門を読む時にやった方法。
夏休みは毎日みんな暇なので、月~金まで
毎朝9時に集まって午後3時くらいまで勉強会。
準備する時間はないのでその場でみんなで考える。
そのあと、みんなで喫茶店で雑談するなり遊びに行くなりする。

→ 仲良しグループでやると楽しい。男女のグループならなお良し。
1人で本を読むよりは長続きするが、ちょっとだらける。

2.一日おきセミナー

院生の時、早く読み終えないといけない本があって友人と二人でやった方法。
1週間は7日あるので、
準備 → セミナー → 準備 → セミナー → 準備 → セミナー → 休日
のローテーションで続けていく。
セミナーの日はあまり読み進めないので、実質復習・休息日と言える。
私が読んでた本だったので毎回自分が発表して、友人は聞き役。

→ 確かに早く進める。
ただし、私の能力では準備一日では要約している時間がないので、
ベタッと全部読む感じになる。また他に予定がある人には無理。
聞く側にとって良いかどうかは不明。

3.授業中セミナー

学部3年の時、あまりにつまらない授業があったので、
授業開始直前に同じ分野の人で別室に移ってセミナー。

→ つまらない授業に出るよりはまし。
授業時間中はみんな予定がないし学校にいるので人を集めるのが楽。
先生が怒るかどうかは不明。ご自分のリスクでどうぞ。

4.深夜のゲリラ・セミナー

学期中の土曜日の午後7時頃、いきなり友人から電話があり
「今、○×大の教室にいるんだけど、来ない?」
翌日曜日に集まる予定があったので、その前夜祭(?)として
双線形形式かなんかの本を読むことに。

→ 眠くて身につかない。そんなセキュリティーの甘い大学が
  現在もあるのかどうかも不明。

5.24時間セミナー

表題の通り、24時間連続のセミナー。交代でしゃべる。
大学では無理なので、自宅に模造紙のようなホワイトボードを持ち込んでやった。
おなかが空いた時は、近所のファミレスで一時休憩。

→ 気合を入れてくるせいか、最初の12時間は結構はかどる。
その後はしゃべっている人はいいが、他の人が順次居眠りという事態に。

いろいろやってみたものの、一番緊張感を保てるのは、結局、週に一回集まるという形式だ。


そのうちオンラインでの勉強会もやってみたいが、問題は黒板やホワイトボードが使えないことだ。
以前に、SAMSIという学会主催のWeb上のセミナーに参加した事があり、
発表者が手書きパッドのようなものを使っていたことはあったが、
複数の人がインタラクティブに使うのはまだ難しそうだ。

また、これは勉強会ではないが、
W大M校にいた頃に韓国人の女の子がよくやっていたのは、
2~3人で集まって監視し合いながら各々自習するという形式。
ただし、男女二人ではむしろ気が散る可能性が高いし、
男同士でやるとキモい感じになりそうだ。

日本もそろそろ夏休み。
学生でこの夏予定のない方は、勉強会の予定を立ててはいかがでしょう。


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テーマ : 算数・数学の学習
ジャンル : 学校・教育

値段をつけるときの割り切り方が違う日米 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、デトロイトのコメリカパークで大リーグの
デトロイト・タイガースとシアトル・マリナーズの試合があったので
久々にイチローを見に野球観戦に行ってきた。
大リーグには球団が30前後あり、席料も良い席なら
簡単に50ドルを超えるので日本より安いわけでもないのだが、
マイナー球団の試合でも本当にいつも混んでいる。
日本との一番の違いは、観客層の幅広さだろう。
日本のプロ野球は、野球少年とその父親とか野球好きのサラリーマンが
主な観客だが、大リーグの試合は、赤ちゃんから老人まで男女問わず
あらゆる年齢層の人が大勢でグループになって押しかける。
最近は、フットボールなどに押されているとはいえ、
野球はまだまだアメリカの国技なのだろう。

