外国で暮らすのに大事なのは趣味を持つこと -- このエントリーを含むはてなブックマーク

WS大にチェスクラブができたと知ったので、
冬学期が終わってから入ってみた。
基本的に学部生が多いので年齢はかなり下の人が多いが
アメリカ人は年齢をそれほど気にしないし、
思考回路も似ている人が多いので話が合う。

共通の趣味というのは、
外国で友人を作る上では特に大事だ。
職場の同僚の個人的な付き合いが強くない米国では、
他の人と付き合うのは、主に
子供の教育関係と趣味関係に限られる。
(宗教を信じる人はまた別かも知れない。)
日本人同士で飲み会をやったりすることももちろん可能だが、
やはり共通の趣味がない限り付き合いは限られてくる。

奴はいつも食べ物のことばかり考えているが、
こちらに来て一番仲良くなったのは、
娘のプリスクールで知り合った料理に関心のある人だ。
英語が完璧でなくても、
食材や料理の話をしていれば結構話ができるし、
向こうも楽しいのだろう。

他の日本人を見ても、
こちらで楽しくやっているのは大体趣味を持っている人だ。

スポーツなり、音楽なりをやっている人は、
それだけで繋がりができるだろうし、
アニオタなんていうのも、
案外アメリカでは知り合いを作りやすいかもしれない。
主にかわいいからというだけの理由で
W大M校時代に知り合いになった数学科の女の子は、
「私、日本について知ってるのはアニメのことだけ!」
というアニオタ気味の女の子だった。
しかし残念ながら、私はアニメを全然見ないのだった。
(ちなみに彼女は偶然にも秋からWS大数学科の助教になる。)

思えば十数年前、日本で修士論文を書き終えて、
指導してくれた先生と喫茶店で雑談した時に
最後にもらったメッセージは「良い趣味を持つように」だった。
純粋数学をやめて金融機関に就職することが決まっていた私だったが、
遠くまで見通してアドバイスをくれた恩師には感謝している。


秋元康 『趣味力』


スポンサーサイト

創造性をどう伸ばすか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

実社会で「創造性」が語られる文脈は大きく分けて二つあり、
一つは会社のような組織で社員のアイデアをいかに潰さずに
活かすかというマネジメントに関するテーマで、
もう一つは子供の創造性をどう育てるかという能力開発に関するテーマだ。
ここでは後者について考えたい。

子供の創造性を伸ばす上でも、
社員のアイデアを潰さないことと同様、
子供の表現したことを如何に否定せずに伸ばしていくかが
重要であることは想像できる。
しかし、さらに話を推し進めて、
子供の創造性を伸ばすためにどんな教育をすべきかとかいうことになると、
どうも議論に飛躍が増えてくる。

まず見られるのが、既存の教育方法を否定しつつもその根拠がおかしいものだ。
例えば、東洋経済7月2日号でネットイヤーグループ社長の
石黒不二代氏は次のように述べている。

数学でも公式や解き方を教えてもらい、それを記憶している。
だから、記憶力のいい人、教科書と参考書を多く読んだ人が勝つ。
論理的に考えることとはまったく関係がない。



そもそも、日本でまともな教育を受けた人なら、
数学で公式や解き方を暗記しろなどとは教えられていないはずだ。
文部省検定の教科書でも定理の証明や説明に多くのページが割かれているし、
どうしても避けられない例外を除けば、
証明できない定理を使うような事はやっていない。
論理的に理解することに重点が置かれるはずなのだ。
しかも、まともな国立大学ではパターン暗記で
解けるような問題はあまり出題されない。
上のような主張をする人は、要するに、
中学・高校時代に授業が理解できなくて
仕方なく公式や解き方だけ覚えて試験を乗り切った苦々しい記憶を
自分で無意識に美化して問題をすり替えているにすぎない。

