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海外で勉強して働こう(アカデミック版) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

海外にいる日本人、海外に向かう日本人の間で
それなりの知名度を持つ渡辺千賀さんのブログに書かれた
4月27日付の「海外で勉強して働こう」
というエントリーはニュースにもなった。
そのアカデミック版を考えてみる。

元記事の主張は、
1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で
働く道を真剣に考えてみて欲しい。
というもの。

突っ込みどころはたくさんあって、主なものを挙げると、

1.「日本のパイが小さくなったとはいえ、海外で
成功できるくらいの人なら日本でも勝てる。」

2.「優秀な人はいいけど、多くの
日本人には語学の壁もある。」

3.「海外で働く日本人の多くが日本関係の仕事
をしている。従って、日本経済がダメになったら
海外移住は解決策にならない。」

4.「自分だけ海外に行ってもコネがないから
商売にならない。」

といった感じである。

しかし、これを
アカデミックの話に限って考えてみると
これらはほとんどの障害にならない
ことが見えてくる。
上の4点について、各々見ていくと:

1.「日本のパイが小さくなったとはいえ、
海外で成功できるくらいの人なら日本でも勝てる。」

→ 日本では「博士」「高学歴」から連想されるのは、今や
 「ワーキング・プア」という言葉であり、既にパイは小さい。
 しかも財政逼迫と少子化によって、
 パイは日本経済より急速に小さくなる可能性の方が高い。
 競争率が高くなり必然的にコネがものを言うようになり、
 優秀な人でも良いポストにつける見込みは小さくなっている。

2.「優秀な人はいいけど、多くの日本人には語学の壁もある。」

→ アカデミックの人の英語力は、
 少なくとも一般日本人よりもずっと高い。
優秀層に限れば、一定の時間的・金銭的コストで十分に解決可能。

3.「海外で働く日本人の多くが、日本関係の仕事をしている。
従って、海外移住はマクロ的には解決策にならない。」

→ 海外でアカデミックな仕事についている日本人のほとんどは
日本と関係ない仕事。関係があるのは、日本語教授法や日本文化
研究くらい。これらの分野ですら、海外在住日本人が
他国出身者より少ないために需給は比較的逼迫している。

4.「自分だけ海外に行ってもコネがないから商売にならない。」

→ アメリカや一部アジアのアカデミックに行くために
コネは大して必要ない。
部品を作ってる零細企業が海外に進出して顧客を探すよりも
ずっと垣根は低い。

以上のことから、日本のアカデミックからは、
これから急速な人材流出が起こる可能性がある、
というのが私の見方である。

極論すれば、日本で仕事がない人たちが海外に出ないのは、
「海の向こうは絶壁になっていて落ちたら死ぬ」
と信じているから、というだけのような気がしている。

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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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