コメリカパークに行くのは初めてだったので、
駐車場ってどうなってるんだろう?
と思ってググったらでてきた地図がこれだ↓
コメリカ

アメリカでは
利便性によって駐車料金が違うのはよくあることだが
ここまできれいに分けてあると
「やっぱ、この国はお金だよな!」
とある種のすがすがしさすら感じてしまう。

この手の価格差別に対して日本では
なんというぼったくりだ!
というネガティブな反応が見られがちだが、
実際には値段が分かれていた方が消費者にとってもメリットが大きい。


球場が集める駐車料金の総額が同じであれば、
なるべく近くに停めたいお金持ちから、
なるべく安いところに停めたい私のような人間まで
いろんな人の需要を満足させることができるし、
野球場は同じ時間帯に大勢の観客が押し寄せるので
価格を細かく変えておいた方が、
同じところに人が集中せずに交通渋滞を緩和できる。
また、料金にうるさい人ほど事前に下調べをして安いところに
停めるので価格差別にもなる。
ちなみに距離を調べたら一番安い5ドルの駐車場でも
球場入り口からわずか650mのところにあったので、
私は迷わずそこに停めた。

ちなみに、デトロイト空港の駐車料金もいくつかに分けられている。
この空港はターミナルが二つあるのだが、空港の見込み違いのせいか
各ターミナルにある駐車場の収容台数と需要量が比例していないようで、
需要の低い側の駐車料金は一日10ドルと半額になっている。
私が飛行機を使う時は、ほぼ例外なく駐車料金が高い側のターミナル
なのだが、安いほうに停めて空港内のマイクロバスで移動している。
たった10ドルの違いでも1週間程度の旅行なら結構な違いだ。
同じようなことをしている人はたくさんいて、バスを待つ間、
「これが安さの理由だよな…」などとみなぶつぶつ言っている。

ところで、日本の球場はどうなっているんだっけ?
と思って西武ドームの駐車場案内を見たら、
かなりいろんな場所に散らばっているのにも関わらず、
料金は一律1100円だ↓

西武


これでは、忙しい人がぎりぎりの時間に来て
近くの駐車場に停めたりすることはできない。
実際には西武ドームの周りには空き地などを利用した民間の駐車場がたくさんあって、
料金は700円~2000円と場所によってばらつきがあるようだが、
コメリカとの最大の差はそれが明示的になっているかだ。

選択肢が示されていなければ、
価格差別が行われていても消費者の効用は最大化されない。

実際、このあたりのウェブサイトにあるように、
こそっと高い料金をとっているところは何らかの引け目を感じていて、
消費者は便利で高い場所の駐車料金を「ぼったくり」だと感じる、
というのが典型的な構図だ。

日本の消費者も、結局得をするのは自分たちなのだから
もう少しあからさまな価格差別を受け入れても良いのではないかと思う。



野球が終わって球場近くの駐車場に行く友人を尻目に、
5ドルの駐車場まで歩いて行く途中で気付いた。
奴「あれ?ここって2時間まで路駐OKって書いてあるよ。
  どうせそれ以上でも違反とられないよね。」
私「…うーん、でもデトロイトのダウンタウンだし、
  係員のいる駐車場の方が安心なんじゃね…。」


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

全てを人口減少のせいにするのは無理がある -- このエントリーを含むはてなブックマーク

Chikirinさんが最近のエントリー
「日本の将来を規定する最も重要な要因は、人口構成の変化だよん」と述べている。
確かにそれは、今後50年といった超長期で見たときにはある程度正しいと思うが、
それを、例えば、失われた20年の主な理由とするのは行き過ぎであると私は考えている。


理由1:人口減少は80年代には既に分かっていた

下の人口動態の図を見ていただくと分かると思うが
少なくとも1980年代(昭和55年~平成2年)の半ばには
日本の出生数減少は明確なトレンドとして明らかになっていた。
また女性の初婚年齢は、90年代以降に急速に上がっているものの
トレンド自体は80年代から既に明確であったことが分かる。

人口動態
(出所:人口動態統計速報)