さらにいうと、
「記憶力と論理的に考えることとはまったく関係がない」
という部分も見当違いだ。
例えば数学では、論理的に意味を理解して初めて
その内容を長期に渡って保持することができる。
きちんと理解したことだけを長期間覚えておくのは動物の本能的な習性だろう。
他の分野においても知識を互いに関連付けることで理解が深まると同時に、
その内容を長期に渡って保持することができる。
英単語でも文脈の中で覚えるほうが、覚え易いし応用も効く。
語呂合わせの暗記ですら、
複数の事象を関連付けることによって記憶力を上げている。
論理的な繋がりを考えることと記憶力は最も密接に結びついているのだ。



既存の教育の否定とセットでよく語られるのは、
アメリカ式の受け売りで、創造性を育てるために
ディスカッションやディベートの機会を増やせというような意見だ。
確かに、平均的に日本人にはそういう訓練が不足しているという面はあるだろう。
しかしそれを初等・中等教育にそのまま持ち込んで当てはめるのは危険だ。
ディスカッションやディベートのような訓練は、
基礎学力がきちんと備わった人にとってのみ意味のあるものだ。
台形の公式が正しいかどうかとか、
ニュートンはなぜりんごで重力を発見したのか、
とかいうことを延々と議論しても仕方ないのである。

確かに、ディスカッションやディベートのある授業は眠くならないかもしれないが、
想像性を伸ばすというのは、もっと当たり前で地道な訓練だろう。
私は、想像性を伸ばす上で重要なことは単純に以下の3点だと考えている。

1.論理的構成力

既存の結果を使うことと
自分で新しいものを作りだすことの最大の違いは、
自分で一から構成する必要があるかどうかということだ。

厳しい競争社会で詰め込み式の教育を受けた発展途上国の人は
研究する段になって想像力が乏しいと言われることが多い。
(もちろん、全ての人に当てはまるわけではない。)
この大きな理由は
論理的に自分で組み立てることを省略してきたために
構成力が不足しているということだろう。

こうした力を鍛えるためには、
数学では公式を証明する力や他人に説明する能力を重視すれば良いし、
国語では言葉の本来的な意味を抽象的に考えたり、
文章の構成を論理的に分析する力を鍛えればよい。
歴史、地理、政治、経済などであれば
史実よりも必然性に重きを置いて教えればよいし、
英語では構成力が必要なアウトプットをより重視すればよい。


2.圧倒的な知識量


世の中では既存の結果に上乗せする形で、新しい成果が出る。

エンジニアリングは学問の発想自体が、
既存の結果の上に新しいアイデアや改良を加えるという形だ。

自然科学は、科学者の論理的構成力により重点が置かれるが、
既存の結果がどこにあるかを踏まえて研究を進める事が大事だ。

ビジネスは他国での成功モデルと国内の社会事情を合わせたり、
新しい技術と既存のビジネス環境の組み合わせを
考察することによって生まれる。

いずれにしても、
十分な知識を仕入れておく事、
どこに知識が存在しているかを抑えておく事、
によって、新たな組み合わせで別のものを創造できる
可能性が格段に高まるのだ。

教育の現場に当てはめると、
数学であれば、調べないと分からないような
難解な公式の証明を課題に出す事で調査能力を鍛えてもいいし、
複数人で相談して問題を解かせることで、
公式を知っている人がどれだけ得をするか実感させてもいい。
もちろん、公式を当てはめるだけの数学の試験でも、
知識を整理して正しく使うことの大切さを教えることはできる。
他の科目であれば、インターネットや参考文献でよく調べないと
良い文章が書けないようなレポート課題を与えればいい。

3.ネットワーキング能力

個人の論理的構成力や情報収集能力には限界がある。
知りたい情報があれば、
直接それに詳しい個人や組織に問い合わせるという経験を積む事で、
ネットワーキングの能力は向上していく。

