恋人 vs 留学 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

留学と結婚について2度に渡って書いた(その1その2)が、
特にアカデミックを目指す大学院留学の場合、
むしろ独身であることの方が圧倒的に多いだろう。

実は、WS大に来たとき、博士課程をもうすぐ終えるという同年代の日本人留学生(男)
の何人かと会ったのだが、私が結婚していると言ったら、とても驚いた人もいた。
家に帰って「僕は既婚者には見えないらしいよ~♪」と奴に言ったら、
返って来た答えは「何でもプラスに捉えられるっていいね~♪」であった。

というわけで、今日は恋人と留学の関係について書きたい。
ただし、結婚を考えるくらい本気で付き合っているケースのみを考える。
なお「恋人と留学」だとラブラブで二人で留学するみたいで誤解を招くので
題名は「恋人 vs 留学」とした。つまり、日本に恋人がいる中での留学、
究極的には「恋人と留学どっちを取るの?」ということだ。

よく「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言うが、
逃げるのが兎じゃなくて亀ならば
一匹捕まえた後でもう一匹捕まえることも余裕だし、
亀と兎一匹ずつならば兎を先に追えば良い。
自分の足が早ければ二兎でも問題なく仕留められるだろう。


ありうる3つのパターンは次の3つだ。

1.留学をとって、恋人とは別れる。
2.恋人をとって、留学は諦める。
3.留学はするが、恋人とも関係を続ける。


留学と恋愛、両方に失敗するのは、
時間的な前後によって1あるいは2のサブケースと考えられる。

相手に留学を拒否された場合、選べる選択肢は1か2だ。
無意識にでもあなたの優先順位が固まっているなら
1か2のどちらかを予め考慮対象から外しているだろう。
そうでない場合、問題は、恋愛と留学、
どちらが兎でどちらが亀かということだ。
留学がキャリアにとって絶対必要で、年齢や経歴的に今後の
チャンスが少ないなら留学を選ぶべきだろう。
逆に、自分があまりモテないので今の恋人は奇跡だと思っているとか
これ以上の恋人は現れないと確信している場合には
恋人を選ぶべきだろう。
個人的にはどちらも立派な判断だと思う。

その際に重要なのは、恋人と留学、
それぞれの価値をきちっと把握しておくことだ。
特に注意しなければいけないのは留学の価値の方だ。

それは何故か?
恋愛というのは、あなたの祖先が人類になる前から営んできたことだ。
そしてあなたの祖先が恋愛で勝利し続けてきたからこそ今のあなたがある。
あなたには、本能的に恋愛に関するノウハウが詰まっている
(私には欠けているが、これは恐らく染色体異常だ)。
一方、キャリアのために留学して遠距離恋愛なんていう選択肢は
近代もしくは現代になって可能になったことだ。
そういう分野で直感を活かすのは危険なので、
きちんと筋道を立てて効用を測るべきだ。

簡単ではないが、取りあえず冷めた目で
「こんな相手とくっついても長い目で見たら価値ないよね」
「留学なんてしても長い目で見たら価値ないよね」

という二つの命題がどの程度妥当であるか比較検討した方が良い。

運良く、3を選ぶことができた場合はまず相手に感謝しなければいけない。
その上で、3つの選択肢がある。

3a) 結婚せずに遠距離恋愛を続ける
3b) 結婚するが単身で留学する
3c) 結婚して夫婦で留学する (*1)


ab か c かは、主に留学しない側のキャリア次第だろう。
次に、こんなことを書いてしまうとニベもないのだが、
3a) より 3b) が望ましいのは基本的に相手が自分のところに
戻ってくるかが確実でない場合だけだ。そうでなければ、
わざわざ結婚というサンクコストを払う価値がない。
(これは留学する側、される側の双方にとって正しい。)
しかし、恋人と別れずに単身で留学する側は相手に対して
相当なわがままを通してもらっているわけなので、
人道的には相手から希望があればそれに同意すると言うのが
バランスのとれた判断であると私は思う。


書いていて冷徹な感じを与えるかも知れないと思ったので
書き添えるが、これは様々なケースを実際に見てきたことの総括だ。
何事も筋書き通りに行かないことは確かだが、
単なる机上の空論ではないことは記しておきたい。

(*1) 夫婦でないと同伴ビザは下りない。

ブログ内の関連記事:
留学と結婚 (上述)
留学と結婚(その2) (上述)
数学と結婚
統計学に興味を持った理由

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リスクヘッジ

リスクヘッジのために結婚せずに遠距離恋愛を
続けながら、現地で恋人を探すのはどうでしょうか?
運よく両方維持できた場合は、選択肢が広がります。あくまで机上の空論ですが。

今まで、「20代」で書き込んできましたが、ほかではこの名前で書き込んでいますので、今後は「元SE」で統一します。

No title

>元SEさん

(笑)いいですね、それ。
例を知らないこともないですが(笑)。

No title

こういうソフトなトピック好きです(笑)

遠距離の成功の秘訣は経済力だと大学時代の先輩が言っていました。たしかにそうで、お金が無いと会いにいけないですものね。いくらインターネットが発達しても、会えないと続かないものです。

あとは共通のゴールがあるかどうか、つまり結婚を前提とした関係なのかどうかでも遠距離の質が変わってくるように思います。いつか一緒になれる、と信じることが出来たら離れていても耐えられるものだと思います。まわりをみていると、これがないとまずうまくいかないケースがほとんどです。

それから性格も関係するのではないかと思います。遠距離がダメなタイプの人がいると思います。嫉妬深い人、いつもそばにいてくれないと不安な人、昔浮気された事のある人など。

個人的にはキャリアのための別居はありだとおもうので、異性のために(べつに同性でもいいけど)留学を諦める人はもったいないなーと思います。実際、結婚してからもさらに2年ほど離れて暮らしていました。

No title

>toyojiro さん

性格が一番大きいかなあと思いますが、どのくらい会えるかも同じくらい重要でしょうね。留学の場合は結構休みはあるわけで、確かに経済力が制約条件になりやすいのかも。ただ何が重要なファクターかっていうのは、留学前はなかなか分からないですね。

No title

> リスクヘッジのために結婚せずに遠距離恋愛を
> 続けながら、現地で恋人を探すのはどうでしょうか?

日本に残した彼女が影で何やってるかわからないから、これはお互いさまの可能性アリ。

恋愛ポートフォリオ

>毒の助さん

またまたそういう(笑)。Perfumeののっちさんみたいな人が見つかるといいですね、とお決まりで書いておきましょう。

No title

まあ僕も国際分散投資の効用については理解し始めております。『金融日記』の藤沢さんほど経済力がないので、そもそも投資する価値があるかが微妙なのですが。

しかしWillyさんは娘さんへの養育費とかまで既に計算終えてそうですね。バツ三ぐらいまで想定していそうだ(笑)。

やっぱアクチュアリーとか統計学者とかは怖いです。
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

国際分散投資

>娘さんへの養育費とかまで既に計算終えてそうですね。

その結果、子供は一人ということになってしまっているわけですが(笑)。正直、現代社会は無計画な人がたくさんいないと成り立たないという重大な欠陥を抱えている気がします。

バツ3というとイメージが悪いですが、3~4回結婚出来ると言えば悪くないと言えるかも知れません。国際分散投資も試してみたいものです。あくまで机上の空論ですが。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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