アメリカの年金
留学でアメリカに来るだけならあまり気にならないが、
もしも長い期間働くということになると
年金制度も大きな関心事だろう。
原則として、日本の年金を受給するには
最低25年間は保険料を納めなくてはならず、
アメリカは10年間納めなければならない。
ただし、日米間には日米社会保障協定というものがあり
基本的に日米通算の加入期間で上記の年数を
満たしていれば、それぞれの年金が納付期間や
納付額に応じて支払われる。
日本の年金は民間企業の社員の場合、
基礎年金+厚生年金+企業年金の3階建てだが
アメリカでも、
「基礎年金+厚生年金」に当たるsocial security と、
「企業年金」に近い積み立て型の401(k)/403(b)
という構成になっている。
1.Social Security
基礎年金+厚生年金に当たるのが、
Sosial Security Benefit で
基本的に、高齢者用の健康保険料を含めて
所得の7.65%が天引きされ、雇用側も同額を
支払わなければならない。
ただし、年収から一定額の控除があり、
また、年収のうち106,800ドルを越える部分(*1)に
ついてはこの保険料はかからない。
いくらもらえるかについては、Social Security Online
のページにいろんな計算ツールが用意されている。
ちなみに日本で年金が破綻すると騒がれているが
アメリカも状況は極めて深刻らしい。
高齢化の早さでは日本の方が早いが、
多額の年金を保障してしまっているアメリカは
必ずしも日本よりも状況が良いとは言えないようだ。
(*1)この額は毎年変更される。
2.401(k)/403(b)
見方にもよるが企業年金に当たるのが、401(k)/403(b)である。
401(k)は民間企業のための制度で、
403(b)は公的機関や大学などのための制度だ。
これは基本的には、自分の給与の一部を積み立てると
いうものなのだが、多くの雇用主は従業員の積立額に加えて、
match-upと呼ばれる補助を出している。例えば、うちの大学では
勤続2年を超えた従業員に対し、従業員が年収5%以上積み立てる
ことを条件に雇用主も10%拠出する。つまり典型的なケースでは
毎年、年収の15%を引退後のために貯蓄するということになる。
401(k)/403(b)の積み立ては、所得税(income tax)額を計算する際に
所得から控除されるという特典がある。今年の場合、控除の上限額
は年16,500ドルだ。50歳以上の人については限度額があがったする
など、いくつかの例外がある。
この制度の特徴は、投資先を従業員自らが選べることにある。
最も一般的なのは、従来型の受取額が保証された年金と
株式のインデックスファンドであろう。
この点に関して面白いデータがある。
75%以上を株式に投資している人:35%
25-75%を株式に投資している人:21%
25%以下を株式に投資している人:13%
全く株式に投資していない人:31%
(Source: CNN Money)
アメリカ人は投資の知識に長けているように言われることが多いが
実際には極端なリスク愛好者とリスク回避者に分かれており、
ポートフォリオ理論のような定量的な手法でリスクを分散
しようとしている人は非常に少ないことが見て取れる。
このように個別の点については様々な違いがあるものの、
全体としてみると、実質的な積み立て額に関しては
日米で大して変わらないのではないかと思っている。
企業と個人の負担のバランスについても
それほど大きな違いはないのではないか。
それでも、制度や年収分布には無視できない差もあるので
後日、そうした点を考察していきたい。

もしも長い期間働くということになると
年金制度も大きな関心事だろう。
原則として、日本の年金を受給するには
最低25年間は保険料を納めなくてはならず、
アメリカは10年間納めなければならない。
ただし、日米間には日米社会保障協定というものがあり
基本的に日米通算の加入期間で上記の年数を
満たしていれば、それぞれの年金が納付期間や
納付額に応じて支払われる。
日本の年金は民間企業の社員の場合、
基礎年金+厚生年金+企業年金の3階建てだが
アメリカでも、
「基礎年金+厚生年金」に当たるsocial security と、
「企業年金」に近い積み立て型の401(k)/403(b)
という構成になっている。
1.Social Security
基礎年金+厚生年金に当たるのが、
Sosial Security Benefit で
基本的に、高齢者用の健康保険料を含めて
所得の7.65%が天引きされ、雇用側も同額を
支払わなければならない。
ただし、年収から一定額の控除があり、
また、年収のうち106,800ドルを越える部分(*1)に
ついてはこの保険料はかからない。
いくらもらえるかについては、Social Security Online
のページにいろんな計算ツールが用意されている。
ちなみに日本で年金が破綻すると騒がれているが
アメリカも状況は極めて深刻らしい。
高齢化の早さでは日本の方が早いが、
多額の年金を保障してしまっているアメリカは
必ずしも日本よりも状況が良いとは言えないようだ。
(*1)この額は毎年変更される。
2.401(k)/403(b)
見方にもよるが企業年金に当たるのが、401(k)/403(b)である。
401(k)は民間企業のための制度で、
403(b)は公的機関や大学などのための制度だ。
これは基本的には、自分の給与の一部を積み立てると
いうものなのだが、多くの雇用主は従業員の積立額に加えて、
match-upと呼ばれる補助を出している。例えば、うちの大学では
勤続2年を超えた従業員に対し、従業員が年収5%以上積み立てる
ことを条件に雇用主も10%拠出する。つまり典型的なケースでは
毎年、年収の15%を引退後のために貯蓄するということになる。
401(k)/403(b)の積み立ては、所得税(income tax)額を計算する際に
所得から控除されるという特典がある。今年の場合、控除の上限額
は年16,500ドルだ。50歳以上の人については限度額があがったする
など、いくつかの例外がある。
この制度の特徴は、投資先を従業員自らが選べることにある。
最も一般的なのは、従来型の受取額が保証された年金と
株式のインデックスファンドであろう。
この点に関して面白いデータがある。
75%以上を株式に投資している人:35%
25-75%を株式に投資している人:21%
25%以下を株式に投資している人:13%
全く株式に投資していない人:31%
(Source: CNN Money)
アメリカ人は投資の知識に長けているように言われることが多いが
実際には極端なリスク愛好者とリスク回避者に分かれており、
ポートフォリオ理論のような定量的な手法でリスクを分散
しようとしている人は非常に少ないことが見て取れる。
このように個別の点については様々な違いがあるものの、
全体としてみると、実質的な積み立て額に関しては
日米で大して変わらないのではないかと思っている。
企業と個人の負担のバランスについても
それほど大きな違いはないのではないか。
それでも、制度や年収分布には無視できない差もあるので
後日、そうした点を考察していきたい。

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