アメリカの就職面接の食事について -- このエントリーを含むはてなブックマーク

面接される側に立つとノン・ネイティブスピーカーにとって
ちょっと辛いのが学科の選考委員との食事である。

通常、昼と夜を合わせて3~4回くらい食事をする機会があるのが普通だ。
ランチは普通に食事をしにいくと言う感じだが、
ディナーは、学科長や選考委員の長など主要な人物2~3人と
一緒にとることが多い。時間としては2時間弱くらいのことが多い。
私が就職面接を受けた際には、
学科長、その配偶者と選考対象者でが来たことも2度ほどあったので、
小さめの学科だとこれも割と一般的な方式なのかも知れない。

この食事の目的は主に、
― 応募者が人間としてナイスな奴かを見極める
― どのくらい来る気があるのか見極める
― 配偶者や家族の情報について聞き出す
― 状況によっては専門分野の一般的な知識をちょっと見てみる
ということだと思う。

別に英会話の試験ではないので、
そこまで緊張して消耗する必要はないのだが、
私のような英語ダメダメ日本人の場合の戦略として
お勧めなのは、予め、ネタをたくさん用意しておくことだ。
例えば、私はかつて車が割と好きだったので、
デトロイトにあるWS大で面接を受けた時は車の話ばかりしていた。
事前にWikipediaで地元の情報を調べておけば、
いろいろ出てくるだろうから、
それに合わせ下調べしておけばネタも探しやすい。
住環境などの地元情報について、たくさん聞いても良い。
ただ、あまり強引に持っていくと、
自分勝手な人だと思われる可能性もあるので
そのあたりは注意が必要ではあるだろう。

英語が苦手だからバレないように静かにしておく、
というのは最悪の選択肢だろう。
英語力なんてどっちみち少し話せば分かってしまうし、
単に社交性のない消極的な奴だと思われてしまうと思う。

また、私はウ*ィスコンシ*ンにいた時、
ボランティアの会話パートナーと月に2~3回会って
他愛のない会話をしていたのだが、
普段ひきこもりがちな人(理論分野の人など)は
そういう経験を積んでおくと役に立つかも知れない。

家族関係については、
法律上は選考する側が質問してはいけないことになっているので、
一応自分から申告するのが望ましいだろう。
ただし、どっちにせよ聞いてくることが多い。
家族持ちなのか独身なのか、
家族持ちの場合、配偶者の仕事についてどうするつもりなのか、
ということが説明出来れば良い。

細かいことだが、家族持ちの場合、
大学から出たオファーを断るのにもっとも問題が少ないのは
「配偶者が反対している」という理由
なので、
その切り札を使いたい場合は逃げ道を作っておいた方が良いと思う。
例えば、デトロイトなら、
面接の時は「教育環境が良いので家族にいいと思う」と言い、
断る時は「市内が危険なので配偶者が反対している」と言うことができる。

私は英語があまりしゃれべないのだが、
昨年7回もフライアウトに行ったたくさん会話をしたので
その直後は少し流暢に会話ができるようになった。

タダで英会話の練習ができるというくらいの気楽な
気持ちで行くくらいがちょうど良いのかも知れない。


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ジョブ・マーケット・インタビュー(大学)


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教授の銃乱射

話は全く変わりますが

最近、テニュアが取れなくて銃乱射した女教授がいましたが、日本じゃあまり続報がありません。
よろしければ、現地の反応などを教えていただけますか?

銃乱射

clonidineさん:

最初は銃を乱射して同僚3人が死亡、2人が重体、1人がけが、というニュースだと思いましたが
その後すぐに、容疑者は19歳の時に弟を銃で撃って殺した前歴があるということが報道されました。
この事件は、事故として処理されたそうなのですが、その時、マサチューセッツ州の国会議員経由で
口利きがあったとのことです。しかも、当時の記録は既に破棄されているとのこと。

共犯の夫は大学とどのくらい関係あるのかは分かりませんが同業者のようですね。何年か前に
地元紙に彼女の業績が紹介された時に、夫の名前も一緒に出ていたと書いてあったような。

私もインターネットのニュースで読んだだけですが、グーグルニュースあたりで検索すると
さらに続報などもあるかもしれません。

No title

自分はこういう状況での食事を経験してはいませんが、関係者に限らず食事に一緒に出掛けるというのは疲れるものですよね。経験上、食事中の会話で一番つらいのが、単純に会議室のような静かな場所ではないので相手の言っている事を聞き取ったり、自分以外の人間の会話に着いていけなくなる事でした。

さすがに選考委員との食事だと話しの方向性が固まっていてそう言う事はないんですかね?お店もそれなりに「高級」(=ある程度静か)なところに行くのかもしれないし?

