米国で使われる単位の日常的感覚 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカに住んではじめに戸惑うことの一つに
未だにメートル法ではなく英国式の単位を使っているということがある。
学生に時々「1マイルは何フィートかね?」などと聞くと、
実際答えられない学生が多いので、英国式が便利だとは思えない。

もちろん辞書を引けば簡単に換算はできるが、
感覚的に英国式単位を説明するとこんな感じになる。


●長さ:
1 feet: A4(レターサイズ)の縦
1 mile: 歩いて行ける
10 mile: 車なら近い
1,000 mile: 車で旅行できる

●面積(sqft = square feet):
500sqft: 1ルーム(1K)アパート
1000sqft: 2ベッドルーム(2LDK)アパート
2000sqft: 40年前の家族用一軒家
3000sqft: 最近の家族用一軒家

●体積:
1オンス = コップの水位で1cm分
12オンス = 缶ジュース一本
1クオート  = マックの特大容器一杯
1/2ガロン = 一升瓶一本
1ガロン   = 特大牛乳容器1本(米国)

●気温(華氏):
 0F :激寒い
 70F :快適
 100F:激暑い

●体温(F、華氏):
 100F:病院へGO

●燃費(mpg= mile/gallon):
10mpg: クソ悪い
20mpg: 普通
30mpg: 良い
40mpg: クソ良い

●速度(mph= mile/hour):
50mph : 一般道(違反)
75mph : 高速(違反)
100mph : 高速(超違反)

●重さ(lb = pound):
1 lb: 食パン一斤
3 lb: モバイルPC
200 lb : デブ

●金額(USD=米ドル)
100K (=10万): 専門職の年俸
1M (=100万): 持っていると富裕層
1B (=10億): 持っていると大富豪
1T (=1兆):米国の年間財政赤字額


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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

テキサスA&M大に行きます。 -- このエントリーを含むはてなブックマーク


金曜から日曜朝までいます。

土曜の夕方以降は予定が無いため
まさかいないとは思いますがオフ会希望の方はご連絡ください(笑)。


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ジャンル : 海外情報

推薦状について -- このエントリーを含むはてなブックマーク

米国では秋から冬にかけては、大学院や仕事への応募のシーズンであり、
大学で教員をしていると、学生から推薦状を書いてくれと言われることがよくある。
それは、大学院への応募のためだったり、仕事への応募のためだったりする。
私も米国の大学院にアプライする際や、米国で仕事を探す際には
いろいろな先生に推薦状を書いて頂いた。
今年の秋は、3人の学生から相次いで推薦状を頼まれた。
A4一枚程度で学生との具体的関係や学生の能力について書くというのが一般的な形式で、
それに加えていくつかの多岐選択式のアンケートがある場合もある。
こういう仕事はある意味勢いが大事なので、一晩でまとめて3通書いた。
そこで自分で書く側になって分かったことをいくつか書いてみようと思う。


一番大事な事は、推薦状は長所を評価するシステムだということだ。

私は推薦状にわざわざ悪い事を書いたりはしないし、
他の多くの執筆者も同様だろう。その一方で嘘は書けない。
必然的にその学生の長所を書く事になる。

その際に大事な事は、推薦者が学生を良く知っている、ということだと思う。
自分のクラスを取った学生にしても、過去にいくつも自分のクラスを取った学生なら
その学生がもっとも得意だったことについて書く事が出来るし、
一度しか教えた事のない学生でも、少人数のクラスであれば、
その学生の長所についてより詳しく書く事ができる。

最悪のパターンは、定型的な内容のコースを教えたことはあるものの
1対1ではほとんど話した事がないという学生の推薦状かも知れない。
その学生の成績が素晴らしいものであればもちろん問題は無いが、
ごく平均的であったり、出来が悪かったりした場合には書く事が無い。
50人中26番の学生を「クラスで一番優秀でした」と書くわけには
いかないからだ。

推薦者に、自分が将来やりたい事を詳しく伝えるということも大事だ。
推薦者は応募者のことを応募者自身ほど詳しくは知らないが、
選考する側の者が何を考えるであろうか、ということに関しては
応募者よりも詳しく分かることが多い。

