アメリカ不動産購入記(エージェント選び)
ずっと以前に少し触れたが、
アメリカの中古不動産の売買には、
売り手と買い手の間に二人のエージェントを挟む
という摩訶不思議な制度が存在する。
一人は、売り手側のエージェント(listing agent)であり、
もう一人は、買い手側のエージェント(buyer's agent)である。
「4階から目薬」(4階が買い手、3、2階にエージェント、1階に売り手)
と表現すればその不便さを理解して頂けるだろうか。
しかも、二人のエージェントは両方とも売り手から手数料を貰っており、
売買価格が高いほうが多くの手数料を受け取ることができる
(手数料の合計は売買価格の6%)。
裁判で言えば、原告が原告側と被告側の二人の弁護士を雇い、
原告と被告のどちらが正しいか争って
判決で出た賠償金の額が多い方が双方の弁護士の報酬が高くなる、
というイメージだろうか。
そんなわけで、buyer's agent というのは本質的に
買い手のために働いているわけではない。
ただしエージェントは、
物件情報(multiple listng system)への独占的なアクセス権
を持っていることなどから、
ほとんどの買い手が buyer's agent を使っている。
どのエージェントも同じデータベースを使っているので
情報量にほとんど差はない。
また、物件の下見の際にも、彼らは検査士ではないので
それほど有用なアドバイスができるわけではない。
法律の専門家でもないので、
法律的な知識も大抵はかなり限定的だ。
したがって、エージェント選びにあたっては、
いかに
1.自分の意見を主張せず
2.時間の融通が利いて
3.手続きに詳しく迅速かつ正確な人
を選ぶかということが重要である。
なお、エージェントになるためには、
通信講座を数百ドル払って受講して簡単な試験にパスすれば
良いだけなので、アルバイト感覚でやっている人も多い。
米国人の300人に1人は不動産エージェントだそうだ。
結果的に私は4人のエージェントを首にして、
5人目のエージェントを使って家を買った。
以下、それぞれのエージェントの印象を記しておく。
1人目:
応対は丁寧な女性のエージェント。
しかし、質問に正直に答えない人だったので解雇。
「昨年1年間で何件の物件を扱い、そのうちforeclosureやshort saleは何件か?」
という質問に対する答えが、
「最近、お得な物件は foreclosure や short saleが多いですね。」
であった。
ちなみに、foreclosure 物件を買うと
「前のオーナーの借金を取り立てに来られることがある」
そうだ。
要するに、権利関係が複雑な物件は扱いたくないのだろう。
取り扱い件数を答えられないというのは専業ではない証拠でもある。
2人目:
投資家としても活動しているということで
詳しそうなのでE-mailでコンタクト。
5分でできそうな簡単なMLSのセットアップに2週間を費やす。
下見の依頼をすると、一軒一軒、難癖をつけてきた。
要するに、一応Webに名前は載せてるものの、
基本は自分の売買のためだけにエージェントをやっているらしい、
ということで解雇。解雇されて、本人も喜んでいた。
3人目:
非常に人当たりの良い男性エージェント。年間取り扱い4件。
しかし、とにかくセコく、安い物件を必死にけなしたり、
物件のリストから除いたり、
安いオファーに必死に反対したりして、手続きを遅らせる。
専業だと主張していたが、平日に全く手続きや連絡が進まず
嘘であることが発覚。手続き書類のことも全く理解してない、
ということで解雇。
4人目:
初めて専業のエージェント。年間16件の取り扱い。
仕事はまあまあだが、自分勝手で押しの強い性格。
3人目よりはましだが法的な手続きにも間違いが多い。
法律的な質問をすると「弁護士に聞け」が口癖。
売り手側の重要な情報を私に隠していたこと、
顧客である私にキレたことから解雇。
解雇後「後から手数料を請求する!」と脅してきたので、
「弁護士に相談したほうがいいよ。まあ頑張ってね。」
と助言。
5人目:
専業エージェント。年間16件取り扱い。
法律面はしっかりしているがケアレスミスが多い。
顧客の要望に反対することはなく、礼儀正しいが、
自分の時間節約が優先で対応が遅い。
満足できるサービスではないが、変えるのも面倒なので妥協。
まとめると、
1.せめて専業で手続きくらいちゃんとできる人を選ぶべき
2.ただし、どっちみち多くは期待できない
3.営業成績トップとかのエージェントを選べば良かったのかも
という感じであった。
3人くらいのエージェントにインタビューしてみて
良さそうな人を選ぶのが最終的には時間の節約になるだろう。
インターネットを検索すれば、初めに聞いてみるべき質問が
まとめてある。しかし、仕事を取る時はどのエージェントも
一生懸命なので見極めはなかなか難しいところでもある。
アメリカの中古不動産の売買には、
