数学と結婚
「留学と結婚」はもう2回書いたので、次のテーマは数学と結婚である。
まず初めに断っておくと、「数学と結婚する」ということではなくて
「数学をやっている人が結婚する」という意味である。
結論から言ってしまうと、これは統計的には不可能であると言って良い。
数学科には女性が極端に少ないし、周辺分野も概ね女性の売り手市場だ。
(詳しくは、「婚活で成功したい女性は数学科に行くべき」を参照。)
それ以外の女性は大抵「●●クンって、何してる人?」と聞いてきて、
「数学をやっている」などと答えようものなら、
とたんに、困惑と哀れみと恐怖が混ざったような複雑な顔をする。
微妙な年齢の先生が2年前に流行ったギャグを女子高校生に
見せた時の反応に似ていると言えば、想像して頂けるだろうか。
私の人生史上最悪の会話は、
大学1年生の時の飲み会における
イケイケ(超死語)短大生とのものだった。
短大生「●●クンって、大学でなにやってるの?」
自分_「うん、数学やってる。」
短大生「(↑の顔)す、数学...(絶句)...。
___ 円周率とかたくさん覚えてるの?(←彼女なりに最大限の努力)」
自分_「まあ...そうだね。3.14159265358979323846264338327950288419716939937510」
短大生「(ひきつった顔)ふーん、すごいね...」
(会話終了)
そんな私に訪れた大きな転機は金融機関への就職だった。
就職した理由は「数学が分からなくなったから」
という極めてネガティブな側面を持っていたのだが
世の中の女性はそんなことはどうでもいいらしい。
はじめに様子がおかしいと思ったのは
バスで会った中学の同級生の女の子Aとの会話だった。
Aは、うちの母親が井戸端会議で
「Aさんっていう子はすごい美人らしいわね」
という情報を仕入れてくるくらいの美女だった。
東京郊外のドライな人間関係の土地で
そこまで噂が立つのは極めて稀なことだ。
A_「●●クンって何してるの?」
自分「あー、○○に就職することにした。」
A_「すごーい!いいとこに就職できたから数学辞めたの?」
自分「(絶句。そんな奴は日本中探してもいないだろ。)
__ いや...あの...数学は才能とかが必要だからね...。」
A_「ともかくすごいじゃない。いいなぁ☆」
ようするに、数学科の学生というのは
多くの女性にとって10年落ちのカローラみたいなもので、
金融機関勤務というのはBMWのマークみたいなものだろう。
実際に入社すると友人から生まれて初めて合コンのお誘いが来た。
自分の中身は大して変わっていないので
ズレたことを言ってしまったりするわけだが、
逆に「面白い」と笑ってくれたりする。
BMWはよく故障しても人気があるようだ。
数学科時代の友人は、就職後に合コンで
知り合った人と結婚した人が結構多そうだ。
こうした出会いの機会の増加によって、
BMWに興味のない女性との出会いも増えていった。
私は女性を見る目はそんなに肥えていないと思うが、
BMWが好きな女性かどうかはよく分かる。
なにしろ、マークをつけた状態とつけていない状態を
両方経験しているのだ。
難なくBMWに興味のない女性を見つけて結婚してから、
マークを外して10年落ちカローラで再び砂利道を走っている。
もちろん、これは単純化した話であって、
最初から結婚相手を見つけるために金融機関に入ったわけではないし、
最初から結婚したら元の状態に戻ろうと思っていたわけでもない。
ただ簡潔に言ってしまえば、
数学をやっている人が結婚するのは不可能なので
一旦数学を辞めればいい。
どっちみち、通常デートの最中は数学をやっていないわけで
数学を辞めるのが1日単位か1年単位かの違いだ。
これはむろん、結婚だけに限らない。
語学の勉強も一旦数学を辞めた方がうまく行くだろうし、
病気を治す時は一旦仕事を辞めた方がうまく行くこともあるだろう。
何かをやるために何かを一旦休止するというのは、
狙ってできるものではないが、
そこには見えないメリットも隠れているものだ、
ということを知っておくのは悪くない。