例えば、ある学生が大学院に応募する際に推薦状を書いて欲しいと
言って来たので、応募先を詳しく聞いて、その学生が応募する専攻の
教員が興味を持つであろうことを集中的に書いたところ、
彼は前年には不合格となったいくつかの有名校から
入学許可をもらうことができた。
ちなみに、前年の私以外の推薦者は同じである。

その数年後、彼は別の専攻に転向するために大学院に再度応募したい、
と推薦状を頼んできたのだが、
今度は、ともかく色々な専攻に手当り次第に応募すると言ってきた。
応募する分野を絞るようにアドバイスしたが、
彼は聞かなかったので推薦状は一般的なものにならざるをえなかった。
結果は全敗。うまく行かないのではという心配はあったが、
これほどまでにはっきりと結果が出た事に驚いた。

応募者の「スペック」が高ければ
どんなところでも受かりやすくなるという面も確かにあるが、
これはやりたいことを絞って自分の長所を売り込むことも重要だという良い例だろう。

ところで、推薦状というとコネが大事だと思っている人も多い。
これはある程度正しいかも知れないが、このコネが必ずしもアンフェアというわけでもない。
例えば、大学院から同じ大学の別の専攻に移る学生もいるがそうした場合には
「そちらの学科の大学院生を何人か見てきたが、
応募者はその平均以上の成績を取る事ができると思う」
というようにより具体的に学生の能力の高さを示す事が出来るからだ。
これは選考する側にとっては、
全く知らない人が書いた推薦状よりは説得力があるように思う。

米国の大学院等に出願する際には、通常3通程度の推薦状が必要だ。
誰に何を書いてもらえば良いのか想像もつかないことも多いと思うが、
書く側の立場、選考する側の立場に立ってみると、
少しヒントが掴めるのではないだろうか。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

韓国とどう付き合うか -- このエントリーを含むはてなブックマーク

前回と似たタイトルだが、
国名以外に異なる点があることをまず確認しておきたい。
前回が「中国人」とどう付き合うかであったのに対し、
今回は「韓国」とどう付き合うかである。
というのも、今まで個人レベルで在米韓国人との付き合いに
何か問題があったことはないからだ。

国としての韓国は日本人の目にどう映っているだろうか。
ここでは主に経済面に着目してみたい。
私がまず考えるのは、韓国には日本と競合関係にある
産業や企業が非常に多いということである。
自動車や電機などを初めとして、
あらゆるところで日韓企業は競合している。

もちろん私は日本人としては、
トヨタやホンダにヒュンダイより良い車を作って欲しいし、
ソニーやパナソニックにはサムスンより良い電気製品を作って欲しい。

しかし、もう少しマクロなレベルで考えると
日本が余裕を持ってこの競争を眺めるためには、
日本人が韓国資本そのものをもっと所有するのが
最も良いのではないかと思う。
日本企業が好調ならば韓国企業が苦戦し、
韓国企業が好調なら日本企業が苦戦するというような産業では、
両方を所有してしまえばリスクを大幅に減らすことができるからだ。

例えば、ソニーがサムソンの株式の過半数を持っていたとしたら、
液晶テレビ戦争だってもっと余裕をもって眺めることができるのではないか。
ソニーのテレビが売れて国内が潤えばもちろん問題ないし、
サムソンのテレビが売れても、その利益の大半は国内に還流する。

サムスンの時価総額は今やソニーの10倍以上あるため
この話そのものは現実的ではないが、
国全体で見れば、韓国株式市場の時価総額は1兆ドル前後と、
4兆ドル以上の時価総額を有する日本の4分の1程度に過ぎない。
17兆ドルを超える日本の個人金融資産のほんの一部を投資すれば、
日本企業と競合する韓国企業のかなりの部分を買い取れてしまうだろう。

しかも現在、韓国政府はウォンを意図的に安値に誘導しており、
ウォン資産は投資対象として「お買い得」なはずなのである。


個人の金融資産を国の政策で動かすのは、実はそんなに難しくない。

95年に1ドルが80円を割ったとき、
円は実質購買力の点で市場最高値をつけたが
あの当時は、庶民が銀行に頼んでも外貨預金を受け入れて
もらえないのが普通であった。
日本は巨額の経常黒字を計上していた上に、
巨額の個人資産すべてが円に縛られていたのだから超円高になるのは当然である。