初婚


(出所:http://www.garbagenews.net/archives/1219043.html
元データは人口動態調査)

しかし、80年代を通して日本はこれからの世界をリードする
経済大国としてもてはやされていたし、株価は上昇を続けていた。
これはあくまで世界が、日本が人口規模によってではなく
高い技術力に基づいてハイテク分野や金融での地位を更に確固たるものにするだろう、
という期待に基づいてことを示唆する。


理由2:過去20年の日本の経済問題は人口減少問題と逆

人口減少の基本的な問題は労働力人口の減少と財・サービス需給の逼迫だ。
すなわち、現役世代の比率が低下することによって生産力が落ち、
財・サービスの需給が逼迫する。生産は落ち込む一方
賃金や物価は上昇して、スタグフレーションに陥る。

しかし、過去の20年間に日本に起こったことは正反対だ。
失業率はむしろ上昇し、名目賃金は90年代のピークに
くらべ10%以上減少している。
円は実効レートでは下落しているにもかかわらず、
物価も賃金とほぼ同じペースで下落している。

これらの事実は、日本経済の不振がむしろ、
人口構造の変化ではなく、
新興国の追い上げによる産業競争力の低下によって
引き起こされていることを示唆している。

逆に金融政策がそれほど緩和的でないのに、
大方の経済学者の予想を裏切って
デフレスパイラルに陥らないのも、物価が趨勢的には国内的な要因よりも、
中国産製品の輸入などによる外部的な要因を
大きく受けていることを示唆している。

多くの人々は10年前、団塊世代が引退すれば
労働人口の減少問題が顕在化して相当なインフレが起こるだろう、と予測した。
その速度が一番強まるのは2012年前後だが、
1年前になってもその兆候が全く見られないことを考えると、
人口要因は現時点ではまだ主要な問題とは言えないことを示唆する。


理由3:冷戦崩壊との奇妙な一致

私がどうしても偶然とは思えない出来事の一つが、
日本のバブル崩壊と冷戦終結がほぼ同一時期だったことだ。
日本の株価のピークと冷戦終結が決まったマルタ会談は両方とも89年12月である。

もちろん日本のバブルの直接の原因は、一般的には
プラザ合意後の円高克服と消費税導入のための極端な金融緩和であり、
その後の極端な金融引き締めと不動産の総量規制だったと考えられている。
見たところ、二つが一致しているのは偶然という側面が強い。

しかし、なぜその後資産価格は永久に回復しなかったのか?、
なぜ米国政府は日本の重大な金融危機に大して介入しなかったのか?
といったことを考え合わせるとやはり偶然だとは思えないのだ。


1997年まで人々は、日本はいつかまた昇るのだ、と信じていた。
1997年に金融危機が起こって人々は、
日本の問題は深刻で構造的なものだと気付いた。
2007年以降、アメリカの不動産バブルの崩壊、団塊世代の引退、
若者の就職難、デフレの継続を通して、人々が気付きつつあるのは、
日本にとっては人口問題よりもグローバル化による影響が実は途轍もなく大きかったのだ
ということではないだろうか。


テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

秋元康氏、介護ビジネスに参入[ニュース401] -- このエントリーを含むはてなブックマーク

AKB総選挙の興奮冷めやらぬなか、プロデューサーの秋元康氏は
東京、大阪、名古屋、福岡の4都市圏で介護ビジネスに参入すると発表した。
グループ名はYKG80(要介護エイティー)。
当面は、25~60歳の男女を公募し
東京では80人、他都市では40人ずつを配置する予定。
コンセプトは、「会いに来てくれるアイドル」グループだ。
秋元氏は、AKB48の二番煎じでは?との報道陣の問いを、
「AKB48は布石を打つために展開しただけ。あくまで本命はYKG80だ。
キモオタと老人の人数の差、それにどっちがお金を持ってるか考えれば
そんなことは自明でしょう。」

