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値段をつけるときの割り切り方が違う日米 -- このエントリーを含むはてなブックマーク

先日、デトロイトのコメリカパークで大リーグの
デトロイト・タイガースとシアトル・マリナーズの試合があったので
久々にイチローを見に野球観戦に行ってきた。
大リーグには球団が30前後あり、席料も良い席なら
簡単に50ドルを超えるので日本より安いわけでもないのだが、
マイナー球団の試合でも本当にいつも混んでいる。
日本との一番の違いは、観客層の幅広さだろう。
日本のプロ野球は、野球少年とその父親とか野球好きのサラリーマンが
主な観客だが、大リーグの試合は、赤ちゃんから老人まで男女問わず
あらゆる年齢層の人が大勢でグループになって押しかける。
最近は、フットボールなどに押されているとはいえ、
野球はまだまだアメリカの国技なのだろう。

コメリカパークに行くのは初めてだったので、
駐車場ってどうなってるんだろう?
と思ってググったらでてきた地図がこれだ↓
コメリカ

アメリカでは
利便性によって駐車料金が違うのはよくあることだが
ここまできれいに分けてあると
「やっぱ、この国はお金だよな!」
とある種のすがすがしさすら感じてしまう。

この手の価格差別に対して日本では
なんというぼったくりだ!
というネガティブな反応が見られがちだが、
実際には値段が分かれていた方が消費者にとってもメリットが大きい。


球場が集める駐車料金の総額が同じであれば、
なるべく近くに停めたいお金持ちから、
なるべく安いところに停めたい私のような人間まで
いろんな人の需要を満足させることができるし、
野球場は同じ時間帯に大勢の観客が押し寄せるので
価格を細かく変えておいた方が、
同じところに人が集中せずに交通渋滞を緩和できる。
また、料金にうるさい人ほど事前に下調べをして安いところに
停めるので価格差別にもなる。
ちなみに距離を調べたら一番安い5ドルの駐車場でも
球場入り口からわずか650mのところにあったので、
私は迷わずそこに停めた。

ちなみに、デトロイト空港の駐車料金もいくつかに分けられている。
この空港はターミナルが二つあるのだが、空港の見込み違いのせいか
各ターミナルにある駐車場の収容台数と需要量が比例していないようで、
需要の低い側の駐車料金は一日10ドルと半額になっている。
私が飛行機を使う時は、ほぼ例外なく駐車料金が高い側のターミナル
なのだが、安いほうに停めて空港内のマイクロバスで移動している。
たった10ドルの違いでも1週間程度の旅行なら結構な違いだ。
同じようなことをしている人はたくさんいて、バスを待つ間、
「これが安さの理由だよな…」などとみなぶつぶつ言っている。

ところで、日本の球場はどうなっているんだっけ?
と思って西武ドームの駐車場案内を見たら、
かなりいろんな場所に散らばっているのにも関わらず、
料金は一律1100円だ↓

西武


これでは、忙しい人がぎりぎりの時間に来て
近くの駐車場に停めたりすることはできない。
実際には西武ドームの周りには空き地などを利用した民間の駐車場がたくさんあって、
料金は700円~2000円と場所によってばらつきがあるようだが、
コメリカとの最大の差はそれが明示的になっているかだ。

選択肢が示されていなければ、
価格差別が行われていても消費者の効用は最大化されない。

実際、このあたりのウェブサイトにあるように、
こそっと高い料金をとっているところは何らかの引け目を感じていて、
消費者は便利で高い場所の駐車料金を「ぼったくり」だと感じる、
というのが典型的な構図だ。

日本の消費者も、結局得をするのは自分たちなのだから
もう少しあからさまな価格差別を受け入れても良いのではないかと思う。



野球が終わって球場近くの駐車場に行く友人を尻目に、
5ドルの駐車場まで歩いて行く途中で気付いた。
奴「あれ?ここって2時間まで路駐OKって書いてあるよ。
  どうせそれ以上でも違反とられないよね。」
私「…うーん、でもデトロイトのダウンタウンだし、
  係員のいる駐車場の方が安心なんじゃね…。」
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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

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No title

これよく見たら、東側は西武園ゆうえんち向けの駐車場ですよね。
となると焦点がふたつある状態なのでこれでは価格差別が難しいか煩雑なのでは?

