社会人の大学院留学の機会費用とリスク6(複線的なキャリアパス) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

お題が、「機会費用とリスク」なのでネガティブな話題ばかり
書いてしまったが、最後に少し明るい話題も書いておきたい。

それは、留学することによって下がるリスクもあるということだ。

例えば、最も一般的にアメリカに留学した場合、卒業後の進路は少なくとも
日本、アメリカ、更には英語圏である、イギリス、シンガポール、香港、
オーストラリア、ニュージーランド、カナダと多くの選択肢から選ぶことが
できる。また、日本においてはアメリカの学位取得者は(MBAを除けば)
まだまだ少ないので個人の能力次第でいろいろなところに拾ってもらえる
可能性がある。

このことから大学院留学は、例えば会社を辞めて日本の大学院に進学する、
というキャリア選択に比べるとリスクが小さい可能性が高い。
特に年功序列制度が抱える日本の労働市場のリスクを丸抱えしなくても良い、
という点は大変大きな利点だ。


もちろん、留学を目指す人はある程度明確な将来像を持っていることが
多いと思うが、あらゆる可能性を考慮して、自分自身を「国際分散投資」
してリスクを抑えつつ期待値を最大化するができるのは大きなメリットだろう。


(結びに代えて)

遠い昔、「昭和的な価値観」では「仕事を辞めて留学」など
「もってのほか」の選択であったのだろうと思う。
もちろん一部の人達は、この価値観に反発してきた。
そこには合理性を超えた何かがあったと想像する。

しかし、これだけ情報がふんだんに手に入る時代になって、
もはや「昭和的な価値観」に反発するだけでは最善手とは言えない。
たくさんの情報を元に「昭和的な価値観」を選択するかどうかを
合理的に判断することが大事な時代になっていると思う。

拙ブログでは、今年もその判断材料になる情報を今後も提供できれば、と思っている。



※結婚や恋愛など男女関係と留学の関係については
下記をエントリーを参考にして頂きたい。

ブログ内の関連記事:
留学と結婚
留学と結婚2
数学と結婚
恋人 vs 留学
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テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

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No title

大変勉強になり、かつ、有益な情報でした。ありがとうございます。

僕としては、日本にロックインされるリスクをなくすことは想像以上に大きいと認識しています。少子高齢化が進む中で、日本のプレゼンスが世界の中で落ちていくことはほぼ間違いないと思います。
あんまり日本の未来は明るくないなとも思います。

そんな中、英語ができて、かつ、博士号まで取得できれば、なかなかの競争力になると思います。僕のように金融機関にいるとすごく実感することですが英語ができて、かつ、経済分析ができる人(もっといえば、それなりに頭がいい人)はまだまだ日本ではレアです。英語ができる人はたくさんいるんですけどね。でも、英語ができる人はどうしても、英語だけが強みになってしまっている傾向が強いと思います。

No title

>蓮見さん

語学というのは掛け算で効いてくるスキルですね。自分の活躍できる分野で基礎を積み上げておいて初めて活きてくるものだと思います。

リクエスト

「社会人の大学院留学の機会費用とリスク」シリーズはどれもすばらしい内容でした。
次回は「妻子を持つ際の機会費用とリスク」を題材にしていただきたいです。
結婚しない場合の理由付けになります。
ぜひご検討ください。

RE: リクエスト

>元SEさん

ひとまず、関連記事のリンクを足しましたのでご覧下さい。
更に、他の論点を補足してまとめられるかどうか考えてみます。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
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   小説のように読める本。
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2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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