小学校の自由研究はそういう点でも面白いと思うが、
日本の教育ではそのような機会は
たいてい大学の卒論くらいまでないし、
下手をすれば大学でも卒論がない学部・学科もある。
中学や高校でも、ネットワーキングの必要性を意識した形で
似たような課題を与えることは有益だろう。



人々は創造性という言葉の神秘的な響きに思考停止して
奇想天外なことを考えなければという強迫観念に囚われがちだが
創造性とは、運と生まれつきに左右される部分を除けば、
論理的構成力、知識量、ネットワーキングという
ありきたりだが身につけるのに骨が折れる能力の組み合わせだろう。


テーマ : 学習
ジャンル : 学校・教育

アメリカのレンタカーについて -- このエントリーを含むはてなブックマーク

7月末から、学会兼旅行でフロリダ(マイアミ)に行くことになった。
デトロイトとマイアミは、I-75 というインターステート(*1)で結ばれていて
地図を見なくても一本道で行けるのだが、1384マイル(2228km)も離れていて
Google Maps によれば運転し続けても23時間かかるらしい。
流石に遠いので飛行機で行く事にして
現地でレンタカーをすることにした。
アメリカは車社会なので、ちょっとした出張でも
レンタカーを借りる人はとても多い。

(*1)インターステートとはその名の通り州間を結ぶ高速道路のこと。
基本的に、奇数路線は南北、偶数路線は東西を結ぶ。

そこで、アメリカのレンタカーについて簡単にまとめてみる。

1.アクセス

アメリカのほとんどの空港では、
レンタカーを借りる人が多いので
空港から車で3分くらいのところにレンタカー会社がたくさんあって
空港からレンタカー会社別のシャトルバスで行けるようになっている。
フロリダなどの観光地では、借りる人が多いので
複数のレンタカー会社が入居する巨大なビルになっていたりする。

2.価格(車種別)

場所によってやや異なるが
基本料金は小型車で一日40~50ドルくらい、
大型車であれば100ドルを超えるものも珍しくない。
人数が多い場合は、小さい車を複数台借りた方が安いケースもある。
もっとも、どちらが便利かは運転する人数にもよるだろう。
アメ車が多いかと思いきや、最近では日産や現代など外国車も多い。

3.価格(期間別)

今回は正味8日間の日程だが、
後半5日間は便利な場所での学会であまり車を使いそうにない。
そこで、前半3日間(+数時間)借りた場合と
8日間フルで借りた場合の値段をPriceline
で調べたのだが、
3日間(+数時間):$292
8日間      :$348
と大して違いがないので、全日程借りることにした。
どうやら1週間を超えると料金はかなり割安になるようだ。
(試しに検索してみると一ヶ月の場合は860ドルだった。)
レンタカー会社としても、短期で借りる人が多いと整備に手間がかかるし、
稼働率もどうしても落ちるので、そんなものなのだろう。

4.保険

対人・対物保険は付帯していることが多いが、
補償限度額は契約内容によってまちまちだ。
対人保険の限度額が低い時は、通常100万ドル程度まで上乗せできる。
前に払ったことがあるが、一日10ドル程度だった。

車両保険は免責額が高くこれを低くすると結構保険料が高いが、
米国発行の多くのクレジットに保険が付帯していることが多いので
予めチェックしておこう(Collision Damage Waiverなどと呼ばれる)。

ちなみに、日本発行のクレジットカードに付帯するレンタカー保険は
通常、日本国外のレンタカーには適用されないことが多い。

5.免許証

驚くべき事にアメリカで有効な免許が必要とされることは少ないが、
英語で書かれた免許証が必要なケースが多い。
日本から行くのであれば国際免許を取っておくのが無難だろう。

