仕事の作業時間は作業人数に比例する -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私がやっている統計学は学問的には数学に近いので割と一人で進めるという側面が強いのだが、学問を離れて実際のデータを扱うときは共同で研究をすることも多いし、私はコンサルティングでお医者さんが論文を書くときの分析を手伝っているのでこれも共同作業になる。

実際にやったことのない人に分かりにくいと思うのだが、他の人の意見を取り入れながら分析を進める場合、目的が同じでも一人でやるよりもずっと時間がかかる。アイデアがたくさん出るから色々と分析しなければならないという面もあるが、いろいろと試してみた結果を全て明示的にフィードバックしながら進めなければならないことが大きな負担になる。再計算などの機会も増えるので、プログラミングのコードもきちんと作りこんで作業を自動化しておく必要が出てくる。これは共同で作業する人が、自分より博識でアドバイスをくれるような場合も、ズブの素人で説明や意思疎通に時間がかかる場合も、実はあまり変わらない。

最近、経験則として気付いたのだが、分析の作業時間は、共同作業をする人数にほぼ比例する。例えば、クライアントと1対1で分析すると、自分一人で全てやる場合の約2倍の時間がかかる。自分かクライアントにアドバイザー等が付いて3人になると、約3倍になる。両方についていれば合計4人で4倍になる。もちろん、立場の近い人がたくさんいる場合は人数に比例して増えるわけではないが、逆に意見が対立するような場合はそれ以上にもなりうる。

もちろん、みんなで相談することで分析の質はある程度向上するので、必ずしも悪いことではないのだが、管理職の立場からは、この経験則にはよく注意すべきである。古典的には、作業の量は作業人数に反比例するし、作業人数が変わらなければ作業時間は一定のはず。それが、実際、どんどん増えてしまうのだから。

研究者のAさんと共同研究する新人のB君は分析の経験が足りないから、アドバイザーとしてC係長をつけて、最後にD課長にチェックしてもらうとしよう、とE部長が考えるとしたら要注意である。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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2.Matematical Statistics and Data Analysis
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