専攻分野による賃金格差が大きいアメリカ -- このエントリーを含むはてなブックマーク

日本は相変わらず、就職した業界や企業によって賃金が決まって
しまう傾向が根強いが、アメリカは例え学部卒であっても
専門分野によって大きな給与格差が生じる。
アメリカに来ようと思う人は、自分の専門分野によって
どの程度の差が生まれるのかを考えておいた方が良い。

以下の表は、Payscale社が調査した学部卒でフルタイムで勤務している人の
2年後の給料、15年後の給料の中央値を出身学科別にまとめたものである。

Major Starting Salary Mid-career Salary
Petroleum Engineering  $93,000  $157,000
Aerospace Engineering  $59,400  $108,000
Chemical Engineering  $64,800  $108,000
Electrical Engineering  $60,800  $104,000
Nuclear Engineering  $63,900  $104,000
Applied Mathematics  $56,400  $101,000
Biomedical Engineering  $54,800  $101,000
Physics  $50,700  $99,600
Computer Engineering  $61,200  $99,500
Economics  $48,800  $97,800
Computer Science  $56,200  $97,700
Industrial Engineering  $58,200  $97,600
Mechanical Engineering  $58,300  $97,400
Building Construction  $52,900  $94,500
Materials Science & Engineering  $59,400  $93,600
Civil Engineering  $53,500  $93,400
Statistics  $50,000  $92,900
Finance  $47,500  $91,500
Software Engineering  $56,700  $91,300
Management Information Systems  $50,900  $90,300
Mathematics  $46,400  $88,300
Government  $41,500  $87,300
Information Systems  $49,300  $87,100
Construction Management  $50,400  $87,000
Environmental Engineering  $51,000  $85,500
Electrical Engineering Technology  $55,500  $85,300
Supply Chain Management  $49,400  $84,500
Mechanical Engineering Technology  $53,300  $84,300
Chemistry  $42,400  $83,700
Computer Information Systems  $48,300  $83,100
International Relations  $42,400  $83,000
Molecular Biology  $40,200  $82,900
Urban Planning  $41,600  $82,800
Industrial Design  $42,100  $82,300
Geology  $44,600  $82,200
Biochemistry  $39,800  $82,000
Political Science  $40,100  $81,700
Industrial Technology  $49,400  $81,500
Food Science  $48,500  $81,100
Information Technology  $49,600  $79,300
Architecture  $41,900  $78,400
Telecommunications  $40,000  $78,300
Film Production  $36,100  $77,800
Accounting  $44,600  $77,500
Marketing  $38,600  $77,300
Occupational Health and Safety  $52,300  $77,000
Civil Engineering Technology  $48,100  $75,600
International Business  $42,600  $73,700
Advertising  $37,800  $73,200
History  $38,500  $73,000
Philosophy  $39,100  $72,900
Biology  $38,400  $72,800
Microbiology  $40,600  $72,600
American Studies  $40,900  $72,500
Fashion Design  $37,700  $72,200
Communications  $38,200  $72,200
Environmental Science  $41,600  $71,600
Global & International Studies  $38,400  $71,400
Geography  $39,600  $71,200
Business  $41,100  $70,600
Public Administration  $39,000  $70,600
Landscape Architecture  $43,200  $70,300
Biotechnology  $47,500  $70,100
Zoology  $34,600  $68,800
Drama  $40,700  $68,300
Nursing  $52,700  $68,200
Health Sciences  $38,300  $68,100
Radio & Television  $39,200  $67,800
Hotel Management  $37,900  $67,600
English  $37,800  $67,500
Forestry  $37,000  $67,200
Journalism  $35,800  $66,600
Hospitality & Tourism  $36,200  $65,800
Literature  $37,500  $65,700
Public Health  $37,800  $65,700
Liberal Arts  $35,700  $63,900
Public Relations  $35,700  $63,400
Anthropology  $36,200  $62,900
Psychology  $35,300  $62,500
Animal Science  $34,600  $62,100
Sociology  $36,600  $62,100
Human Resources  $38,100  $61,900
Kinesiology  $34,400  $61,600
French  $39,600  $61,400
Multimedia & Web Design  $40,100  $61,200
Photography  $35,100  $61,200
Health Care Administration  $37,700  $60,800
Organizational Management  $41,500  $60,500
Fine Arts  $35,400  $60,300
Humanities  $38,600  $60,100
Sports Management  $37,300  $59,800
Agriculture  $42,300  $59,700
Theater  $35,300  $59,600
Fashion Merchandising  $35,000  $59,300
Medical Technology  $43,800  $59,300
Exercise Science  $32,800  $59,000
Spanish  $37,100  $58,200
Criminal Justice  $35,600  $58,000
Visual Communication  $36,800  $57,700
Social Science  $38,100  $57,200
Art History  $39,400  $57,100
Music  $36,700  $57,000
Graphic Design  $35,400  $56,800
Nutrition  $42,200  $56,700
Interior Design  $34,400  $56,600
Interdisciplinary Studies  $35,600  $55,700
Education  $35,100  $54,900
Art  $33,500  $54,800
Religious Studies  $34,700  $54,400
Dietetics  $40,400  $54,200
Special Education  $36,000  $53,800
Recreation & Leisure Studies  $33,300  $53,200
Theology  $34,700  $51,300
Paralegal Studies/Law  $35,100  $51,300
Horticulture  $35,000  $50,800
Culinary Arts  $35,900  $50,600
Athletic Training  $32,800  $45,700
Social Work  $31,800  $44,900
Elementary Education  $31,600  $44,400
Child and Family Studies  $29,500  $38,400