まず初めに断っておくと、「数学と結婚する」ということではなくて
「数学をやっている人が結婚する」という意味である。
結論から言ってしまうと、これは統計的には不可能であると言って良い。
数学科には女性が極端に少ないし、周辺分野も概ね女性の売り手市場だ。
(詳しくは、「婚活で成功したい女性は数学科に行くべき」を参照。)
それ以外の女性は大抵「●●クンって、何してる人?」と聞いてきて、
「数学をやっている」などと答えようものなら、
とたんに、困惑と哀れみと恐怖が混ざったような複雑な顔をする。
微妙な年齢の先生が2年前に流行ったギャグを女子高校生に
見せた時の反応に似ていると言えば、想像して頂けるだろうか。
私の人生史上最悪の会話は、
大学1年生の時の飲み会における
イケイケ(超死語)短大生とのものだった。
短大生「●●クンって、大学でなにやってるの?」
自分_「うん、数学やってる。」
短大生「(↑の顔)す、数学...(絶句)...。
___ 円周率とかたくさん覚えてるの?(←彼女なりに最大限の努力)」
自分_「まあ...そうだね。3.14159265358979323846264338327950288419716939937510」
短大生「(ひきつった顔)ふーん、すごいね...」
(会話終了)
そんな私に訪れた大きな転機は金融機関への就職だった。
就職した理由は「数学が分からなくなったから」
という極めてネガティブな側面を持っていたのだが
世の中の女性はそんなことはどうでもいいらしい。
はじめに様子がおかしいと思ったのは
バスで会った中学の同級生の女の子Aとの会話だった。
Aは、うちの母親が井戸端会議で
「Aさんっていう子はすごい美人らしいわね」
という情報を仕入れてくるくらいの美女だった。
東京郊外のドライな人間関係の土地で
そこまで噂が立つのは極めて稀なことだ。
A_「●●クンって何してるの?」
自分「あー、○○に就職することにした。」
A_「すごーい!いいとこに就職できたから数学辞めたの?」
自分「(絶句。そんな奴は日本中探してもいないだろ。)
__ いや...あの...数学は才能とかが必要だからね...。」
A_「ともかくすごいじゃない。いいなぁ☆」
ようするに、数学科の学生というのは
多くの女性にとって10年落ちのカローラみたいなもので、
金融機関勤務というのはBMWのマークみたいなものだろう。
実際に入社すると友人から生まれて初めて合コンのお誘いが来た。
自分の中身は大して変わっていないので
ズレたことを言ってしまったりするわけだが、
逆に「面白い」と笑ってくれたりする。
BMWはよく故障しても人気があるようだ。
数学科時代の友人は、就職後に合コンで
知り合った人と結婚した人が結構多そうだ。
こうした出会いの機会の増加によって、
BMWに興味のない女性との出会いも増えていった。
私は女性を見る目はそんなに肥えていないと思うが、
BMWが好きな女性かどうかはよく分かる。
なにしろ、マークをつけた状態とつけていない状態を
両方経験しているのだ。
難なくBMWに興味のない女性を見つけて結婚してから、
マークを外して10年落ちカローラで再び砂利道を走っている。
もちろん、これは単純化した話であって、
最初から結婚相手を見つけるために金融機関に入ったわけではないし、
最初から結婚したら元の状態に戻ろうと思っていたわけでもない。
ただ簡潔に言ってしまえば、
数学をやっている人が結婚するのは不可能なので
一旦数学を辞めればいい。
どっちみち、通常デートの最中は数学をやっていないわけで
数学を辞めるのが1日単位か1年単位かの違いだ。
これはむろん、結婚だけに限らない。
語学の勉強も一旦数学を辞めた方がうまく行くだろうし、
病気を治す時は一旦仕事を辞めた方がうまく行くこともあるだろう。
何かをやるために何かを一旦休止するというのは、
狙ってできるものではないが、
そこには見えないメリットも隠れているものだ、
ということを知っておくのは悪くない。

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