アメリカの学校情報 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

娘はまだ3歳なのだけど、
親心として学校の話は当然気になる。

GreatSchoolとか、
Neighborhood Scout とか、
学校や学区を比較するサイトはあるんだけど、
基本的には州の統一テストの結果を加工して
素人向けに見せたというもので、
大体の雰囲気をつかむのに良い、という程度。

S&P社がやっている、SchoolMatters というサイトは
人種別の構成比なんかも載っていてそれなりに面白いが、
アカデミック・パフォーマンスに関しては
上の2つのサイトと比べて特段情報が多いわけではない。
まあ、このサイトは地元の新聞にも紹介されていたし、
現時点では一番便利なリソースであるとは思う。

US News の America's Best High School は、
注目度の高い大学ランキングから派生して出来たが
まだまだ大雑把で発展途上である。

Newsweekの公立高校ベスト1500
は、高校の選択科目(AP)の充実度など
多角的に学校を評価していて良くできている。

しかし、日本的な発想をしてしまう自分にはどうも物足りない。

理由は二つで、
一つは公立と私立を一緒に比較した情報がないこと、
もう一つは日本の東大合格者数みたいに分かりやすく
親心に訴えかける指標がないことである。

Wall Street Journal が、
何年か前にアイビー・リーグへの合格者が多い私立高校
という特集を載せていたが、非常に限定的な情報だった。

経済学者の Levitt も
教育で一番重要な要素は Peer Pressure
と言っているくらいだから、
ちゃんと勉強のできる子に囲まれる学校に
行かせたいと思う。

そんなわけで、ちょっとミシガン州教育省
のサイトを覗いていたら、
公立・私立を含めたACTの学校別スコア一覧表を見つけた。

ACTとは、SATの中西部版みたいなもので、
日本で言うとセンター試験に当たるもの。

早速、分析をかけてみた。

まずは学校数の簡単な表から。

______ 上位10% ______その他 ____合計
私立 ______60 _______44 ______104
公立 ______34 ______802 ______836
合計 ______94 ______846 ______940

私立の6割近い学校が、全体では上位10%という結果に。
東京でも私立・国立が圧倒的に強いけど、似たようなものらしい。
公私の違いは上の表から明らかだけど、
お決まりのカイ2乗検定wを掛けてみると、
自由度1なのにカイ2乗値=290
(p値<0.000000000000001) で有意差を検出。

各校の平均スコアのヒストグラムを書いてみると
以下の通り。
私立は右側の裾が厚いだけじゃなくて
もう全般的にレベルが高いのが分かる。

ACT

平均スコアは、私立が22.2点に対して、公立が17.7点。
結構違う。
スコアのレベル感を書いて置くと、
中西部で一番難しいミシガン大の入学者の
中央50%のスコアレンジが27-31くらい。

次に、各校内でのスコアの標準偏差を公私別に平均してみた。
すると、私立は4.3に対して公立は3.85。
日本だと偏差値で輪切りになってる私立高の学生は
ばらつきが小さいと想像されるが、
アメリカはそうはなっていない。

ちなみに、受験した生徒数の平均を計算してみると、
私立が学年65人に対して、公立が133人。
私立が少人数でやってるのはアメリカの特徴だけど、
公立が案外少ないのは大学に行かない生徒が
多いからだと思われる。

先日、僕の授業を取りに来てる高校の先生と話して
いたのだけど、公立高校はどちらかというと人数が
多い方がよさそうだ。人数が少ないとAP科目が
充実しないため、進んだコースが取れないことが
多くなるようだ。

私立校の上位5校のリストを見たら、
4校までが隣町のBirmingham と Bloomfield にあった。
さすが、アメリカ屈指の高額所得者の町である。
いくつかの学校のウェブサイトを見てみると、
映画に出てくるような校舎w
アメリカなのにみんな制服着てネクタイ締めてるし。
勉強の方も高校生がロボットを自作してたりしてる。