その後、超円高に苦しんだ日本は個人の外貨購入を積極的に後押ししたり、
FXに関する規制を大幅に緩和したりした結果、
円安を後押しし、為替市場の安定性も増した。
今後も、外貨建て金融商品の広告表示に関する規制を変えたり、
FX取引の証拠金倍率に対する規制を変更するだけでも
個人の投資動向はそれなりに変えることができるだろう。

具体的に個人投資家の韓国に対する投資を増やす方法もたくさんある。

例えば、現在は何故か韓国ウォンの外貨商品を扱う金融機関が少ないが
外貨金融商品の取り扱い機関に対して「過度な投機を抑制するため」等と称して、
日本との貿易額の大きい国の通貨から順に商品を売るように定めれば、
一気に取り扱い機関は増えるだろう。

外貨取引のコストやリスクを抑えるためには、「くりっく365」のように
実質的に官営の取引所を使った使い勝手の良い仕組みを提供すれば良い。

もっと単純に、四季報などに韓国企業の業績が全て日本語で載っているだけでも、
興味を持つ投資家は大幅に増えるだろう。
そのためには単に、日本政府が委託研究とでも称して、
民間企業に韓国企業の業績を日本語でデータベース化するよう依頼するだけで良い。
ほんの数百万円か数千万円程度でできてしまうだろう。


つい最近、日本政府は韓国政府との通貨スワップ協定の一時増額部分を失効させた。
これは、金融危機の際の韓国ウォンの暴落リスクを若干高めたし、
単純な日本の右翼はそれだけで歓喜していたけれども、
そもそも暴落した資産を安値で買う事なしに、日本が何らメリットを享受する事はできない。
せいぜい、さらにウォン安となった経済環境の下で、
日本企業がコスト競争力の低下に悩むのが関の山だろう。
実際、リーマンショック後に起ったこともほぼ同様である。

日本は新興国に比べれば
圧倒的に自由な資本取引の中で経済を運営しており、
新興国との競争においてはこれを大きな武器にしなければならない。

日本の投資家が、金融危機時に韓国企業の資産を魅力的な価格で
買えるチャンスはあと何回くるだろうか。
私はせいぜいあと1回くらいではないかと思っている。
現在の韓国は1500億ドル程度(*)の対外純債務国であるため
依然として金融危機にさらされるリスクがあるが、
近年、毎年200億ドル超の経常黒字を計上している同国が
米国や日本のような国と同程度の安定した経済を
手に入れるのは時間の問題だからだ。

手遅れにならないうちに韓国の競合企業のある程度の部分を所有し、
仮に日本企業が多くの分野で競争に敗れても配当で食べていける、
という状態を作ることが、
日本の韓国に対する最大の経済的なリスクヘッジになるのではないか。


(*) 2009年時点。


テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

中国人とどう付き合うか -- このエントリーを含むはてなブックマーク

尖閣諸島で揉めている日中の感情的対立は過去最高の水準に達している。
一方で、経済的な日中の結びつきも過去最高に達しており、
これから日本人が中国人とどう付き合うかは大きな課題だ。

私のやっている統計学は、おそらく中国人の比率が最も高い学術分野の一つで
北米の国際学会でさえ、中国人や中華系の参加者の数は全体の半数に近い。
そして私が5年間学んだW大M校の統計学科は、伝統的に中国人が多く、
博士レベルのコースを取れば、中国人が8割超ということも珍しくない。
アドバイザーや研究室の仲間もみな中国人だったし、
一緒に働いた中国人、指導した中国人も数多い。
娘の学校の知り合いにも中国人は何人もいる。
北米に来た8年間で中国人の知人は50人近くに達するし、
これからも彼らと一緒に仕事をしていくことは避けて通れない。
そこで、私は香港を除けば中国に行ったことはないけれども、
米国での経験をもとに
中国人は個人レベルの付き合いでどう振る舞うのか、
そして日本人は中国人とこれからどう付き合って行くべきか、
ということを少し書いてみたい。