6.年齢

運転者の年齢が、25歳未満であると
一日25ドル程度の追加料金を取られることが多いようだ
21歳未満だと借りられない事も多い。
大学生などは注意が必要だ。


7.複数ドライバー

ドライバーが複数になる場合は、1人につき
一日10ドル程度の追加料金を取る会社もある。
大手レンタカー会社を紹介しつつ例を挙げてみる(ソースはこちら)と、

Alamo: 1人につき一日10ドル追加

Avis: 配偶者、会社の同僚、障害者の同伴搭乗者などは無料。

Budget: Avisと同じ。例外あり。

Dollar: 追加料金有。

Enterprise: 配偶者は無料。

Hertz: 基本的には必要だが、一部に例外有。

微妙な料金なので、その時の状況次第で1人に絞ったり、
追加料金を払ったりしている。

8.チャイルド・シート

大抵、一日10ドルくらい取られる。
高すぎるので米国国内在住者なら持っていった方が得。
飛行機に載る時も、通常、追加料金は取られない。

9.安く借りる方法

航空会社のマイレージや、米国発行のクレジットカードの
ポイントなどを使って借りられることが多い。
また、旅行雑誌やクーポンブックに割引クーポンコードが
ついていることがある。

10.予約

大手旅行サイトのPricelineExpedia などを使うのが便利。
各レンタカー会社のサイトを検索しても良い。

予約と言っても大雑把なもので、
その場で支払い情報を求められなかったり、
航空券とセットで買ったのに予約が入っていなかったりする。
そういう事態になっても、車両がない!という事は稀なので
予約というよりも価格保証という側面が強いようだ。

11.追記 

レンタカーをするとアメリカ旅行の行動範囲はぐんと広がる。

例えばハワイでは、日本人にはワイキキが圧倒的に人気があるが
これは車を運転しなくても不便でないという面が大きいだろう。
私は、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島に一週間ずつ行ったことが
あるが、いずれもとても良いところだった。
アメリカは右側通行なので
日本から行ってレンタカーするのはちょっとしたチャレンジだが、
旅行好きの方は借りてみると面白いだろう。



テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

日本でのドイツ車・米国車の価格は米国の2倍 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

1ドル80円というと米国で暮らしている実感からしてもかなりの円高だ。
外食のように米国の方が高かったものも同程度の物価水準まで下がり、
逆に元々アメリカの方が安いものは日本の物価の高さが際立つ。
新車の日米価格差もすごいことになっている。

試しに、同一車種、同一排気量、同一駆動形式で値段を比較してみよう。
米国は2011年モデルを用いて、類似したグレードで比較している。
1ドルは79円で換算している。

新車日米比較


表を見ていただくと分かるように、今や
ドイツ車とアメ車の日本での価格は米国での価格の2倍前後になっている。
日本車も日本の方が高いが、約3割高い程度だ。
ブランド物のバックや時計の内外価格差は縮小する一方で、
自動車は、国ごとに異なる電装品が多かったり、
ドイツ車や日本車については右ハンドル仕様に変更がなされていたりと、
差別化がなされており価格差は維持されやすい傾向にあるようだ。

これだけの価格差がありながら、相変わらず
日本ではステータスや個性のためにドイツ車を買い、
米国に住む日本人が品質を信頼して日本車を買っているのは面白い。


世界の自動車オールアルバム 2011


続きを読む

テーマ : 車関係なんでも
ジャンル : 車・バイク

リスクを適切に見積もろう -- このエントリーを含むはてなブックマーク

10日ほど前のエントリー「職場では冷房をガンガンつけましょう」
には予想外にたくさんのコメントを頂いた。
興味深かったのは地味にブログ拍手がたくさん集まる一方で、
猛烈な勢いで反論をされた方が何人かいたことである。
評判社会とは多数決ではなく、そういうことなのだろう。

