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デトロイトの不動産投資は儲かるのか? -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、日本人の方が主催したデトロイトの投資不動産見学会に参加してきた。
参加費無料で勧誘されるわけでもなく、弁護士にいろいろ質問できたし、
色々なタイプのお金持ちそうな人と話ができて
それなりに楽しいイベントだった。

大雑把に言うとデトロイトの不動産投資とは、
5千ドルから5万ドルくらいの一軒家を買って適当に修理し
低(~中)所得者層に月500~1000ドルくらいで
貸すというパターンが多い。

上手くやれば年間のキャッシュフローが
投資の2割くらいになると見込んで、
地元に限らず世界各国から投資家が入ってきている。

低所得者層向けの物件に投資するという方向性は悪くない。
そもそも、家を買う経済力がある人が借りる物件の
利回りが高いわけがないからだ。
それでは、デトロイトの不動産投資が果たしてたして儲かるのかというと、
「現地に住んでいてそれなりの手間を惜しまないことが成功するための必要条件」
というのが私の結論だ。

理由1:物件の見極めが重要

日本なら購入価格が2000万円で賃料が月10万なら
名目利回りは6%…、という計算もある程度成り立つが、
デトロイトではそうした計算にはほとんど意味がない。
買った物件を住める状態にするのにいくらかかるかが一番重要だからだ。
例えば1万ドルで買ってそのまま住める家なら、
月500ドルの賃料で利回りは60%だが、
修理に2万ドルかかれば利回りは20%だ。
住める状態に持っていくことが不可能な家も多々ある。

大雑把に言って全体の約半分を占めると思われる地元の投資家が
現物を見て状態の良い物件から買っていくとすれば、
遠隔地から状態の良い物件が買えるとは思えない。
なお売り手が撮った物件の写真は入手できるが全く当てにならない。
画像ソフトで修正することもできるし、
前回売買された10年前の写真が出る可能性もある。
注意深く写真を見ると、売り手と異なるエージェントの
看板が写真に写っていることもある。


理由2:修理の監督者が必要

正直者の多い日本なら不動産業者に修理を斡旋してもらって修理…、
という方法もそこそこ上手く回るかもしれないが
米国の修理業者は出来上がりをチェックする人が
いなければ真面目にやらない。
例えば、政府系のファニーメイの差し押さえ物件は
修理をしてから売却することが結構多いが、
立ち会ってチェックしないため、
フローリングの床が歪んでいたり、
ペンキが思いっきりはみ出て風呂桶や
キャビネットについたりしている。

また、投資家が自分で修理業者を斡旋できない場合、
管理会社に修理を頼む事になるが
修理業者が管理会社にバックリベートを渡して
不当に高額な修理を行うこともあるようだ。


理由3:不動産売買手数料が高い

不動産の売買手数料は通常、
物件価格の6%程度(双方のエージェントが3%ずつシェア)だが、
デトロイトの不動産は価格が低すぎるため
定額制の手数料を課すことが多いようだ。
手数料は2000ドル程度と特段高くはないようだが、
それでも物件価格に比べれば結構高い。
アメリカの不動産エージェントの免許は数十時間の
オンライン講習と簡単なテストだけで取れる。
実際、不動産エージェントは全米に約百万人いるそうだ。
本格的に投資するならできれば自分でやりたい。

もちろん、現地に良い管理会社を探せばある程度は
そうした点を補うことができるだろうが、
大規模な顧客になって信頼関係を築かなければ
管理会社のインセンティブのコントロールが難しい。
そういった意味で、
集団で投資という今回の主催者の目論見は理解できるのだが、
やはり上級者向けの投資という印象を受けた。


P1070163.jpg

(格安物件の荒れた地下室。配管のやり直しが必要。)

2階 (2)

(同じ物件の2階寝室。壁が変だが低所得者向けなら問題無しか。)
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テーマ : 不動産投資
ジャンル : 株式・投資・マネー

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No title

YSJournalさん:

このブログ知りませんでした。後でじっくり読んでみます。セミナー主催者が私のブログを見るかも知れないのではっきりしたことは書かなかったんですが、投資するかどうかと言えば、まあそういうことです。

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No title

若いときは金が無くて家賃を滞納して大家さんに頭下げて待ってもらいましたけど、アメリカはそういうのどうなんでしょうかね。

No title

>若いときは金が無くて家賃を滞納して大家さんに頭下げて待ってもらいましたけど、アメリカはそういうのどうなんでしょうかね。

5日以上遅れたら50ドル罰金というようなルールは明文化されているんですが、
じゃあ4日以内ならオールOKなのか?とか、1年遅れても50ドルでいいのか?
とか、確かに曖昧なところもあります。

ちなみに、大学の図書館の本も返すの遅れたら罰金というのは結構あります。

No title

>5千ドルから5万ドルくらいの一軒家

これタイポじゃなくてこんなに安い物件あるんですか?

No title

毒之助さん:

リーマンショック後は、価格中央値が6000ドルだった時期もあるくらいですので…。まあ、家というべきか、廃墟というべきか、はたまた「固定資産税を払う権利」というべきかは難しいところですが。

1ドルの家も結構あるので、買って税金を滞納したまま置いておくというのも手だと思います。買い手が現れれば税金を払って売れば良いですし、売れなければ3年間滞納後に没収されますがどうせ元値は1ドルです。しかしその際に自分のクレジット・スコアに影響するかどうかが定かではありません。恐らく、有限会社を作って会社名義で投資する、という形にするのでしょうが、詳しい事は分かりません。

どうも、今回の投資セミナーもそんな案件絡みなのではないかと感じました。ほぼタダで物件を仕入れ、修理費用を上乗せした売買契約を結んでから、滞納された税金を払って修理するのではないかと僕は想像しております。

No title

>1ドルの家も結構ある

不動産投資に疎くて恐縮ですが、これは土地は別でそこまで安くないですよね?

そこまで低くても売れ残るというところに考えさせられるものがあります。将来に少しでも希望がもてる地域ならこんな安いものを買い占めする人がいない方が不思議です。それだけ希望がない、ということなんでしょうね。

No title

毒之助さん:

もちろん土地付きですよ。毎年のProperty Tax が事実上の負債となるので
1ドルでも買い手が付かないことがあります。地域ごと買い占めできれば再開発が
可能ですけどね。実際、再開発されて全く新しい町並みになってるブロックも結構あるんです。
ただ、基本的にデトロイト圏で新築というのはコストがかかりすぎて投資効率は
悪そうです。

No title

すごいね。。でもやる人は儲かるんだろうなぁ

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プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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