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グローバル・ソブリンをお勧めするこれだけの理由 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

金融業界にいないほとんどの方はあまりご存じないかも知れないが、
国際投信・投資顧問が運用するグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
(以下、グロソブ)という4兆円もの運用資産を抱える巨大な投資信託がある。
4兆円といえば国民一人当たり3万円以上持っていることになる。
また日本の投資信託市場は、大雑把に言って50兆円くらいなので
このファンドがいかに大きいかが分かるだろう。
こんなに人気のあるファンドには、隠された秘密がたくさんあるに違いない。
そこで、この投資信託の魅力を探ってみよう。


1.高い手数料に裏付けられた運用力

この投資信託を購入するには、1.575%もの手数料が課される。
通常、日本の株式を購入するに必要な手数料は売買金額の0.1%程度だし、
国債であれば大抵手数料はかからない。
しかし「タダより高いものはない」という金言が示す通り、
優れた商品に投資する手数料が高いのは致し方ないであろう。

更に驚くべきことに、このファンドの保有者は
毎年1.3125%もの信託報酬を払わなければならない。
日本の10年物国債の利回りは1.3%だから、
国債市場である程度の金利変動リスクを取った場合の
期待利回りは1.3%程度である。
これを打ち消してあまりあるほど高い信託報酬は
運用会社の自信の表れとも言えるだろう。

なお投資信託の常としてファンド保有する証券の売買手数料は
これとは別に、運用資産から随時支払われているのは言うまでもない。


2.心理学を駆使した顧客満足度向上の仕組み

投資の初心者は、金融商品というのは利益が出さえすれば良い
と思いがちだが、実際はそうではない。
来月から毎月受け取れる配当のようなものは
何年後に返ってくるかどうかも分からない元本よりも
ずっと満足度が高いものなのだ。

あなたが人生に求めるものはお金だけではあるまい。
あくまで、お金を通じて満足感を味わうことが目的では
ないだろうか?
そうした観点から、、
行動経済学と呼ばれるいわば心理学的な手法を駆使して
顧客満足に細心の注意を払う運用会社には本当に頭が下がる。


3.社会貢献1:日本の財政を支える

あなたが、もし運用できる資産があるような富裕層であれば
自分が満足を得るだけでなく、投資を通じて社会貢献できれば
更に望ましいと思うだろう。
その点でも、グロソブに抜かりはない。

通常の日本の金融商品は利益に対して20%程度の税金がかかる。
しかし、自分の利益が出たときだけ税金を払うというのは、
福祉の観点からはやや自分勝手であろう。
金融市場が暴落に見舞われたような時ほど、
社会的弱者は失業や医療費の支払いによって苦しめられるのだ。

その点、グロソブは、毎月の分配金に対する課税を通じて、
損失が出ていても一定額を国に納税する仕組みになっている。
運用会社は日本らしく控えめに「毎月分配型」と謳っているが、
これを前面に出すなら「毎月納税型」あるいは
「毎月社会貢献型」投信と呼べるであろう。
4兆円規模のファンドが毎年4%を分配すれば、
20%の税額だけでも毎年約320億円になる。
そうしたお金は、公共事業、生活保護の支給、公務員の賞与、
不振の金融機関や航空会社の救済などのために
大切に使われているのだ。


4.社会貢献2:世界経済を救う

グロソブが「グローバル」と謳っている以上、
そうした商品に投資するグローバルな視点を持った投資家は、
世界に貢献できれば、と考えるのが自然であろう。
もちろん、運用会社としてもその点は考えているようだ。
それは、世界の金融システムの安定という崇高な理想だ。

このファンドは、つい昨年11月末まで運用資産の4.3%を、
債務危機が囁かれるギリシャに投資していた。ちなみに、
ユーロの中心国であるドイツ国債には1.3%しか投資していないので
ギリシャへの投資は、ドイツへの投資の3倍以上だったことになる。
ちなみにギリシャの経済規模(GDP)は、2009年現在で、
2500億ユーロとドイツの約10分の1だ。
これほど偏った投資には理由があるに違いない。
すなわち、それは巨大なファンドの社会的責務として、
世界経済を無用な混乱に陥れないよう
ギリシャ国債を買い支えるという英断であろう。

もちろん、運用報告書でもこうした金融のシステム安定に
資する姿勢はゆるぎない(以下、引用文):