私の意見は、

1.節電は、電力料金を上げる、省エネ電気製品に税制上の
  インセンティブを与えるなどの合理的な方法で行うべき。

2.単なる同調圧力による節電は効率が悪いから止めるべき。

3.それで停電するくらいならしょうがないでしょ。
  とりあえず対策しとけ。

ということなのだが
「冷房反対派」の方々の意見を読むと、
結局のところ、停電による損失を過大に見積もり過ぎている

ということなのではないかと思う。

停電による損失がそれほど大きいとは思えないし、
実際に何度か経験してみなければ、
その損失を客観的に評価することも難しい。

実は、私の住むデトロイト圏では電力設備の老朽化のせいか、
大規模な雷が落ちるたびに結構な頻度で停電が起こる。
デトロイト地区に来て2年弱だが停電は今日で3回目だ。
電力会社も「今はこんな地域で停電してまーす」
とリアルタイムで地図を更新している。
今回は、36℃近い猛暑の中で
自宅は午前11時~午後10時まで11時間停電し、
都市圏全体では71000の契約者(たぶん人口比で3%強)が
停電に見舞われたが少なくとも個人的にはそれほど大きな影響はなかった。

例として、「停電が起こるとこんなに大変」
という頂いた意見を一つ一つ検証してみよう。

>電気が完全に止まってしまい

ピーク電力を超えた分だけが停電する。
影響の小さい郊外や地方を停電させれよい。

>エアコンが使えない

これもあくまで停電した地域と時間帯だけ。

>電車も走らない

ピーク時でも鉄道向け電力を優先させることは可能。

>コンビニも開かない

計画停電であれば、停電地域を「まばら」にすれば、
停電した一部地域で「最寄の」コンビニだけが使えない程度に留まる。

>ガソリンも詰められない

常にタンクの半分程度まで入れておけば全く問題なし。

>冷たい物も飲めない

自販機は従来からピーク時の冷却を避けている。
氷がすぐに解けるわけではない。

>なまものは全て腐ってしまう。

11時間の停電で、最初5時間はほぼ放置、
その後、少し離れたスーパーで氷を買って入れたところ、
冷蔵庫は通常通りの温度、冷凍庫はドアや上部など
一部の温度が若干上がっただけ。
せいぜい、アイスが少し溶けておいしく食べられない程度。

>エアコンが使えなくて炎天下熱中症続出。

猛暑では自治体が涼しい部屋を用意して必要な人が避難する仕組み。

>信号、電車が止まり大混乱。

今回、あちこちで信号が止まったが混乱は無し。渋滞も軽微。
(ラッシュのやや後に車で帰ったが個人的には全く影響なし)。

>仕事も何も出来ない。

オフィスの多い都心は停電を避ければ良いし、
もともとそういう計画になっている。

>病院も警察もまともに活動出来ない。

病院には通常バックアップの電源があるし、
警察は普通に活動していた。

>生命維持装置も使えない。


同上

>水道も使えない。


ビルなど一部に限られる。水道は電力とは基本的に別系統。
米国では電力のバックアップとして
水道の水圧を使う装置もある。

>死者も大勢発生するでしょう。

しませんでした。


もちろん、デトロイトと東京では停電時の影響の大きさは
同じではないだろうが、現在の日本の停電防止対策は過剰だろう。

今回のデトロイト圏の停電は比較的大規模で
今でも復旧していない地域もあるが
ピーク時の電力消費が問題の日本では、
暑い日の昼間に数時間停電するにすぎない。
また、既に東京電力の7月末の供給能力見込は5730万キロワットと
平常時のピーク電力(5500万キロワット)を
超えているそうなので、一時的に若干の供給不足になっても
それほど大規模な影響が出るとも思えない。

一度か二度停電になれば
人はそれに備えて対策をするようになるので被害は小さくなるし、
リスクの大きさを正しく見積もれるようになるだろう。

リスクの大きさを大雑把にすら見積もらずに、
それを避けるために必死になるのはパニックでしかない。
どちらにせよリスクをゼロにすることはできないし、
ゼロにしようとすることはかえって効率を低下させる。


