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冬学期開始(統計入門のコース内容) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

WS大では、冬学期が来週月曜日から始まる。
W大M校では、春学期(Spring Semester)と呼んでいたのだが、
WS大では4月中に授業が終わってしまうので、
春学期と名付けるには気が引けているのだろう。

WS大のうちの学科はリサーチ大学の割に教える時間数が多くて、
今回教えるコースは週あたり 55分×4回の授業がある。
普通のリサーチ大学だと50分×3回のことが多い。
(今年は初年度なので1コースだけだが、2年目からは2コース教える必要がある。)
もっとも、学生のレベルもあんまり高くないので、
一般教養科目が多い数学の場合、基礎的なコースが多く
日本で言うと予備校で教えている感覚に近い。
実質的な教育負担が重いかどうかは、微妙なところだ。


一般教養(?)の学部2~3年生向け統計入門

(Elementary Probability and Statistics)を教えることになるので、
基本的に教える内容は先学期と同じ。

教科書は、どうしようもない本だな(*1)、と思いつつも、学科指定なので

Mendenhall, Beaver and Beaver
"Introduction to Probability and Statistics (13th ed.),"
Broooks/Cole.

(*1) 構成自体はスタンダードで良いのだが説明がクソ過ぎるため。
アメリカの学部生向けの教科書にはこの手の本が多い。

先学期カバーした主な内容は、1~10章と12章で以下の通り。

1.記述統計(descriptive statistics)
 ― いろんなグラフ、平均、分散、medeian, 共分散、相関係数
 ― 単回帰分析(理論なし)

2. 確率の基礎
 ― 事象、独立性、数え上げ など
 ― 離散分布(二項、ポアソン、超幾何分布)
 ― 正規分布
 ― 標本分布、大数の弱法則、中心極限定理

3.統計的推測
 ― (母平均や母比率に関する) 大標本の点推定、区間推定、検定
 ― t-分布、カイ二乗分布、F-分布
 ― (母平均や母比率に関する) 小標本の点推定、区間推定、検定
 ― 単回帰分析のパラメター推定量の推定、検定

今学期の修正点は、

(1) 離散分布は、ポアソンと超幾何分布を削って、
  constructive な例と二項分布だけ絞る。

(2) カイ二乗検定を追加。

の2点。

ポアソン分布を外したのは、エンジニアリングやORを真面目にやる人、
確率論を今後もやる人しか使わなそうだから。超幾何分布は言うに及ばず。

カイ二乗検定は、生命科学系や心理系なんかに進む人は流石に
知っていないとまずいから。そういえば、確か2年前にスペインから
統計の学会に来たPhD持ちの人がカイ二乗検定を知らなかったw
統計と言うのはいろんな分野の人がやっているので、
この手の知識の抜け落ちというのは結構発生しているのだろう。


できれば分散分析も加えたかったが、
急にいろいろ変更するのはデメリットもあるし、
回帰分析をやっておけば知らなくても致命的とは言えない
と思うので今回は見送り。

先学期、成績の基準が明示されていないことに不満が多かったので、
今学期は「80点以上ならA」とか適当に基準を設定。
最後に調整するから実質は変わらないんだけど。

どうでも、いいけど、今学期は今のところ enrollment がたった11人で
リベラル・アーツ・カレッジなみ(笑)。
同じコースを一気に増設したから当然なのだが、
学科ももうちょっと需給を見極めることはできなかったのだろうか。
まあ事務負担が少なくなることを期待しよう(多分大して変わらない)。




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No title

こういうコースって何を専攻している学生が取ってるんですか?

確率統計はデータとか実験結果を解釈するのに必須なわりに、サイエンスとかのカリキュラム上はしっかり教えられていないことが多いです。ラボの実習なんかのときに必要に応じて独習ってこと多いですよ。かなり由々しい事態だと思います。

学部生の専攻

優秀な人は、医学部志望の人が多く、あとはその他のバイオ系やコンピューターサイエンス専攻が多いです。デトロイト周辺では、医学関係が唯一の明るいキャリアパスということもありますし、バイオ系の一部の学科で必修になっているというのも影響しているみたいです。

統計は学部生には難しいと思います。実際にデータの分析とかをたくさんして感覚を掴んだの後で理論を学ぶ方が本来は良いのでしょうが、その頃にはもう大人になっていて勉強する時間がない、という人が多いと思います。

econ

経済だというこういう統計の授業がmajor requirementになってますね。教えるのは大変だと思いますw。。。

授業

どんな分野の授業でも一生懸命やろうとすれば、大変だとは思うのですが、まあ統計は楽な方だと思いますよ。ノンネイティブスピーカーにとっては。多分、基礎的な数学の次くらいに(笑)。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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