アメリカの固定資産税について -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、古いタウンハウスを買ったので
固定資産税(Property Tax) の請求書が届いた。

一般的に言ってアメリカの住宅の固定資産税は日本に比べて高い。
私の住むT市は、周辺の市に比べれば比較的低いほうだが、
大雑把に言って、年額で住宅時価の2.0~2.5%程度となっている。
これを年2回に分けて請求される。

固定資産税額を調べるのはアメリカでは非常に簡単だ。
Zillow のような住宅情報のWebsite に行けば
全米の大多数の家の固定資産税額は一発で検索できるし、
詳しい情報が知りたければ、市のウェブサイトに行って
住所を入力すればすぐに出てくる。

仕組みは整っている一方で、個別の計算は結構いい加減だ。
隣町のB市の物件では、
目と鼻の先のほぼ同じ物件の安い方に8,000ドル、
高いほうに1,700ドルの税額がついていたことがある。
税額が高いと物件価値は下がるので
税率の差は無茶苦茶なことになる。
住民には年に一回、不服申し立てのチャンスがあるが、
高い確率で成功させるには専門の弁護士を雇う必要が
あるそうだ。

日本の固定資産税は消費者にとっては分かりにくい。
例えば、都内に5000万円のマンションを買って
毎年いくらの税額を払えばよいのかすぐには検索できない。
どうも日本の官僚組織は、過程を省いて入力から出力を
直接出す仕組みを作るのが弱いようだ。
大雑把に調べたところによると、
土地については時価の0.2%程度、
建物については新築の場合で時価の0.5%程度、
といったところだろうか。
従って、税額は0.2-0.5%という感じだ。
アメリカのほとんどの都市より安いのは間違いなさそうだ。

例えば、T市で50万ドル(約4,200万円)の家というと
日本の感覚ではかなりの豪邸だが、
実際、光熱費や修理費などの維持費や家具の費用がかさむ上、
年間1万ドル強の税金を払うことになるわけで
実際に東京で同じ価格帯の家に住んでいる人より
かなり裕福でないと住めないのは事実だ。

固定資産税は基本的に市、郡、州の税収となる。
税額の半分強は教育予算として使われ、
残りが市(や郡)の運営費用や公共交通機関に使われる。

税率を上げすぎれば市の経済や不動産価格にはマイナスとなるし、
税額を下げすぎれば教育水準が下がる可能性があり、
やはり不動産価格にはマイナスだ。
ちいさな市の財政を考えるにも
結構高度な判断を迫られているようだ。

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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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No title

>住民には年に一回、不服申し立てのチャンスがあるが、高い確率で成功させるには専門の弁護士を雇う必要があるそうだ。

他州の話ですが、物件を管轄するAssessor's Officeのサイトをサーチして規定の書類郵送、オフィスによってはなんと電話一本で話がつき固定資産税25%減(実話)もありますので、担当者に電話で質問してみて損はないと思います。

No title

そんな話もあるのですね。隣町のB市は税額が高いうえに無茶苦茶なので調べたことがあるのですが、
近隣の3件以上の売買価格を添えて指定された期間(1週間)のうちに出さないといけないようです。地元紙にはなかなか簡単には通らないようなことが書かれていました。

私の買った物件は妥当な(安めの)税額なので出しませんが、高いと思った人は出してみて損はないと思います。

Broker

アメリカの固定資産税率はまず州により異なるので一概にこうだと言い切る事はできない。固定資産税はカウンティーご毎にも若干異なる。私はカリフォルニア州のモントレーカウンティーに住んでいるがここでは住宅を取得した時の価格の1.1%となっている。従って隣同士に同じ様な家があっても買う時期が早く安く買っていれば何年かたって高く買った人とは当然固定資産税が違ってくる。いい加減な訳ではない。

No title

H Wada さん:

一概にこうだ、なんて言い切ってませんよ。
「固定資産税は一概にこうとは言えない」という解説が多すぎて
役に立たないので凡その傾向を示したというのが趣旨です。
だから、zillowなどを見れば分かりますという説明をつけているのです。

>固定資産税はカウンティー毎にも若干異なる。

州によると思いますが、ミシガンではカウンティどころか、
税の大半を占めるのは市税です。従って市によって税率は大きく異なりますし、
同じ市内でも学区が違えば税額は変わってきます。
その税構造によって、お金持ちが集まったり、学区の生徒/教員比率が
決まったりします。

>隣同士に同じ様な家があっても買う時期が早く安く買っていれば
>何年かたって高く買った人とは当然固定資産税が違ってくる。
>いい加減な訳ではない。

時価によって税額が決まらない事は、
例えば土地の有効利用の観点から見て適切でないと思われます。
また、税額、賃料、不動産価格の関係を考慮すれば、
税額が時価によって決まった方が資産価格の変動は小さくできますね。
どういった立場から簿価主義の正当を主張されているのかよく分かりません。

固定資産税の日米比較

固定資産税はアメリカは日本の税額に対して、約10倍みたいですね。 そうすると、自宅のみの住まいで年金暮らし(アメリカの年金がどうなっているか分かりませんが)の人は、固定資産税の支払いで大変ですね。 金持ち父さんは税金対策を十分注意して、家賃収入しているのでしょう。副島氏が言われる固定資産税が払えなくて、自宅売却してトレーラーハウス生活せざるを得ない人は本当に多いのでしょうか。
日本は消費税増税より、少なくとも不労所得の家賃収入になる固定不動産には税率を上げるべきでは。 

No title

キーチャンさん:

固定資産税が払えなくて家を売る人はいるでしょうね。50万ドル(4000万円)の家の固定資産税が年1万ドル(80万円)はするのですから。一般論として土地の有効利用の観点からは固定資産税は高い方が良いでしょう。

ただし、現状から急に引き上げると土地の価格は暴落します。また農地や宗教関係の土地の宅地並み課税の問題も噴出するでしょう。また、米国では高い固定資産税が主に教育や市の公共サービスに使われていますが、これらが地価に連動して決められるのは好ましくありません(不動産バブル崩壊後、米国はこの問題に苦しんでいます)。また、小さい行政単位では税率の引き下げ競争が起りやすく、公教育水準が低下しやすいという構造的な問題もあります。

政策レベルでは、なかなか難しい問題ですね。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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