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取引コストと最適な取引戦略(応用数学セミナー) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今日の応用数学セミナーのスピーカーは
ミシガン大の Qingshuo Song 氏で、タイトルは
"Existence of Optimal Impulse Control
on Portfolio Optimization with Transaction Cost."

連続時間のモデルなので、詳細は分からないのだが、
要は金融市場のの transaction cost の話で、
z を金融資産の取引量(任意の実数)としたとき、
取引コスト c(z) が少なくともz=0の近傍で
subadditivity: c(z_1) + c(z_2) >= c(z_1+z_2)
を満たさないと有限時間内の最適なstrategyが、
無限回の取引になっちゃうよ、というお話だった
(直感的には、そりゃそうだろ、という感じがする)。

feeのような限定された意味での取引コストの場合は
zが大きくなるにつれ取引単価あたりのコスト c(z)/z が
減少していくが、大きな取引の場合には、
より高い asking price を受け入れなければいけないので
c(z)/z はむしろ増加していく。
こうした現象を、liquidity cost と呼ぶ。
c(z) を exp(z) で表すことがよく行われるようだ。

金融市場では、価格、取引量、取引間隔といった
あらゆるものが離散であるにも関わらず
モデルのほうは連続であることが多いから
連続と離散のギャップを埋めるのは重要な作業だと思う。

ちなみに、Song氏は、WS大のPhDを取って、
U of South Carifornia、ミシガン大と移って
来年から、City University of Hong Kong に移るそうだ。

私も今年初めに香港の大学(HKUST)にフライアウトに行った
(残念ながらオファーはもらえなかった)が、
香港の大学というのは分野よりも大学によって
かなり待遇が違ってくるらしい。
香港には確か8つの大学があり、
HKU, Chinese U of HK, HKUST の3つがトップレベルで
City U of HK はその次くらいだと思う。

香港は食事もおいしく、地下鉄も便利で良いところだった。
中国本土と違って日本を尊敬している人が多いので
日本人にとっては住みやすい所だと思う。
日本人の英語のアクセントも問題にならない。
弱点は、実は大卒でない一般庶民には英語が通じないということだ。
郊外の商店街やタクシーなどでは英語はほとんど通じない。
つい10数年前まで、学校の中学の授業が英語で行われていた
というのに、驚くべきことだ。


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テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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1.ルベーグ積分30講
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2.Matematical Statistics and Data Analysis
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