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社会保障問題:世代間対立は無意味。分断工作を。 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

高齢化に伴う年金や医療を初めとする社会保障問題は
深刻で基本的には世代間の負担の問題である。
しかしながら、日本では現実的に世代間対立を先鋭化させる
ことによってこの問題を改善することは不可能だろう。


日本の人口動態を見れば、日本の高齢化に伴う社会保障問題が
発生する事は80年代前半から予測できたはずなのに、
これまでに行われた制度の微調整は、年金保険料を上げたり
一部を税方式にして徴収能力を強化したりといった
むしろ制度を肥大化させるものであった。
今後、有権者の高齢化が進めば、世代間の公平性を
上げるための改革は一層難しくなる。

高齢者がマジョリティーになる社会では、
経済問題も高齢者間の利益配分を中心に話が進む。
若年層が世代の利益を確保するには、
この利益配分争いにうまく付け入るしか方法がない。

仮にあなたが年金問題の世代間不公平を
改善させたい社会派の新聞記者だとしたら、
「高齢世代は、将来世代のために応分の負担を」
といった記事ではインパクトが弱く失敗に終わるだろう。

もっと、個別の層にターゲットを絞るべきだ。

例えば、裕福な高齢者の生活を分析し、
こんなにたくさんの年金支給が必要なのだろうか?と問いかけ、
「厚生年金の報酬比例部分の支給は切り下げるべき」と議論を持っていく。
そうすれば、多くの若年層だけでなく
富裕層以外の高齢者の賛同も得やすい。

あるいは、70代で元気に働く高齢者を紹介し、
元気なお年寄りが多い今、65歳で引退する必要があるのか?と疑問を呈し、
生活保護の稼動年齢の基準は70歳にすべき、と持っていく。
仕事確保のため、役所の単純作業を割り振るのも一案だ。
事実上、一部の人件費がタダになるので、
多くの有権者の支持を受けられるだろう。

年金生活者の支出は年齢と共に減少していくことを根拠に
有権者の平均余命より後の部分について年金の段階的削減を提案するのも一案だ。
生活に困窮する場合のみ別の制度で保護すればよい。
生涯の年金収支を生存年数別にグラフにしておけば、
多くの人は「長生きの人はこれだけ得をしているのだから」
と納得する可能性が高い。
身元不明の超高齢者がニュースになった今はチャンスだろう。

健康保険については、例えばタバコの販売をID管理し、
喫煙者の肺疾患は保険でカバーしないといった方法も考えられる。

こうした策略に満ちた社会は寛容性が低下しており
望ましい社会とは言えないだろう。
しかし、硬直化した高齢化社会の民主主義が陥る必然であるように思える。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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No title

制度の個別具体的な改善案は新聞上でも示されてはいますが、
「世代間の不公平」などの抽象的な話とは違い、大衆が理解しに
くいのかなと思います。おっしゃるように、もっと強くメディアは訴え
るべきだと思いますが。

社会保障制度で最も世代間の不公平額が大きいのは年金制度ですが、
家計の所得移転によって高齢者の年金のかなりの部分を現役世代が使って
いるようです。若い世代も近視眼的に年金改革に反対(無関心、黙認)する要因と
なっているかもしれません。根が深いですね・・・

「不公平だ」ではなく、「サスティナブルでない!」ということを、もっともっとメディアに
示してほしい。足りないのは危機感なのでしょう。


No title

>家計の所得移転によって高齢者の年金のかなりの部分を
>現役世代が使っているようです。

一見もっともらしく見えますが、実態は裕福な家の子孫は親の援助で良い暮らしをできる
という貧富が固定化された社会ですよね。これでは解決になっていないと思います。

No title

>一見もっともらしく見えますが、実態は裕福な家の子孫は親の援助で良い暮らしをできる
>という貧富が固定化された社会ですよね。これでは解決になっていないと思います。

失礼しました。私の言葉不足でしたね。
最も深刻な格差は、あらかじめ与えられ、自分では克服できない固定された格差ですから、親の資産が子に影響を与える度合いはもちろん少ないほうがいいです。若者の貧困の一因が世代間格差にあることも認識しています。

私が言いたかったことは、
「民間部門で所得移転があるから、公的部門の格差は問題ない」ということではなく、
こんなに世代間格差・危機的な社会保障財政があるのに社会問題としての扱いがまだまだ
小さいことの理由の推測です。
高齢者の数による政治力(主因)だけでなく、現役世代もかなりの所得移転を受けていて、年金改革などが行われるとそれが減るから、そこまで改革の機運が高まらないのではないかということです。

No title

にしきさん:

