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英訳がしっくり来ない時は似た内容の英語のページをコピペしよう -- このエントリーを含むはてなブックマーク

Lilacさんが「英語で通じないと思ったときは「説明的に」考えるのがコツ」
と題して、普段英語を話すときに気をつけてることを紹介している。
興味がある方は元記事を読んでいただくとして、
この記事を私なりに解釈すると、
「内容を日本語ではなく一旦メタレベルに引き上げて解釈してから
その意味に近い英語の文章を作る」
ということになる。
この考え方はとても実践的だ。
そもそも、各言語において特定の単語はかなりいろいろな意味に使われるし、
二言語の単語は1対1に対応していないことから、無理に直訳しようとすると、
本来伝えたいこととの乖離が大きくなるリスクが大きい。
その点、意味ベースに一旦引き上げておけば、ある程度の誤差が生じても、
乖離は許容範囲内に収まることが多い。

しかしこうした考え方は、ある意味、
辞書などにアクセスできない状況下での
サバイバルの方法として有効なものであって、
英作文のようにある程度の下調べが可能な場合には
自然な英語の定型表現を探す事も大事だろう。


例えば、以下はN村證券の日本語求人情報ページの文言である。

「待遇:専門性・能力を考慮し、当社規定により決定」…(1)


このページには対応する英語版があり、

"Your compensation will be determined upon your years
of experience, your role and the Firm's policy." …(2)



となっている。
この英文は100%正しいと思うし、意味も明快だ。
むしろ日本語より具体的になっている。

しかし、英語の求人情報をたくさん見たことがあれば
求人情報内での決まり文句として(1)に対応する自然な文言は、

"Salary: Commensurate with experience."


なのではないかと感じるのではなかろうか。

こうした表現を思いつくためには、
意味ベースで考えるのではなく、
実際に英語で書かれた用例を持ってくることが大事だ。
自然な英語表現にはインプットの量が重要なのだ。


例えばあなたが日本の中学の数学教員で、
英語は高校で習って以来使っていないとする。
ある日突然、アメリカ人の中学生が転入してきて
三平方の定理を英語で説明しなければならなくなったとしよう。

まず、あなたはグーグルで「三平方の定理」を日本語で検索する。
出てくるのは、日本語版ウィキペディアだが、そこには
「三平方の定理」が「Pythagorean theorem」であると書かれている。
そこで「Pythagorean theorem」を再度検索すると、
英語版Wikipediaの該当ページに辿り着く。
三平方の定理を説明するのに必要な英語表現は
全てそのページに書かれている。
そこには、辞書を使って入念に説明文を考えるよりも
何倍も正確で自然な表現が詰まっているのだ。
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テーマ : 英語・英会話学習
ジャンル : 学校・教育

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No title

言語習得というのは、いろんな状況における受け答えの脚本を丸覚えして、その中から適当な台詞を使えるよう練習するということでしょう。単語単位で覚えてそのまま直訳すると、どうしてもこなれない表現になります。フランス語から英語にGoogle翻訳させたものですら、フランス語的語順、思考で英語としては(意味は通じるけど)笑ってしまうくらいですから、ましてや日本語から英語のように文法構造も思考回路も大きく違う言語の場合はなおさらでしょう。英語で意思を疎通することはできるけど表現が上達しないという人は、たえず上質の英語をインプットする(上質の英語で書かれた本や雑誌を読む、聞く)ことを疎かにしている場合が多いように思います。

No title

F Friesさん:

コメントありがとうございます。同意です。絶えず上質の英語をインプットするのは大事ですね。僕も気をつけなければ…。

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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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