と一笑に付す。

YKG80では介護保険が9割の費用を負担する既存の枠組みを活かしながら、
オプション・サービスをカタログ形式で提供することで
付加価値の向上を目指す。
例えば、自力歩行できない高齢者に対しては、
専用ワゴン車を用いて車椅子のままお気に入りの「アイドル」と
丸一日、水入らずで観光名所を楽しめる「YKG神ツアー」などを売り込む。
ちなみに、料金は東京ツアーが79,800円、京都ツアーは69,800円。


カタログ商品の購入5000円毎に、
漏れなく「オムツ替え券」1枚と「まごころポイント投票券」1枚が付いてくる仕組みで、
まごころポイント投票券はお気に入りのアイドルに投票することができる。
年に3回行われる総選挙で、得票数に応じてアイドル達に
「プレゼント」が贈られる仕組み(プレゼントの詳細は非公表)。
開票は、4月、8月、12月の各29日と
年金支給日の2週間後に合わせて行われ、
訪問介護の際に届けられる「YKGニュース」紙上で結果が発表される。


ファンにCDを大量に買わせるのがAKB商法のお家芸だったが、
こうした手法が影を潜めることについて、秋元康氏は
「よりお年寄りに気持ちが伝わりやすい方法を考えた」という。
しかし、消費者保護に詳しい弁護士は、
「特定商取引法によれば、今回のような営業方法は訪問販売に当たるため、
``その日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品、
指定権利の売買契約''は契約の撤回・解除が可能になってしまう。
秋元氏は、そうしたリスクを回避したかったのでは。」
と指摘する。
いずれにしても、秋元氏は、高齢者に多くの品物を買ってもらうためには
子供だましの方法では上手くいかない、と感じ取ったようだ。


秋元氏は、既に介護大手の支援を受けて、昨年秋から
武蔵野市で試験的にアイドル15人を展開した。
要介護者一人当たりの売り上げは、
介護部門が2万9千円、カタログ販売部門が月9万7千円と上々だという。
カタログ販売部門の売り上げが本業の3倍以上のに達していることに関し
財務担当の冬田氏は、
「あくまで一部の高齢者の方に多額の商品を購入して頂いた結果。
利用者の方に、多額の購入を強制するということはないので安心して頂きたい。」
と説明する。


一方で、まごころポイントを集めるためにアイドルが
行き過ぎた「まごころ」を提供するのでは、との懸念も一部に広がっている。
今年4月に行われた総選挙「天国に誓ってガチです」の開票直前に際し、
地元紙の武蔵野ふるさと新聞は、
「前回選挙2位の佐藤のぶ代さん(43)が、男性顧客(79)の自宅から朝帰りした」
と写真入りで報じた。4月選挙で1位になった佐藤さんは、その後、
「顧客を寝かしつけている時に、自分もつい眠ってしまった。
みなさんに誤解を与え、心配をおかけしたことをお詫びしたい。」
と謝罪し、「チーム要支援」の大将を辞任した。
また広報担当の春山氏は、
「YKG80では恋愛は自由だが、既婚者アイドルの
顧客との個人的な関係は不適切」との見解を示した。


もっともこうした現象は例外で、ほとんどの「アイドル」は
やりがいをもって真面目に仕事に取り組んでいるようだ。


田中由美子さん(45、「チーム要介護」所属)の話:
「昔は生保レディーをやっていましたが、子供が大きくなって何かもう
一度働きたいと思って応募してみたのがこの仕事でした。新しいフィールド
ですが、お客様の意向を汲み取って仕事するという究極的な目標は同じ。
とてもやりがいのあるお仕事です。」

鈴木大輔さん(36、「チーム天国」所属)の話:
「この仕事に就くまでは、新聞販売員をやっていました。でも、最近は若者は
新聞を読まないし、お年よりも字が小さい新聞は敬遠されます。しかも無理して
売っても、月4000円程度にしかならない。この仕事に就いて、世の中のニーズに
合ったことをするすがすがしさを知りました。これからは、過去の経験を活かして、
飛び込み営業もしてみたい。」


もちろん、介護ビジネス独特の苦労も絶えないと秋元氏は明かす。
その一つが人材の確保だ。

秋元康氏の話:
「基本的にアイドルである以上、異性を派遣するのが我々の仕事。
このうち、女性の求人にはあまり苦労していない。
東京都最低賃金の時給821円でやっているが、
主婦層からの根強い応募があって倍率は100倍前後だ。
一方で、男性は介護職の希望者自体が少なく、時給を1300円に
しているが、応募倍率は1.5倍程度。
今後はここをどうするのかが課題になってくる。」


就職難にあえぐ男性諸氏、この際YKGに応募してみては?


