アメリカに留学したらお金を稼ぐべき -- このエントリーを含むはてなブックマーク

私の友人にS君という人がいる。ちなみに日本人ではない。
彼の実家は祖国ではとても裕福らしくW大M校に私費で留学してきた。
財政援助の約束なしで入学してきたほとんど全ての大学院生が
必死になってアシスタントシップの仕事を探し
見つかった後は仕事と勉強の時間のやりくりに四苦八苦する中、
彼はすべての時間を勉強に使うことができた。
そうした実家の援助によって
彼はストレスの少ない留学生活を送ることができたと思うが
彼の英語力は一向に上達しない。理系の留学生は、
日本人に限らず英語が苦手な人が多いが、
TAをやりアメリカ人の学生に文句を言われながら
少しずつ英語が話せるようになっていく。
そうしてどんなに英語が苦手な留学生も3年目ごろには
とりあえず最低限の英語が使えるようになる。
彼はそんな貴重な機会を逃してしまった。

これはS君に限った話ではないだろう。
裕福な家に育った留学経験のある日本人の政治家が
英語を話せないのを見るたびに
どんな留学生活だったのだろうと私は思いをめぐらす。


私がW大M校にいた頃、TAもRAもInstructorもやったが
どれもかなりの時間をとられ、この時間を全て勉強や研究に
使うことができたらどんなにいいだろう、と何度も思った。

もしかして、家族がいなくて経済的に余裕があれば、
いくつかの仕事を断ったかもしれない。
しかし今となって思うことは、そうしたバイトのような
仕事でも全て経験となって将来に活かされているということだ。
どんな些細なことであっても
お金を稼ぐという事は社会に貢献するということである。
未知の国でお金を稼ぐということはかけがえのない経験になる。

確かに、お金をたくさん払えば良い学校に入れる可能性は
高まるしたくさんの自由時間も手に入れられるが、
本当に貴重な経験はお金を稼いで初めて得られるものだと私は思う。
それはTAだったり、研究室の手伝いだったり、インターンだったりする。
あるいは、家庭教師のバイトのこともあるだろう。

途上国からの留学生は貴重な経験を求めて働いているわけでは決してない。
必死でやっているうちに自然に貴重な経験ができてしまうだけだ(*1)。

もちろん日本からの留学生の大半も同じようにやっている。

しかし、もしあなたが経済的に恵まれているとすれば
時間や環境をお金で買えるというメリットがある反面
お金では買えない貴重なものもあるということに注意すべきだ。


(*1)例えば友人のZはカードローンを返済するためにインターンを3ヶ月やった。
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テーマ : アメリカ留学
ジャンル : 海外情報

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No title

締めはMasterCardのCMに使えそうな素晴らしい記事です。

No title

毒之助さん:

留学する際に大事なのは、「お金で買えない価値」と並んで「VISA」というのもありますね。

No title

いつも更新を楽しみにしています。
今回は特にコメントの返しが秀逸ですね!

No title

彩さん:

ご愛読ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

No title

授業、レポート、教授や他の人との議論の中で、英語力が上達することは無いんですか?

No title

>授業、レポート、教授や他の人との議論の中で、英語力が上達することは無いんですか?

サービスを受ける時に必要とされる英語力とサービスする時に要求される英語力は
やはりかなり違うように思います。また例えば院生同士の会話はバックグラウンドが
同じなのでやりやすいですが、学部生は全く違うので、より表現力が試されるという
のもあります。

ごぶさたです

私も全く同感です。
お金をもらっているから、真剣にやらざるを得ず、その結果、色んな意味で成長しますし。
「苦労は買ってでもしろ」というが、実は「お金をもらって苦労すべし」が正しいんじゃないかと最近思います

No title

>「お金をもらって苦労すべし」が正しいんじゃないかと最近思います

お久しぶりです。おっしゃる通りだと思います。
そういえばLilacxさんもTAをやってましたよね。
MBAの学生はインターンを除くとそういうことをやっていない
人が多い印象もあります。

No title

"未知の国でお金を稼ぐということはかけがえのない経験" は、その通りだと思います。

しかし、”未知の国”で給与をもらえるほど、逸脱した技能をもつことは、語学留学の学生には簡単ではありません。

私もアメリカでの大学生(超貧困且つ英語下手)時代は、自分の売れる技能が数学しかなかったのでcalculusなどのTAをしてなんとか生活していました。解答を探すことに必死なアメ人学生が、私のcarucurusを必死に聞いてくれたおかげで、英語はずいぶん上達したと思います。多くの周りの日本人は英語がそれなりにできていても、日本食料理店でホステスとして働いていました。そこでは半分以上の会話が日本語でなりたち、そこはもう”未知の国”ではなく”日本”だったと思います。アメリカでは英語がしゃべれることは当たり前です。日本人の”ちょっと英語できるぜ”レベルだけでは”未知の国”の労働市場でcompetitiveになることは難しいと思います。

No title

Yumiさん:

アメリカで仕事をしていく上で、究極的には英語はあまり関係ないのでは
ないかと思います。イチローなんか今でもあまり話せないっぽいですし。

>日本食料理店でホステスとして働いていました。

デトロイト周辺は、ネガティブなイメージや気候の問題などがあり日本人
駐在員が多い割にホステスとして働ける日本人女子大生の数が少なそうです。
そういうお友達がいたら、デトロイトに来るように説得してあげて下さい。
5人くらい集まったら、スナックを立ち上げたいと思います。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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