fc2ブログ

デトロイト)ミシガンと日本は似ている -- このエントリーを含むはてなブックマーク

今学期の中頃にWS大の新任教員20人ほど集まる機会があって、
一人1~2分の自己紹介をした。

この手の機会があるとアメリカ人は、
デトロイトの人々は素晴らしくて好きだとか、
デトロイトは寒いところだけど緑は綺麗だし気に入っている、
といった私に言わせれば軽薄以外の何物でもない話をする人が多い。

その時に、ちょっと違う話をしようと思ってした話が表題の話。
日本人の参加者は一人だったし日本を印象付けようという意図もあった。

日本の人口は2006年をピークに減少を始めたが
ミシガン州の人口も2005年をピークに減少している。

日本は少子化、ミシガンは人口流出、と人口減少の理由は
違うが根本的な問題は同じだ。
両方とも、一昔前まで製造業で豊かな社会を築いたが
サービス業への構造転換が遅れ気味であり、
それが成長の阻害要因になっている。

構造転換の妨げになっているのはいずれも雇用の問題だ。
日本では年功序列・終身雇用制度が問題になっており、
ミシガンでは労働組合が強すぎることが問題になっている。

私が幸運にもオファーをもらって
デトロイトに来る前にに一つ考えていたのは、
こういう構造の地域で公務員に類する職業に就くのは
短期的には悪くないだろうということだ。
労働者の既得権が強く経済が衰退している国では、
公的部門の待遇は相対的に良くなる。
実際、過去10年程度の統計をざっと見ると
WS大の職員の待遇は地域では相対的に向上している。

もちろん、長期的には州の経済が活性化することが重要だ。
パイが大きくならない経済に勝者はいない。
土地やインフラはある程度整っているので、
労働条件などの諸問題を解決して
サービス業を招致しなければならない。

今週になって、通勤中に聞いている「DTK」という保守派の
ラジオ放送のトピックが公務員叩きになった。
一応、話はアメリカ全体のことについて述べているのだが、
こういった機運は特にミシガンでは高まりやすいかもしれない。
日本のように極端な公務員叩きはアメリカではまだ見られないが、
改革に残された時間はそう多くないと感じる今日この頃である。


スポンサーサイト




テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

非公開コメント

Situationが面白いです

新任教員のReactionが気になります。

普通でした

まあ、普通でした。単なるランチ会での自己紹介ですから。

公務員

>日本のように極端な公務員叩きはアメリカではまだ見られないが、

いやほんと異常ですよね。下部組織はともかくキャリア叩いてもしょうがないっていう。。。

公務員叩き

アメリカでも、民間の人が苦しんでるのに公的セクターの人は楽してる、みたいな一般論はあると思うんですが、日本みたいに個人レベルの待遇まで具体的に叩かれることは稀ですね。マネージメントレベルの人が勤務中に副業してたとか、収賄があったとか、そのレベルじゃないと叩かれないです。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

検索フォーム
Twitter

Twitter < > Reload

お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

全記事表示

全ての記事を表示する

最近のコメント
訪問者数 (UA)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
33位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
北アメリカ
4位
アクセスランキングを見る>>
人気記事Top10


(はてなブックマークより)

カテゴリー
最近のトラックバック
お勧めブログ