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おかしな財政再建論者たち -- このエントリーを含むはてなブックマーク

人気ブログの「金融日記」に
日本の財政政策の話が載ったようだ。

ここ10数年の日本のマクロ政策に関して
公になされている議論というのは
相当ひどいものだと思っているので
これを機会に自分の意見を書いておきたい。

日本の財政赤字がどんどん増加しているのは有名な事実。
これは最近に始まったことじゃなくて、
ここ44年間うなぎ登りに増え続けている

じゃあ、この先、どこまで増え続けるとやばいの?

っていうと誰も答えられない。時々出てくるのが、
「利払い費が国家予算を上回って大変」とか言うつぶやき
あー、やっぱりこの人は経済が分かってないんだね、
っと力が抜けてしまう。

簡単のため中銀と国を一体と考えると
国はお金を発行している主体であって
別の尺度(外国通貨とか金とか)での
債務返済を求められない限り無限に借り入れが出来る。
極端な話、利払い費が国家予算の100倍になったって
それだけを以って問題とは言い切れない。

じゃあ、国の累積債務額が増えていくと
最終的にどう困るの?

と言うと、それは広い意味での貨幣供給量が増加して
インフレになること
そうなると実質的には、
国は債権保有者の資産を減価させて
ファイナンスをすることになる。
資産の再分配自体は構わないけど、
インフレは貨幣の機能を低下させるから、
それだったら物価安定のもとで、
資産・所得の再分配を目指した方がいいじゃん、
ということになる。

じゃあ、インフレになりそうなの?

って言うと現状で起こってるのは逆にデフレ
需要が足りないんだから当たり前だ。
そんな時にわざわざ国が需要を抑えるなんてどうかしている。

今は良くても将来的にはハイパーインフレ
とか大変なことになるんじゃない?

と思考回路が逝っちゃってる人も増えて来てるけど
ハイパーインフレ論者は、いまだかつて
デフレから急にハイパーインフレになる
プロセスを説明していない。

昔キリスト教の人たちが、
「●●マイル、天に向かって昇ると神様がいる」
とか言ってたのと同じレベルである。

デフレからハイパーインフレが起こるためには、
少なくとも物価の状態が不安定になる必要があるが、
過去40数年で国債発行額が数千倍になって、
むしろ物価はどんどん安定。いまや、
供給ショックを除いたら殆ど不変と言っても良い。

そもそも、国債発行額が倍になったら
米の値段(一般物価の例)が上がるのか?

一部の金持ち老人の資産が5億円から10億円に
なったら米の値段が上がるのか?そんな風になら
なそうなのは子供でも分かりそうなものだ。
貧富の格差が拡大しているような状況では、
金融資産の総額が増えたって、
一般物価に対する影響はほとんどない。


そろそろ、テレビとか雑誌に出てる人も
真面目に真実を語ったほうがいい。
要は、

● 財政赤字で危機を煽っているのは
  仕事が自己目的化してる財務省。

● 財政赤字がどの程度まで拡大可能か
  なんて誰にも分からない。

● 持続不可能になったとしてもいきなり制御不能の
  経済になる根拠はどこにも無い。

● 累積債務増加が困るのは
  貧富の格差が拡大して政治的にもたなくなるから。


失業率と賃金が同時に上昇するような
明らかな問題が起こらない限り、
消費を喚起するために減税を続ける方が
長期の経済成長を促進させるのは間違いない。

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[経済・金融]

おかしな財政再建論者たち: wofwof氏 経済・金融関連は、バックボーンがしっかりしている学問の中で、市井の人々が最もシッタカしやすい学問だろう。 軽いところだと、そこら辺のプチ株おじさんの「今日は楽天株がどうたら…」っつー聞いている方が恥ずかしくなってしまう

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反対の立場として

ども。
「デフレから急にハイパーインフレになるプロセス」
が解明できないからハイパーインフレを恐れるのだと思います。インフレ率は制御できるのか という話ですから。
日本は02年から貨幣供給量を増やしましたが、デフレは解消できせんでした。貨幣を増やすぶんだけ比例してインフレ率が上昇するなら日銀も楽ですが、なかなか金融政策も難しいようです。
また、08年の世界的な食糧・原油価格高騰がもたらしたインフレに世界各国は対応できなかったようです。
参照 http://blog.goo.ne.jp/kkt_2008/e/d92592bcf3f00b1a8bdb642ae9a25f2b
.
エントリ冒頭の
「(国債は)どこまで増え続けるとやばいの?」

国債の発行量を市場が吸収できなくなったらやばい
と理解してます。わからないのは もっと早い段階の
・銀行や個人が いつ国債を見捨てるのか
の時期で、バブルが破裂する時期がわからないのと一緒です。
国債暴落という臨界点を超えるまで物価は平穏を保つでしょう。
.
長文失礼しました。

見えない敵

>レフさん
コメントありがとうございます。

現状からハイパーインフレになるプロセスというのは、
解明できないというよりは根拠が無いのではないでしょうか。

日本の02年からの話ですが、
貨幣供給量とインフレ率が比例する理由はなんですか?
非現実的な強い仮定を置いていることに気付かれるはずです。

また、デフレの解消もインフレの抑制も中銀にとっては
難しい課題ですが質が異なると思います。
すなわち、前者は流動性の罠が問題であるのに対して、
後者は主に不確実性の増大が問題です。
中銀がやたらに引き締めたがる理由の一つは、
デフレの方が、金融政策は無力になるけれども、
コントロールがやさしい(実質何もできない)
ということもあるのではないかなー、と思います。

頂いたリンクにあるとおり、金融政策を決めるに
あたって物価やインフレをターゲットとする場合、
インフレを需要要因と供給要因を分ける必要があるでしょう。
供給要因は一時的なショックも大きいので
これに機械的に反応するのは賢明ではありません。
一方で、需要要因と供給要因を分ける客観的な方法はありません。
だから、私は失業率と賃金を見るほうがいいと書きました。
もちろん、経済が専門の方はきっともっと
良いアイデアをお持ちでしょう。

政府と中銀を独立に考えた場合、
「国債を市場が吸収できなくなったらまずい」
という基準には概ね同意です。
でも現状はむしろ国債バブルというべき状況が
10年以上も続いているんですよね。

もちろん、財政赤字を青天井に増やしていくことに
リスクはあるわけですが、今の日本のマクロ経済政策は正に
「見えない敵と戦ってる状態」だなー、と思います。
割に合わない政策だと思いますね。

金利上昇

ゼロ金利解除は、インフレ期待が上昇した時や需要超過になった時
にはやるべきでしょう。しかし、過去10年でそういうことがあり
ましたか?

ちなみに国債の平均流通利回りが1%も上昇するには大変な幅の
利上げが必要ですよ。しかも、既に発行されてる長期債の分は調達
コストが上がるわけではないので、急激に財政赤字が拡大するわけ
ではありません。そして、繰り返しますが、自国通貨建ての財政
赤字が拡大すること自体は何の問題もありません。

そもそも、そんな引き上げが可能になった時は需要超過になって
いるわけですから、ゆっくり増税すれば良いのです。

私はデフレの時にハイパーインフレの心配してもしょうが
ないですよ、ということを言っているだけです。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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