ギリシャは世界的な景気後退の影響は比較的軽微とみられていましたが、
今年10月の政権交代直後に、旧政権時代に発表された経済統計に
不備があったとして財政赤字見通しが拡大修正されたことを契機に、
財政状況の悪化が指摘されていました。



あたかもこれまでギリシャには問題がなかったような口ぶりである。
私は、この解説にノブレス・オブリージュという言葉を連想させられた。
この後、ファンドは12月16日にはギリシャの全国債を売却したようだ。
これは、A格以上の債券を組み入れるというファンドの方針との
兼ね合いで致し方ない面があったのだろう。

だからといって崇高な理想が失われた訳では決してない。
最新の運用報告書によると、現在では資産を配分しなおし、
スペイン・ポルトガル・イタリアといった、
混乱の続くユーロ圏でも比較的信用力の弱い国に重点的に
投資することによって、その責任をしっかりと果たしているようだ。


5.運用実績をものともしない顧客満足度

肝心の運用実績はどうだろうか?
これは、上で述べた顧客満足のための施策を裏付けるものとなっている。
すなわち、運用実績は過去10年間でベンチマークを25%ポイントも
下回っている。高い信託報酬を持ってしても、この差はせいぜい13%
に留まるはずである。この大幅にベンチマークを下回るパフォーマンス
の下でも、運用資産を数十倍に激増させているのは、もちろん営業担当者
の真摯な姿勢も大きいのだろうが、やはり上記で述べたような
顧客満足や社会貢献を追求する姿勢が評価された証だろう。


6.みんなで渡れば怖くない安心感

ここまで大きなファンドになるとみんなが買っているという安心感もまた
大きなメリットになるだろう。タイタニックは、巨艦であったがゆえに
沈没の間際まで乗客は安心して楽しむことができたという。船が沈むか
どうかは客が決められることではないから、最後まで船旅を楽しもう、
というのは非常に合理的な考え方に思える。

さらに良いニュースは、この投資信託の信託期間が無期限であることである。
万一、一時的に―あるいは永久に―為替差損が出て
あなたの虎の子に傷がついてしまったとしても、
配当を貰いながら幸せな一生を送って
元本は墓場まで持っていけばいいだけの話だ。
近頃、遺産をめぐる骨肉の争いも耐えないが、
資産が少なければそうした心配も起こらない。
そもそも、お金というのは自分で働いて稼いぐものであり、
あなたの相続人がそんなことを心配しているなら
むしろ叱責すべきことだろう。


私は、海外にいるので残念ながらこの投資信託を買うことができないが
日本に住む方々、特に富裕層の方々には是非お勧めしたい金融商品である。
もちろん、あなたの近くに、この投信を買おうとしている人がいれば
わざわざこのエントリーを紹介するまでもないだろう。
「釈迦に説法」という諺がその理由を示している。


追記:

「3.社会貢献1:日本の財政を支える」に関しては、現在、個別元本割れの分配は
特別分配金として非課税になっているようだ。お詫びして訂正させて頂く。
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テーマ : 投資
ジャンル : 株式・投資・マネー

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抗生物質漬けのPIGS債券があなたの投信にも潜む恐怖

ギリシアの財政赤字を発端としたユーロ圏の諸問題。 次から次へと新事実が明るみになり問題がどんどん広く深くなっていってて、追いかけるのも一苦労だ。 もはや問題はギリシアだけに留まらず、ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインという国々も市場

「毎月社会貢献型」投信?

JUGEMテーマ:資産運用  【STAMグローバル株式インデックス】の目線でマネックス証券、楽天証券、SBI証券の毎週の売れ筋投信をウォッチする、<Weekly Ranking>です。(月イチの<それゆけ!STAMグローバル株式インデックス>  もよろしくお願いし

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No title

これは、皮肉と取っていいのでしょうか?

グロソブの元本の毀損率ご存知なのでしょうか?
ブログ最後に推奨するような文章が見受けられますが、これも皮肉でしょうか?
皮肉で書かれているのであればいいと思いますが、本当に推奨されているようであれば
業者の方ですか?(笑

No title

これはどう見ても皮肉です。
業者の方ではないでしょう。(笑)

私は証券会社の高給を支えるほどの
余裕が無いので買いません。

金融の理論?

