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どの大学の公募に応募するか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

アメリカには大学は星の数ほど…というのは大げさにしても、
Carnegie Foundation による調査によれば2年制のところを含めて
約4391校(うち2年生の大学が約1840校)もあるらしい。
もっとも、日本の大学の数は文科省の学校基本調査によれば、
平成21年現在で、大学773校、短大406校で1200校くらいだから、
日米の人口の差を考慮すれば
アメリカの大学の数が滅茶苦茶多いわけではないのかも知れない。

いずれにしても、
普通の人が全ての大学の質を把握するのは不可能なので
公募に出す際は統計的に情報を処理して応募先を選んだ方が効率が良い、
と私は思う。

私が一番簡単で良いと思う方法は、
AAUP (American Association of University Professors)のサイト
Doctoral Institutions (分類:I, 要するに研究大学)
かどうかで判断するというものだ。
何故かというと、AAUPというのは要するに大学職員の組合だから
労働環境(研究環境+教育環境)で大学を測るという意味では
一番信頼できると考えられるからである。
この基準だと、アメリカの研究大学は約230校だ。
ちなみにこのデータベースは大学別の平均給与のリストが同時に
ついてくるので、現金な人には便利だ(笑)。
このデータの唯一の問題は、年毎に調査漏れ(恐らく未回答)の大学が
あることだが、2~3年分検索すれば大抵は出てくる。

もう一つの似た方法は、上で述べたCarnegie Foundation による調査の
データベースをダウンロードして、
大学分類が15~17(研究大学)のところを選ぶというもの。
レベルは、15、16、17の順に高く、
日本人が知っている総合大学は大抵、分類番号15である。
この分類の問題点は、PhDの排出輩出人数で大学を分類しているため、
一部の学部が大きめの博士課程を持っていると、
普通のティーチング・カレッジでも研究大学に分類されてしまうことだ。
実際、この定義ではアメリカの研究大学は280校くらいある。
実は私はこの基準で出願したら、
リベラル・アーツ・カレッジから面接のオファーが来てしまい、
行ってみたら全然研究とかする環境ではなかった、という苦い経験がある。
特に分類17のところはかなり微妙なのでAAUPのサイトで調べた方が良い。

ところで、なぜ研究大学にこだわるのかというと理由は3つくらいある。

一番大きな理由は、アメリカの4年生の大学は大雑把に分けて、
1. 教員が学期中に研究と教育を50%ずつやる研究大学 と
2. 教員が学期中は教育に100%エネルギーを傾けるティーチングカレッジ
の二つに分かれているからだ。
数学系だと、
フルタイムの授業コマ数は週12時間(3~4科目)(*1)
というコンセンサスがあって
研究大学ではその半分の週6時間(2科目)
というコンセンサスがある。
それ外の方式をとる大学は少ない(*2)。
トップクラスの大学とかビジネススクールのようにお金のある学科だと
週3~4.5時間(年間で3科目)くらいのところもあるが
それはいわば特別な感じだと思う。
州立の統計学科は貧乏なので週4.5時間なのは
私の知る限り University of North Carolina-Chapel Hillくらいだ。

二番目の理由は、ティーチングカレッジだと、
人事評価が教育で決まってしまうから
「純日本人にはちょっと不利なんじゃないの?」ということ。
もっとも、ティーチングカレッジは相当な人材難の模様なので
そんなに気にすることもないかも知れない。

三番目の理由は給料が良くないことである。
数学系だと、ティーチングカレッジの助教の給与は
税込で年5万ドルくらいなので
税金が高いことや車が必要なことを考慮すると
独身でないと長期間やっていくのはかなり厳しいだろう。

というわけで要点は、
アメリカの公募に出すとき
超優秀な人はアイビーとかUCBとか有名な大学だけ出せばいいけど、
そこまで自信がない人は、
エクセルとかで公募を分類して条件に合った所は
サクサク全部出しちゃいましょう、
ということだ(*3)。


(*1)
実際には、50(分)×3(回)×4(科目)みたいな感じ。

(*2)
ちなみに私のいる学科はそれが週8時間なのだがこれは特殊なケースだ。
もっとも、教える科目の大半(7割程度?)が教養科目なので
教育負担は週6時間のところとあまり変わらないかもしれない。)

(*3)
もちろん、アラスカは嫌だ、とかいうのはアリだと思う。
私はいわゆるディープ・サウス(アラバマ、ミシシッピー、ルイジアナ、アーカンソー)
はあまり気が進まなかったけれど、結局応募はしたし、面接のオファーが来たら
きっとホイホイと行ったと思う。友人がアーカンソー大に就職したが
別に不満はないようだ。むしろデトロイトより良いかも知れないw

ブログ内の関連記事:
アメリカの大学教官の給料事情
アメリカの大学ポストへの応募
電話インタービュー from 某大学
大学の公募のスクリーニング
ジョブ・マーケット・インタビュー(大学)


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アメリカでの公募情報の探し方

アメリカの大学への職探しは、公募情報が日本のJREC-INのように統一されていません。 学会や雑誌のサイトのチェックの他、自分の専門分野のメ...

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人材紹介会社

大学への応募は人材紹介会社の通さずに直接応募していますが、
人材紹介会社を利用しなかった理由はなにかありますでしょうか?

人材紹介会社

元SEさん:

大学への求人を人材紹介会社を通して探すという話は聞いたことがありません。言われてみると何故無いんだろう、という気もしますね。専門性が高すぎて、コンサルタントが人材を評価することができないからでしょうか。分野ごとに著名な研究者を20人くらい集めてみんなで審査すれば普通の大学のスクリーニング能力を上回るような気はしますが、そこまでやるのは難しそうです。

経済学や数学など大きな分野では、1月の学会で求人側と求職側を一同に集めて個別に面接を行うようですが、それでも個別の面接が基本になっています。しかし、2人程度の面接官が各候補者を20-30分面接したくらいでは、なかなかスクリーニングは難しいようです。

民間の求人に関しては、人材コンサルティング会社を通して探すことも可能です。例えば、統計学会(JSM)にはたくさんの企業と共に、人材紹介会社も来ていました。ただし、PhDの場合は分野などが限られていますので学会の就職サイトなどから企業に直接コンタクトする方が効率が良さそうです。友人の間でも紹介会社を使ったという話は聞きません。

No title

AAUPのサイトは知りませんでした。情報どうもありがとうございます。

AAUP

毒の助さん:

やっぱり、職探しする時は労組系の情報が重要だと思います。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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