行き過ぎた節電による経済効率の低下によって失業者が増えたとしたら、
節電推進派は自分の給料を差し出して責任を取るのだろうか。


テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

娘の算数教育3 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

娘に数字を覚えさせるため、トランプで神経衰弱やスピードを
4歳になる少し前からやってきた。

娘も5歳半になったので、そろそろ確率論の勉強(笑)も
ということで、ポーカーとブラックジャックを教えた。

1)ポーカー


いろいろな役を覚えてもらうため、
誰かがストップをかけてから一巡するまで手札の交換を続けるという
(日本でよくある)ローカル・ルールでやっている。

役が10種類あることや、同じ役の中での強弱があるので
結構覚えるのが大変かと思ったのだが意外とそうでもない。
オセロやチェスのような完全情報ゲームだと、
しばらくの間は大人が手を抜かないと子供はなかなか勝てないが、
運に左右されるゲームだと子供も結構勝てるし、
負けてもそれほど悔しくないので、結構楽しいようだ。

戦略も結構、自分で考えているようだ。
「A(S),4(H)、7(D)、10(C)、K(H)」
(S=スペード、D=ダイヤ、C=クラブ、H=ハート)
などと引くと、AとKを残してストレートを狙いつつ、
更にAやKを引くとフルハウスに切り替えるなど、
結構、臨機応変にプレーしている。


2)ブラック・ジャック

カジノでポピュラーな手札の点数の合計を21点に近づけるゲーム。
実際のルールはもっと複雑だが、ローカル・ルールを設定。
ゲームは、手札を引く部分とチップを賭ける部分に分かれる。

(手札を引く部分)
初めに、双方にカードを2枚ずつ配る。
2~10のカードは数字通りの点数、
絵札は10点、Aは1点か11点かを事後的に選べる。
2枚のうち、1枚は公開され、1枚は配られた人だけが見られる。
点数が足りないと感じた時は、カードを何枚でも追加して引く事ができる。
引いたカードは公開されない。
賭けが終わった後で、21点以下であれば点数が多いほうが強く、
21点を超えた場合は負けとなる。
(ただし、相手も21点を超えている場合は引き分け。)

(賭けの部分)
双方がカードを引き終わったところで、
まずチップを1枚ずつ賭ける。
手札に自信がある場合はチップを追加することができる。
ただし、手持ちが少ない側のチップの総額が上限である。
多くのチップを賭けた方が無条件に勝ちとなり、
チップの枚数が等しい時は手札の強弱で勝敗を決する。


娘はまだ5歳なので実は一桁の足し算も暗記していないのだが
頭の中で数えながらプレーしている。
当初は一桁の足し算と筆算を教えてから、
ブラックジャックを教えようとも思っていたのだが、
足し算の練習をしているうちにこっちが飽きてしまったので
ブラックジャックをやりながら、足し算を教える事にした。
一度、数え間違えたらしく手札の合計が32点になるという事態が発生したが、
そういうことは滅多に起こらないし、
足すのもどんどん速くなってきている。
賭ける時の作戦はまだまだの感があるが、
結構楽しそうにやっている。



二つのゲームを教えてみて思ったことは、
子供は確率に左右されるゲームが結構好きだということだ。

一方で奴の方は完全情報ゲームは滅法強いのに、
ポーカーをやると、
「偶然に左右されるゲームって好きじゃないんだよね…」
などとぶつぶつ文句を言っている。

確率的な感覚や勝負勘を鍛えるのは、
やはり小さいうちの方が良いのかもしれない。




関連するエントリー:
娘の算数教育2 
娘の算数教育 
神経衰弱(トランプ)
トランプを投げる娘



テーマ : パパ育児日記。
ジャンル : 育児

一つの夢を追うリスク ~「将棋の子」(大崎善生)~ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

メール、mixi、twitter、facebook と
楽しいコミュニケーション・ツールの普及に従って、
人々が落ち着いて一つのことに集中するのはますます難しくなっている。
そんなわけで、
子供や若者が一つのことを一生懸命やると、たいがいの大人は感心するわけだが、
やっている本人は大変な肉体的・精神的負担に加えて大きなリスクを負っていることも多い。