まず、一番言いたい事は、
中国人は非常にフレキシブルである、ということである。
これは英語の掲示板で「日本人は賢いんだけどフレキシブルではない」
とアメリカ人が書いているのを読んで明確に意識したことだ。
あるいは批判的に捉えたいならば、ご都合主義と言っても良い。

例えば、大学で授業を教える際にも、
外国人の講師にはいろいろなこだわりがあるのが普通だ。
多くの国の数学教育は少なくとも修士までのレベルにおいて
米国より優れていると思うし、米国でも自分のスタイルを
通したいという意識が働くせいだろう。
フランス人は自分達の教育方法に自信を持っているし、
日本人やベトナム人なども、控えめながら自分たちの
やりかたに固執しているように見える。
一方で、中国人は一般的にそうした方法論についてこだわりがない。
米国人が好む方法で文句を言われないならば、
それでやっておけば良い、というスタンスを取る。
彼らは基本的に教育に熱意も関心も薄い場合が多いように感じるが、
それでも投入した労働量の割りには
問題の発生を比較的抑えているように思える。

日本に密接な問題を考えてもそうだ。
中国は国を挙げて反日教育で子供を洗脳し、
反日デモでは日本車が焼き討ちにあっているにも拘らず、
どうしてあれだけ日本製品が売れているのか考えたことがあるだろうか。
これは、それだけ彼らがフレキシブル、あるいはご都合主義である
ことを示している。
もし逆の立場だったら、日本人は中国製の車など決して買わないだろう。
実際、米国や欧州でこれだけ売れている韓国車や韓国の電気製品が
日本ではいまだに苦戦しているというのは、
根強い嫌韓ムードの感情や社会的圧力によるものが大きいだろう。

そうした点を鑑みると、
中国人の反日感情が強いからといって
全ての交流を諦めるのは良策ではないということだ。
特に個人レベルの関係においては、
まずは友好的に歩み寄り、それが上手く行かない場合は
善後策を考えるというスタンスが良い。

状況をこじらせているのは、
中国人はもともと他人に対して愛想が悪い人が多いということだ。
これは文化的な面が大きいのだろう。
そして、個人差はあるものの全般的にいってマナーも良くない。
これは発展途上国としての側面を考えると致し方ない面もある。
しかし一旦親密になれば、親切な人も結構多い。
感情的には少し不愉快かも知れないが、
初めは日本人から友好的に語りかけるしかないという面がある。



もう一つ大事だと思うことは、
中国人は上下関係や立場を非常に重んじるということである。
大学院時代も、個人差はあるものの
中国人の上級生、同級生、下級生の私に対する態度は全く異なったし、
中国人学生が教員としての私に接する態度は更に異なる。
また教員同士の人間関係においても、
ランクの高い教授と後から入って来た助教では
私に対する接し方が傾向としてみれば全く異なる。

私は院生時代に学科長に頼んで非常勤講師をやったことがあり、
その時に二人の中国人TAがついたのだが
そのうち一人のTAは非常に問題があった。
真実が一つしか無い数学のような分野においても、
複数の定義や記法がありうる場合にはTAが講師に合わせなければならない
ということは明確にルールとして決められているのだが、
彼女は自分で勝手な方法で教えて学生を混乱させ、
命じられた仕事も、勉強が忙しいから、とか面倒だから、
というような理由で断ったりしたのである。
これはもちろん、彼女の人格的な問題に起因するところが大きいと思うのだが、
その話を聞いた韓国人の友人の解釈は異なっていた。

「彼女は、WillyよりもTAを長くやっているでしょ?
だから自分のやり方でやっていいと思ってるんだよ。
もう一人のTAは新入生だから真面目で一生懸命でしょ。」

というのだ。
(ちなみに、このケースでは私の方が年齢と在学年数は上であった。)

中国人は上下関係を決める上では、
他の国ではやってはいけない方法で中華文化を持ち込むことが多くある。
例えば、米国では姓を呼び捨てにすることはマナーの上であり得ないが、
「中国人で目上の立場にある人」というケースに限っては、
姓を呼び捨てにしてくることがある。

