アメリカの医療制度の良い点 -- このエントリーを含むはてなブックマーク



せっかくなので、医療シリーズ(?)を完結させてしまおうと思う。

アメリカの医療システムは
完全に崩壊しているけれども、
一方で悪いことばかりではないとも思っている。


例えば、
先端医療に湯水のごとく研究資金を投入するのは貧しい人から見れば腹立たしいだろうが、
病気になったお金持ちが大金を叩いて治療を受けるのであれば
それは社会保障としての医療とは別の産業として
成り立っているわけで、
経済的には意味があると思う。

そもそも医療費のGDP比が
上昇する事自体は悪いことではない。
問題は、その大半が社会保障(所得の再分配)
として政府の財政を圧迫することに
起因しているのだ。
お金持ちが自腹を切って払うのならば、
むしろ新たな産業の成長として歓迎しなければならない。

確かに、完全に資本主義的とは言えないところで
政府部門も先端医療に多大な費用を投入しているが、
これは、宇宙開発と同様、技術開発を伴った需要刺激策と
しての効果があるので、多少大目に見るべき側面もあるだろう。

アメリカの失敗の本質は、
医療産業の凄まじい拡大よりも
社会保障としての医療と高齢富裕層向けの医療を
システムとして共存させる制度設計を誤った点
にあるのではないかと思う。

日本も、アメリカを反面教師として制度を整えなければなるまい。

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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

GDPという指標は無駄使いをすればどんどん上がるものですね。経済的なこと中心にものを見る人がよく使うのですが。もったいない、という考えでやっていたら下がるはずです。

宗教家を事業家として見る、医療を事業として見る、もちろんそういう面もあるかもしれませんし、世の中はそういう方向に進んでいます。

しかし私はそういう考え方はいつか破綻すると思いますね。

社会現象、特に経済現象を統計的に見ることは大事ですが、今の方向を大きく変えることに使ってほしいですね。お金は食うだけあればいいという現代では変人に属する人間から見ればです。まあ見解の相違でしょうが。

GDP vs 幸福実現?

無駄遣いとGDPに関してはおっしゃる通りで、GDPに代わる、豊かさ・幸せを測る指標が必要なことには同意です。しかし、政策立案で使えるほど信頼できる他の指標
は未だ存在しないのが実情ですね。限界効用が逓減することを用いて、貧富の格差を考慮するのがせいぜいでしょう。

日本で今後デフレが続いた場合、大きな問題になるのが貧富の格差の固定です。これを解消するためには、自分で稼いだお金を死ぬまでに使ってもらう必要があり、そのためにお金持ちが医療に湯水のようにお金を使うのは悪いことではないでしょう。

「食うだけあればいい」についてですが、貧富の格差を所与とすれば、社会全体で無駄遣いが多いほうが、「食うのに困らない」人の割合は大きくなります。


No title

最後の説はどうかな?

アフリカなどは昔は食うだけのものは自然のなかでとれたのね。

ヨーロッパの連中がこうやったらええ、と今の世の中の流儀を持ち込んで、楽園は地獄になったでしょ。

あなたは現在のシステムを前提で考えているでしょ。

私はどうやったら新たなる天国が来るか考えている人間やねん。

メタファー

無駄遣いをどう定義するのかにもよりますが、「貧富の格差を所与とすれば」、結論は動かしがたいでしょう。全体で生活必需品への消費割合が上がるのに、貧富の差が残っているわけですから。実際には、貧富の格差は、農業以外の産業を縮小に伴って、ある程度は縮小すると思いますけどね。

現在の日本では、貿易を縮小して自給自足するような内向きの考え方が出てきていますが、現在の人口を前提とすれば、仮に生活必需品以外の産業を削ったとしても生活に困る人は増えるでしょう。そのほかにも食習慣や既存のインフラの維持コストといった一朝一夕には変えられないものも数多くあります。

そういうわけで、現在のシステムを前提に良い変化を模索するのが責任ある政策立案だと思っています。もちろん、メタファーとして、極端な世界を考えて文章にする人も世の中には必要でしょう。

No title

まぁイメージとしてはuniversal careを行ってる国々はアメリカと比べて平均的ケア(の質)は高く、分散が低い。しかしお金をある程度持つと、アメリカでは他には無い最高級のケアが得られる。医療制度に資本主義を導入する事によって医療の最先端技術はもっと発達するんでしょうかね。それが本当なら長生きするためにはアメリカは今までのやり方を続けて僕は沖縄に住むと(笑)。

平均寿命

>長生きするためには

アメリカは資本主義の国ですから、平均寿命も所得で
加重平均すれば案外長そうです(笑)。つまり、資本主義の神様から見れば、WHOの統計がアメリカに追いついていないと(笑)。誰かそういうのやってないかな。センサスからデータをダウンロードすればできそうですが。ちなみに、

東海岸在住のアジア人女性の平均寿命が90歳近いって話を聞いたことがあるのですが、真偽のほどはいかに。

沖縄いいですね。もっとも、日本の地方は考え方が古くて現地組と移住組の諍いなんかもあるようです。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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