あとこの例だと電車が通っているので、
・なるべく近くに停めたいお金持ち=車
・なるべく安いのがいい人=電車
という価格差別が成立しているような気もします。そもそも西武球団は西武鉄道保有ですから、鉄道をフル活用したい(=自動車という選択肢をあまり示したくない)インセンティブもあるかと。

No title

近い駐車場と遠い駐車場はもはや別商品であり、当然ながら価格も異なるわけで、それを価格差別とするには違和感を覚えます。

「同一の商品を異なる価格で提供する」のが価格差別なのではないでしょうか?


~~~

typoかも?
>コメリカとの最大の差は~

いつも楽しく読ませて頂いてます。

No title

匿名さん:

もちろん、二つの球場は全く同じ状況ではありませんが、
それだけではないと感じます。

talamownさん:

厳密に言えばそうでしょうね。ただ、実際には程度問題ではないでしょうか。
価格差別とは言っても、完全に同一条件で同じ料金を付けられることばかりではなく、
理由をつけて実質同じサービスに異なる料金をつけることも多いわけですから。

>コメリカとの最大の差は~

そのままでOKです。ただ、他の球場でも多かれ少なかれ、
ゾーンによって料金は違います。

No title

価格差別に関して幾つかの研究論文を書いたことがある者です。

> 厳密に言えばそうでしょうね。ただ、実際には程度問題ではないでしょうか。
> 価格差別とは言っても、完全に同一条件で同じ料金を付けられることばかりではなく、
> 理由をつけて実質同じサービスに異なる料金をつけることも多いわけですから。

に関して言いますと、その通りかと思います。紙の上やコンピュータの中でいわば思考実験として考えるような理論分析をするだけなら、単に「同じ商品に対して異なる価格付け」というのが価格差別の定義になります。が、研究室から外の世界に出て(データなどを用いて)価格差別を分析する際には、理論分析が想定するような「同じ商品」というのは見つけるのは難しい。ですので、実証分析で価格差別を考える時は、見た目「同じ」商品なんだけど「費用」は必ずしも同じという訳ではないですよね、という点に着目して、「A(近い駐車場)とB(遠い駐車場)の価格差がAとBの費用の差のみに還元されない時、AとBが価格差別されている」という定義を採用されることが多いというのが私の認識です。

No title

第二種価格差別は価格と共に「質」を変えることで顧客層をソートします。この駐車場の事例はまさに教科書的に考えたとしてもぴったりではないでしょうか。(実証的には第二種価格差別は難しいとしても。)

しかし、この話のメインは最後の「奴」との会話のオチですね。

No title

匿名希望さん:

ご説明ありがとうございます。なるほど、そんな定義になるんですね。

アメリカで自動車メーカーが(SUVを除き)高級車にしか四輪駆動車を
設定しないというのも見方によれば一種の価格差別と呼べそうです。
これをやっていないのはスバルくらいなので、スバルは米国で安定した
人気があります(個人的には好きではありませんが)。

純粋な価格差別としては、メール・イン・リベート(=商品についた
クーポン券を郵送すると小切手が送られてくる)が米国では良く使われ
ますが、あまりに不便なので最近はやや下火になっています。


上の方とは違う匿名希望さん:

どうもです。第二種って名前がついてるんですね。

ダウンタウンのど真ん中に球場があって、試合のある日に
近くに路駐できるとか、デトロイトは本当にあり得ない街です。
まさに、"down" town といった感じでしょうか。
プロフィール

Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。
金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程に留学。
2009年、某州立大数学科専任講師。2010年、助教。2016年、准教授。

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お勧めの本
1.ルベーグ積分30講
―― 統計学を学ぶために。
   小説のように読める本。
   学部向け。


2.Matematical Statistics and Data Analysis
―― WS大指定教科書。
   応用も充実。学部上級。

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