例えば、韓国は年齢による上下関係が非常に厳しい社会だが
韓国人は米国社会においてはそれが通用しないということを知っているので
他の国の人に対しては年齢によらず同じように接しようと努める。
インドは厳しいカースト制を持つが、例えば外国人との交際
に際してはあまり拘らないことが多いようだ。
しかし、多くの面でフレキシブルな中国人も、
どうやら上下関係の肌感覚という点では
他の文化の人に対して、非常に違和感のある振る舞いをしてしまうようだ。

現在の日中の経済関係を考えると、どちらの国においても、
日本人が中国人上司の下で働く状況は、
その逆のケースに比べて圧倒的に少ないだろう。
しかし、そうしたことになった場合は注意する必要がある。
それが中華文化の圏外であれば、譲れない一線を強く主張する必要があるし、
中華文化の圏内であれば、より難しい対応を迫られるだろう。



政治的に「反日教育をするすぐ隣りの大国」が日本にとって
やっかいな存在であることは間違いないが、
これだけグローバル化した世界において
日本人が中国人と付き合わずに済むということはあり得ない。
彼らが持つネットワークに食い込むことは極めて重要だ。

多くの問題を抱える国の国民と仲良くするのは簡単ではないが、
例えば日本に住む中国人の中には
少なくとも日本が大嫌いな人は少ないだろうし
日本語を話せる人も多いだろう。
まずは、難易度の低い彼らともう少しコミニュケーションを
とることからはじめてはどうだろう。


テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

家族旅行が高い日本、安いアメリカ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

夏に久々に日本に帰って思ったことの一つは、
「とにかく旅費が高い!なんだこりゃ!」ということだった。
妻の親戚をたずねて家族3人+義母で名古屋まで2泊3日で行ったのだが、
新幹線代だけで4人だと往復約8万円、
宿泊費は豪華な朝食付きだったが4人×2泊で約9万円と
交通費と宿泊費だけで17万円もかかると知って、
「うわっ、17万?!」
「飛行機でバケーションに行く訳じゃあるまいし!」
と奴と二人で改めて驚いてしまった。
今回は目的がはっきりしていたから良かったが、
観光だけが目的だったらコストセンシティブ(=貧乏)な
我が家は間違いなく計画を断念していただろう。


ところで、我が家では毎年冬休みに買い出しを兼ねて
シカゴ旅行に行くのが恒例になっている。
中西部の田舎の小さな大学町で5年間を過ごした私達家族にとって
休みに華やかな繁華街と日本の店があるシカゴに行くのは、
冬の少ない楽しみの一つだった。その習慣は今も続いている。
デトロイトからシカゴまでは約300マイル(480キロ)、
日程は2泊3日なので、物理的には名古屋旅行とあまり変わらないか
むしろ遠いくらいである。

さてここで問題。
この家族旅行の予算(交通費+宿泊費、税込)はいくらでしょう?

あ) 2100 ドル (17万円弱)
い) 1400 ドル
う) 700 ドル

正解は・・・









え) 250ドル。

ちなみに内訳は、ガソリン代が往復で100ドル、
ホテル代が一泊75ドル(税サ込)。
ただし朝食はついていない。

なんでこんなに値段が違うんだ?と考えてみると
要するに日本は何でも一人当たりで費用がかかってくるのが理由だ。
シカゴのホテルは今回は郊外に取ったので特に安いが、
2人用ベッド×2(キング+クイーン)の部屋で
何人泊まっても料金は変わらない。
1人でも子供連れの4人家族でも一泊75ドルだ。
ちなみに、日本で泊まったホテルより古いが
部屋の設備自体はあまり変わらない。

移動も車なので4人までなら何人でも費用はほとんど変わらない。
日本の新幹線と米国の車旅行を比べるのはフェアでないかも知れないが、
通勤用に車が必須のアメリカと日本の都市部では事情も異なる。
日本の都市部では車を維持するのには
駐車場代、自動車税、車検代と多額の費用がかかり、車両の値落ちも早い。
東京から京都までの高速料金はETC割引を使っても往復で1万円、
ガソリン価格も米国より約70%高い。
マイカーで旅行するための費用も実はかなり高い。