注:ニュース401は、全てフィクションであり
登場人物、団体、事件などは実存するものとは一切関係ありません。


テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

アメリカの病院の種類と使い方 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日曜日に朝遅く起きてのんびりしていたら、奴が
「昨日、揚げ物しててやけどしたところが水膨れになっちゃったよ。
大きいからちょっと潰してみよっかなぁ…。」
と言う。見てみると、手の甲に長さ2センチ、幅1センチ、高さセンチ
くらいの大きい水膨れが二つできている。
自分で傷つけて感染症になったりしたら余計大変だ。

「おいおい、ちょっと待て。医者に見てもらった方がいい!」
ということになり、せっかくなのでみんなで行く事にした。

近年のアメリカの健康保険は、
HMO (Health Maintenance Organizations)という形式が主体になっている。
このシステムでは、保険会社のリストの中から
Primary Care Provider (PCP) と呼ばれる家庭医を一人選び、
どんな病気や怪我でも基本的にはこの人に最初に見てもらわなければならない。
これは、医療費を抑えるためだ。
患者が料金の高すぎる診療所に行ったり、
いきなり専門医のところに行って不必要に高い治療を受けたりするのを
避けるためである。

ただしPCPに診てもらわなくても良い例外が二つあって、
一つは Emergency Room、もう一つは Urgent Care と呼ばれる。
緊急度で並べると、ER > Urgent care > PCP
費用で並べると、 ER >> Urgent care = PCP
となっている。
ERの料金が高いのは緊急時に対応するせいもあるが、
無保険の人が来ても断れない法律になっているため
その分のリスクプレミアムが料金に乗ってしまっていることも大きい。

3つの病院の違いを極端に表現すれば、
ER → 野戦病院、Urgent Care → 町医者、PCP → 役所
という感じになる。つまり、
即座に治療が必要なケガや病気の場合はERに、
通常のケガや病気の場合はUrgent Care に、
急を要しない要件(定期健診や慢性の病気や不具合など)
の場合はPCPの元に行けば良い。

ERは地域によっては、保険のないどこの国の人かも
分からない人で溢れかえっていることがある。
人が溢れていると緊急にもかかわらず
2時間待ちなどということも少なくない。

一方、PCPならきちんと予約が取れるが、
例えば「高熱があるのですが」と日曜日に電話すると、
「それでは水曜日の午後3時でいかがですか?」
などと言われることも珍しくない。
(もちろん、そういう場合は、
「明日の昼までじゃないとダメです!」
などとごねて予約を取るべきだ。)

というわけで、今回ミシガンで初めてUrgent Care に行ったが
診療所は自宅から車で2-3分のところにあり、
年中無休で営業時間も午前9時~午後9時までと
なかなか使い勝手の良い診療所であった。
簡単で便利だなーと思ってふと規約を読んだら、
診察後にPCPに連絡を入れて証人を得なければならないとのこと。
アメリカの保険制度で簡単で便利などと言うことは
100%ありえないと言って良いようだ。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

AKB48総選挙の結果を統計学で予測してみる -- このエントリーを含むはてなブックマーク

統計学+εといいつつ、統計ネタを全然書いていないので
このへんで少し統計解析に触れてみよう。

海外から見ている日本の様子は、
1に原発、2に原発、3、4がなくて、5にAKB48総選挙
という感じなのでこの総選挙の結果を予測してみる。

アイドルの人気は刻一刻と変化する時間の関数だ。
これはCDの売り上げや握手に並んだ人数といったもので測ることもできるが
インターネットのトラフィック・データを用いると簡単に時系列にすることができる。
Google はこうしたデータを「Google トレンド」としてデータ化している。
例えば、今回の選挙の速報で上位5人に入ったアイドル達の
検索件数は以下のグラフのようになっている。