応募書類を見ると、親の肩書きを選ぶ欄があって、
普通は Ms. Miss., Mrs. Mr. Dr. くらいなんだけど、
Captain, Colonel, Lieutenant, Rabbi
とか初めてみるような肩書きが一杯w


気になる授業料は、
小学校でも年2万ドル、
高校だと2万5千ドルくらい。

大雑把に言って日本の高い私立校の3倍くらいか。
とても庶民に払える額ではない。

妻が昨日買い物に行ったときに、
「日本の中高生みたいな制服着てる子供を見た」らしい。
あー、それ名門私立校の生徒だよ、きっと、
と教えてあげたら、
「なにー、金持ちか、アイツラメ!」
と言っていた。

裕福な町に住んでみて、
自分の貧乏が身に染みる日々である。

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ジャンル : 海外情報

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No title

僕は公立の高校を出ましたが校舎が元刑務所だったらしく、どの部屋にも窓が無かった。カフェテリアも非常に狭く、食べる場所が外か廊下だったり(笑)。それでもアジア人は学校人口の30%を占めてたからまだ治安(?)は良かった。僕は最初の頃バスケをしてたんですが、インドアコートが無い学校と対戦したりしてました(笑)。

小学校で2万ドルはきついですね。学部生の頃の大学の2倍半の価格。小中はともかく高校は金を払う価値があるのかもしれません(後はホームスクールで補う?)。

そちらには日本語補習校はあるのでしょうか。僕は一週間に一度の日本語学校と漫画でギリギリ漢字が読めるようになりました(笑)。

補習校

デトロイトの日本語補習校は実は、アメリカで3番目に大きいです(一位と二位は、サンフランシスコとロサンゼルス)。更に公立の他に私立も一校、その他に大手予備校もあります。

私も幼稚園とか小学校でその金額を払う価値はないと思っています。実は、私の家の周辺には入学選抜を行う公立高校があるので、娘がもし優秀ならそこにいれます。

私は日本育ちですが、中学は公立、高校は私立。当時の公立中学は荒れていて、工作の時間にノコギリを振り回す奴とか、いじめられっ子の顔に本物の焼きゴテを入れた奴とか、金庫破りで600万円盗んで失踪し一ヵ月後に1000km離れた町で逮捕された奴とかがいて、とても人間の通う環境ではありませんでした。ちなみにそんな学校でも、成績は市内の公立中で上位1割に入っていると聞きました。高校に入った時に、なんて平和でいい所なんだ、と思いましたね。

今のアメリカではそこまで危ない学校は稀な気もしますが、子供はちゃんと人間的な環境におきたいものです。

No title

本物の焼きゴテ・・・人間の皮膚にちゃんときれいに跡がつくんでしょうか。

うちの職場の近くの公立学校はすごいですよ。給食費の補助が80%の生徒に支払われている。つまり、大多数が貧困レベル家庭出身なのです。小学生がふざけて銃持ってきちゃうんですって。先生が、身の安全を案じて転職してしまうのでターンオーバー率がすごいです。スクールカウンセラーの給料が破格。誰もやりたがらないから。それで、この地域では逆にチャータースクールが流行っていて、成績もチャーターの方がいいところもある。わたしの家がある地域は、たまたまカウンティーでもここ連続1番の優良学校区域。住民も過半数が大卒。半径20マイル以内、同じカウンティーでもものすごい格差があることにいまだに慣れません。

焼きゴテ

>人間の皮膚にちゃんときれいに跡がつくんでしょうか

付いてましたよ(笑)。ドラ焼きの焼印みたいにきれいにはいきませんが。ずっと残ったのかどうかは忘れました。

給食費の補助、うちのあたりは3-5%くらいだと思います。アメリカは20マイルも離れたら全然別の町ですね。うちから20マイル離れたら、識字率が50%、失業率が75%の場所もあるそうです。

ブログ拝見しました。Toyojiro さんは疫学をやってらっしゃるんですね。もしかしたらそのうちどこかでお会いするかも。。。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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