自分は友人(4-5人以上)との食事だと雑談があちこちに飛ぶうえ、周りはうるさい、内輪ネタは入る、ポップカルチャーネタが入る、ボケが入って脱線する、の連続で会話に着いて行くのを諦めたことすらあります。(必然的に食べる作業に集中するので、誰よりも早く食べ終わって更に手持無沙汰になる…と。笑)

食事

食事はノンネイティブが就職面接で一番気を使うところなんですけどね。
みなさん、喰いつきが今ひとつだなぁ。

>単純に会議室のような静かな場所ではないので相手の言っている事を聞き取ったり、
>自分以外の人間の会話に着いていけなくなる事でした。
>
>さすがに選考委員との食事だと話しの方向性が固まっていてそう言う事はないんですか
>ね?お店もそれなりに「高級」(=ある程度静か)なところに行くのかもしれないし?

いえいえ、おおありですよ。話題なんて普通の日常会話ですからね。
バーみたいな雑然としたところでやることもあるんです。
単に選考委員がその店が好きだからとかいう理由で。
レストランだって、うるさいところもありますしね。
人数が多いほど話について行くのは難しいですね。3人くらいならなんとかなりますが。
最初の30分とかは話題も割と分かりやすいんですが、
終りの方になるとほんとにわかんなくなってきます。

ちなみに、香港やシンガポールの面接は
「プレゼンの日を除いて夕食は自分で行って下さい。」
となっていたので観光気分で一人で街を歩き回ってとても楽しかったです(笑)。

香港の食事

アカデミックの分野は知りませんが、ビジネスの世界では香港はOnとOffがはっきりしていて、食事は完全に仕事抜きの人が多いと思います。 当然話題はあちこちに飛び、「友人」と称する飛び込みもあって、慣れるまでは辛いですね。 7時に始めて、延々と食事が続いて、終わったら12時なんてこともままありますし。

例外は昼の飲茶。同業の親しい友人との重要な情報交換の場です。(誰が不渡り出したとか) ここにしばしば呼んでもらえるようになると、仲間として認められた証だと思います。

日本式と勘違いして、昼のミーティングでは挨拶だけで済ませて、夜の食事の場で大事なビジネスの話をしようとして、「商売の話をするのなら帰れ!」と怒鳴られた某社のお偉いさんがいましたね。(笑

ヨコメシはつらいよ

女教授乱射事件の情報、ありがとうございました。アメリカのアカデミアでは大騒動なのかと思ってましたが、そうでもないんですね。アメリカの大学人は、銃乱射に慣れてるんでしょうか?

ヨコメシ(外国語で会話しながらの食事)は今だ苦手です。どうしても話すのにエネルギーをとられるので、食事の味がわかりません。それでも自分の専門分野だったらなんとかなりますが、夫の仕事関係だとお手上げです。同じ英単語が全く違う意味だったりするし・・・(「ベンチレーター」と聞くと、私は人工呼吸器を、夫は換気扇だと考える)。

夫の上司夫妻と食事をしたことがありますが、途中で話題から脱落しそうになりましたが、上司夫人が乳がん経験者だったので、そっちの話題にひっぱって何とか時間を稼いだことがあります。

英会話

issacさん:

いろいろ勉強になります。国によっていろいろ違うものですね。
香港の大学に行ったときは、大学内に結構まともな中華レストランがあって
びっくりしました。

clonidineさん:

やっぱり、知ってる話題に引っ張らざるを得ないですよね。
しかし、あまりやりすぎるとわがままな奴だと思われる可能性もあり
そのあたりが難しいところです。

No title

こういう場で会話できるかできないかというのはジワジワとボディーブローみたいに効いてくるような気がしますね。同僚を選ぶ際には人間としてまともに付き合えるかということも重要ですから、その点一見するとpersonableに見えない人はやっぱり損をしているように見受けられます。すんげー頭キレるし研究のレベルもバッチリだし推薦状も学歴も最高レベルなのに、セミナーとかのトークが思い切りヘタで印象悪くてなかなかテニュアトラックまでたどり着けていない同級生が居ますね。

セミナートーク

>セミナーとかのトークが思い切りヘタで印象悪くてなかなか
>テニュアトラックまでたどり着けていない同級生が居ますね。

そんな人もいるんですか。食事の会話と違って、
セミナーのトークは専門知識との相関が非常に高いような気がしていました。
分野による違いも大きそうです。

プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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