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米国政府の住宅購入補助金が延長 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

引き続き不動産関連の話。

アメリカの不動産市場は今夏以降回復してきているが、
これが、初めての住宅購入者に対する補助金
(first time home buyer tax credit)によって
政策的に支えられているというのは周知の事実だ。

この補助金は初回購入者に限り政府が
(a) 購入額の10% と (b) 8000ドル
の小さい方の額を援助するというもの。
なお、購入者の年収や、購入後に3年以上住むこと、
米国居住者であること、といった緩やかな条件がある。

この結果、比較的低価格帯の住宅市況は回復しているが、
高価格帯の住宅市況はあまり改善していない。

この補助金は、今年の11月末で打ち切りになる可能性が
あったので、夏場以降ちょっとした駆け込み需要もあったが
このたび、新たな法案が通り、2010年4月末までに
契約が済めば良い、と延長された(参考記事)。

主な変更点は:

1) 初回購入者でなくても、今の家に5年以上住んでれば
  夫婦合算で6,500ドルまで受給可能(初回購入者は8,000ドルのまま)。

 →隣りの人と家を交換する人続出か?(笑)

2) 年収制限は、夫婦合算で225,000-245,000ドルまで緩和。

3) 被扶養者の申請は認めない。

 →4歳児が申請するなどの不正があったため。

4) 不動産の決済書が必要に。

→今まで必要なかったのが驚き。

と言ったところである。

8,000ドルの補助金は
一見、購入者にとってメリットが大きいように見えるが
実際のところは財政規模の割りに大したメリットではない。


もしこの補助金がなかったら、
住宅価格はもっと暴落して買いやすくなっただろう。
しかも、今回の補助金を使って買った家を売るときには
この補助金はなくなっている可能性が高い。

売り手にとっては確かに若干売りやすくはなるが、
普通の人は売ったと同時に別の家を買わなければいけないので
メリットはほとんど中立だ。
高価格帯の市況は改善していないので
10万ドルの家を売って40万ドルの家を買えば得はするが
そんな人がこのご時世でどれだけいるだろうか?

結局、不良在庫の処理に困っている銀行や不動産屋が、
今まで頭金も払えなかった貧乏人に8,000ドルを頭金にして
家を買わせるという構図だ。

今年7~8月に実施した新車購入インセンティブ
``Cash for Clunkers'' も同様に
業界の在庫処分のために貧困層に車を売りつけ
政府がその一部を補助金で払うというものだった。

まあ流動性制約に陥っている人の救済策にはなっているが
財政政策としては効率が悪い。

もっと自然に、住宅ローン金利の減免を拡大するとか、
政府が返済順位の高い貸付に
一定額の保証をつけるとか、
効率の良い方法があるだろう。


こんなご時世でも、アメリカってまだまだ
無駄遣いが一杯なんだなぁ、
とつくづく思うこの頃である。





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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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