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アメリカの不動産市況 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近、不動産市況が気になっている。

アメリカで一番注目されている住宅価格の指標は、
毎月月末の火曜日に発表される
ケース・シラー(Case-Shiller)S&P指数だろう。
今日はこの指数の発表日であった。
指数は2ヶ月遅れで発表されるので、
今日発表されたのは7月分
米国の住宅価格は、ここ3ヶ月くらいは若干上昇しているが、
デトロイト圏は自動車産業の不振が原因でまだ底ばいである。

ここ1年の不動産関係の話題で気になっていることを何点か。

1.「U字型回復」は期待値の話であって、
 実際の回復パスとしてはあまり現実的でない。
 底値では上下動が激しくなる可能性大。

U字型回復論者の根拠となっているのは、
ファンダメンタルズの改善が緩やかであること。
確かに、t年後の不動産価格の現時点における期待値は
緩やかな底打ちのカーブを描いているだろう。
一方で、投資理論的に見ると、底値なのにリスク
(価格変動)も小さいというのは合理的でない。
実際に底打ちする際には、予測の難しい短期的な上昇と
下落を繰り返すことになる可能性が高い。


2.フォークロージャーは本質的な問題ではない。

フォークロージャーがたくさん控えているから
不動産価格はまだ下がるだろうという意見があるが
フォークロージャーは価格と表裏一体の関係にあり
価格が回復すればフォークロージャーも減少する。
もちろん、これからフォークロージャーが増える可能性もあるが、
これは動的なものであり確定的なものではない。

これは一般的な不良債権問題と同じである。
重要なのは「不良債権額は不確定である」ということ。
あらゆる機関から「不良債権の総額は●●兆円」
というような分析が出るが、これらは全て間違い
(諸条件の下でインパクトを見積もる意義は認める)。


3.政府は住宅価格を気にせず「国民所得を2倍に」すべき

多くの経済学者が、
不動産価格の下落を抑えるために
政府が介入することを提唱してきたが、
これは短期で解決できない規模の問題に対しては誤った政策。

住宅価格はむしろ迅速に適正水準まで下落したほうが、
経済成長を促進する。
政府は国内の名目所得を上げることだけを考え、
不動産価格は最終的に名目所得にリンクすると考えるべき。

ただし信用対策や流動性対策は必要だろう。


以上、大はずれしそうと思いつつも
私見を書いてみた。


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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

日本でもお先に土地神話が崩壊して、失われた10年というものがあったようですが、アメリカもそうなるともっぱらの(日本では)噂です。

日米の違い

バブル崩壊時の日本と現在の米国の経済の基礎的条件を比べると、似ている点もありますが、違う点も結構あります。
明らかに違うのが将来の人口見通しです。日本の人口って確か80年代後半には、既に減少が予想できたはず。一方、アメリカは今後数十年間0.8-0.9%くらい増え続ける見通し(移民の数については不確実な要素が多いですが)。
また、インフレ率や為替相場も、まだ分かりませんが、似た動きにはならなそうな気がします。
一方で、財政赤字に関しては巨額の経常赤字を背景にして、アメリカの方が状況が悪い。
そういうわけで、アメリカは、日本のバブル崩壊に学ばなければならない点がありながらも、違う点を考慮に入れて政策運営をしなきゃいけなそうです。

No title

アメリカ政府が1株も持っていないFRBがお金を刷ったり、利率を変えるそうですね。

中国はそのことによるドル買い支えをやらないことにしたそうですが、藤井金融大臣も必ずしも買い支えをやらないことをほのめかしたら、すぐにドルが80円位になりましたね。

世界中がやらないと、10円位になるということですが、借金してでも消費は美徳というのをやめて、収入に見合った消費、できれば貧困層の収入増をやらないと、ゆくゆくはえらいことになると思っています。

貧困層の収入増をドル札を刷って対処したらどうなるか。。。

私は日本の人口は減るのは自然な方向で、ソフトラウンディングさえ出来ればいいとおもいますね。スケールメリットを追求する考え方は、もう止めた方がいいという派です。

日本の人口構成

日本の人口が減るのはまあ致し方ない面もあるのですが、人口推計を見ると、団塊ジュニアが定年になる2040年頃になると、現状をちょっといじる程度で社会保障制度をソフトランディングするのはもう不可能です。彼ら(私も含むのですが)は今保険料を納めている人たちなわけで、日本の将来は相当に危ういですよ。

30年後の日本がどんな社会になるのか、という現実的な未来予想図はいくつか思い浮かぶのですが、それはまた後日書きたいと思います。




No title

今の60~65でくびにしてしまう、という前提はあんまりです。

収入は減っても働けるし働きたいというときまで働くシステムが鍵になると思います。

勤務時間もフリーで。日本独自のシステムを作るといいと思います。

破局的な状況を迎えるより、今から考え方を徐々に変えていくということです。

大体年寄りの政治家が結構多いのに、どういうことでしょう。

一方で後継者不足なんて言ってるんですから何を考えているんだか。

高齢化

> 足立さん

同意です。移民の受け入れのような政策を採らない場合、もっと高齢まで働く社会になってくると思います。大体、定年にしても年金にしても、50年前の社会を前提にして作られています。

恐らく裕福で早く引退したい人たちはそのまま65歳前後で引退する一方、働きたい人や経済的に余裕のない人は75歳とか80歳まで普通に働く社会になると思います。それも、定年延長みたいな昭和的な発想ではなくて、流動性の高い労働市場を作って、75歳でも再就職できる社会にしなければいけないと思います。

日本みたいに、同質性が高くて根性主義の国では、「移民を受け入れろ」と言われるより、「根性出して死ぬまで働け」って言われるほうがしっくり来る人が多い気がしています。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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