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誰がどこで統計学を研究すべきか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

僕は今は大学で教員をやっていて、
その主目的は「統計学を研究すること」であるのだが
それが自分に向いていることなのか、
そもそも、統計学者は21世紀にも大学で統計を研究すべきなのか
ということに関して自信がない。

数学者、特に純粋数学者に関して言うと、
その社会的役割は比較的明確なように思える。
彼らは、教育と文化の伝承のために大学で教え、
その傍らで数学の研究を進める。
純粋数学者のリソースは大学(もしくはアカデミックな研究所)
に集中しており、彼らを上回る研究リソースを持つ集団は存在しない。
彼らの予算は、基本的には教育予算と国からの文化に対する予算だ。

一方で、
統計の話のネタであるデータは
ほぼ常に大学の統計学者とは関係ない場所で生成され、
それに関する分析需要もその近くで発生する。
統計学者は、それに無理やり素人として首を突っ込み
抽象化可能な部分を抜き出しているに過ぎない。

抽象化した部分が汎用的な知識として分野横断的に
活用されれば非常に有意義だが、
そこまでのイノベーションは非常に難しい。

もちろん、こうしたフラストレーションは統計学分野に限らない。
優秀な化学者が大学で働くべきか製薬会社で働くべきか、
優秀な物理学者が大学で働くべきかNASAで働くべきか、
優秀な経済学者が大学で働くべきか政府で働くべきか、
優秀な医学者が研究に専念すべきか臨床にも力を入れるべきか、
そうした悩みは知的好奇心を持つ全ての人にとって尽きない、
むしろ尽きるべきでないものなのだろう。
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

つ共同研究

統計学の“素人”が統計手法をガンガン使わなければいけない
(例→http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20110213)時代なので
統計的手法のリテラシーを持った共同研究者が欲しい他分野の人間は一杯いますよ

No title

kumoさん:

それは確かにそうですね。
しかし共同研究をどういう風に捉えるかというのは
統計屋の側から見ると想像以上に難しい問題なんです。
「無理やり素人として首を突っ込み抽象化可能な部分を抜き出しているに過ぎない」
と書きましたが、共同研究は下手をすれば
「無理やり素人として首を突っ込み、バイトをしながら時間を浪費しているに過ぎない」
となってしまうことも多いのです。
統計屋は自らをプログラマーのようなスタッフと捉えていないので。

だからむしろ、統計屋は自分の興味のある分野に突っ込んでいって
そこで研究する方が望ましいのではないかと思ったりするのです。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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