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【本】日米同盟 vs. 中国・北朝鮮 ~ アーミテージ・ナイ緊急提言 -- このエントリーを含むはてなブックマーク



年末にシカゴのミツワ(日本食料品店)に立ち寄った際に見つけて
面白だと思ってで買ってみたのが、
昨年12月20日に発売されたばかりのタイムリーなこの本だ。

世界情勢は複雑に絡み合っているが故に
私はついつい自分が比較的詳しい経済的な視点で見てしまうことが多い。
そうした中、軍事的な視点から書かれたこの本は、
日本を取り巻く国際情勢を整理するうえで非常に役に立った。

本書は対談形式でまとめられており、
北朝鮮や尖閣諸島、といった喫緊の話題から、日本の民主党の外交、
更には憲法9条や核の傘といった昔から根深い問題まで、
日経のジャーナリスト春原氏が対談をリードする形で、
アーミテージ、ナイ両氏の見解をテンポよく引き出す。

中国が経済、軍事、科学技術と着々と力をつける中、
米中という2つの超大国の狭間で戦略的に
振舞わなければならないのは今後の日本の宿命だ。

共和党政権で高官を務めたアーミテージ、
民主党政権で高官を務めたナイという2人の
知日派の共通のメッセージは(当然ながら)、
日米同盟の強化・発展、さらには韓国など
近隣親米諸国との協力関係の構築によって
中国に対抗するということである。

こうした筋書きは、
長らく日本にとって規定路線であったが、
民主党・鳩山政権の誕生によって大きく後退した。
鳩山由紀夫、小沢一郎らの親中、親アジアの方向性は、
資本至上主義のアメリカと距離を置いて
社会民主主義に近い方向を目指すという
従来の左派とは大きく異なる。
米国政府にいた二人は、鳩山・小沢両氏を
日本の国としての独立性を強化するために
敢えて米国から遠ざかり中国との距離を
縮めようという戦略を取ったと捉える。

しかしそうした民主党の戦略は夢想的で現実感がなく、
具体的な成果がないまま足踏みしているうちに
世界はどんどん先に進み日本と日米関係だけが
置き去りにされていく。
そうした危機感が対談からは読み取れる。

考えてみれば日本の外交戦略は、
護憲や社会民主主義を訴える崇高な小政党や
軍歌とバスのドライブが趣味の極右団体を除けば、
米中両国との距離をそれぞれどの程度に保つか
というバランスの問題である。
確かに、本書でアーミテージ、ナイ両氏が
暗に描く将来像はその中で最も米国寄りの選択肢であり、
それが日本にとって最善であるかどうかは議論の余地がある。
しかし一方で、代案を考えられるほどの時間的、人的な
余裕が日本にあるのかと言われればそれも疑わしい。


本書で描かれたシビアな国際情勢を知れば、
日本には友愛している暇などないということは
全ての読者が納得できるだろう。



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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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