就職面接とチープトーク -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカの大学の面接では、求人している大学側が
とにかく自分の大学は魅力的であることをアピールしまくる。
彼らの言うことが全て正しければ、
全米一の大学はアメリカに10校はあるだろうし、
全米トップ10の大学は30校、
全米トップ100の大学は300校あるだろう


人間関係についても、
うちは規模が小さいからアットホームだとか、
みんなフレンドリーで付き合いやすいとか、
まるで天国みたいな職場ばっかりだ
チープトーク以外の何物でもない。

しかし、応募者の方は余裕も経験もないし、
大学を持ち上げて熱意をアピールする必要があるから
ノリでついつい話を信じてしまいがちな部分もある。
それに曲がりなりにも
行きたい職場に応募しているわけだから、
自分を正当化するために信じたいという側面もあるだろう。
客観的に考えれば、
この手の話にはなんの有益な情報もないので、
彼らも大変なんだな、と思っていればよい。

ただ、WS大で年配の教授から聞いた話で
妙に印象に残ったものも一つあった。
それはこんな話だった:

そういえば君は日本人だけど、
うちの数学科にはかつて
Nという日本人のファカルティーがいた。
彼は高名な数学者だったが、
誰とも話をしようとしない極端な性格だったため、
職場の人間関係がうまくいかず
T京大学を追われてT北大学に移り、
そこでもうまくいかずH大学に移り、
更にはカナダのとある大学に移り、
それからWS大に移ってきたと言われていた。
彼はWS大でも同僚とは一切話をしなかったけど、
生涯、WS大に勤めたんだ。


セールストークとしてのオシは強くないが、
うちは業績さえ残せば誰でも受け入れるんだ、
ということを端的に示すエピソードに思えた。
(念のため断ると、私は普通の人だけど。)
そして、いくらなんでもでっち上げで
ここまでの話は作れないだろう。

チープトークでは応募者側も聞き飽きるから、
ホスト側はこういう一ひねりしたエピソードを
用意できると面白いと思う。



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テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

N氏が誰だかわからない…。

名前

中野秀五郎さんという方らしいです。何せ、1年前に口頭で聞いた話なので、詳細は合っていないかもしれません。

No title

誇大広告みたいなものはアメリカの考える自由に入るんだろう。

No title

さくやさん:

確かにそうですね。そういう意味では、アメリカ人は信用できないですね。

No title

そんな状況下じゃどこに就職すればいいのか応募側に判断材料がないですよね。。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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