「将棋の子」(大崎善生 著)は、
将棋の棋士を目指して北海道から母と二人で上京した
天才少年・成田英二の半生を追ったノンフィクション小説である。
将棋のプロになるためには、
奨励会と呼ばれるプロ棋士養成のための組織に入り、
26歳までに規定の成績を収めて四段に昇段しなければならない。
そのため、早い場合は小学生のうちから奨励会に入会し、
青春時代の大半を費やしてプロを目指す。
奨励会に入ること自体、非常に狭き門であり、
プロ棋士が才能を見出した少年・少女だけが入会を許されるのだが
その奨励会に入って長い修行を経ても、
規定の年齢までに四段になれるのはわずかに2割弱だ。
両親の期待を受けながらプロを目指す成田が24歳の時、
父は不幸にして急死し、母はガンで余命1年と宣告される。
年齢制限を間近にした成田は重圧に耐えられず、
ついに奨励会を退会する。
両親と将棋をいっぺんに失った成田の人生は厳しいものになる。

高い知能と強い意志を兼ね備えた成田の人生は、
どこでおかしくなったのだろうか?

チャンスを逃さないこと、
謙虚であること、
若い頃に視野を広げること、
計画性を身につけること、
良い金銭感覚を身につけること、
常識を身につけること、
人間関係を豊かにすること、
助言してくれる大人を探すこと、
といった
多くの人が程度の差こそあれ
大人になる過程で自然と身につけていく能力が
いかに大切であるかを痛感させられるドキュメンタリーだ。


新しい本ではないが、
これから進路を決める人たち、
子供がこれから人生を決める保護者の方たち
にお勧めしたい本である。


テーマ : 夢へ向かって
ジャンル : 就職・お仕事

職場では冷房をガンガンつけましょう -- このエントリーを含むはてなブックマーク

いよいよ夏本番が近づいてきた。
独立記念日のホームパーティーに呼ばれて行ってみたら、
「夫が日本に出張に行ったらエアコンがついていなくて大変だと言ってるわ」
なんて話をされた。
彼は日系の会社に勤めているから従うしかないだろうが、
きっと「日本は変な国だ」と思っているだろう。

東京電力などいくつかの電力会社は15%の節電を呼びかけているそうだが、
15%の節電を所与とするなら、経済への影響を小さくするためには
とにかく電力を生産性の高い用途に集中して使うことが大事だ。
対外的なポーズのために冷房の設定温度を上げるような企業があると聞くと、
日本って沈む時はみんな一緒に沈むんだろうなー、と心配になる。

電力供給が限られれば工業製品の生産は減少するし、
オフィスで節電をすればやはり効率の低下を通じて生産性は低下するが、
人間の労働環境を維持するための電力の優先度が高い事は火を見るより明らかだ。
以前に紹介したとおり、大雑把な試算によれば
オフィスの冷房の設定温度を上げて意味があるのは時給120円以下の人だけである。
従業員のオフィスの設定温度を上げるような企業は間接的に
高い代償を払うことになるだろう。

停電を避けるために節電は必要かもしれないが、
優先順位を正しくつけないと日本全体が停滞することは避けられない。
「がんばれ、日本」などと国民の一体感を煽ってる場合ではないだろう。


テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

アメリカでもやっぱり近所付き合いが面倒な件 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

昨年の冬に古いタウンハウスを買って引っ越した。
アパートでは隣人が気になることはあまりなかったのだが、
持ち家となると変な隣人が結構気になることに気づいた。

まあ一つの理由はアメリカのくせに、
人が密集した集合住宅に住んでいることだろう。
大体、うちの周りの住人は下図のような感じになっている。
ひと目見ただけでもかなり詰んでる感じが分かると思う。