一言でまとめると、日本の旅行事情は人数の多い家族に厳しいということだ。
しかしこの料金体系が妥当なのかどうかはかなり疑問だ。
例えば日本で、
20代独身、30代DINKS、40代4人家族、60代老夫婦
という4パターンを考えてみよう。
余暇のために消費できる金額が家族一人当たりで多いのはどのパターンだろうか。
おそらく
60代老夫婦 = 30代DINKS > 20代独身 > 40代4人家族
の順ではないか。

家族の人数が多く住宅ローンと教育費を抱えたオトーサンたちに
そんなに余裕があるようには見えないし、
過去15年ほどの賃金低下で一番影響を受けたのは
40〜50代あたりのはずである。

旅館やホテルが、40代4人家族から
30代DINKSや60代老夫婦の2倍の料金を取ろうとするのが
賢い商売だとはあまり思えない。

新幹線にしてもごく一部の繁忙期を除けば結構空席が目立つ。
国が有休取得の強化などを促して需要をもう少し平準化させることも大事だが、
利益を損なわずに空席を埋めるための手っ取り早い方法は、
こうした顧客の階層ごとに価格差別を行うことではないのか。


大家族で気軽に旅行もできない社会では、ますます少子化も進む。
日米の対照的な例を見て、
もう少し家族に優しい日本社会になると良いなと願う、
コストセンシティブな30代家族持ちなのであった。


テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

日本メーカーは白物家電の北米市場で成功できるか -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本の民生電機メーカーは地デジバブルの崩壊後、
新たな収益源を探しており、パナソニックなどは
米国の白物家電市場に参入ことを決めているらしい。

米国の安い白物家電といえば、
冷えムラのせいでヨーグルトが凍る冷蔵庫、
変な棒のせいで薄い衣類に穴が開く洗濯機、
と、ろくなことはない。
高品質が自慢の日本メーカーが
今までどうして参入していなかったのか、不思議なくらいだ。
一方で、ほんの10年前に米国の冷蔵庫市場に参入した韓国の
サムスンはいまではトップシェアを握った。

貿易摩擦などの大人の事情もあるのかも知れないが、
そういうものを抜きにして考えると、
日本メーカーがこの市場で「不戦敗」に甘んじているのは、
市場調査が不十分だったためではないか、という気もする。
白物家電はAV機器などに比べて、
その国の文化的な事情に合わせる必要性が高いからだ。

冷蔵庫一つとっても、日米では諸事情がかなり異なる。
大きな違いをいくつか挙げて見よう。

冷蔵庫は低付加価値商品?

これは私の仮説に過ぎないが、
日本メーカーが米国の白物家電に参入してこなかったのは、
「白物家電=低付加価値商品」
というイメージがあったからではないかと思っている。
しかし、少なくとも米国において冷蔵庫が
低付加価値商品であるとは思えない。

米国の家庭用冷蔵庫は、主に、
昔からある、冷凍庫が上にあって2枚扉の トップフリーザー・タイプ、
左が冷凍庫、右が冷蔵庫になっている2枚扉の サイドバイサイド・タイプ、
上が観音開きの冷蔵庫で、下が引き出し式冷凍庫の フレンチドア・タイプ、
の3種類だが、容量にせいぜい50%程度の違いしかないにも拘らず、
それぞれ、$500前後〜、$1000〜$1500ドル、$2000〜3000ドル、
と価格帯に大きな違いがある。
きちんとトレンドを読めば、付加価値の高いものが売れるように思う。

買った冷蔵庫は誰のもの?

