日本の失業率はなぜ下がるのか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本の失業率が下がりはじめているようだ。
昨年1-3月から直近までで
GDPは6.7%も下がっているわけで
失業率の上昇がこの程度で頭うちになるのは
アメリカ等の常識から考えると異常である。

いや、日本人の常識を持ってしても、
つい2ヶ月前の雑誌には失業率の6%超えは必至だ、
とあちこちに書いてある。

失業率というのは求職を諦める人が増えると下がって
しまったりする非常に解りにくい指標なので、
アメリカの代表的な指標(非農業部門雇用者数)に近い
季節調整済み雇用者数の増減を見てみよう。
すると、やはり今年の7月以降、雇用の回復が鮮明だ
(ただし、直近の10月は減っている)。
雇用者数増減

これは政府が、
雇用調整助成金とかをばらまく代わりに、
「解雇するなよ」と企業に雇用を押し付けて
いるのが理由だろう。
そんなことをやっているからいつまでも
経済の構造転換が進まなくてダメだめなんだ、
というのが最近のまともな人の論調なのだが
見方によっては政府のやっていることも分からなくもない。

2000年以降、家計部門の貯蓄率は大幅に低下したのに
企業部門の貯蓄率は大幅に上昇した
(推移は、このあたりのブログを参照)。
これにはいろんな理由があるが、
企業が低成長下の雇用のリスクに敏感になって
貯蓄率を上げたのも一因だろう。
そして案の定、今回も不況時には企業の負担で
雇用を維持しているのである。

2002年以降の景気回復から
今回の景気後退で見える事は、
雇用制度に関して企業の期待も政府の期待も
昔ながらの日本と全然変わっていないということだ。

日本の雇用の流動化は
想像以上に長い年月を必要とするかも知れない。




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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

確か日本の失業者はハローワークに来る人になっていたように思います。

もうあかんわ、ということで行かなくなった人が増えると失業率は良くなるケースもあるようです。

失業率

そうですね。失業率って言葉的には分かりやすいんですが、細かく見ていくとあんまり使いやすい指標ではないです。主婦層なんて、不景気だと自然と就職を諦めますが、そういうのは反映されませんし。

No title

雇用制度に関して企業の期待も政府の期待も
昔ながらの日本と全然変わっていないということだ。

雇用

>v6さん

そういうことですね。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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