数学の人は就活マニュアル(笑)を読むべき -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日はアメリカとはなんの関係もない日本の就活の話。

自分は氷河期世代であることもあって、
同期の数学科の友達には、
優秀でも就活で苦労した人が多かった。

10年前の当時も就職対策本というのは売られていたけれど、
今ほどメジャーなものではなかったので、
当時の自分は一笑に付して本屋で
立ち読みすることさえもしなかった。
当時、就活という言葉はまだ使われておらず
就職活動という四字熟語だった。

しかし、何年も社会人をして思ったのは、
「数学科の学生は就活マニュアルを読んだほうが良い」
だろうということだ。
なぜかというと、数学科の学生は
言葉は「真実を表すためのもの」
だと思っていて、
「相手を説得するためのもの」
だとは夢にも思わない

という傾向があるからだ。

「言葉は真実を表すためのもの」派は
理系にはわりと多いと思うが、
教科書1ページを30分も1時間もかけて読む
数学出身の人間はその傾向が顕著だと思う。

例えば、個人的な経験で恐縮だが、
学生時代にある金融機関を受けに行ったとき
40代くらいのそれなりに偉そうな人と会って
リスク管理の話をしばらくした。
話が一区切りついて、
「何か、質問はありませんか?」
と聞かれたので、
「推定ですが御社は株式を時価で3兆円くらい持って
ますよね?そんなに持っていて大丈夫なんでしょうか?」

と聞いてみた。
高度なリスク管理をする一方で、
株式持合いのような昔ながらの習慣を
温存していては全体として最適でないので、
自分は適切な質問をしたつもりだった。
(もっとも、当時日経平均は2万円近くあったので持ち合い
株のリスクはそれほど盛んに語られていなかった。)
その面接官はちょっとむっとして、
「どういう意味ですか?」
と聞いてきた。
自分の会社が中傷されたとでも思ったのだろうか。
私は、あーこの人には話の関連が分からないのだな、
とがっかりして、
「別に。」
とだけ返した。
結果、この企業からは落とされた。

今だったら応募者の立場として、
どういう雰囲気で何を説明すれば良いか多少は分かる。
しかし、当時はそれが分からなかった。

数学科の学生は、
世俗的で中身のない就活マニュアルでも読んで
「言葉は相手を説得させるためのもの」
だということを理解した方が良さそうだ。

(もしかして、面接でそんなアホなことを
 していたのは自分だけ??)

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ジャンル : 就職・お仕事

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「別に」

「別に」が面白かったです。
しかも、そう答えるまでの思考過程がちゃんと書いてあって。

私は現在は「別に」と言われる側の立場になっちゃいましたが、こうなると、「別に」と言う若い人の気持ちがわからなくなっちゃったりするんですよね。

言葉も大事ですが、お互い相手を理解しようという謙虚さを失っちゃダメですね。

相互不理解

もしかすると以前に書いたかも知れませんが、
a) 相手を理解しようという努力
b) 相手を理解できないという認識
の両方が大事なんでしょうね。私は a が苦手ですが、bもかなり重要だと思っています。

面接する側になっても私の癖は直らず、リクルータとして数学科の学生を面接した際に、彼から「僕は天才じゃないけれど、いつか素晴らしい結果を出したいと夢見て数学をやってきました。御社に入ったら、それに代わる生きがいが見つかりますか?」と質問されて、「いやー、そういうのは、そんなに簡単に見つかるもんじゃないよ。難しい問題だね。」と答えてしまいました。ちなみに、私の同僚はその学生の質問を「素晴らしい」と評価してましたが、私の見方は「そういう迷いのある奴はダメだろ」でした。

No title

僕もdeclarative sentencesで話す/書く事が凄く苦手でいつもはっきりしろって言われます。僕は正確な気持ちを伝えるには日本語/英語などの言語では物足りないのでフニャっとした言葉で返すんですけどね。Yes/noよりフニャコメントの方が正確さを保てるというか(笑)。しかし数学を「説得させるための道具」と認識してしまったらどうなるんでしょうね(ぁ、現在か)。

文学

>数学を「説得させるための道具」と認識

経済学なんかはそういう面が多々あると思います。僕にとっては経済学は「数学を使った文学」ですね。社会にそういう需要がある以上、意味はあると思いますが、自分は流行作家にはなれなそうなのでやりません。

統計学も理論の部分はいいのですが、使い方によっては文学みたいなところが出てきますね。お医者さんに、「二つのパラメータが同一であることを示してくれ」とよく言われました。無理です。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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