統計学=数学的基礎+モデリング -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日のエントリーで取り上げたように
「統計学は数学か」
というような議論は起こりやすい。

こうした議論が巻き起こる一つの理由は、
人の頭の片隅に、統計学は、現実の世界を完全に正しく説明できていない
という意味で、「厳密でない」という意識があるからではないかと思う。

現実に、例えば倒産のリスクを見積もる統計的なモデルが正しくない
(という可能性が高い)からこそ、銀行や証券会社が潰れたりするわけである。

しかし、これは統計学の数学的基礎の厳密性とは関係がない。
統計学は、
「現象を説明するためのモデリング」
「モデルを説明するための数学(確率論)的基礎」
という2段階に分かれているのだ。

モデルを説明する数学的基礎は、数学的に厳密であり、数学の一部である。
一方、モデリングは、現象を説明するための主観的な近似でしかない。
つまり、
統計学の数学的基礎は、
厳密な数学として切り離すことが可能である。

従って、統計学を数学として研究することも理屈としては可能である。
しかし、統計学の結果は、通常、
「実際に役に立つモデリング」と「その数学的基礎」を合わせたもので
あるべきだと統計学のコミュニティーでは認識されている。
そのため、必ずしも統計学を数学として研究することが
良しとされないのである。
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テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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