購買力平価(PPP) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

最近、ちょっとわけあって為替レート関連のことを調べている。

購買力平価というといつもOECDのデータを見ていたのだけど
国連も購買力平価の時系列を出しているようだ(ココを参照)。
データは2年遅れみたいなのだが一覧性が高いのでちょっと見るには良い。

国連の米ドルを基準とした日本円の購買力平価をみると、
2007年時点で134.34円となっている。

一方OECDの方は、
GDPベース、民間消費ベース、個人消費ベース
と3種類の購買力平価を出している。
購買力平価は、どんな財・サービスのバスケットを使用するかで
値が大きく変わりうるからだろう。それぞれのPPPは、
GDPベースで、120.14円
民間消費ベースで、134.34円
個人消費ベースで、121.03円
となっている。
どうやら国連の推計とOECDの民間消費ベースは同じらしい。

こうした総生産やそれに近いものをベースとしたものは
市場実勢と比べてかなり円安の状態にあることが多い。
円高、円高と常に叫ばれるなかで、日本の貿易収支は
季節要因を除くと一貫して黒字だ。

日本の、財団法人・国際通貨研究所が算出している
輸出物価ベースの購買力平価によると、
PPPの水準は直近で75.32円らしい。
もっともこの相場は、特定の時点(1990年)を起点として
インフレ率で接続したものなので絶対的な水準にはあまり
大きな意味がないとも言える。

歴史的には、輸出物価ベースのPPPは
市場の為替レートの下値支持線として機能しており、
市場のレートがこのPPPを大きく下回って円高になると
反転して円安に戻ることが多い。
現在の状況では、1ドル=70円を割り込むと
円高が過熱気味ということになりそうだ。

時系列解析の視点からは、
市場取引レートとPPPの誤差が一定以下、
少なくとも誤差の分布のモーメントが一定以下
にならないと定常時系列の枠組みで処理する事は難しくなる。


市場取引レートと輸出物価ベースPPPの乖離は
一定以下なのだろうか?
ずいぶん強い仮説のように思えてならない。


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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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