GoogleTrend画像

なお縦軸は、インターネットでの総検索件数に対する
該当キーワードの比率を数値化している。
グラフは前田敦子の平均が1となるように標準化されているが
標準化前のデータもダウンロードすることができる(ただし単位は不明)。

今回の総選挙を予測するために、
まずは昨年(2010年)の選挙結果(上位13人)とインターネットでの検索件数
を見てみよう(下図)。


2010年結果


速報での得票数と速報後の得票数の相関係数(*1)は
0.923 と非常に高くなっているが、
投票締め切り直前の一週間(*2)の検索件数と合計得票数の相関係数も
0.919 と非常に高くなっている(*3)。
そこで、「速報での得票数」と「直前の検索件数」を
二つのデータから、重回帰分析を用いて
合計得票を説明する式を作る。
得られた式は、以下の通りだ。

合計得票数 = 2.919×「速報での得票数」 + 601.4×「直前の検索件数」

「直前の検索件数」は有意な変数とならなかったものの、
予測力に関してはこのファクターを考慮した方がやや高い
との結果が得られた。

この式の右辺を今年のデータに当てはめて合計得票数を予測してみると、
結果は以下のようになる。


2011年予測

なお、直近のデータとしては
5/27-6/2の一週間のデータを用いている。

昨年の関係式が今年の結果にどの程度当てはまるかは分からないが、
試しに検索件数一単位あたりの速報時点での得票数(1-13位までの合計)を計算してみると、
2010年の912票に対して2011年は921票
と比較的安定していることが分かった。
また「人気の割に毎回得票が伸びないメンバーがいる」と言われているが
検索件数と得票数の関係においてはそうした傾向は見当たらなかった。

予測結果を見ると、1位の大島優子と2位の前田敦子の順位は変わらないが
比率で見ると差が縮まっており予断を許さない。
3位の柏木由紀は更に票を伸ばすものの上位2人には遠く及ばない。
4位以下はかなりの混戦だが、篠田麻里子と板野友美が追い上げて
順位をやや上げるという結果に。松井玲奈も順位は変わらないものの
かなりの追い込みを見せている。
高橋みなみ、渡辺麻友、指原莉乃はやや順位を落とす予想となった。
なお、ここでは速報での上位13人を対象に予測を行ったため、
速報段階で14位以下のメンバーが13位以内に浮上する点は
考慮していない。

と、一応時事ネタに乗っかって予測してみたものの、
私自身、あまりこの予測に信憑性があるとは思っていない。
統計解析とは個別の標本の特性が未知の場合に優位性がある分析方法だ。
13匹のマウスを使った動物実験の分析には持ってこいだが、
個人情報が豊富に存在する13人のアイドルの得票結果を
予測するにはもっと多くの情報を考慮する必要があるだろう。



↓今ならまだ投票に間に合います!(投票は6月8日15時まで)

 


予想1位:大島優子
 


予想2位:前田敦子
 


予想3位:柏木由紀
 


予想4位:篠田麻里子



予想5位:高橋みなみ



(*1)
相関係数は、-1と1の間の値をとる。
正の値であれば正の相関があることを示し、
この値が1に近いほど強い正の相関があることを示す。

(*2)
Google.com (米国ページ)で
2010/5/30-2010/6/5 までの一週間のデータを用いた。
なお、地域は「日本」を指定した。

(*3)
「直前の一週間の検索件数」と「速報後の得票数」で見ても相関係数はほぼ変わらない。
また速報前の検索件数は、速報前後のいずれの得票数とも相関は高くなかった。


テーマ : AKB48(秋葉原48)
ジャンル : アイドル・芸能

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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