もっとも高いのは、石油工学、航空工学、化学工学を初めとした工学分野、
続いて高いのが数学を多用する応用数学、物理学、経済学などだ。
逆に低いのは、教育分野、芸術分野、そして神学などの趣味的分野などだ。

世の中に役立つということも重要であるが、
誰でもできる分野の賃金は低くdisciplineが求められる分野の
賃金が高いという傾向がアメリカでは特に顕著である。
Economics (48,800ドル)よりも Business (41,100ドル)の方が
賃金が安いのはそういう理由だろうし、Mathematics (46,400ドル)の
学部卒が、Elementary Education (31,600ドル)より有用だとは
個人的には思えない。学問に王道なしと昔から言われているが、
給料の高い仕事にも王道はないということだろう。

もっとも、医学部進学者の多い biology, biochemistry の賃金が
低いなど、学部卒のみに限定したことのセレクション・バイアス
のようなものは存在しているのかも知れない。

日本についての専攻分野別の賃金水準のデータは見つからなかったが、
実感としてここまで大きな格差はないように思われる。
大学で見につけた高い専門性を利益に結びつける仕組みを
持った企業が少ないのが原因だろう。
そして専門性から利益を引き出せる経営者が少ないのは
経営を行うジェネラリストの資質の問題であると同時に
経営センスのあるスペシャリストが少ないせいでもある。
ジェネラリストとスペシャリストで
責任をなすりつけあってもあまり建設的な議論にはならない。
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テーマ : キャリアを考える
ジャンル : 就職・お仕事

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No title

僕の専攻はこのランキングの上の方にある分野だったのですが、これ長期的に考えるとPh.D.もっている人とあまり変わらないですよね。なんか変なバイアスが入っているのではないかと思ってしまいます。

例えば、音楽を専攻した学生が年収5百万ぐらいの安定した職に就く理由もないですよね。パフォーマンスをしている場合基本的に水商売で、他には学校で教えるとかでしょうし、あとは全然違う分野で働いているのではないかと。

年収を気にする学生は、交絡因子が何なのか探してみるべきだと思います。

No title

毒之助さん:

この表はかなり大雑把な情報しか得られないのは事実でしょう。PhDはアカデミックとインダストリーで分けないと学部・修士とは比較しにくそうです。

No title

相変わらずアメリカのエンジニアの給料を見るとため息が出ますね。。。

まあ、日本の大手電気メーカーは学部卒だろうが修士卒だろうが入社何年目かしか見ていないので、高い専門性を身につけた人材でも腐らせてしまって人材を活かせていないのが問題だと思います。

最近は「雑巾がけ」をOJTと呼びかえて問題を見て見ぬ振りを続けているので、日本の電機メーカーが競争力を取り戻す日はもう来ないのでしょうか。

No title

Ryoさん:

日本の電機メーカーなどは、外資に買収されて経営を合理化したほうが良いかもしれませんね。

No title

僕は参考になりましたね。

アメリカだけでなく、日本でもエネルギーや製薬、金融の平均給与が高いと言うデータはあります。
このデータに例外が含まれているとしても、わが子が高校や大学でどういう専攻を取る、どういうキャリアを積むと考えた時に、割に良い参考になるんじゃないでしょうか。

「現役で国公立に行きなさい。そしたら何とかなる。エリートだ」と言う滅茶苦茶な
親や教師は意外に多いですよ。

No title

名無しさん@ニュース2ちゃんさん:

>日本でもエネルギーや製薬、金融の平均給与が高い

日本は職種じゃなくて業種で給料が決まっちゃう所がちがいますね。
金融機関に勤めてコピー取ったりすると、給料いっぱい貰えちゃう、そんな国です。

No title

工学系が高くて人文系が安いですね。
これからはコンピュータの進歩でますます事務系は自動化や海外へのアウトソーシングが進むでしょうし
ますます格差が広がりそうです

No title

>工学系が高くて人文系が安いですね。

人文系はお金持ちの趣味向けという感じだと私は思っています。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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