日本では、冷蔵庫は買った人のものだ。
引っ越した時には、新しい冷蔵庫を買ってくるか、
旧住居から冷蔵庫を運んでこなければならない。

しかし、米国ではアパートでも持ち家でも、
冷蔵庫は住宅設備の一部で個人ではなく住宅に属する。
アパートには冷蔵庫がもれなくついているし、
持ち家を売る時は、通常の売却であれ、差し押さえであれ、
冷蔵庫は置いていかなければならない。
(もちろん、売買契約で特別に明記すれば別だろう。)

米国では、持ち家の所有期間の中央値は10年程度で
賃貸物件に至っては滞在期間が2年半程度だ。
冷蔵庫の耐用年数が15年前後であることを考えると、
冷蔵庫は複数の世帯が引き継いで使うのが一般的であると言える。

だから冷蔵庫は個人の嗜好に加えて、
住宅を売却する際の資産価値としての側面が考慮される。
「住宅を売却する時に見栄えを良くするために冷蔵庫を換えた」
などという話もあるくらいである。
米国の住宅価値の1割はキッチンで決まると言われており、
冷蔵庫はその要となるアイテムだ。

冷蔵庫は機能が大事?

上の話と関連するが、
日本では冷蔵庫は個人の持ち物なので機能がより重視されるが、
アメリカでは住居に属するため見栄えがより重視される。

冷蔵庫に便利でマニアックな機能がついていたとしても、
前の持ち主からそれを引き継いだオーナーは、
幸運にも見つけた日焼けした8年前の取り扱い説明書を熟読するだろうか?
答えはおそらくノーだろう。

端的に言って、日本の冷蔵庫をAV機器のようなものだとすれば、
米国の冷蔵庫は玄関の扉のようなものだと言ってよい。
ともかく見た目なのだ。
米国の近年のトレンドはオープンキッチンであり、
家を売る時はもちろん、家に人を招く時にも冷蔵庫はすぐに目に入る。
特に目に入るのは冷蔵庫の扉である。

米国量販店のホームページで冷蔵庫を検索すれば、
正面の扉の写真しか載っていないことに気付く。
オンラインで冷蔵庫を注文する人のほぼ全てが、
扉と寸法だけを見て冷蔵庫を買っていることになる。
近年のトレンドはステンレス・スティール製の銀色に輝く扉だが
あまり目立たない側面や上面は昔ながらの安い樹脂製で、
申し訳程度にグレーに染めてあるだけである。
全面がステンレス・スティールの冷蔵庫もあるにはあるが、
超ニッチ商品と言って良い。

次に流行る冷蔵庫が、
Wifi内蔵の「スマート冷蔵庫」であることは間違いないと思う。
LG電子はすでにこれを米国市場で売っているし、
アマゾンでは、既存の冷蔵庫にiPadを取り付けるための金具も売っている。
しかし求められているのはおそらく
「タブレットが付いた見栄えのする冷蔵庫」であって、
高機能なスマート冷蔵庫ではない。
その点、日本メーカーが日本で売っているスマート冷蔵庫を
そのまま売るには厳しいだろう。

自動製氷機は必要か?

近年の米国の冷蔵庫は、水道から水を引いて
自動的に濾過した冷水や氷を作り、冷蔵庫を開けずに
専用の注ぎ口からグラスに注げるように出来ている。
しかし「機能より見た目重視だったら、これはなくていいよね」
と考える向きがあるとすれば、それはおそらく間違いだ。

近年流行り始めたフレンチドアも、
初めはこの製氷機のないものが多かった最近では付いたものが多い。
この製氷機は扉の正面についていて目立つので、
付加機能というよりも「見た目の向上」としての面が大きい。
海外メーカーにとっては製氷機をつけるには
構造を変えないといけないので結構な手間になるだろうが、
おそらくそこは乗り越えなくてはならない壁だろう。

ちなみに、このタイプの冷蔵庫が普及した理由の一つには
米国の家の構造にあるように思う。
こんな仕組みでは冷蔵庫の背面に蛇口の無い家では
水を引くのが大変ではないかと最初は思ったのだが、
米国の一軒家は地下がある事が多いため
地下の水道管を分岐させ、
キッチンの床に穴を開けてそこから水を引けば、
工事の手間も少なく、視覚的にもすっきりする。
この工事は100ドル程度で済むので
このタイプが普及したのだろう。



参入を決めた日本メーカーは、
もちろんこうしたことを研究した上で商品を投入してくるだろう。
一方で、プライドをかけてオリジナリティにも拘るに違いない。
日本製品が量販店に並ぶのを楽しみにしていようと思う。


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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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