四面楚歌

個別に紹介していこう。

1.マイケル・ムーア (夫婦)

映画監督のマイケル・ムーアそっくりのおばさん。
今、写真を見たら、そっくりすぎて改めて驚いた。
マイケル・ムーアもミシガン出身なので兄妹かも知れない。
私が引っ越してきた際に、
前の住人が散らかしていった壊れた椅子などの粗大ゴミを
「もったいない」といいながら拾っていた。
ここはスラム街なのか?と愕然とした。
空き家の玄関までぶらぶら歩いていって、
中を覗いたりする行動力もマイケル譲り。

2.ヤクザ風C国人

数ヶ月前に最近引っ越してきた人たち。
というか、ちゃんと住んでいるのかどうかも不明。
来て初回に、いきなり我が家の駐車場の前に車を停めて道を塞ぐ。
当初誰の車か分からなかったため、
妻が出かける一時間前にクラクションを鳴らしてみたところ、
動揺して駆けつけるが車を10mほど前進させてその場で待機している。
おいおい、車が出たらまた道をふさぐ気か。

そのほか、玄関前で男二人で昼間からタバコを吸ってポイ捨て、
ヤクザ風の中国人の男たちが大人数で訪れる、
夜遅く車で来て午前4時半頃出かけていく、
など不可解な人たち。
関わってはいけないような気がして挨拶しかしたことがない。

3.老夫婦

一番普通の隣人。60代くらいの老夫婦。
婦人は割りと品が良い感じで夫は見たことなし。

4.独身B氏

周りは若い家族と老夫婦ばかりの中で珍しい40代の独身B氏。
大手自動車メーカーのエンジニア。
几帳面なナイスガイだが、雰囲気がちょっと変だ。
一人で楽しそうに散歩をしていたり、
どうせ業者がやる雪かきを運動と称して自分でやったりする。
先日は、共有部分の芝に正座して花を植えていた。
…誰かに頼まれたのかな。

5.ニート親子

70前後の老女と、40代の娘。
いつ見ても玄関の扉を開け周辺をうろうろしていて暇そう。
年金生活者とニートの組み合わせだと想像(*1)。
いわゆるお節介おばさん&おばあさんと言った雰囲気。
私が家の外をちょっとでもいじると、
飼い猫をダシにして偵察に来て
翌日にいちいちコメントしてくるうざい人たち。

(*1)ただし日本のニートの定義は35歳以下が必要条件だ。


ほんと変な人多いなあ、と思っていたら、今度は変な匿名の郵便が届いた。
状況から考えて、どうも上の5人ではないようだ。
我が家が庭の補修をしている間、外用の椅子やテーブルをガレージに
置いて車がはみ出していたのが気に障ったらしい。
他の駐車場を一台占領するよりマシかと思ったのだが、
そうでもなかったようだ。

XXXX番地の新参者へ:

協同組合の規則では、使わない時はガーレジのドアは閉めて置くように、
ってなってるんだけど。隣人たちは、ガレージのドアが一日中開いてる
のとか見たくないし。区画全体を見てみなよ。ドアが閉まってるとき、
どれほど見た目が良くなるか。ドアが開いてて、車が部分的にはみ出てる
のは、我々の区画の統一性とか美しさを高めたりしないんだよ。

もし車が何らかの理由で納まりきらないなら、たぶん駐車場においてある
ものをパティオにおけばいいんじゃないの。

協力どうも。
隣人より


  → くどい。匿名の手紙とか脅迫状のつもり?直接言いに来ればいいだろ。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

検索フォーム
Twitter

Twitter < > Reload

お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

全記事表示

全ての記事を表示する

最近のコメント
訪問者数 (UA)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
33位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
北アメリカ
5位
アクセスランキングを見る>>
人気記事Top10


(はてなブックマークより)

カテゴリー
最近のトラックバック
お勧めブログ