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デトロイト)廃墟と同居する街 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私は学校までの20マイル(32km)程を車で通勤しているのだが、
帰り道には主に二つの経路がある(Bは大学があるところ)。

通勤

一つは大学近くからデトロイトから北に伸びる高速の75号線
家の近くまで帰るという経路だ。
安全だが殺風景でラッシュ時には若干渋滞がある。

もう一つは、Woodward Avenue と呼ばれる州道一号線を使う経路だ。
ラッシュ時でも渋滞はしないが、貧しい方たちがウロウロしていて
私はあまり安全ではないと思っている。
というのも、暇そうな歩行者たちが車道を横切るのだが、
両方向の車線の間にある待機レーンで車の流れが止まるのを
待っている人がたくさんいるのだ。車が信号待ちで止まれば、
彼らは車のすぐ脇に立つことになる。
その中に、銃を持ってカージャックや強盗を
たくらむ人が混ざっていたらアウトだと思う。
そこまで凶悪な人はいないにしても、
ドラッグをやっているのか、意味も無く交差点付近でうろうろ
している人たちもいたりして、やはり安全とは感じられない。

この経路は不安があるので私はたまにしか使わないのだが、
一方で風情があるので結構好きだ。

デトロイトで東西に走る幹線道路には、
南から順に 1 Mile Road、2 Mile Road、・・・と順に名前が付いている。
もっとも正確には6マイルくらいまではかなりぐちゃぐちゃになって
いるので3マイルや4マイルを意識する事はない。

大学から6マイル(McNicholas Rd)までは、
いわゆる「いかにも安全じゃなさそうな地域」で
商店街と廃墟が混在した町並みが続く。
昔建った立派な建物がそのまま何年も放置されている
ということが、このあたりでは日常茶飯事だ。
窓が破れているので見分けが付くことが多い。
私はまだ慣れていないせいか
活気のあった遠い昔を想像しながら無性に悲しくなる。
走っていてここまで悲しくなる道というのは他にないと思う。
デトロイトの観光名所に加えるべきだ。

6マイル・ロードを超えると左手に大きくて綺麗なPalmer Parkという
公園が見える。この辺りは昔から郊外だったらしく、広々としてくるが
相変わらず廃墟の小さなビルも散在している。
少なくとも降りて公園で一休みしよう、という雰囲気ではない。

少し走ると、一昔前まで人種の境界線であった8マイル・ロードがある。
もっとも今では人種別の居住地はかなり混ざってきているので
そこまで大きな意味はない。
ここを超えるとまだまだ寂れた感じではあるものの、
中古車屋なんかも増えてきたりして
雰囲気は少し良くなる。
人種的にはかなりに雑多な地域だ。

10マイルを超えると Oakland Countyに入り、
雰囲気は完全に安全な街になる。
大手チェーンのレストランやファーストフード、
薬局などが増えてくる。

15マイルまで行くと一番栄えている
Birmingham 市のダウンタウンに辿り着くのだが、
13マイルのところで幹線道路を降り、
少し細い道を走って自宅まで帰る。

うーん、明らかに1号線の方が楽しい通勤なのだけど、
どうしてもつい高速を使ってしまうなぁ。


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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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アーサー・ヘイリー  自動車

「自動車」アーサー・ヘイリー 著の冒頭で、主人公がGM本社(昔の)へロッジで通勤する場面を思い出しました。
13マイルからウッドワードで通勤する人は、珍しいと思います。(いつもじゃないとはいえ、世界で一人では?)
75号と比べて時間的にはどうですか?

通勤

こんにちは。うちの大学の教員はトロ*イ/バーミンガム/ロイヤルオーク市に住んでいる方だと、Woodward で通勤する人は結構います。勤務先がWoodward 沿いにあることも影響しているのでしょう。もちろん、交通量から考えるにデトロイト圏全体では圧倒的少数であることは間違いないでしょうね。
トロ*イにある私の家からだと、I-75経由で空いている昼時だと26分くらいですがラッシュアワーだと50分くらいかかることもあると思います(雪の日で事故があった先日は1時間半以上かかりそうでした)。Woodwardだと、常に40分弱なので分散が少なくて安心です。

ウッドワード

結構、意外でした。
DIAやWSUがあるので、暖かくなったらウッドワード沿いも探索してみたいと思っております。レストラン ウイットニーも連れて行けと家内に頼まれております。
WSUに通っていたのが夜間という事もあって、キャンパスもほどんど知らない状態です。

Woodward

Woodward Ave. は I-75 よりは楽しいと思いますけどね。今学期は朝から出勤しないといけないので明日もWoodward で通勤です。もっとも夜は走る気になりませんが。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
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   応用も充実。学部上級。

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