スポンサーサイト -- このエントリーを含むはてなブックマーク

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


日本のアドバンテージは低賃金であるという説 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近、中国やインドが伸びているのは、
所得格差がグローバリゼーションに
よって埋まっている最中だから、
という説明に特に疑念はない。

だから、日本は高付加価値の商品開発とか、
知識集約型の産業に集中しなきゃいけない
という意見もよく分かる。

それでは、なぜ知識集約型の産業は日本に
アドバンテージがあるのだろうか。
確かに、日本企業が持っている組織のリサーチ力とか
カイゼンのノウハウというのは素晴らしいと思う。
しかし、もし海外の技術者の賃金が日本よりも安いのであれば、
それこそ中国やインドに大きな研究所を作って
そそこで研究者をたくさん雇ってそのノウハウを使えばいい。

そういう流れがそれほど大きくならないのは
単に日本人技術者の給料が安いからだと思う。

少し詳しく説明しよう。
中国やインドのほとんどの職種の賃金は日本より安い。
その結果、一番生産性の高い優秀な層は、
アメリカの大学院に留学して学位を取る。
そのうちの多くはアメリカに就職し
一部は母国に帰って仕事に就く。
いずれにしても、最優秀層は米国と母国の待遇を
比較して仕事を選べるので賃金に裁定が働く。
(アメリカのエンジニアの賃金についてはLilacさんの記事を参照)
もちろん物価水準は違うので賃金も多少異なるが
人やお金の移動が自由である以上、
名目為替レートでも十分な裁定が働く。
少なくとも、新卒PhDで5~10万ドル程度の年俸を
提示しなければ研究・開発部門で使える
まともな人材を取る事は難しいだろう。

その結果、研究・開発などの仕事につけるレベルの人材は、
インド人や中国人よりも日本人の方が賃金が安い
のではないかと思う。

日本は、そうした人材を日本で安価で大量に採用し
文字通り昼夜を問わず研究・開発を進める。
どうりで日本企業の研究開発力は素晴らしいわけだ。

「日本は知識集約型の産業に転換を」
なんて言うと格好よく聞こえるが、
一歩間違えれば、
「頭脳労働者でも低賃金な日本」
になりかねない点には注意が必要だ。



スポンサーサイト


テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

低賃金

>「頭脳労働者でも低賃金な日本」

いや、もうなってるんじゃ。。。特に女性だと日本だと給料が低すぎて帰れないって話はよく聞きますね。そういう人はアメリカの給料を越える社会的価値がある(から給料が高い)わけで日本的には困ったことかもしれません。

No title

そうそう。
価値を生み出してる労働が低賃金で、オーバーヘッドが高い傾向がありますね、日本の企業は。
早くオーバーヘッドを減らして生産性を上げ、技術者などの賃金を上げていかないと、立ち行かなくなると思ってます。

No title

昔会社で働いていた経験で言うと、まず、上下の賃金格差が少ない。社長でも新卒の10~20倍位。

能力があっても、仕事内容は抜擢されることはあっても、別に特に地位、給料が上がる訳ではない。

そういう者は仕事好きだから、やたらと仕事をする。昔は残業が自由だったから、私は入社2年くらいで仕事をしまくっていた時期は、部長より月給は多かった。ボーナスは規定通りだから少ない。

私の場合は仕事のし過ぎで、宿痾の躁病がそのうち再発して、仕事(プログラマー)が面白くなくなり、日曜数学者になり、お金がたまったところで脱サラ。

私は何でも極端な傾向があるから結果的にはよかったけど、普通に優秀な人、特に技術系の人は他国に比べれば、間違いなく低賃金です。

別に技術系でない人で優秀な人も他国と比べれば低賃金ですけど、そんなもんと思っているでしょうね。社長に比較しますからね。

最近、そういう会社に対し、仕事を評価しろ、給料をそれに見合った額に、といって、そんな風土ではないので、3年くらいで辞める人が多いのでしょう。

それと評価をしやすいように仕事をモジュール化したので、優秀な人は面白くないし、その程度なら派遣で間に合う、ということにもなって、余計に低賃金になったと思います。

低賃金

>Rionさん

結局、日本企業は人材を活用する仕組みができてないんですよね。だから給料も払えない。総合電機なんて一度解体した方がいいんじゃないかな。私は金融出身ですが確かに女性は辞める人が多かったです。寿退社とかじゃなくて、他の組織に移っちゃってるんだからお話にならないです。

>Lilacさん

引抜きが活発にならないと、なかなか変わらないかも知れないですね。雇用制度って変わるのにすごいエネルギーが必要な感じがします。

>足立さん

研究はともかくビジネスのための仕事は、やっぱりやりすぎちゃいけないと思います。私は勤務先が嫌いだから辞めた訳ではないんですが、あまりクリエイティブでない事をすごい密度でやらされると、やってる時は平気なんだけど後から一気に精神的にくるんですよね。
あと、会社が従業員を正確に評価するのは無理だと思います。アメリカでも、基本は特殊技能があると転職しやすいというだけであって、別に会社が成果を評価しているわけではないような気がするんですが。。。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

検索フォーム
Twitter

Twitter < > Reload

お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

全記事表示

全ての記事を表示する

最近のコメント
訪問者数 (UA)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
31位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
北アメリカ
7位
アクセスランキングを見る>>
人気記事Top10


(はてなブックマークより)

カテゴリー
最近のトラックバック
お勧めブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。