売り手と買い手の間に二人のエージェントを挟む
という摩訶不思議な制度が存在する。
一人は、売り手側のエージェント(listing agent)であり、
もう一人は、買い手側のエージェント(buyer's agent)である。
「4階から目薬」(4階が買い手、3、2階にエージェント、1階に売り手)
と表現すればその不便さを理解して頂けるだろうか。
しかも、二人のエージェントは両方とも売り手から手数料を貰っており、
売買価格が高いほうが多くの手数料を受け取ることができる
(手数料の合計は売買価格の6%)。
裁判で言えば、原告が原告側と被告側の二人の弁護士を雇い、
原告と被告のどちらが正しいか争って
判決で出た賠償金の額が多い方が双方の弁護士の報酬が高くなる、
というイメージだろうか。
そんなわけで、buyer's agent というのは本質的に
買い手のために働いているわけではない。
ただしエージェントは、
物件情報(multiple listng system)への独占的なアクセス権
を持っていることなどから、
ほとんどの買い手が buyer's agent を使っている。
どのエージェントも同じデータベースを使っているので
情報量にほとんど差はない。
また、物件の下見の際にも、彼らは検査士ではないので
それほど有用なアドバイスができるわけではない。
法律の専門家でもないので、
法律的な知識も大抵はかなり限定的だ。
したがって、エージェント選びにあたっては、
いかに
1.自分の意見を主張せず
2.時間の融通が利いて
3.手続きに詳しく迅速かつ正確な人
を選ぶかということが重要である。
なお、エージェントになるためには、
通信講座を数百ドル払って受講して簡単な試験にパスすれば
良いだけなので、アルバイト感覚でやっている人も多い。
米国人の300人に1人は不動産エージェントだそうだ。
結果的に私は4人のエージェントを首にして、
5人目のエージェントを使って家を買った。
以下、それぞれのエージェントの印象を記しておく。
1人目:
応対は丁寧な女性のエージェント。
しかし、質問に正直に答えない人だったので解雇。
「昨年1年間で何件の物件を扱い、そのうちforeclosureやshort saleは何件か?」
という質問に対する答えが、
「最近、お得な物件は foreclosure や short saleが多いですね。」
であった。
ちなみに、foreclosure 物件を買うと
「前のオーナーの借金を取り立てに来られることがある」
そうだ。
要するに、権利関係が複雑な物件は扱いたくないのだろう。
取り扱い件数を答えられないというのは専業ではない証拠でもある。
2人目:
投資家としても活動しているということで
詳しそうなのでE-mailでコンタクト。
5分でできそうな簡単なMLSのセットアップに2週間を費やす。
下見の依頼をすると、一軒一軒、難癖をつけてきた。
要するに、一応Webに名前は載せてるものの、
基本は自分の売買のためだけにエージェントをやっているらしい、
ということで解雇。解雇されて、本人も喜んでいた。
3人目:
非常に人当たりの良い男性エージェント。年間取り扱い4件。
しかし、とにかくセコく、安い物件を必死にけなしたり、
物件のリストから除いたり、
安いオファーに必死に反対したりして、手続きを遅らせる。
専業だと主張していたが、平日に全く手続きや連絡が進まず
嘘であることが発覚。手続き書類のことも全く理解してない、
ということで解雇。
4人目:
初めて専業のエージェント。年間16件の取り扱い。
仕事はまあまあだが、自分勝手で押しの強い性格。
3人目よりはましだが法的な手続きにも間違いが多い。
法律的な質問をすると「弁護士に聞け」が口癖。
売り手側の重要な情報を私に隠していたこと、
顧客である私にキレたことから解雇。
解雇後「後から手数料を請求する!」と脅してきたので、
「弁護士に相談したほうがいいよ。まあ頑張ってね。」
と助言。
5人目:
専業エージェント。年間16件取り扱い。
法律面はしっかりしているがケアレスミスが多い。
顧客の要望に反対することはなく、礼儀正しいが、
自分の時間節約が優先で対応が遅い。
満足できるサービスではないが、変えるのも面倒なので妥協。
まとめると、
1.せめて専業で手続きくらいちゃんとできる人を選ぶべき
2.ただし、どっちみち多くは期待できない
3.営業成績トップとかのエージェントを選べば良かったのかも
という感じであった。
3人くらいのエージェントにインタビューしてみて
良さそうな人を選ぶのが最終的には時間の節約になるだろう。
インターネットを検索すれば、初めに聞いてみるべき質問が
まとめてある。しかし、仕事を取る時はどのエージェントも
一生懸命なので見極めはなかなか難しいところでもある。
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