おっしゃる通りです。実は現役世代自体が結構分断されているのですよね。

雇用問題にしても似た側面がありますね。若い人も優秀な人は、終身雇用の一流企業に入社してそれなりに良い暮らしをしているわけです。それは能力で入っているので文句はないわけですが、残りの人が「世代間格差」と騒いだところで大したインパクトはないですね。実際、この夏に日本に帰っていろいろな友達に会いましたが、世代間格差を気にしている人などいませんでした。敢えて挙げれば、アカデミックの就職難が問題というくらいでしょうか。

No title

日本のアカデミックポストについてですが、2012年あたりまでは団塊の世代が退職するので余り悲観的な感じはしてません。ただ数学だと地方国立というか旧帝大に準ずるような良い大学でも情報系と統合して数理~学科と名前を変えているので、ポストの絶対数は減っており、特に純粋数学専攻は詰み状態です。逆に応用方面は結構簡単に決まってますね。

No title

axeさん:

なるほど。就職情報ありがとうございます。純粋数学が厳しいのは米国も同様です。私もなるべく需要の多い分野をやるように心がけます(笑)。

分断工作を誰がやるか

社会保障問題の解決は政治の力が必要ですが、
誰がその問題に取り組んでくれるかです。
私は財政再建論を唱える政治家に期待しています。
このままでは、日本の財政は破綻すると唱えてもらい、
社会保障費を抑制してくれることを期待しています。

No title

元SEさん:

財政再建を主眼におくと余計に税収を年金給付に回すという方向に行きそうですが。。。
しかもデフレは給付の実質価値を余計に上げるような気もしますし。。。
個人的には、あんまりいい案だとは思えません。

No title

Willyさん

>実は現役世代自体が結構分断されているのですよね。

そうですね。

ただ、自分は日本の大学院生ですが、雇用に関しての身近な同世代の意識としては、
世代間格差の意識を持っている人が多いです。
「新卒ばっかりで雇用調整しないでよ」とか「上の世代と生涯賃金が違う」とか。
ですが、おっしゃるように、大手に就職した人は世代間格差があったとしてもそこそこの
生活ができるわけですし問題意識は高くないです。一個人としては一生懸命働くしか選択肢はないですしね。

雇用にしても、社会保障にしても実は若者の大半はコンサバティブなんだなと思います。

若者で声を上げたくなるような状況の者はまだまだマイノリティーですが、それがマジョリティーになるのを待つのは論外ですし、なんとかならんのかと思ってしまします。

今の20代だって、「加害者」とか「逃げきり」とか言われてもおかしくはないのでしょう。




No title

にしきさん:

年功賃金の問題はともかくとして、社会保障では団塊ジュニア以下の世代は人口動態からみて逃げ切れないでしょうね。

デフレ圧力が続くうちは財政赤字で社会保障をファイナンスできますが、問題はどこでインフレになるかだと思います。途上国の所得が上昇しグローバリゼーションによる価格下落圧力が弱まるのがきっかけになるのではないでしょうか。

No title

Willyさん

>年功賃金の問題はともかくとして、社会保障では団塊ジュニア以下の世代は人口動態からみて逃げ切れないでしょうね。

そのとおりです。ただ、私の世代は逃げ切れているという意識は全くありませんが(絶対水準からすると悲劇とまでは言えないかな)、その下の世代からするとまだまだ恵まれていると思われるかもしれないということです。

需要の増加によるインフレなら問題はないでしょう。むしろ、インフレにならないとマクロ経済スライドも働きませんし、なかなか社会保障財政は改善できません。利子率が上がるかもしれませんが、その分成長もします。
途上国の労働価格の上昇や、原油等の資源価格の高騰による財の価格上昇の場合は、どのように社会保障財政に影響を与えるかはわかりません。いい面、悪い面がありますので資料に当たらないと私にはなにもいえません。
問題は通貨信用の失墜によるハイパーインフレで、もしかしたら起こるのかもしれませんね。

諸悪の根源の賦課方式ですが、国債の暴落が起こる場合は積み立て方式よりも優れています。賦課方式が怪我の功名となる日が来るのかもしれませんね。残念なことですが。

本題からだいぶそれているのでこのへんで終わりにしますが、何回もコメントありがとうございました。ブログいつも読んでいます。

No title

にしきさん:

いつもご愛読ありがとうございます。

賦課方式は経済を安定させる上で理にかなっているような気がしないでもありません。もし積み立て方式にしたら人口ピラミッドの変化に伴って財・サービスの需給が大きく変動するので、経済が不安定化する可能性がありますね。それが結局インフレで分配が調整されるなら、経済が不安定になる分、デメリットの方が大きいかと。そんなわけで、結局、制度の肥大化を防ぐという事が一番大事なのではという気がします。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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