労働条件の交渉は有利な時に押そう -- このエントリーを含むはてなブックマーク

少し前に「労働者の権利は義務でもある」という記事を書いたら
思ったよりたくさんの反応を頂いた。
これは日経の記事がきっかけだが、
こうした問題について考えさせられることは度々ある。

例えば、日本で大学生だった頃、友達同士でスキーに行こう
という話になってこんな話になったことがあった。

私  「じゃあ、3月1~4日の3泊4日でどう?」
友人A「バイト先が人手不足で中々まとめて休み取れないんだよなぁ。」
友人B「? 俺、バイトしたことないからよく分かんないんだけど、
    人手が足りないなら休んでもクビにならないんじゃないの?」
友人A「いやー、でも…。」

もちろんAは本当はお金がなくてあまり長い日程に
したくなかっただけかも知れないが、
AもBも本当に親しい友人だったので言葉通りに受け取ることにすると、
時給千円以下のバイトですら日本人は
自分よりも周りを優先していることになる。
こうした体験からしても、日本人の労働に対する意識は
労働市場の流動性のような経済学的な問題だけではなく
根本的に他の国の人と異なるようにも思う。

休んでもクビにならないんじゃないの、
と発言したBはその何年か後、
(日本で)就職活動をして某企業から内定をもらった。
私と同い年なので、かつての超氷河期時代の話である。

採用担当者「内定です。」
友人B  「ありがとうございます。ところで入社後は寮に入りたいのですが。」
採用担当者「確か実家は会社の近くですよね。」
友人B  「はい、そうです。」
採用担当者「その場合、寮には入れないことになっているのですが。」
友人B  「じゃあ、御社には行きません。」
採用担当者「わ、わかりました。入れるようにしましょう。」

もちろん、Bが優秀だったからこそ企業は譲歩したのだと思うが、
大事なのは交渉力が最大の局面で強気に交渉すべきだということだ。
アメリカでは、内定をもらってから契約書にサインをするまでの間に
労働者側のパワーが最大になるというのはすでに常識だ。
内定をもらったら、他の大学や企業に連絡して、
「◯◯から内定が出たんですが」
と言って交渉を始める人すらいるらしい。
Bはそのあたりのことが直感的に分かっているのだと思う。

労働環境改善については、
労働者の意識の問題があるとは言っても精神論だけでは進まない。
交渉を上手く進めるためにどうするか、
ということは考えなくてはならない。

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会話の続き

友人B「? 俺、バイトしたことないからよく分かんないんだけど、
    人手が足りないなら休んでもクビにならないんじゃないの?」
日本人「たわけ!そんなこと言っとったら暇になったら真っ先にクビ切られるぞ」
ですね。(笑)
まあ違うバイト先見つければいいだけなんですけどね。一旦、安住してしまうとなかなか抜け出せないのが日本人の悪い癖ですが。時給800円で働いていて、隣の店で時給900円で求人があっても移れないのが平均的な日本人なんでしょうね。
基本的に転職が悪いこと、みたいな風潮がなくならない限り日本企業の再生は難しいでしょう。

過去と未来

野田一丁目さん:
>暇になったら真っ先にクビ切られるぞ

恩を売れば後でいいことがあるっていうのは、日本人的な考え方ですよね。したたかな人は未来のことだけ考えるので、過去の恩なんてどうでもいいわけですけど。

金融危機の時に、「今アメリカの金融機関を助けておけば、後でアメリカの当局に良くしてもらえる」なんて言ってる人がいましたがほんとに危険な考えだと思います。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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