やっぱりぃ、安い手数料の商品って、信頼できなっていうかぁ、結局、インデックスとか、なーんにも考えてない商品ばっかりですよね。私たち、選ばれた者は(あ、投信を勧めてくれたメガバンクのお兄さんがそういってくれました。「特別なお客様だ」って)高い手数料は払うべきだとおもうんですよぉ。高いっていってもぉ、1.5%でしょぉ?たいしたことないですよぉ。私たち複利での運用とか考えること出来ませんし、理論的にどうとか、そんなの理解できないから関係ないんです。バブルが来たら儲かる、そうでなければ儲からない、そんな考えが染みついてますから。それに難しいことはおいておいて、毎月目に見えるように口座に分配金を振り込んで頂けるでしょ?見えることが大切なんですよ。それに、高い報酬をもらっている高貴なお方が考えに考えて、ギリシア国債なんていうレアな商品に過大なポジションをとる、そんな自分達ならとれないリスクを敢然ととってくださる、そんな男らしい商品を購入して満足です。しかも、他の商品より多めの税金を早く払ってくださるんでしょ?そんな私たちが自分ではできないことを代わりに行ってくださるなんて、す・て・き!(ネタです)

No title

面白いですね(笑)
こういうユーモア好きです。

私には高邁な精神がないので、
おとなしくETFにします。

グロソブ

通りすがりさん:
>本当に推奨されているようであれば業者の方ですか?(笑

もちろん本気です(笑


通りすがり2さん:
>余裕が無いので買いません。

良く考えたら、私も余裕がないので日本にいても買わないかも知れません。


金融の理論?さん:
>選ばれた者
いい言葉ですね。
グロソブを買った方は本当に金融機関に選ばれた方々だと思います。
私は選ばれる自信がありません。


通りすがり3さん:
>私には高邁な精神がないので

もちろんそういう方もいらっしゃって然るべきだと思います。
何だかんだ言っても、投資は最後は自己責任ですので。

No title

元日本の超エリート金融機関勤務だけあって大変重みのある助言ですね。今まで余ったお金はインデックスファンドにぶち込んでいましたが、老後のためにも為替レートが良くなり次第日本に送金して購入しておきたいと思います。social responsibilityまで考えたこんなスゴい投信が日本にあったとは捨てたものじゃないですね。

日米

>こんなスゴい投信が日本にあったとは捨てたものじゃないですね

探していないですが、アメリカにも似たようなのはあるに違いありません。

グロソグ

下記のような意見もあるので、要注意では。

>ユーロ安は、ヨーロッパに行く日本人観光客にとっては有り難い話なのでしょうが、ヨーロッパで収益を上げているキヤノンなどの輸出企業にはマイナスに働きます。

>グロソブなどの投信を持っている方もユーロ安の動向に留意していくことが必要です(ちなみにグロソブはポートフォリオの43%をユーロ圏の国債等で運用。詳しくは『こちら』)。

効率的市場仮説

効率的市場仮説を知っていて、外国為替や債券市場が効率的と考えるのならば誰も買わないでしょうね。
このブログのセンスは素晴らしいですが、効率的市場仮説を知るともっと面白く読ませてもらえそうです。

ある意味爆笑なのですが、僕は昔、OKWaveで数年前にグロソブについては合理性が無い事を書きまくりました。
ですが、「グロソブのプロ」による誹謗中傷によってつぶされました。
でも、正しかったですね、今になって本当にグロソブの危機が現実化しようとしています。
それでも、タイタニックにみんなが乗れば怖くない!?って言う発想でコーヒーを吹いてしまいました。

No title

>「グロソブのプロ」による誹謗中傷によってつぶされました

そんなのいるんですね。私のブログにも来て欲しいです。

No title

はじめまして。
記事のレベルの高い考察にびっくりです。
今までグロソブなどの毎月分配型高コスト投信をバカにしてきましたが、このような魅力があることに気づかないことに心の底から反省させられました。

私は人間ができていないので、社会貢献は考えず、インデックスファンド購入を続けます。

人間

>私は人間ができていないので、社会貢献は考えず、インデックスファンド購入を続けます。

70代くらいになると、人間ができてグロソブを買うような方が増えるのです。

No title

あまりよい皮肉でないと思う。グロソブにより日本経済が被っている損失は甚大だ。この資金が日本株に向かえば,日本の若い世代にどれだけ助けになることか。

No title

6pb.info さん:

甚大だからこそ皮肉が成り立つとも言えますが…。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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