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米国の住宅購入者に対する補助金 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

サブプライム危機後に住宅市場が冷え込んだため、アメリカ政府は2008年4月9日から初めての住宅購入者に対してFirst-time Home Buyer Tax Credit という名目で8,000ドル(但し住宅価格の10%が上限)の補助金を支給している。この法案は2度に渡って延長され、今年4月末までに契約し6月末までにクロージングした人は、この優遇を受けられる。細かい支給要件は、米国歳入庁(IRS)のサイトなどで確認して欲しいが、基本的には米国で連邦所得税制上で居住者になっていれば受け取れる。

この優遇策は、低価格帯の住宅市場を下支えするためには一定の効果があったようだが、景気刺激の費用対効果を考えると、あまり合理的な政策とは言えない。なぜなら、住宅購入というのは単なる資本取引なので、それを活性化したところで生産はほとんど増えないからだ。価格の下支えにしても、長期的には不動産価格はその生産性で決まってしまうので、今回のようなマグニチュードが大きな不況では、総生産を回復させることに主眼を置くべきであるように思う。

カリフォルニア州がこのTax Credit を州として延長したので、Calculated Risk (*1) というブログで「カリフォルニアには財政危機は存在しないようだ」と揶揄されている。

現在のアメリカの状況を踏まえると確かに不動産市場の活性化は必要であるが、そのためには賃貸住宅居住者を含めた住宅市場全体の問題として捉える必要があるだろう。あるいは景気対策としての側面に力点を置くなら、建て替えやエネルギー効率向上のためのリフォームなど波及効果の高いものに集中的に資源を投入するべきだ。

健康保険法案が概ね決着して徐々にこの法案の延長の可否に関心が高まっているが、政府に合理的な政策を考える時間が残されているならば、住宅市場の活性化策は別の形で行われるだろう。

(*1) このブログは基本的に悲観的な記事が多く書かれているように思う。
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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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米国の住宅購入者に対する補助金

SF在住の不動産投資家のものです。First Time Home Buyer Tax Creditですが、昨年の11月くらいまではかなり効果的でしたね。しかし、12月からの延長後は、数字的にはいまいち騎乗していないですね。大雪だったり、もともと1、2月はもともと閑散期という事情もありますが、3月・4月の結果見ることが重要だと思います。それで、ただ需要を前倒ししてしまったか、潜在需要を掘り起こしたのがが明らかになると思います。

加州の独自のTax Creditですが、あれは言語道断ですね。新築業者の保護のため割高な新築物件を売りつけよう、というもくろみがかなり明らかです。

No title

Genさん:
はじめまして。投資家の方なんですね。好条件の物件が1日とかで売約済みになるのを見る度に「貴様、投資家だな!貧乏人の住居を気安く買いあさるな!」と思ってしまいます。あ、つい熱くなってしまいました。すみません。

>需要を前倒ししてしまったか、潜在需要を掘り起こしたのか

理論的には恒久的なインパクトは
「一生親元で暮らそうと思っていた人がTax Creditに刺激されて家を買った場合」
だけですね。


プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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