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【本】この国は議員にいくら使うのか(河村たかし) -- このエントリーを含むはてなブックマーク

2~3年前に出た本だが、
名古屋市長・河村たかし氏の「この国は議員にいくら使うのか」を読んだ。

本書は、国会議員や地方議会議員の厚遇ぶり、河村氏がそれに反対してきた経緯、
そして、党内の他の議員から受けた嫌がらせや処分などを紹介し、
欧米先進国と比べて異常に高い議員の報酬制度を糾弾する。

また著者は、「議員に十分な資金を与えれば貧しい人も議員になれて政治が良くなる」
という考えは間違いであると説く。
むしろ待遇が良い事で議員を職業として世襲のように続ける人が増えてしまうし、
自分の待遇を守るために官僚との馴れ合いを生み出したり、
議員になるのが目的で金をばらまくような人が生まれると説明する。

読み終えて感じた事は、河村氏の言うことは正論であるものの、
一方で国の政治のあり方の話としてはインパクトに欠けると言う事だった。

確かに、議会を維持するための費用が財政の大きな負担になっている地方自治体では、
議員の待遇を適正化することには大きな意味がある。
また、議論するべき法案の少ない地方議会の議員は常勤並みの高い給料を払う必要がない、
というのも正論であろう。この点に関してはかなりインパクトは大きいかもしれない。

しかし、国会のように議員にかかる経費よりもむしろ
議員の立法能力の方が問題となっているところでは、経費の削減は、
一般大衆向けのパフォーマンスという側面を除けば主要な問題ではなく、
あくまで待遇を適正化したときに、本当に政治が良くなるのかが肝心だ。
もちろん河村氏は、待遇が目的の人がいなくなり
しがらみがなくなれば民意が反映されて政治が良くなると主張しているが、
その裏づけはまだ十分とは言い難く、実際の効果は未知数である。

氏がその肝心な部分でこれから成功を収めることができれば
政治に与えるインパクトは相当大きくなるので頑張って欲しいところだ。
一方、現時点では「議員報酬を問題にする議員」という異色の少数派として
名前を売っているという面もあり、氏のような思想の持ち主が議会で多数派に
なるということはインセンティブの問題として難しいように思う。

いずれにしても、議員の待遇は庶民の野次馬的な好奇心を煽る話題だ。
こうした話題は、他人の待遇のことだけに下世話になりがちだが、
議員本人が書くことで品位を保つことができている。
お金が好きな人には、興味本位でも楽しく読める本である。

私も、ちょっと議員とかやってみたい、と思ってしまった本であった。

    
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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嫌われ者の役人や政治家に対して

役人連中は、諸悪の根源みたいに言われて来ているが、親の地盤や看板を引くついで殿様気取りでいる政治家の二世、三世どもよりは、多少ましかなとも思う。国会議員の過半数以上は世襲議員という。

No title

智太郎さん:

役人は、公務員試験により、少なくとも世襲はできないですからね。
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Willy

Author:Willy
日本の某大数学科で修士課程修了。金融機関勤務を経て、米国の統計学科博士課程にてPhD取得。現在、米国の某州立大准教授。

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